1次産業の再生こそ 
改正過疎法 全会一致で可決成立

 過疎地域への支援を目的とした改正過疎地域自立促進特別措置法が31日の参院本会議で、全会一致で可決・成立しました。最新の国勢調査(2015年)を元に、新たに20団体を過疎地域に指定し、過疎対策事業債(過疎債)の対象を拡充するなどの内容です。

 過疎債は、過疎で財政基盤の弱い自治体の活性化事業に利用できる地方債。市町村立の専修学校等の整備費が新たに対象となります。

 同法は2000年の制定時から、日本共産党も共同提案者に加わり、改正を重ねてきました。本会議に先立つ30日の総務委員会で、私は「生まれ育った古里や、長く暮らしてきた地域を守りたいという思いは自治の原点・源泉だ。効率化のものさしだけで地方政策を考えるのは正しくない」と指摘。人口減少の根底に1次産業の衰退があるとして「この再生に本腰を入れるのが本当の意味の過疎対策だ」と述べました。

歴史の教訓を忘れることなく、放送の自主自律、政府からの独立を揺るがず貫くことが必要 上田NHK会長に質問 
2017年3月30日 参議院総務委員会

山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 退任した籾井前NHK会長は、就任会見で政府が右と言うことを左と言うわけにはいかないと発言したり、原発報道については政府の公式発表をベースに伝えることを続けてほしいと指示したりするなど、公共放送であるNHKの在り方を理解していない言動を繰り返され、国民の間で公共放送と政府の関係はどうあるべきかが大きな議論となりました。
 そこで、まず高市総務大臣に聞きます。
 公共放送と政府の関係はどうあるべきか。私は、放送法第1条、パネルにしましたけれども、(資料提示)とりわけ第2号、「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。」、第3号、「放送に携わる者の職責を明らかにすることによつて、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。」、これが公共放送と政府の関係の大切な基準になると考えますが、大臣は放送法第1条の意義についてどのように認識されているでしょうか。

高市早苗総務大臣 放送法第1条は、放送を公共の福祉に適合するよう規律し、その健全な発達を図ることを目的として規定するとともに、同条第2号として「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。」、第3号として「放送に携わる者の職責を明らかにすることによつて、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。」などの原則というものを定めております。
 この第2号でございますが、放送法に定める規律の確保はできる限り放送事業者の自主的な規律に委ねられるべきものであるという趣旨で設けられています。また、第3号は、放送に携わる者の職責を明らかにすることによって放送が健全な民主主義の発達に資するようにすることを規定しています。
 これは、戦後、新憲法の下で放送法第1条がこのように制定されました背景としてでございますが、戦前、放送分野を規律していた無線電信法の規定は広範な裁量権を主務大臣に与えており、言論の自由を保障する新憲法の精神にそぐわないことから、民主主義的な考え方に立脚したものとする必要があったということ、さらに、放送の社会的影響力の大きさから、無線電信法に規定する電波の管理の面からの規律のみでは不十分であり、放送の自由、不偏不党、放送の普及などについて規律をする必要があったということなどによると承知をいたしております。

山下よしき 憲法まで触れていただきました。
 上田NHK新会長にも同じ質問をしたいと思います。
 公共放送と政府の関係はどうあるべきか。私は、この放送法1条、これが大切な基準になると考えますが、会長、いかがでしょうか。

上田良一(NHK会長) お答えいたします。
 私も全く同意見でありまして、放送法1条は、放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって放送による表現の自由を確保することや、放送が健全な民主主義の発達に資することなど放送法の目的を定めたもので、放送法の根幹ともいうべき重要な規定であると認識いたしております。

山下よしき 籾井前会長の言動が話題となったときに、問題となったときに、イギリスの公共放送であるBBCの元会長、グレッグ・ダイク氏のインタビューが毎日新聞に掲載されました。パネルにいたしましたけれども、ダイク元会長はこう述べております。公共放送にとって重要なのは政治家を監視することだ。党派に関係なく公正公平に全ての政治家を監視すべきだが、特に権力の大きい政府の監視はより大切だ。そのために公共放送は政府から独立していなければならない。政府と公共放送では目的が違う。政治家や政府の目的は権力の維持だ。権力を握った政治家は、自分たちが権力に居座ることが国益に合致すると考える。それを踏まえた上で公共放送は、政治家の言うことが真の国益なのかチェックすべきだ。民主主義社会において公共放送の役割は、権力への協力ではなく監視だ。民主主義社会において公共放送の役割は、権力への協力ではなく監視、そのために公共放送は政府から独立しなければならないと。
 上田会長に伺いますが、イギリスの公共放送BBCの元会長はこういう認識を示しておりますが、日本の公共放送NHKの会長としてこういう認識おありでしょうか。

