PKO日報隠ぺい問題 防衛省幹部の関与追及 
2017年3月22日 参議院総務委員会

山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 この間、安保法制、戦争法案をめぐる国会想定問答について、内閣法制局長官が公開すべき文書を不開示とした問題が起こりました。また、南スーダンPKOに派遣されている陸自の部隊の日報について、防衛省が廃棄したとして開示しなかったのに、後から実はあったとして次々と文書が出てきている問題もあります。さらに、森友学園への国有財産の処分に関する極めて重要な交渉記録を財務省理財局が廃棄した問題も起こっております。
 情報公開法を所管する総務大臣として、この間の各省の文書管理と情報公開請求への対応について、どうお考えでしょうか。

高市早苗総務大臣 情報公開制度は、政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする重要な制度でございます。

 具体的な開示請求に当たりましては、その活動について国民に説明する責務を負う各行政機関において法の規定を踏まえて判断を行い、その判断に不服があった場合には第三者機関である情報公開・個人情報保護審査会の審査を得ることにより、全体として適切な対応を担保するという仕組みになっています。

 このような仕組みの下で、総務省として個別の案件についてコメントする立場にはございませんが、法の趣旨、解釈について周知徹底を図るということなど、法の適切な運用に努めてまいりたいと存じます。

山下よしき 法の適切な運用ということですが、私、とりわけ防衛省の問題、深刻だと思うんですね。情報公開法の趣旨からしても、これは看過し難いと思います。現に存在する文書について、廃棄したとして不開示にしたわけですね。廃棄されていなかったわけですから、これ、情報の隠蔽ですよ。
 大臣、防衛省の対応は法の趣旨に反するという認識ございますか。

高市総務相 南スーダンPKOの日報に対する情報公開請求については、防衛省において、文書不存在による不開示決定を行った後、請求者からの不服申立てを受けて改めて探索した結果、文書の存在が確認されたことから、不開示決定を取り消し、改めて開示決定が行われたと承知しています。

 PKO日報の管理等に係る事実関係については、現在防衛省において行われている特別防衛監察の中で明らかにされるものでございますので、私からコメントをすることは控えさせていただきます。

山下よしき そういう甘い認識でいいのかなと思いますよ。まず一旦はあるのに廃棄したとして不開示にした、この事実は非常に重たいんです。そこにどんな意味があるか、これからおいおい見てみたいと思うんですが、まず事実関係、整理します。

 昨年の9月30日に、ジャーナリストの布施さんという方が、南スーダンPKO派遣部隊の日報のうち、首都ジュバで大規模な戦闘が起こった昨年7月分の情報開示請求を行いました。防衛省は、二か月後の12月2日、防衛大臣名で、本件開示請求に係る行政文書について存否を確認した結果、既に廃棄しており、保有していなかったことから、文書不存在につき不開示といたしました。

 ところが、その後、12月26日に、統合幕僚監部の中にあったとして、2月7日以降、墨塗り作業を終えたものから順次公開されて、私も全部もらっていますけれども、首都ジュバの戦闘状態が生々しく報告されていたことが分かったわけであります。
 防衛省に確認いたしますが、南スーダン派遣部隊の日報は、誰の命令で誰が作成し、誰がどこにどのような媒介で報告したものでしょうか。

若宮健嗣防衛副大臣 質問にお答えさせていただきます。
 今委員が御指摘になりました、誰の命令で誰が作成し誰がどこに報告をしたのかということで御指摘でございますので、この南スーダン派遣施設隊の上級部隊でございますこの中央即応集団が定めるところによります南スーダン派遣施設隊等全般活動計画、通達ではこれございます、これの中におきまして、派遣施設隊が、これ現場の人間でございますが、日報を作成をいたしまして、上部組織でありますこの中央即応集団司令官に対しまして報告するということが定められているところでございます。
 どのような形というのが、日報の電磁的記録というのが陸上自衛隊の指揮システムを通じましてこの司令部の方には報告がなされているところでございます。
 以上でございます。

山下よしき 今副大臣から御答弁であったその南スーダン派遣施設隊等全般活動計画の通達を資料一と二に付けております。ここに中央即応司令団から南スーダン派遣施設隊長に対してこういう活動をしなさいよという指示があって、資料2枚目のその一番上に様々な報告を求められているんですが、日々報告、日報がですね、毎日十八時の状況を二十三時までに上げなさいということが書かれてあります。これに基づいて日報が現地から中央即応集団司令部に届いていたわけですが、もう一度この1枚目の通達に注目いただきたいんですが、通報者名というのがあります。ここに、統合幕僚長、陸上幕僚長、情報本部長、中部方面総監、警務隊長などなどの名前が、部署が載っているわけですが、この通報者名というのは、この通知が単に陸自の現場の南スーダンの部隊長に行っただけではなくて、この通知がそれぞれ統幕長などにもされているということであります。

 つまり、統幕は南スーダンの部隊から毎日日報が陸自の中央即応集団司令部に報告されることを知っていたと。さらに、陸自のこの指揮システムにアクセスし、ダウンロードできることも当然ながら分かっていたし、現にそうして統幕はこの日々の日報を活用していたわけであります。これが一点です。

