辺野古岩礁破砕 巨大ブロック隠して手続き 
【議事録】2015年3月26日 参院内閣委員会質問

○山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 まず、菅官房長官に伺います。
 3月23日、沖縄県翁長雄志知事が米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向けた海底作業を1週間以内に停止するよう防衛省沖縄防衛局に指示いたしました。この指示に従わなければ岩礁破砕許可を取り消すことがあるともしております。
 この沖縄県知事の指示に対して、菅官房長官は同日3月23日午前の記者会見で、この期に及んで、報道されているようなことが検討されているとすれば甚だ遺憾であるというふうに思いますと発言されました。また、同日午後の記者会見で、我が国は法治国家であり、この期に及んでこのような文書が提出されること自体甚だ遺憾でありますと述べるなど、3月23日午前、午後2回の会見、合わせて時間は20分程度ですが、の間でこの期に及んでという言葉を6回使われております。
 ここで言うこの期に及んでというのはどういう意味ですか。

○菅義偉内閣官房長官 まず、翁長県知事の指示についてでありますけれども、本件については、防衛省から、海上作業の停止指示に関するこの文書の内容を検討した結果、アンカー設置、これについては沖縄県は岩礁破砕許可を不要としていたと、また、那覇空港滑走路増設工事等、沖縄県で同じような事案があるわけでありますけれども、本案と同じようにアンカーの設置は岩礁破砕許可手続の対象とされていないと、こうした理由から、沖縄県の指示は違法性が重大かつ明白で、明らかに無効であると、そして、現在行っている作業を中断する理由には当たらない、そういう報告を受けて、私は会見でこの期に及んでと、自分たちが許可を要らないと言って、そして一方の滑走路の埋立工事も同じ内容であって、そっちにも許可は要らないということで行われておるわけでありますからそういうふうに申し述べたのでありますし、さらに、この指示というのは行政処分の体裁を取っていることから、沖縄防衛局では違法性の確認のために農林水産大臣に対して審査請求及び執行停止の申立てを行ったところであります。
 いずれにしろ、まさに沖縄県が国に対して行う行政処分等に対しては法令にのっとって対応すると同時に、海上ボーリング調査等の各作業についても、環境保全に0全を尽くして粛々と行っていきたいと思います。

○山下よしき いろいろ述べられましたけれども、全く私はそれは法治国家として通用しない理屈をたくさん述べられたと思いますよ。
 一つ一つ検証したいと思いますが、まず沖縄防衛局、防衛省に確認しますけれども、沖縄県がアンカー設置について岩礁破砕許可を不要としていたということを官房長官に伝えたということですが、そのアンカー設置に係る許可の事前の協議においてどのような説明をされたんですか。

○山本達夫防衛省地方協力局次長 お答え申し上げます。
 本事業に係る埋立て等の工事に必要な岩礁破砕等許可申請につきまして、沖縄防衛局は沖縄県に対し平成26年7月11日付け文書を提出し、同年8月28日付けで同県から当該申請について許可する旨の文書を受領いたしました。
 また、本事業に係る海上ボーリング調査の実施に必要な岩礁破砕等に関する協議について、沖縄防衛局は沖縄県に対し平成26年7月11日付けで文書を提出し、同月17日付けで同県から当該調査に係る許可は不要である旨の回答を受領いたしました。
 なお、本事業に係る岩礁破砕等の許可等の手続に先立ち、沖縄防衛局が沖縄県に対しアンカーを含むブイの設置に係る手続の必要性について確認をしたところ、同県より他の事例を踏まえれば浮標の設置は手続の対象とはならない旨が示されたことから、その指示に従い、当該浮標の設置について岩礁破砕等に係る許可申請等を行わなかったものでございます。

○山下よしき 他の事例というのは官房長官が言っている那覇空港滑走路増設工事も入っていると思いますが、その那覇空港のアンカーの大きさ、重さ、どのようになっていますか。

○山本次長 那覇空港の浮標の事業につきましては国土交通省において所管をされているところでございますけれども、防衛省として承知しているところでは、アンカーブロックとして10トン以上のブロックの使用はしていないというふうに伺っております。

○山下よしき 昨日、政府とレクチャーしたところ、1トンないし2トンだという回答がありました。
 それでは、この岩礁破砕許可の対象にならないとされたと言われる、辺野古におけるブイの設置に伴うアンカーのコンクリートブロックの重さ、幾らですか。

○山本次長 お答えいたします。
 辺野古におきまして、フロートを伴うブイの個数、当初の計画は33個でございましたけれども、サンゴを避けて設置をするということで29個設置をしております。その重さでございますが、10トン型が1つ、15トン型が1つ、20トン型が19個、45トン型が8個となっております。