上田会長 お答えいたします。
 NHKは、自ら定めた番組基準や放送ガイドラインにのっとり、報道機関として不偏不党の立場を守り、何人からも干渉されない、私は就任に際し、役職員一体でこの原則を貫こうと呼びかけたところであります。
 公平公正を守り、放送の自主自律を堅持する、これが信頼される公共放送の生命線と考えております。そのためには、職員は不断に自らを律していかなければなりません。さらに、放送法に基づく審議機関や視聴者の反響に耳を傾け、放送現場と一線を画した考査システムをしっかりと機能させる、こうした取組を続けることで常に自らを律してまいりたいというふうに考えております。

山下よしき 自律というのはいいんですけれども、私がこのBBCのダイク元会長で問いたいのは、公共放送の役割は権力の監視とはっきりうたっていることであります。この権力の監視が役割だという認識、会長おありですか。

上田会長 NHKのよって立つところは、視聴者・国民の皆様の信頼であります。これが何よりも重要と考えております。この信頼を得るためには、報道機関として自主自律、不偏不党の立場を守り、公平公正を貫くことが公共放送の生命線であることを認識しておりまして、会長の職責をしっかりと果たしてまいりたいと思います。
 今委員御指摘の公権力の監視もジャーナリズムの機能の一つだというふうに認識いたしております。

山下よしき まあ役割の一つだということでありましたけれども。
 この放送法1条にある健全な民主主義の発達に資する、健全な民主主義の発達というのは、権力の監視なくしてはあり得ません。権力の監視がなくなったらこれはもう独裁政治になりますから、放送が権力を監視してこそ民主主義の発達に資することができるようになると思います。
 実際、NHKはこれまで権力を監視する、あるいは政府をチェックする番組を幾つも作ってまいりました。私が印象深く記憶しているのは、2011年5月に放送された「ネットワークでつくる放射能汚染地図」という番組であります。東京電力福島第一原発事故の影響でどれだけの放射能が漏れてどのように地域が汚染されたのか、科学者たちが被害の実態を科学者個人のネットワークを使って計測、分析することにされました。番組を私も何回か見ましたけれども、乗用車に放射線測定とGPSの両機能を併せ持つ装置を積み込んで、福島第一原発の周辺の道路を網の目のように走り回って、一点一点つなぐように計測をしたわけであります。走った距離は3,000キロであります。
 NHKは、震災3日後からこの科学者の活動に同行し、取材をされました。そして、放送された番組では計測で浮かび上がった放射能汚染地図が紹介されたわけですが、それは、政府による20キロ、30キロの同心円による線引きではない、放射能の汚染の正確な分布が目に見えるものとして紹介をされました。また、周囲に比べて放射線量が極めて高いホットスポットで避難生活する被災者の実態も明らかにされました。
 私、当時番組を見てまず感じたのは、こういう研究者がいたのかということと、それからもう一つは、よくぞNHKは同行取材して報道してくれたなということでありました。この番組は、福島で何が起こっているのか事実を伝えることで、国民がこれから原子力発電とどう向き合うべきか考え議論する上で貴重な貢献になるだろうし、これは全人類的にも意義のある仕事ではないかと感じた次第です。現に、この番組は視聴者から大きな反響があって、文化庁芸術祭賞大賞、日本ジャーナリスト会議大賞など数々の賞を受賞されました。
 上田会長に伺いますが、NHKがこういう番組を作り、視聴者から歓迎され、社会的にも評価されていることをどう思われますか。

上田会長 お答えいたします。
 憲法で保障された表現の自由や放送法の規定をしっかりと踏まえて視聴者・国民の期待に応えるのが公共放送NHKの役割だと考えております。また、ジャーナリズムは国民の知る権利に応えることだと認識いたしております。この役割を果たすためには、不偏不党や自主自律の立場を守り、番組編集の自由を確保することが何よりも大事だと認識いたしております。