 それから、もう一つは、資料の4枚目に、一番最後に付けておりますけれども、これは統幕のホームページからダウンロードした組織図でありますが、南スーダン派遣施設隊に対する組織図ですが、南スーダン派遣施設隊に直接指示しているのは中央即応集団ですが、その直属の指示系統に統幕長というものがあります。つまり、統幕は南スーダンの派遣部隊の活動を日々ちゃんと掌握しなければならない立場にあるわけで、掌握するのは当然なのであります。

 そうなりますと、防衛省は日報の作成元の派遣施設隊と報告元の司令部、中央即応集団司令部で日報を探索したけれども、廃棄済みで不存在のため不開示にしたという説明するんですけれども、現地の部隊と中央即応集団司令部だけではなくて、当然ながら統幕にもこの日報が利用されていた、残っていたということは当然明らかであるわけですから、探索するのであれば初めから統幕内を探すべきではなかったんでしょうか。なぜ探さなかったんですか。

若宮防衛副大臣 今委員が御指摘になりましたこの日報というものは、通常この部隊の活動の報告先というのはその部隊が所属をいたします上級部隊ということになってまいります。昨年、特に昨年7月のこの衝突事案の期間中に作成をされました日報につきましては開示の請求がございましたものですから、まずはこの作成元である現地の派遣施設隊と、それからその直の報告先であります中央即応集団司令部を私どもの方で調べて探索をしました結果、これは御存じのとおり、1年未満の用済み廃棄という扱いの書類になるものですから、文書不存在ということで不開示というふうにさせていただいたところでございます。

 この段階では、確かに統幕におけます、委員御指摘のとおり、探索というのは行っていなかったという旨は御説明申し上げてきているところではあろうかと思いますけれども、この日報の保管、それから廃棄につきましての行政文書関連規則の遵守状況、あるいは開示請求への対応につきましては情報公開関連規則の遵守状況というのは特別防衛監察の対象の項目に含まれてございますものですから、今後徹底的に調査をされてまいることとなっておりますので、これ以上のコメントは差し控えさせていただければというふうに思っております。

山下よしき 最初あるのを分かっているのに探さなかったということが重大問題なんですよ。
 それから、ちょっと変えますけど、私、1月25日、防衛省国会連絡室を通じて南スーダン日報問題についての説明を求めました。1月25日であります。事務所に来ていただけたのは、統幕の参事官付の国外運用班長の職員の方と大臣官房の文書課の職員の方でした。今日は統幕参事官に来ていただいていますが、この事実に間違いありませんね。

吉田正法(防衛省統合幕僚監部参事官) そのとおりでございます。

山下よしき 1月25日の時点で、私は、陸上自衛隊の中に南スーダン派遣部隊からの日報が存在するというある物的な根拠を手にしておりました。したがって、その1月25日、説明に来られた方に、日報はあるはずだと、提出されたいということを求めたんですが、統幕参事官付の職員は、作成元も報告先も即日廃棄した、廃棄したの一点張りで提出をしなかったわけですね。あるということを認めなかったわけです。
 統幕参事官付の職員の説明ですが、吉田参事官、あなたがそう説明しなさいと指示したのではないですか。

吉田参事官 私の方から指示したわけではございませんけれども、私が報告を受けておりますのは、1月25日に山下議員からの説明要求がございまして、それにつきまして、昨年7月の武力衝突当時の日報について、先ほど副大臣からも言及ありましたが、作成元の派遣施設隊及び報告先の中央即応集団司令部においては既に廃棄をされていて不存在であり、不開示の決定をして情報公開請求に対応したという旨を説明したと承っております。

山下よしき それだけじゃないんですよ。私、言ったでしょう。私はちゃんと持っているんですよ。陸上自衛隊の南スーダン施設隊第八次要員に係る教訓要報というものが出されておりますね。その中に、これ日報そのものが入っているんですよ。だから、私は1月25日の時点でこれ知っていましたから、これ見せませんよ、あるはずだと言って提出を求めたんですが、廃棄しております、廃棄しておりますと言って出さなかったわけですね。
 じゃ、この統幕の説明された班長があなたの意に反して勝手にそういう説明をしたというんでしょうか。

吉田参事官 今回議論になっております日報文書でございますけれども、これは第十次派遣要員の7月7日から7月12日までの間の日報の要求を受けたものでございまして、八次隊のものではございませんが、いずれにしましても、その請求のあった文書に関して調べた結果を、不存在で不開示とその当時しておったということを御説明したということでございます。

山下よしき これ、1月25日、重大なんですよ。12月16日に大臣が日報の探索を再度指示しました。12月26日に統幕内に日報があったことが分かったわけです。そうすると、1月25日の時点で、統幕参事官であるあなたが日報の存在知らないはずないんですね。そうすると、1月25日、私に対し、日報は即日廃棄されて、ないと説明したのは虚偽の説明だったということになるじゃありませんか。

吉田参事官 繰り返しで恐縮でございます。当方からの説明は、情報公開請求に関しての文書のことを御説明させていただいたものでございます。
 他方、先生からの日報を開示すべきであるということは我々も真摯に受け止めております。その間、これまで大臣も御答弁しておりますけれども、大臣からの指示に基づいて我々統幕の中で文書を探索をいたしまして、大臣には1月27日に御報告をして、その後、2月7日に公表しておりますが、速やかに山下先生のところにもお届けに上がった次第でございます。