○山下よしき 那覇空港は1、2トン、辺野古のブイ設置に伴うコンクリートブロックの大きさは45トンです、最大。そのことを事前の沖縄県との調整の中で、そういうブイを設置する際のアンカーの大きさ、重さ45トンだということを説明、事前にしましたか。

○山本次長 ブイのアンカーの設置に当たりましては、沖縄防衛局が沖縄県と行った岩礁破砕等の協議に関する事前調整におきまして、アンカーを含むブロックの概略図を送付する等の確認を行っております。沖縄県からは他の事例を踏まえればブイの設置は手続の対象とはならない旨の判断が示されたことからも、同県は同種の事案につきまして相応の知見はあるものと認識をしております。

○山下よしき 答えなさいよ。重さをちゃんと言ったのかということを聞いているんです。あなたが今示したブイの図ですよ、これですよ。ブイの大きさは大体1メートルぐらい。そこから細いひもみたいなのは鎖でしょうか、つながって、その下におもりがあるという図ですけど、これどう見たって45トンには見えませんよ。45トンのおもりをここに付けるんだと事前に計画はもうされていた、このときには。それをちゃんと沖縄県に伝えたんですか。

○山本次長 お答え申し上げます。
 ブイの具体的な重さについてはお示しはしてございません。ただし、今申し上げましたように、同県は同種の事案につきまして相応の知見はあるものと認識をしております。また、沖縄県からは事前調整におきまして、アンカーの設置が一定の規模以上であれば岩礁破壊行為に当たり得るとの御説明はなく、かかる基準が同県より示されたことはなかったものと承知をしております。

○山下よしき なかったから言わなかったんですか。隠したんじゃないですか。言っていないんでしょう、官房長官。事前の同種の事業、那覇の滑走路増設、空港の、それと同じアンカーじゃないんですよ。45トンのコンクリートブロックを沈めているんですよ。そのことを事前に説明しなかった。だから、当然こんなサンゴを破壊するような、大きな岩礁を破壊するようなことにはならないだろうと思ったから許可の対象にしなかったんですよ。そこに全然そごがあるじゃありませんか。

○菅官房長官 今事務方から説明をしましたけれども、図面を送付するなどして確認を行った、そして沖縄県からは、他の事例を踏まえればブイの設置は手続の対象とならない旨の判断が示されて、その際にも、アンカーの規模が一定以上であれば岩礁破砕行為に当たる、そうした説明はなく、岩礁破砕許可が必要となるアンカーの規模の基準が同県より示されたことはない。ですから、ある意味では当然のことじゃないでしょうか。

○山下よしき 本当にそんなことが通用すると思っているんですか。沖縄県に対して45トンのことを言わずに、知らない側がそんな大きなものは駄目だなんて言うはずないじゃないですか。当たり前じゃないですか。全然答えになっていないですよ。本当にそんなことでいいのか。
 なぜ翁長知事が今回このような指示を出されたのか。もう至極当然ですよ。そういうことを事前に報告されずに、実際やられていることを見たら何が起こっているかということなんですよ。
 コンクリートブロックの投下の許可区域外ですよ、45トンないし大きなブロックが沈まっているのは。私はこの間予算委員会で、そのブロックがサンゴ礁を潰している写真を示しました、総理にも官房長官にも。そういうことが許可区域外で許可なしに、それは、許可がなかったのは認めたからじゃないんですよ。許可が要るような大きなものが沈められることを認識していなかったから。ところが、許可なしにそういう大きなものが沈められて、サンゴ礁、岩礁破壊が行われている蓋然性が高いとして、改めてちゃんと調べなければならない、沖縄県としてですね。したがって、沖縄県が実施する調査の終了まで作業を停止するよう指示したと。当たり前じゃないですか、これは。
 県の漁業調整規則に基づく岩礁破砕許可に関する取扱方針というのがあるんですよ。そこに何と書いてあるか。沖縄の海を特徴付けるサンゴ礁が、地形的にも生態的にも砂浜、干潟、藻場などの浅海域、浅い海域と一体となり、本県における海洋生産の基盤を成しており、多くの有用な魚介類が生育する重要な場所であるとして、岩礁破砕など海域を改変する行為には細心の注意を払う必要があると。これは、サンゴ礁も岩礁と一体になって魚介類の基盤になっているというんですよ。
 そのサンゴ礁がコンクリートブロックで破壊されていることが確認されたんだから、これはちゃんと調査をしたいというのは当たり前じゃありませんか、当然の指示じゃありませんか、官房長官。