山下よしき 設問とちょっと違うお答えだったんですけれども。
 角度を変えて聞きますけれども、私は、こういう番組は、政府が右と言うことを左と言うわけにはいかないとか、原発報道は公式発表をベースに伝えてほしいという方針の下ではこんな番組はできないと思うんです。いかがですか。

上田会長 お答えいたします。
 今委員が評価していただきましたように、そういった真実に基づく報道をしっかり守ることが公共放送の役割だと私も認識しておりまして、そういった報道に心掛けるように私も執行を担っていきたいというふうに考えております。

山下よしき 前会長のことにはなかなか言及されないんですけれども、要するにそういうことだと思いますよ。
 憲法との関係については先ほども高市大臣から答えがありましたので、石原経営委員会委員長に聞きます。
 戦後、郵政省電波監理局長として放送法の制定に関わった荘宏さんという方があります。その荘宏さんの著作、「放送制度論のために」という本の中に、国は経営委員会委員の任命のみを行い、その他の人事構成、NHK業務方針の決定、人事権に基づく執行機関に対する監督を全て経営委員会に信託している、NHKはその組織及び人事について非常に強固な自主性、独立性を与えられていることになると、こう述べております。
 石原委員長に伺いますが、私は、NHKに国からの強固な自主性、独立性を保障するために経営委員会がつくられた、この歴史を踏まえて、委員長としての決意を伺いたいと思います。

石原進(NHK経営委員長) お答えいたします。
 NHKは受信料で支えられている公共放送であります。したがいまして、視聴者の期待に応える健全な経営が行われるよう、公共の福祉に関して公正な判断をすることができ広い知識と経験を有する者のうちから、国民の代表である国会の同意を得て、内閣総理大臣に任命された委員による合議体として経営委員会が設けられたものであります。
 経営委員一人一人が国民の代表である国会の同意を得て任命されたという重い責任を深く自覚して、放送法に従い、公共放送NHKが視聴者・国民の皆様の信頼によって成り立つ経営ができるように監督していくことが経営委員会の役割だと認識しております。

山下よしき 要するに、先ほど高市大臣がおっしゃったように、戦前は政府が直接いろいろ指示していたんですね。それじゃ駄目だと、今から言いますけれども。その戦前の反省の上に立って、国が直接介入できないように、国民を代表する経営委員会がNHKを管理監督すると、そのために経営委員会はあるんだということを自覚していただいて任に当たっていただきたいと思います。
 昭和女子大の竹山昭子先生が1994年に書かれた「戦争と放送」という本があります。私もこの委員会で何回か紹介してまいりましたけれども、竹山先生は、太平洋戦争さなかの放送を直接聞いた経験をお持ちです。後書きにこうあります。
 女学校に入った年の12月であった。朝7時のニュース、本8日未明、西太平洋において、アメリカ、イギリス軍と戦闘状態に入れりの大本営発表が響いてきた。このときの驚きはいまだに忘れられない。こんなことをして大丈夫だろうかが、そのときの感慨であった。
 また、先生は終戦の日の玉音放送も聞かれています。私は玉音放送を聞き終わると、一人で靖国神社に向かった。そのときの情景は今もまぶたに焼き付いている。社殿の玉砂利にぬかずいていたのは、ほとんどが私と同年齢の勤労動員の生徒たちであった。
 こういう体験をされた竹山先生が、戦後、東京放送、TBSに勤めた後、教職に就き、書かれたのが「戦争と放送」という著作であります。戦前の放送の実態を示す原典の史料に当たられながら、それから戦前の放送、ラジオ放送に直接携わった方々の声を聞きながら書いた本であります。
 この本の中に次の一節があります。1925年、大正14年にラジオ放送を開始して以来、戦前、戦中の我が国のラジオはジャーナリズムではなかった。ジャーナリズムたり得なかったと言えよう。戦前、戦中のラジオには報道はあっても論評はなかったからである。さらにその報道も、放送局独自の取材による報道ではなく、太平洋戦争下では国策通信社である同盟通信からの配信であり、放送は政府、軍部の意思を伝える通路にすぎなかった。大変重い史実であり、指摘だと思います。
 上田会長に伺いますが、戦前の放送が戦争遂行という政府、軍部の意思を伝える通路にすぎなかったという痛苦の歴史を踏まえて、1950年、放送法の第1条に先ほど述べたようなことが明記された。そういう認識はおありでしょうか。自分の言葉でできれば御回答いただきたい。