山下よしき 時間が参りましたので昼からやりますけれども、冗談じゃないですよ。私があるはずだ、出せと言ったときに、ないと言って答えたのを、真摯に受け止めますじゃないんですよ、虚偽の説明をしているんですよ。そんなことが通用するんだったら、国会でまともな審議できないですよ。
 午後引き続きやります。
 終わります。


山下よしき 日本共産党の山下芳生です。午前の続きをやりたいと思います。
 まず、総務大臣に、情報公開について、開示、不開示決定の権限は機関の長、つまり、総務省に関わるものは高市大臣が、防衛省に関わるものは稲田大臣が持っているということですが、大臣、なぜそうなっているんでしょうか。

高市総務相 情報公開法上、個別の開示請求に対する開示、不開示の判断については、国民への説明責任を負う各行政機関において法の規定を踏まえて適切に行うこととされています。
 一方で、この判断についての不服申立てについては、各行政機関は、第三者機関である情報公開・個人情報保護審査会に諮問し、その審査を経なければならないこととされています。
 情報公開法は、このような説明責任を有する各行政機関の判断と第三者によるチェックの仕組みを組み合わせることによって開示請求に対する適切な対応を全体として担保しているというものでございます。

山下よしき その責任者は行政機関の長なんですね。
 そこで、昨年9月30日、ジャーナリストの布施さんから開示請求のあった南スーダンPKOに関わる日報について、12月2日の不開示決定がどのような経過でなされたのかについて少し見ていきたいと思います。
 午後、追加でお配りした資料を御覧いただきたいと思いますが、これは防衛省から提出されたものであります。
 「決裁・供覧」と書いてありますが、件名、開示請求された文書の開示・不開示について、2,016年10月3日云々とありますけれども、これは、ジャーナリストの布施さんが9月30日に開示請求をしたものが防衛省として受け付けたのが10月3日ということでありまして、間違いなくジャーナリストの開示請求についての決裁の文書であります。
 その下に、案のとおり決定、通知してよろしいかとありまして、起案日は昨年、平成28年11月30日、これは12月2日不開示決定直前の決裁文書ということになります。起案したのは防衛省大臣官房でありまして、この決裁で最終的な判断を下すのは豊田官房長というふうになっております。
 2枚目に、その案のとおり決定してよろしいかと言われている案一を付けておきました。一、請求された行政文書の名称、南スーダン派遣施設隊が現地時間で2016年7月7日から12日までに作成した日報、三、開示・不開示の別、不開示(不存在)というふうに起案されております。

 注目いただきたいのは、その下の方に八番、関係課室という事柄がありますが、この関係課室というのは決裁に当たって大臣官房から意見を求められる部署であります。そこにあるのは統合幕僚監部参事官と書かれてありますが、吉田参事官、これ、あなたのことですね。

吉田参事官 はい、そのとおりでございます。

山下よしき あなただということですが、実際に昨年の11月28日に大臣官房から統幕に対して意見の照会が行われて、統幕参事官付として意見なしと回答したと、稲田大臣が3月6日参議院予算委員会、わが党井上哲士議員に対して答弁をしております。
 吉田参事官、意見なしと回答したこと、間違いありませんね。

吉田参事官 この関係課室の趣旨でございますけれども、私の部局では南スーダンのPKO活動そのもの、内容を担当している部署でございます。したがいまして、開示文書に当たるような場合に開示、不開示の該当箇所をどのように判断するのかと、そういう観点から通常意見照会が来るものでございます。
 今回の文書につきましては、陸上幕僚監部の方で探した文書、特に派遣元の部隊、それから報告先の即応集団司令部で文書が既に規則にのっとって廃棄されていたということをもって不存在であり不開示だという照会が来たものと承知しております。
 なお、これまでも大臣が答弁しておりますが、その照会に対する答えとしましては政策調整官までで回答しておりまして、私として回答したわけではございません。

山下よしき あなたの名前でここに関係課室とあるわけですから、直接あなたがやったかどうかじゃなくて、あなたが責任持って意見なしというふうに答えたわけですよ。
 じゃ、知らなかったわけじゃないでしょう、そういう回答をしたこと。

吉田参事官 ここでも書いております部局の責任者として私の責任で回答したというのは、そのとおりでございます。

山下よしき そこで、私はこの時点で、つまり昨年の11月28日の時点で、あなたは統幕の中に日報が存在することを知っていたはずだと思います。
 同じく3月6日のやり取りですけれども、稲田大臣、こう言っております。統合幕僚監部では南スーダン派遣施設隊の日々の活動の概要についての資料を休日を除きほぼ毎日作成しており、大臣室を含む省内等の関係先に配付をしております、活動概要は参事官付のUNMISS担当者が作成をしておりますと、こう答弁を大臣がされております、3月6日ですね。
 当然、この参事官付のUNMISS担当者が、毎日毎日、南スーダンの活動概要を作成していたこと、吉田参事官御存じですね。

吉田参事官 はい、承知いたしております。
 当該資料につきましては我々の部署の方で作成をいたしておりますが、日報の内容のみならず、外務省からの情報、あるいは国連本部、あるいは現地の国連司令部からの情報、あるいは我が国の友好国等の情報群からの情報を加えて作っておりますので、日報のみにならない情報で作っているということを御理解いただきたいと思います。

山下よしき 日報も使って作られているということを御存じですね。

吉田参事官 正直申しますと、私自身は実は日報そのものを見たことはございませんでした。全て関係部署等を含めた情報をまとめたものとして見ていたと、大臣への報告資料を見ていたということでございます。