○菅官房長官 まず、この岩礁破砕等の許可というのは、水産資源保護法第4条第2項第5号の規定を根拠とする都道府県漁業調整規則に基づく規制であるところであって、その示すところは水産資源の保護培養を図ることを目的としており、この目的に照らすならば、岩礁破砕とは海域における地域の隆起形態である岩礁を変化させることであると解されており、地殻そのものを変化させない行為やサンゴ礁にまで発達したとは認められないサンゴ類を毀損する行為を規制の対象とするものではないということです。
 そしてまた、実際にアンカーを設置するに当たっては、事前に設置予定場所の調査を行うなど慎重に対応しており、岩礁破砕に当たる行為が行われたとの事実はない、このように承知をしています。このことは、沖縄防衛局が沖縄県に対して本年の2月25日に提出した本件アンカー設置前後の写真等からもこれは明らかであります。

○山下よしき 何を強がっているんですか。私はアンカーがサンゴ礁を潰している写真をダイバーから直接手に入れて、直接ダイバーの話を紹介したじゃないですか。実際、そういうことが、沖縄県もまだ臨時制限区域の中に入れていないけれども、入らないまでもそういうことを沖縄県としてももう一部確認したから、蓋然性が高いといってちゃんとした調査が必要だと言っているんですよ。何をそれを拒否しているんですか。
 それで、あの岩礁だけだというのは違うというふうにもう私さっき言ったじゃないですか。サンゴも含めて魚介類の基盤になっていると。そのことを前提に沖縄県は防衛局に対して岩礁破砕許可を平成26年8月28日、沖縄県知事仲井眞弘多さんの名前で許可したんですよ。そして、その許可には条件が付いているんです。条件を付して許可します。9つありますけれども、6つ目、その他公益上の事由等により別途指示をする場合は、その指示に従うこと。9つ目、本申請外の行為をし、又は付した条件に違反した場合は、許可を取り消すことがあると、こうはっきり書いていますよ。
 公益上、許可外のところでアンカーが、重たいアンカーがサンゴ礁を破壊している、岩礁を破壊している、そのことによってちゃんと調査しなければならないから作業を止めなさいという指示はこの条件の中に入っていますよ。これをのまなかったら許可取消し。もうこの沖縄防衛局が認めた、に出された許可証の中にそういう条件として付されているんですよ。これ守るのが当たり前であって、守らなかったら法治国家にあるまじき、これ従わないことこそ法治国家にあるまじき行為ですよ。そう思いませんか。

○菅官房長官 この法の趣旨でありますけれども、第4条の、保護水面に指定されている場合にはサンゴを含めた水産動植物そのものを毀損する行為が規制をされるということになっていますけれども、当該海域は保護水面に指定をされておりません。

○山下よしき もう1回言ってください。今分からない。

○菅官房長官 水産庁におきましては、この水産資源保護法は、水産資源の保護培養を図り、かつその効果を将来にわたって維持することによって漁業の発展に寄与することを目的としており、都道府県漁業調整規則に基づく岩礁破砕等の許可は、同法第4条第2項第5号の規定を根拠としておるところであるということです。
 そして、水産庁は過去に以下の解釈を採用しており、そのものを、例えばコンクリートブロック等がその重量により砂地や泥地に埋まる状況は岩礁破砕に含まれないものと考える。また、仮に軽微な岩礁破砕行為があったとしても、水産動植物の保護培養に影響を与える程度に地殻の隆起形態を変化させる行為でなければ規制の対象とならないと解すべきと考えられる。また、その第14条の保護水面に指定をされている場合にサンゴを含めた水産動植物そのものを毀損する行為が規制されるが、この海域は保護水面に指定をされていないということです。

○山下よしき いろんなものを、都合のいい解釈持ち出しちゃ駄目ですよ。
 沖縄県が許可をする際に示した沖縄県漁業調整規則の中には、さっき言った文章が入っているんですよ、その取扱方針の中にね。その中には、岩だけじゃなくてサンゴも一体になって魚介類の基盤になっていると書いてあるんですよ。当たり前じゃないですか。これは何も建設省とか地学の世界じゃないんですよ。これは漁業の調整規則なんですよ。魚介類に影響があってはならないからこういう許可をするようになっているんですよ。サンゴ礁が破壊されたら魚介類に影響があると、そういう前提になっているんですよ。全く、官房長官、違うものを持ち出しちゃ駄目だ。
 それで……(発言する者あり)何ですか。言ってくださいよ。

