現代の治安維持法――共謀罪の創設で、時計の針を逆戻りさせてはならない 
5月16日日比谷野音集会でのあいさつ(動画リンクあり)

 日本共産党副委員長の山下芳生です。

 安倍首相は、秘密保護法、安保法制に続き、共謀罪をつくり、憲法9条を2020年までに変えると宣言しました。首相の言う「美しい国」が、真実を隠し、国民を監視し、海外で無制限に戦争できる国だということがいよいよはっきりしました。

 そんな国を、子どもたち孫たちに残すわけにはいきません。私たちの手で絶対に止めようではありませんか。

 私は、この国には、かつてそういう暗い時代があったことを忘れてはならないと思います。戦前の治安維持法によって検挙された人は6万7千人、起訴された人は6千人にのぼります。共産主義者にはじまって、知識人、市民、宗教者など全国民が対象とされ、もの言えぬ社会がつくられる中で、日本はアジアへの侵略戦争に突き進んでいきました。

 こうした痛苦の歴史があったからこそ、戦後、日本国憲法には、諸外国の憲法には自明のこととして書かれていない「内心の自由」――「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」という条文があえて明記されたのではなかったでしょうか。

 現代の治安維持法――共謀罪の創設で、時計の針を逆戻りさせてはなりません。「美しい国」どころか「恥ずかしい国」にさせてはなりません。

 これまでの短い審議の中でも法案はボロボロです。

 共謀罪の最大の問題は、何を考え、何を合意したか――内心を処罰することにあります。政府は「内心の処罰ではない」「準備行為があって初めて処罰する」といいます。そこで、「花見と犯行の下見はどう区別するのか」と聞くと、金田法務大臣は「ビールと弁当を持っているのが花見で、地図と双眼鏡を持っているのが犯行の下見だ」と真顔で答弁しました。双眼鏡をもってバードウォッチングする人もたくさんいます。外から見てもわからない。結局、内心の処罰ということになるではありませんか。

 「テロ対策」というのもウソでした。政府は「テロ対策であるTOC条約(国際犯罪防止条約)を締結するために共謀罪が必要だ」といいます。しかし、この条約をつくるときに日本政府はなんといっていたか。「テロは対象とすべきでない」といっていた。日本だけでなくG8のほとんどの国もそういっていた。みなさん、TOC条約も共謀罪も「テロ対策」のためではなかった。これもはっきりしたのではないでしょうか。

 「一般人は対象にならない」といいますが、警察はいまでも普通に暮らす市民に目を光らせています。岐阜県警大垣署は、風力発電所の建設に反対する住民の個人情報をこっそり調べ上げ、中部電力の子会社にくりかえし情報提供していました。2年前、私が「重大な人権侵害だ」と国会で追及すると、警察庁警備局長は「通常の業務の一環だ」と開き直りました。こんな警察に共謀罪を与えたら空恐ろしいことになるではありませんか。

 すでにボロボロの法案です。立場の違いを超えた圧倒的な世論で国会を包囲し、廃案に追い込みましょう。

 そして来たる総選挙、野党と市民の共闘を大きく発展させ、戦争する国づくりに暴走する安倍政権を、みんなの力で打倒しましょう。

 日本共産党も、みなさんとがっちりスクラムを組んでがんばることを表明し、連帯のあいさつとします。