山下よしき この報告書を作るに当たって日報が使われていたということは御存じですね。

吉田参事官 済みません、厳密に日報がどうというふうに私が認知していたわけではございませんけれども、それも現地の情報の一つとして入っていたということだと理解しております。

山下よしき 入っていたと認識していたということであります。
 当たり前なんですよ。現地の活動報告を毎日大臣に報告しようと思ったら、現地からどういう情報が来るか、日報を通じてどういう状態なのかということを知らなければ活動報告を毎日作ることができるはずないんですね。統幕は現にダウンロードして日報をずっと蓄積をしていた。あなたが知らないはずないんですね。
 更にちょっと伺いますけれども、あなたが必ず知っていたということがもうあなたの部下のブリーフによって明らかになっております。2月7日、統幕参事官付の田辺政策調整官が日報についてブリーフを行いました。この2月7日というのは、ないないと言っていた日報が実はありましたと、統幕の中にと言って、それが開示されていく日であります。
 そのときに田辺政策調整官はこう言っております。日報はCRF、中央即応集団司令部以外の人が陸自指揮システムにアクセスしてダウンロードすることができる。統幕監部ではアクセス権限を得ていたのでダウンロードする形で情報共有を受けていた。今回皆様に渡した日報は、具体的には統合幕僚監部参事官の電子データを扱っている共有フォルダの中からプリントアウトした形で皆様にお配りしていると。
 私もいただきましたけれども、それはあなたの扱っている共有フォルダの中からプリントアウトしたものだというふうにあなたの直属の部下の田辺政策調整官がコメントしているわけですね。参事官の共有フォルダの中からプリントアウトをしたと。5年間の日報が全部そこに蓄積されていたということですから、これは日報の存在を、あなたの共有フォルダに入っていたわけですから、知らないはずはないわけですね。
 昨年11月28日、不開示決定に対して意見なしということを了解したというのは、吉田参事官、日報が自分のフォルダに存在していることを知りながら不開示決定に意見なし、了解とした。これ確信犯じゃないですか。

吉田参事官 先生が今御指摘いただいています統幕の参事官という名称でございますが、それは今まで政策調整官も御説明しておりますが、部局としての統幕参事官ということで御理解いただければと思います。いわゆる統幕の何とか課だと、課という言い方だと思ってください。私個人のものだということではないということをまず申し上げたいと思います。
 また、我々は、この日報というのは、先ほども、午前中、副大臣から御説明させていただきましたけれども、現地の部隊とその上級部隊である即応集団司令部との間の毎日の報告文書にしかすぎないものでございます。それ以外にも現地の部隊はそれぞれ情報を持っております。それが適時適切に統幕にも入るようにもなっております。日報だけが全ての文書の根源ではないということはここで改めて申し上げたいと思いますし、担当が参照にしていたということもあろうかとは思いますけれども、それを定型的に全て我々が配付先として受け取っていたわけでもございませんし、保存していたわけでもないということはこれまでも大臣も答弁しているとおりでございます。

山下よしき そんなこと通用しないですよ。参事官は部署であってあなたじゃないと言うんだけど、その部署の責任者はあなたでしょう。そのあなたが知らないわけないじゃないですか。毎日大臣に報告する活動概要を、日報をダウンロードあるいは閲覧しながら作っていたんですよ。その中に日報も含まれていることを承知してたとあなた言っているじゃないですか。
 つまり、統幕参事官の部署の中にはこの日報のデータがあったということなんですよ。そのことを知らないはずがないんです。知らなかったら職務怠慢ですよ。知っていて、あなたは日報の存在を知っていて開示請求に対して不開示の決定をあなたの責任で了としてしまった。そして、私に対して、国会議員である私に対して、破棄したという説明をさせた。これは許し難い隠蔽体質だと言わなければなりません。
 更に聞きたいと思いますが、稲田大臣はもう国会答弁で繰り返し、30日、限られた30日以内で見付からず不開示としたと述べておられます。しかし、これは事実と違います。30日で決定せず、請求者に回答の延期を通知いたしました。30日間でまだ回答できませんので延期しますという通知が布施さんのところに行っております。で、その後また30日。つまり、60日後に不開示決定の通知を大臣名で出しているわけです。
 大臣、30日じゃなくて60日だったと、間違いないですね。あっ、参事官。

吉田参事官 済みません、私の所掌に関わることではございませんけれども、私の承知している限りでお答えをしますと、一度延長して、30日間のものを延長したので60日間、で、開示決定、不開示決定という形ですけれども、されたというふうに承知しております。

山下よしき そういうことなんです。9月30日の開示請求から12月2日の不開示決定まで60日あるわけですね。
 この60日間に何が起こったかということなんですが、10月25日の閣議で南スーダンPKO部隊の五か月間の派遣継続、延長が決定されました。それから、11月15日の閣議で南スーダンPKO部隊に駆け付け警護の新任務の付与が決められました。その間、南スーダンのジュバで繰り返し戦闘があったということを記録している日報が開示、公表されたり、あるいは不開示したことが話題になったりすることは、これは極めて不都合だと政府、防衛省幹部が判断して、開示請求に対する対応の方針を決めたと。すなわち、60日掛けて不開示にしようじゃないかということを決定し、指示したと考えるのが自然だと私は思うんですね。
 初めからのシナリオができていたと。11月28日、だから、大臣官房から統幕に対しての意見照会があったときに、統幕参事官は意見なしと、すっと回答することができた。初めからこういうシナリオがあったんじゃないですか、参事官。