○山本次長 お答え申し上げます。
 沖縄県漁業調整規則は水産資源保護法を根拠としておるものでございまして、同法の趣旨に沿った運用がなされるべきものと理解をしております。その趣旨に則しますと、岩礁とは海域における地殻の隆起形態であり、この隆起形態を変化させる行為が破砕であると解されます。しかるに、本件アンカーの設置は地殻そのものを変化させる行為ではなく、岩礁破砕に当たらないというふうに考えております。
 一方、今般いただきました沖縄県知事からの指示文書におきましては、本件アンカーの設置が岩礁破砕に当たるとの判断をなされておられることから、この法の趣旨からいって無効であるというふうに判断をさせていただいたところでございます。

○山下よしき あのね、もう毎日説明を変えないでほしい。昨日、衆議院外務委員会で我が党の赤嶺政賢議員が聞いていますよ。防衛省地方協力局山本達夫次長から、都道府県漁業調整規則の解釈については各都道府県が判断するとはっきり答弁されていますよ。それに基づいて沖縄県は、サンゴ礁も当然対象になると、そのサンゴ礁が破壊されているから知事は調査が必要だと、一時作業を止めなさいという、そういう指示を出したんですよ。昨日と今日で答弁変えちゃ駄目だ。(発言する者あり)もういい、もういいですよ。こんな水掛け論やるつもりはないんです。
 それで、知事が許可を出したことについてですが、官房長官はもう一貫して仲井眞知事時代の許可を盾に取っておっしゃっているんですが、仲井眞知事がどういう公約をされて知事になられたのか。2010年の沖縄県知事選挙で仲井眞知事は、公約、こうしています。普天間飛行場の一日も早い危険性除去、日米共同声明を見直し、県外移設を求める、これが前々回の知事選挙で仲井眞さんが掲げた公約で、そして330000票を得て当選をされました。しかしながら、2013年、その公約をなげうって辺野古新基地の埋立てを承認してしまったわけです。
 官房長官は行政の一貫性ということを口実に作業の継続を正当化しようとされておりますけれども、ならば伺いたいんですが、私、この仲井眞前知事の行為に一貫性があると言えるのか。いかがですか。

○菅官房長官 是非、この問題の原点を見詰め直していただきたいと思います。まさに、この国土の1%に満たない沖縄県に米軍基地の74%がそこに集中しておるわけでありますから、特にその中で一番危険なのが普天間飛行場です。まさに市街地にあって、そして周りを住宅や学校が密集している、その危険除去、そしてその閉鎖のために移転をしようということで、19年前にこの問題があって、そして、それから3年掛かって、今から16年前、当時の県知事と、そして地元の市長が同意をして、そして国が閣議決定をして、辺野古へ移設が決定をしたわけであります。この16年間の歳月を掛けて丁寧に説明をさせていただいて、一昨年に仲井眞知事の下で埋立承認をいただいたわけでありますから、行政の継続性、そうしたものを考えて、そこは粛々と進めていくのがこれは法治国家として当然のことじゃないでしょうか。

○山下よしき 普天間の危険性除去というのはみんな一致しているんですよ、みんな一致しているんですよ。それをどうやって除去するのかと。SACO合意から、もうそういう合意があったけれども、なかなか動かないというか、1ミリたりとも動いていない。それは、県内移設という条件付けたから動いてないんですよ。そういうことがあったから、仲井眞さんも2010年の知事選挙では、危険性除去と言いながら共同声明を見直して、県外移設を求めるという公約したんですよ。それで知事になったんですよ。ところが、その公約と違うことを、埋立許可をやっちゃったと。これ、一貫性ないじゃないですか。そのことを問うているんですよ。一貫性ないでしょう、仲井眞さんの態度。

○菅官房長官 当時、時の政権が迷走をして、まさにこの時の政府が県外移設を掲げたわけでありますから、県とすればそれが可能性があると思って、当時の知事がそう考えるのはある意味では自然なことじゃないでしょうか。
 そして、当時の政権は、結果として、学べば学ぶほど、この日米同盟の抑止力とその危険除去ということを考えたときに、やはり辺野古移設が唯一の解決策だと言っているじゃないですか。