上田会長 お答えいたします。
 放送事業者は、放送を通じて表現の自由や民主主義といった憲法上の価値の実現に資することが求められているものと認識いたしております。その実現のために、健全な民主主義の発達に資すること等の目的が放送法1条に掲げられているものと考えております。

山下よしき 戦前の反省、教訓を踏まえてということを聞いたんですが、まあ、もういいでしょう。
 さらに、NHKはそこを深刻に受け止めなければならないということを紹介したいと思います。このパネルは、1942年、昭和17年1月1日、日本放送協会会長小森七郎が、聴取者の皆様へと題する放送を行ったその内容であります。ちょっと紹介します。
 昨年12月8日、我が国がついに多年の宿敵、米英に対し矛を取って立つに及びまするや、我が放送事業もこれに対応する新たなる体制を取るに至ったのであります。番組内容はことごとく戦争目的の達成に資するがごときもののみといたしました。私ども全国五千の職員はこの重大なる使命に感激しつつ、もって職域奉公の誓いを固くし、全職員一丸となって懸命の努力をいたしておるのであります。
 上田会長、ここのところの認識を問いたいんです。要するに、戦争推進の一翼を担わされたにとどまらずに、戦争推進の一翼をまさに自ら担う宣言まで、NHKの前身、戦前の日本放送協会は宣言してしまったということなんですね。この事実、どう受け止めますか。

上田会長 前身の社団法人日本放送協会の時代には、放送内容に対する政府からの指示や検閲などが行われており、こうした歴史的な経緯を踏まえ、戦後民主主義の下で、自由な放送を保障するために放送法が制定され、現在のNHKの形になったものというふうに認識いたしております。

山下よしき 言葉はシンプルでしたけど、私は、その歴史を踏まえという言葉の中に新会長の思いが込められていたというふうに受け止めました。
 私は、NHKで働く人はこの歴史の教訓を忘れることなく、放送の自主自律、政府からの独立を他の放送事業者以上に揺るがず貫くことが必要だと思っております。
 最後になりますが、戦後、新生NHKの初代会長に選ばれた経済学者の高野岩三郎氏は、1946年4月30日に行われた会長就任の挨拶で、太平洋戦争中のように専ら国家権力に駆使され、いわゆる国家目的のために利用されることは厳にこれを慎み、権力に屈せず、ひたすら大衆のために奉仕することを確守すべきであると宣言されました。戦争推進のための権力の道具であったことと決別し、自主自律の公共放送としてのスタートを高らかにうたい上げたものだと思います。上田会長にはこの高野会長の言葉をかみしめていただきながらNHKの経営に当たってもらいたいと、そのことを申し上げて、時間が参りましたので終わります。

ふるさと、長く暮らしてきた地域を守りたい、これは自治の原点、源泉–過疎地域自立促進特別措置法の一部改正案 
2017年3月30日 参院総務委員会

山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 法案を取りまとめられた衆議院の提案者の皆さんに敬意を表したいと思います。
 私は、過疎地域の役場職員、そして住民の皆さんの取組について、私自身がいろいろ歩いて感じていることについて紹介して、提案者の皆さんの御認識を伺いたいと思います。
 もう10年ほど前になるんですが、奈良県南部の山深いところにある下北山村というところを訪ねました。人口は当時で1,200人の村で、ここでどうやって村を維持していくのか、いろいろ政策をつくっておられました。一番の政策の柱は毎年赤ちゃんが10人生まれることを目標にするということでありまして、そのときはほぼ毎年10人赤ちゃんが生まれるということを達成しておられました。雇用の場づくりの研究、村営住宅の建設、それから、都会の小学生を下北山村に招いて山村留学していただいて、その体験を通じて親子で移り住んでくるというような方もいらっしゃるということを聞きました。
 そういうことを一生懸命考えておられるのが村の役場にいらっしゃった、まあ10人ぐらいでしたけれども、職員の皆さんでありました。どうやって地域を守るのか、いかに地域の暮らしを、文化を維持するのか、一生懸命考えている役場の皆さんがいらっしゃるということがいかに大事なのかということを痛感したんですが、提案者の皆さんに、過疎地域における生活、文化等を維持する上での地域の役場職員の果たしている役割について御認識伺いたいと思います。