吉田参事官 まず最初に申し上げておきたいと思いますが、今回問題となっております日報は昨年の7月のジュバにおける大規模衝突に関してのものでございます。これはそのときから国会等でも御議論、御質問もいただいておりますし、我々も、マスコミの関心も高かったこともあり、例えば宿営地で流れ弾が見付かった件、あるいはジュバで大規模な軍事衝突があったということ、武力衝突があったということについて全てお話をしているものでございますので、その内容そのものをそもそも隠す必要もありませんし、御説明していることであるというふうにまず申し上げておきます。
 それから、先ほどの30日、60日の件でございますけれども、30日の間に文書を特定し、その後、30日で決裁を取っていたというふうに承知をしておりますけれども、いずれにしても、私の部局は先生方との間をつなぐ説明責任を負っている部署でございます。私の立場としてこの日報を隠す必要性は全くございませんし、もしうちの部署が隠す必要があるのであればそもそもうちの部署に文書そのものが残っているはずもないわけで、うちの中にあるものを不開示の部分は黒塗りにして私の方から出させていただいたというのが実情でございます。

山下よしき だって、12月2日に不開示決定しているんですよ。あなたがそれに了解しているわけですよ。そのとき、あなたの部署に日報があったということは、あなたもそれを使って部下が活動概要を作っていたということを知っていたわけですから、あるのを知っているわけですよ。
 それを出さなかったわけですから、これは私は隠蔽されたと言われても仕方がないと思いますし、なぜそういうことをしたかというと、さっき言いましたね、この二つの重要な閣議決定する間に、この日報の内容が戦闘ということが繰り返し出てくる、これが出てくると非常にまずいと、そういう判断があったんじゃないですか。これは政務官、いかがですか。

○大臣政務官(宮澤博行君) 日報を基に様々な報告を作るとき日報が一つの資料になっていると、それはおっしゃるとおりだと思います。
 そういう中において、今回日報がそれを基にしてモーニングレポートが作られているということと、この日報はそもそも内部規定の中において破棄をしなければならないものであります。そしてまた、参事官においてはそれが破棄されているものと認識の上で、今回不開示について意見なしとされたものと我々は認識しているところでございます。

山下よしき 破棄なんかされていなかったじゃないですか。陸自にもあったという報道があるじゃないですか。
 だから、これは非常に重大な問題だと思っております。憲法に関わる重大な問題で、国民に情報が隠されたということでありますから、委員長に二つお願いをいたします。
 まず、統合幕僚総括官の辰己昌良氏、それから統合幕僚参事官の吉田正法氏の当委員会への証人喚問を求めたいと思います。
 第二に、情報開示に関わる重大な問題ですから、外交防衛委員会と当委員会の連合審査を求めたいと思います。
 よろしく御協議願います。

横山信一総務委員長 ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。


山下よしき もう防衛省の関係者の皆さん、御退席いただいて結構です。終わりました。
 それでは、残りの時間で法案の審査を行いたいと思います。
 トップランナー方式と称して、既に2016年度から、学校用務員など16業務の単位費用が削減されております。総務省に伺いますが、予定していた図書館や博物館、公民館や児童館の管理の指定管理者制度の導入については断念したと聞いておりますけれども、どういう理由で導入をやめたんでしょうか。

高市総務相 図書館、博物館、公民館、児童館など管理の四業務につきましては、昨年、トップランナー方式の導入について検討を行っておりましたが、今般導入を見送ることにしました。
 その理由ですが、業務の性格として、既にトップランナー方式を導入した庁舎管理などの定型的業務と異なりまして、教育、調査研究、子育て支援といった政策的な役割を有していること、このため、地方団体からは、司書や学芸員など専門性の高い職員を長期的に育成確保する観点から指定管理者制度を導入していないという意見が多いこと、実態としても指定管理者制度の導入が進んでいないことを踏まえたものでございます。

山下よしき 政府がこれから進めようとしている窓口業務の民間委託化、具体的にどのような窓口業務で民間委託を進めようとされているんでしょうか。

福島章(総務省行政管理局公共サービス改革推進室長) 平成20年に、地方自治体が民間に委託できる業務の範囲ということで、当室で調査をしたものがございます。そこでは、具体的には、住民票の写し、戸籍の付票の写し、戸籍謄抄本などの交付、国民健康保険関係の各種届出書、申請書の受付など、窓口業務として二十五業務を整理しているところでございます。

山下よしき 地方税に関してはどのような業務を挙げているでしょうか。

福島室長 今申し上げました窓口業務二十五業務のうちの一つとして、地方税法に基づく納税証明書の交付というものがございます。具体的には、証明書の交付請求の受付に関する業務、証明書の作成に関する業務などでございます。