○山下よしき 何をそんな前政権のことを持ち出すんですか。
 あのね、仲井眞さんが掲げた公約と仲井眞さんの埋立承認は一貫性がないでしょうと。だから、去年の11月の知事選挙で、普天間基地の閉鎖、撤去、県内移設断念、あらゆる手法を駆使して辺野古に新基地は造らせないという公約を掲げた翁長雄志さんが仲井眞さんに10万票の大差を付けて当選されたわけですよ。
 それだけじゃありませんよ。その年、去年ですね、14年12月の総選挙でも、小選挙区1区から4区まで、県内移設反対ということを掲げたオール沖縄の代表が小選挙区で全員当選しましたよ。自民党の候補は全員落選されました、小選挙区では。
 ここに、一貫性というんだったら、ここにこそ沖縄県民の揺るがぬ一貫した県内たらい回しは駄目だという意思が示されているじゃありませんか。この一貫した意思がずっと去年1年間。それだけじゃないんですよ。1月の名護市長選挙、その後の名護市会議員選挙、全部、海にも陸にも基地は造らせないという稲嶺市長が勝ち、与党が勝ち、そして県知事選挙、総選挙となっているんですよ。一貫しているんですよ、県民の意思は。にもかかわらず、この期に及んで辺野古の新基地建設にしがみついている方こそ、私は民主主義をわきまえない態度だと言わなければなりません。
 官房長官というのは内閣の番頭と言われております。そういうことをよく見て、私は、知事の指示に従って、ここは知事の指示に従って作業を一旦中止して、沖縄県が検証するのを協力するのは当たり前じゃないですか。米軍にもその沖縄県の検証作業に協力しなさいと言うのが当たり前じゃないですか。何でそれさえ言わずに、そんな古証文、破綻した公約違反の古証文にしがみついて強行しようとするんですか。何でそんなに余裕がないんですか。

○菅官房長官 16年間掛かって県内を説得をさせていただいて、時の県知事からそこは埋立承認をいただいたわけでありますから、まさに行政の継続性、そうしたものを考えたときに、そこは粛々とその工事を進めて、そして、委員も言われましたけど、世界で一番危険と言われるこの普天間の飛行場、この危険除去と、そして固定化を避ける、このことって物すごく大事なことじゃないでしょうか。

○山下よしき だから、それは当然なんですよ。そのためには県内に痛みを移すんじゃなくて、痛みを取り除くべきだというのが沖縄県民の意思であり、名護市民であり、そして普天間基地のある宜野湾市民の声です。宜野湾でも仲井眞知事よりも、前知事よりも翁長知事の方が3,000票、票は多かったんですよ。総選挙でも照屋寛徳候補が6,000票、自民党候補よりも多かったんですよ。だから、そういうことが民主主義の手続を経て示されているのに、一顧だにしない。粛々と粛々とと言って、そんなことをやっていて日本が民主主義国家として成り立つのかというところまでもう来てるんですよ。
 だから、翁長知事は、こういう自らの許可に付いていた条件に従って、一時中止して協力してくださいよと、極めて穏当な指示をしているわけですよ。これに従うのが法治国家なら当たり前なんですよ。それを、今の御答弁からも全くそのことが、考慮もしない。何で考慮もしないのか、何をかたくなになっているのかと、そう思いますけれども、いかがですか。

○菅官房長官 まさに我が国は法治国家でありますから、一度県知事からその許可をいただきました。その許可そのものが違反をしているんであれば、それは見直すのは当然だというふうに思いますけれども、当初、沖縄は、先ほど来説明をさせていただきましたけれども、その許可は要らないという形の中で許可をいただいたわけですから、その中で粛々と法にのっとって工事を進めていくというのが私は政府の責任であって、一日も早い危険除去、普天間飛行場の危険除去と固定化を避けるために、そしてまた日米同盟の抑止力を維持していくために、国民に対しての私たちは大きな責任があるというふうに思います。
 そして、もしこの辺野古への移転を断念をするんであれば、この普天間飛行場の固定化を容認することにほかならないわけでありますから、そこは危険除去という固定化を避ける、世界で一番危険な飛行場をそのまま放置しておくことはできないということであります。

○山下よしき あのね、無条件に撤去すればいいんですよ。危険なものは取り除く。アメリカに海兵隊帰ってもらったらいいんですよ。そういう立場に立ってアメリカと交渉もしないで、やたら古い証文にしがみついて、今、粛々とということをおっしゃった。それ以外のもう選択肢はないと。
 私は、日米同盟の名前の下に日本の民主主義が本当に崩壊していくさまを今見せられているという気がしてなりません。改めて、この問題、沖縄県だけの問題じゃない、日本の民主主義が問われる問題としてこんなことを許してはならないと、そのことを指摘して、時間が参りましたので、終わります。

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日本共産党参議院議員。香川県善通寺市出身。県立善通寺第一高校、鳥取大学農学部農業工学科卒業。市民生協職員、民主青年同盟北河内地区委員長・大阪府副委員長。95年大阪府選挙区から参議院議員初当選。13年参議院議員選挙で比例区に立候補3期目当選。14年1月より党書記局長。2016年4月より党副委員長に就任。2019年7月参議院議員4期目に。参議院環境委員会に所属。日本共産党副委員長・筆頭(2020年1月から)、党参議院議員団長。