黄川田徹(衆院総務委員長代理) お答えいたします。
 過疎地域の役場職員というだけではなくて、地方公務員、日々汗をかいて頑張っておると、こう思っております。特にもう過疎地域の役場職員につきましては、ほとんどが、生まれ、育ち、骨をうずめる、そういう人たちだと、こう思っております。
 大変、限界集落とか集落の維持とか厳しい状況にあるわけでありまして、それでも公務員としての部分と集落の構成員の一人として活動するということ、そこが目に見えていると、こう思っております。例えば防犯協会の一員になるとか、あるいはまた消防団員に加入するとか、それから、そういう集落は歴史と文化が連綿と続いているところが多いわけでありますので、地域行事に参加するだけではなくて、それをどうやって伝承していくとか、そういう思いも強いかと思っております。
 実は、私も2万人の市の職員でありました、ここに来るまでは。例えばお正月行事、お正月というと1月1日を思いますけれども、我々にとっては小正月の行事、1月15日。様々ございます。そういう中で裏方として頑張っていく、そういう部分がありますし、私自身も、敬老会、こういう中で余興、出し物がありますけれども、その出し物に出演したという経験もございます。
 地域を支えるのは役場だけじゃないので、仕組みとして集落支援員あるいはまた町おこし協力隊とか出ておりますので、それらをうまく連携させる要の人間もこれ役場職員だと、こう思っております。ますます大きな役割、役場職員にあると、こう思っております。

山下よしき ありがとうございます。
 それぞれお一人お一人皆さん思いをお持ちだと思いますが、今、黄川田議員からお答えあったとおり、地域に住みながら地方公務員として住民と一緒になってその地域をどう守るのかということを一生懸命知恵を出されている、そういう方がいてこそ地域がずっと維持されるということだと思います。
 それから同時に、この間、平成の大合併などでもう合併されてしまった地域もたくさんあります。しかし、そういうところでもやはりふるさとを守りたいという営みは随分やられていると感じます。
 兵庫県の但馬地域というところがあります。谷議員のちょうど御地元ですけれども、ここも10年ほど前に医師不足が問題になりまして、但馬にある九つの公立病院のうち三つをもうベッドのない診療所にしようかという動きが県主導で起こったんですが、そのときに、もう瞬く間に地域ぐるみで自分たちの病院を守ろうという運動が起こりました。梁瀬病院という旧山東町、今は朝来市に合併されておりますけれども、その梁瀬病院がベッド数なしになっちゃったら困るということで、当時の区長会の会長は、命を何と心得ておるんやと憤って、昭和31年に住民が一等地を提供して資金も出して造ったのが梁瀬病院で、そこを潰すわけにはいかないと自ら区長会の会長が大阪に医師の確保に走るとか、あるいは、経営がピンチだと聞けば、町内に号令を掛けて、地元のおらが病院で健康診断を受けるようにとくまなく声掛けるとか、あるいは、もう医師がなかなか国や県に頼んでも来ないんだったら、住民の皆さんが自分の孫を医学部に進学させて医師として戻ってきてもらうようにしようじゃないかというところまで真剣に話合いがされておりました。
 やはりベッド数のある病院がなくなったら、ふるさとに住み続けることができない、子育てができないということでそういう必死の努力がされていると思ったんですが、こういう合併、ここは残念ながらされたところですけれども、されようがされまいが、住民の皆さんが自分たちの暮らしを守り維持したいという思いから様々な取組をされていることについて、提出者の皆さんの御認識、いかがでしょうか。