山下よしき 私は、10年ほど前から市場化テストと称して税務関連の業務の民間委託化を進めている大阪府の実態を聞いてまいりました。大阪府では、例えば自動車税に関する問合せ業務、これ三百万台ぐらい大阪府には自動車が所有されているわけですが、これに対する問合せ業務をコールセンターをつくって民間委託いたしましたし、それから、先ほどあった納税証明書の交付、作成業務、それから総合案内などの府税事務所の窓口業務を民間委託をいたしました。
 その結果何が起こっているかということなんですが、私、明らかとなった問題が大きく一つとして、公権力に関わる業務を民間に委託することによる納税者のリスクというものがあるというふうに感じました。
 一つは、税務情報、個人情報漏えいの危険であります。例えば、自動車税のコールセンターでは、車のナンバーを入力すればそれが誰のものかというのはすぐ分かっちゃうんですね。それがもう公務員ではない民間会社で働く人によって全部そういう情報が渡ってしまっていると。それから、そのコールセンターは、NTTアクトという一民間企業に車を所有する人の全情報を持たせるということになっておりまして、例えばいつ車検が切れるかなどの情報もあると。これは中古車業者の皆さんなんかからいいますと物すごく喉から手が出るほど欲しい情報で、1件大体2,000円ぐらいで取引されているとも言われております。
 それから、納税の窓口ですね。府税事務所の窓口の納税証明書の作成業務も、これも未納がなければもうボタン一つ押せば納税証明書が出るということになっているんですが、逆に言いますと、全税目で収納情報がどうなっているかを閲覧できることになっております。
 こういうことが一民間企業の、民間で働く人に情報が渡っているということになるわけですが、大臣、これは個人情報、納税情報の漏えいのリスクが極めて大きいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

高市総務相 地方税の徴収に関する事務の中で、相手方の意に反して行う立入調査ですとか差押え、公売等の強制処分などについては、地方税法の規定によって徴税吏員の実施主体が限定されていることから、そのような公権力の行使を包括的に民間事業者に委託するということはできません。これは通知によって示しています。
 それから、今御指摘の個人情報の保護に遺漏を生じることのないように特段の配慮と慎重な取扱いが必要であるということも併せて通知をいたしております。例えば、民間事業者への業務委託を行う場合には、民間委託した業務を徴税吏員の管理下で行わせること、情報の他用途利用の禁止、委託業務の再委託の禁止を徹底することなど、情報の厳正な取扱いが確保されるように十分に留意する必要を伝えております。

山下よしき 職員の管理の下でという言葉がありましたけど、この大阪府の自動車税のコールセンターは元々府税事務所でやっていたことなんですけど、もう別の民間のビルの中にそのコールセンター一室をつくりまして、職員も誰もいないところにこういう情報だけがどんどんどんどん流れるということがあって、これはさすがに職員や住民から批判されまして府税事務所の中でやることにしているんですが、しかし一民間企業に丸ごと委託されていると。
 それから、いろいろ配慮されていると言うんですけれども、確かに契約上守秘義務に関わる誓約書を書かせるなどしているんですが、これはあくまでも契約上のものでありまして、法律上の守秘義務ではありません。刑事罰含めた守秘義務が掛かるわけではありませんので、したがって、実際に漏えい事件も起こっております。
 大阪では、この民間委託先の労働者、残念ながら首を切られた方が腹いせに、自分が取得した情報を持っているんだということをわざわざ手紙で送り付けるなどの事件が起こりました。5月の納税通知期、これ忙しい時期ですけれども、このときに大量に採用して、忙しくなくなったらもう解雇すると。これが民間ならその繁閑に対応できるという言い方で出し入れ自由だと。そうすると、やっぱり労働者の皆さんにそういう気分が生まれて漏えいになったということですから、これは極めてリスクが高いと私は実態を聞いて思いました。
 それからもう一つ、納税者の生活や営業を無視した催告等の拡大の危険というものも極めてあるなというふうに思いました。
 先ほど大臣ちょっと触れられましたけれども、自動車税のコールセンターでは、自主納付の呼びかけ、催告業務というものをされております。これは言い方にいろいろ規制があるようで、税金を払いなさいと言ったら公権力の行使に当たると。したがって、お忘れではありませんかとコールするんです。これだと公権力の行使に当たらないというふうに解釈してその催告業務をしているそうなんですが、しかし、サービス要求水準というものが設定されて、それをクリアしなければ契約金額にペナルティーが発生するということに委託先とはなっているそうです。
 そのサービス要求水準、具体的にコールセンターではどんな項目があるかということを一部紹介したいんですが、収入率という水準があります。これは、電話したもののうち納付された税額割る電話納税催告対象税額総額、これが一つの水準になる。だから、電話して納付してくれた方が多ければ多いほど成績が良くなると。それから電話応答率、電話したもののうち応答した件数割る電話発信総数。これ、留守のところに幾ら掛けても駄目なんで、いるときに掛けなければならないと。エスカレーション率、コールセンターの業務範囲内の案件を大阪府の職員に引き継ぐこと。これ、引継ぎが多ければ多いほど駄目というふうに評価をされるそうですが。
 こういう水準が課せられていることによって、委託された企業側はサービス水準クリアを目的に業務を行うことになりまして、夜間、休日お構いなしの催告、それから納税の呼びかけを超えた差押え等の脅しや、本来猶予されるべき制度があるにもかかわらず、それを紹介しないで支払わせるためだけの催告になる危険があると。委託先の非正規労働者は個人別の成績管理がやられているようで、契約打切りの恐怖の中でこうした、払ってもらう人の、成績を上げよう、できるだけ電話の応答率を高めようということで、残念ながら休日だとか朝に掛けるということも起こりがちだと。これ、一般の税務の職員だったら、権力を行使する者として、そういう安穏、平穏を破壊するような時間帯に電話をするようなことは慎んでいるというお話でしたけれども、こういう水準に掛けられたらそういう事態にならざるを得ない。
 大臣に伺いますが、こういう実態が、これはもう既に10年ぐらい大阪府でやった結果現れている懸念すべき事態ですが、こういう事態が起こっていることを御存じだったのか、ゆゆしき事態と思われないのか、いかがでしょうか。

