特定国立研究開発法人による研究開発等の促進に関する特別措置法案への反対討論 
2016年5月10日

 私は、日本共産党を代表して、特定国立研究開発法人による研究開発等の促進に関する特別措置法案に反対の討論を行います。
 本法案は、安倍政権による産業競争力強化のための科学技術振興策の一環として特定国立研究開発法人制度を創設し、我が国の研究資源を集中させて、経済成長に資する研究開発の重点化を図るものです。
 この間、大学や研究現場から、引用論文数の減少、研究者の多忙化、研究時間の減少、若手研究者の減少など、我が国の研究開発力の低下が指摘され、特に革新的研究成果を生み出す土壌となる基礎研究基盤の弱体化が懸念されてきました。
 こうした問題の原因は、安倍政権の科学技術政策によって運営費交付金など大学や公的研究機関の基盤的経費を削減する一方で、特定の分野やプロジェクト研究への配分を重点化するなど研究予算の選択と集中が強められ、研究現場を疲弊させてきたことにあります。
 科学技術イノベーションの創出には、萌芽的研究成果を生み出す基礎研究の充実が必要です。削られた基盤的経費を元に戻し、研究者の自由な発想と知的好奇心に基づく研究の充実と研究支援者の処遇改善を強く求めます。
 法案では、特定国立研究開発法人の目標や評価などに財界、大企業の代表が直接参加する総合科学技術・イノベーション会議の関与を強めるとしていますが、目先の研究開発成果を優先する産業界本位の研究開発が重点化されれば、日本の研究開発力の総合的発展を一層ゆがめるおそれがあります。
 法案第4条、世界最高水準の研究開発成果の創出が見込まれない場合は、主務大臣は法人の長を解任することができるとする措置も、研究開発法人の自主性、自立性を奪い、研究者の自由な発想を生み出す環境を損ねます。
 最後に、基礎研究を支える運営費交付金が毎年毎年削減されるその裏で科学技術の軍事利用が着々と広がっていることは、かつて科学技術が戦争のために利用、動員された痛苦の教訓からも、また研究者の自由な発想と知的好奇心に基づいた基礎研究の充実というあるべき姿からも極めて憂慮すべき事態であることを指摘し、討論を終わります。

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日本共産党参議院議員。香川県善通寺市出身。県立善通寺第一高校、鳥取大学農学部農業工学科卒業。市民生協職員、民主青年同盟北河内地区委員長・大阪府副委員長。95年大阪府選挙区から参議院議員初当選。13年参議院議員選挙で比例区に立候補3期目当選。14年1月より党書記局長。2016年4月より党副委員長に就任。2019年7月参議院議員4期目に。参議院環境委員会に所属。日本共産党副委員長・筆頭(2020年1月から)、党参議院議員団長。