谷公一(衆院総務委員長代理) 今御指摘の朝来市の山東地域は私の選挙区で、医療の確保ということはそれぞれの地域にとって大変大事なことであります。ですから、そういう思いをしっかり受け止めて行政は対応しなければならないというふうに思っています。御指摘の山東町は、四町が合併して朝来市という、天空の城で有名になりましたが、市になったわけでありますけれども、それぞれ市役所機能、市役所の本庁がない地域においてもしっかり目配りをして様々な支援ということを継続的にしていくことが必要かと思います。
 私も少し前まで政府で復興副大臣あるいは復興大臣補佐官をさせていただきましたが、例えば宮城の石巻、あそこも平成の合併をやりました。石巻の中心街だけを見ては石巻の復興はうまくいかない。雄勝がどうか、牡鹿半島はどうか、そういった旧町のところもしっかり目配りをしながら復興を進め、また地方創生を進めなければならないというふうに思っております。
 現行の過疎法は平成の合併前の単位で指定しておりますけれども、先ほど来御質問の今後の過疎対策を、どういうエリアを、今の市町村のエリアのままでいいんかどうかということも含めながら、今後検討をしていくべき課題だと思っております。

山下よしき 今御答弁あったとおり、生まれ育ったふるさと、長く暮らしてきた地域を守りたい、これは私は自治の原点、源泉だというふうに思います。ですから、効率化という一つの物差しだけで地方の政策を考えることは正しくないということを痛感しております。
 最後、いろいろな努力あるんですけれども、やはり多くの過疎地域では人口減少に歯止めを掛けることができておりません。その根底に共通して一次産業の衰退があると私は感じております。
 これも何年か前に訪ねた和歌山県田辺市、これは田辺市に旧二町二村が合併してつくられたところですが、残念ながら周辺部は人口が減っております。ここの真砂市長さんは周辺部出身の町長さんでもあってそういうこともよく御存じなんですが、市長は、地方が元気になろうと思ったら農林水産業です、一次産業が元気になれば雇用も生まれIターンも生まれるとおっしゃっておりました。
 やはり小手先の対策ではない、林業も含めた一次産業の再生、これに本腰を入れて政策を進めることが本当の意味での過疎対策になっていくんではないかと思いますが、いかがでしょうか。

谷代理 委員のおっしゃるとおりだと思います。過疎地域の多くは農林水産業の振興と深く結び付いている地域でありますので、農業なり林業、畜産業あるいは水産業を活性化する、それで食べていける、そういう地域を目指さなければならないと思っています。あわせて、それだけではなくて、今、半農半Xというような言葉がございますけれども、農業をしながらほかの仕事もやり生活の糧を得る、そういったことが進むような様々なきめ細かな施策も必要かと思います。
 大きな流れとしては、地域おこし協力隊に典型的に見られるごとく、田園回帰の流れというのは今少しずつですけれども起こっていると思いますので、そういった方向が今後もより根付いて大きく広がるように頑張らなければならないというふうに思っております。

山下よしき 終わります。

権力監視は報道の役割 
参院総務委 「NHKと政府との関係はどうあるべきか」NHK会長ただす

 NHKの2017年度予算案が30日、参院総務委員会で全会一致で承認されました。衆院に続き、全会一致での承認は13年度以来4年ぶり。委員会でNHK執行部に質問しました。

 冒頭、籾井勝人NHK前会長の「政府が右というものを左というわけにはいかない」「原発報道は(政府の)公式発表をベースに」などの発言で、公共放送のあり方が大きく問われたと指摘。「放送による表現の自由を確保すること」「放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること」と規定した放送法第1条が、「NHKと政府との関係はどうあるべきか、大切な基準になるのではないか」と問いました。

 上田良一会長は「(第1条は)放送法の根幹というべき重要な規定だと認識している」と答弁しました。

 私は、イギリスの公共放送BBCの元会長が「公共放送の役割は権力の監視」だと述べたことや、NHKも福島原発事故直後の放射能汚染を告発した番組を制作したことを紹介。「籾井氏の方針では、こういう番組はつくれないのではないか」とただしました。

 上田氏は「公権力の監視もジャーナリズム機能の一つだ」と認め、「真実に基づく報道をしっかり守るよう執行を担いたい」と決意を語りました。

 私は、NHKの前身「日本放送協会」が「戦争推進を担った事実をどう受け止めるのか」と質問。上田氏は「そのような歴史的経緯をふまえ、戦後の民主主義的な放送を保障するために放送法が制定され、現在のNHKとなった」と答えました。