高市総務相 今委員が紹介されたことが事実であるのかどうか、これについては私は把握をいたしておりません。個別の事案でございますので、やはりこれは地方税法、それから通知の趣旨を踏まえて、地方団体の税務当局の判断と責任において対応していただくべきものだと思っております。
 また、徴税吏員が行う督促状の送付、これは公権力の行使になるかと存じますが、滞納者に対する電話による自主納付の呼びかけなどについては、公権力の行使に関連する補助的な業務として行使そのものには当たらず、民間委託は可能なものでございます。
 ただし、その民間委託先に対して、やはりこれは地方団体に対して、これ総務大臣通知を発出しているんですが、委託先等の事業者における労働法令の遵守、雇用・労働条件への適切な配慮などについても要請をしております。余りにも委託先でその労働者に対して過酷なことが行われている、労働法令が守られていないということでは困りますので、これは大臣通知を発出させていただいております。

山下よしき 私が今言ったことは事実ですので、そういうことが起こっているということを、これから窓口業務の民間委託ということを政府としてトップランナー方式の中に採用するかどうかというときに、よくこれは考える必要がある問題として提起をしておきたいと思います。

 それから、この窓口の民間委託によって、本来全ての納税者に保障されるべき専門的な対応を困難にさせるリスクというものも生じていると感じました。大体、民間委託されたその働く方々は、府税のしおりという簡単なしおり程度の制度紹介をマニュアルに基づいてやると。税務経験のない非正規労働者の方がそういう対応をされているわけで、制度を知らなければ職員につなぐということもできないおそれがありますし、先ほど言いましたように、短期の雇用が前提ですから、専門性を蓄積したくてもできないということが起こるわけですね。

 私は、窓口業務というのは業務の最前線、第一線だと思います。例えば納税者は、やはり税の専門性に基づく分かりやすい説明と対応、税の賦課徴収の公平性と納得こそを求めているのであって、それに応えることが納税行政の責務であると思いますが、残念ながら、窓口、第一線でそういう対応がされずに、本来いろいろ受けることができる減額、免除などが受けられずにそのまま終わっちゃうということも、残念ながらこれは起こり得るという危惧がされております。これも大事な問題として提起をしておきたいと思います。

 そこで、こういう問題を、次々と導入しようとしているわけですが、これまでトップランナーは多くの自治体でやっているところに導入するんだと言われてきましたが、これまで導入されたものがどの程度の導入率であったのか、それから窓口業務についてはどの程度の導入率になっているのか、お答えください。

黒田武一郎(総務省自治財政局長) お答えいたします。
 トップランナー方式につきましては、多くの団体が民間委託等の業務改革に取り組んでいる業務について導入しております。
 具体的な業務改革実施割合の例でございますが、平成28年度に導入した業務のうち、例えば学校給食の調理につきましては、給食実施市区町村のうち一部委託を含む民間委託の実施団体の割合は62.6%、平成29年度に導入予定の業務のうち、例えば青少年教育施設管理については、都道府県の全施設数のうち指定管理者制度を導入している施設の割合が63.6%などとなっております。また、窓口業務につきましては、現在、業務改革の実施率といたしまして、総合窓口化をしているものが12.1%、アウトソーシングが16.0%という状況と承知しております。

山下よしき 今の答えは、何か一つの業務でも民間委託すればその市が全体として窓口業務の民間委託しているというふうにカウントした数字でありまして、かなり水増しされております。
 資料4枚目に、資料の最後に、これはみずほ総合研究所が、窓口委託が考えられているそれぞれの業務ごとに、一つ一つの実際の民間委託されている率を調べて出したものがあります。高いので狂犬病予防注射や飼い犬登録、これは2割前後ですが、あとはもう一桁がほとんどなんですね。納税証明は7%です。以前はやっていたがやめた、検討したがやめた、合わせて13%。戸籍については、実施は4%、やめたのが18%など極めて低いんです、窓口業務は。
 もう最後になりますが、窓口業務だけ切り出せるかのようなことを言いますけれども、さっき言いました、窓口こそ住民にとって行政サービスでありますので、ここで身近な、親切な対応がされることが求められているわけですから、もう安易な窓口業務の民間委託はやめるべきだし、実態にもそぐわないということを申し上げて、質問を終わります。

共謀罪も安倍政権もいらない 
国会前で総がかり行動実行委など

 共謀罪の国会提出を許さず、国会で事実と異なる答弁をする稲田朋美防衛相をはじめ、暴走する安倍政権を打倒しようと14日夜、総がかり行動実行委員会と共謀罪NO!実行委員会が国会正門前集会を開きました。参加者は「戦前に戻りそうな法律は許せない」などと語り、「戦争法と一体の共謀罪は反対」とコールしました。 続きを読む