地方税法改定案及び地方交付税法等の改定案に対する反対討論 
2017年3月27日 参議院総務委員会

 私は、日本共産党を代表して、地方税法改定案及び地方交付税法等の改定案に対する反対討論を行います。

 冒頭、この委員会の所管である情報公開法、それと車の両輪である公文書管理に関わって、質疑の中でも紹介した私に対する防衛官僚による虚偽説明は、国会質疑が成り立たなくなる重大な問題であることを改めて厳しく指摘しておきます。

 その上で、法案に反対する理由の第一は、民間委託化を進めた一部の自治体のコストをもって全ての自治体の単位費用を算定するトップランナー方式の対象を、これまでの十六業務から十八業務に拡大することです。

 この方式で、2016年以降、1,380億円もの基準財政需要額の減少になっています。総務省は、今後自治体の窓口業務も対象にすることを検討していますが、全国に先駆けて地方税の窓口業務を民間委託している大阪府では、税に関わる個人情報漏えいのリスク、納税者の生活、営業を無視した催告等の拡大のリスクなどが顕在化しています。

 トップランナー方式は、住民サービスの低下、官製ワーキングプアの増大、地方交付税の削減をもたらすものであり、その拡大を到底認めるわけにはいきません。

 第二は、まち・ひと・しごと創生事業費のうち人口減少等特別対策事業費の算定について、取組の必要度から取組の成果にシフトさせることです。

 地方固有の財源であり、財政調整機能と財源保障機能の役割を担い、全国どの地域に住む人々にも必要な行政サービスを保障するための交付税を自治体間の競争をあおるために利用することは許されません。とりわけ、町村の財源削減に大きく影響する点は重大です。

 第三は、地域経済・雇用対策費が削減され、単位費用で見れば住民1人当たり四割削られ、住民生活に欠かせない経費の削減、抑制をもたらす内容となっているからです。

 一般財源総額を62兆2,000億円確保したと言いますが、地方財源を保障するものとはなっておらず、財源不足は22年にわたり、今回も地方自治体に負担をかぶせる臨時財政対策債の発行を延長しようとしています。しかも、公共施設の縮小、統廃合など新たな地方行革を押し付け、公共サービスをますます民間に委ねさせるものとなっています。これでは、住民の命と暮らしを守る自治体本来の役割を果たすことができません。

 委員会でも同僚議員が指摘しましたが、巨額の内部留保を更に増大させている大企業に対する適正な課税など、応能負担の原則に立った税制の抜本的改革で国、地方の財源を確保するとともに、地方交付税の法定率を引き上げることに本気で取り組むべきであります。

 地方税法の改定案については、PPP、PFIを推進するための特例措置や大手電力事業者の廃炉積立金制度創設を前提にした特例措置、外国軍隊への免税軽油の提供に関わる特例措置の創設などが含まれるなどしており、反対です。

 以上、私の反対討論を終わります。

「トップランナー方式」 新たな「行革」押し付け 
公共施設縮小・統廃合など批判 参院総務委員会で反対討論

 27日の参院本会議で地方税・地方交付税法等改定案を自民、公明、維新などの賛成多数で可決しました。これに先立ち、参院総務委員会で反対討論を行いました。

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窓口業務の民間委託危険 
参院委 “情報漏えいも”

 22日の参院総務委員会で、民間委託などでコストカットした自治体の経費水準を地方交付税の算定に反映する「トップランナー方式」によって自治体の「窓口業務」の民間委託が推進される問題をとりあげました。

 私は、全国に先駆けて地方税の窓口業務を民間委託した大阪府の事例を紹介。全納税者の収納情報が閲覧可能な納税証明書の受け付け・作成業務が委託されたことで、税務情報の漏えいのリスクが高まっていることを指摘しました。

 高市早苗総務相は「個人情報保護に配慮が必要と通知している」と答弁。私は「地方公務員には法律上の守秘義務が課されるが、委託先の労働者にはない。大阪府では短期で雇い止めされた労働者から税務情報が漏えいする事件も起きた」と批判しました。

 さらに、大阪府が自主納付を呼びかける「催告」業務の委託企業に納付額の“ノルマ(要求水準)”を設定し、未達成な場合はペナルティーを科していることを指摘。夜間・休日の催告や猶予制度を無視した催告になる危険があるとし、「専門性に基づく分かりやすい説明と親切な対応が求められる。安易な民間委託はやめるべき」と主張しました。