オスプレイの危険 米軍も認識 「森友学園」問題、南スーダンPKO 
2,017年3月13日 参議院予算委員会 集中審議

※掲載している(パネル)画像は、クリックすると拡大表示されます。

質問する山下芳生参院議員

山下よしき 日本共産党の山下芳生です。3月10日、学校法人森友学園の籠池泰典理事長が大阪府豊中市で開設しようとしていた小学校の設置許可申請を取り下げ、理事長辞任の意向を表明しました。しかし、これで幕引きとすることは許されません。 続きを読む

参院予算委員会で質問に立ちました

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森友「安倍夫人の名で入園」首相夫妻の道義的責任追及

 冒頭、学校法人「森友学園」が運営する塚本幼稚園の退園者の親族から届けられた声を紹介し、同園を持ち上げてきた安倍晋三首相夫妻の道義的責任をただしました。
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地方交付税の拡充を 法定率引き上げ求める 
2017年3月10日 参議院本会議

山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 地方財政計画及び地方税法、地方交付税法改定案について質問します。
 地方自治に関わって、まずお聞きします。
 安倍政権は、2月6日、沖縄県名護市辺野古で米軍新基地建設の工事を再開し、大浦湾のちゅら海に連日、巨大なコンクリートブロックを投げ込んでいます。断じて許されません。
 沖縄では、2014年の名護市長選挙、県知事選挙、総選挙、そして2016年の参議院選挙と、辺野古が争点となった全ての選挙で新基地建設反対を掲げたオール沖縄が勝利するなど、県民の意思は明白です。この圧倒的な民意を踏みにじり、新基地建設を強行することなど、民主主義と地方自治を掲げる国としてあってはなりません。
 昨日、沖縄県民の民意尊重と基地負担押し付け撤回を求める全国統一署名の国会提出行動が取り組まれ、全国から121万筆もの署名が届けられました。これは沖縄だけの問題ではありません。
 高市総務大臣、今政府が沖縄で進めていることと、地域の在り方は地域に住む住民の意思によって決めるという地方自治の根本との関係について、大臣はどのように考えていますか。沖縄県民と国民が理解できるよう説明してください。
 さて、地方の財源不足が22年間も続いています。政府はこの間、財源不足は国と地方の折半で負担するとして、自治体に対し、地方交付税の代替財源として位置付けた臨時財政対策債の発行を認めてきました。しかし、臨時財政対策債は、自治体からすれば新たな借金にほかなりません。この間、臨財債発行の延長が繰り返され、残高は52円にも膨らんでいます。今や、総務省が認めた発行可能額よりも実際の臨財債発行を抑制する自治体が二割に上るなど、この仕組みが自治体の歳出抑制、住民サービス低下を招いています。
 総務大臣、臨時といいながら16年も続いてきた、地方に負担を肩代わりさせるやり方はそろそろやめるべきではありませんか。財源不足が続いたときは地方交付税の法定率を引き上げるとしている地方交付税法の原則に従って、今こそ法定率を引き上げるべきではありませんか。
 我が党は、大企業や富裕層に対する優遇税制を改め、能力に応じて負担する公平公正な税制に改革することで、国と地方の財源を確保し、自治体が住民福祉の増進という本来の役割を果たせるよう、地方交付税を拡充することを強く求めます。財務大臣、総務大臣の見解を求めます。
 今年も、保育園落ちたの悲鳴が子育て世代から噴き出しています。一体いつになったら、幼い子供を抱えながら、入園先を幾つも探し回る保活のしんどさや職場復帰を諦めざるを得ない苦しみから解放されるのでしょうか。
 保育需要を見越した大幅な保育所増設が必要にもかかわらず、この5年間に公立保育所が1,222か所も減らされています。その一方で、保育士配置の基準を2分の1でよしとする企業主導型保育施設など認可外の規制緩和施設に多額の補助金が支出され、こうした施設が急速に増加しています。
 昨年、大阪で、認可保育所に入れず、1歳4か月の子供を認可外の施設で預けた僅か2時間後に失った母親は、なぜあの子が死んでしまったのか、保育の量も質も大事にしてほしいと訴えています。同じく、昨年、東京の企業内保育施設で亡くなった1歳2か月の子供の母親は、保育は子供のためという原点に返り、一人も死なせないように取り組んでほしいと切に望んでいます。
 厚生労働大臣、認可外保育施設で多発する死亡事故をどのように解決するつもりですか。また、公立保育所のみ施設整備と運営費の補助を一般財源化したのはなぜですか。
 その後、施設整備に対する当該自治体への交付税措置は100%でなく七割に抑えられ、公立保育所が大幅に減少していることをどのようにお考えですか。厚労大臣、総務大臣、お答えください。
 加えて、公共施設等の適正管理の名の下に、財政誘導による公立保育所の統廃合が進められています。総務大臣、この公共施設等最適化事業の3割が保育所の統廃合に活用されている事実をどう受け止めますか。
 我が子が保育施設で亡くなるという悲しい出来事を二度と繰り返さないためにも、地域の保育の質を担保する上で大きな役割を果たしている公立保育所の増設へ、総務、厚労両大臣が緊急対応に乗り出すことを強く求めるものであります。答弁を求めます。
 トップランナー方式と称して、既に16業務で民間委託された水準によって交付税を算定するやり方で基準財政需要額が削減されています。17年度からは、新たに青少年教育施設の管理や公立大学の運営が対象にされようとしています。住民サービス低下と人件費抑制、官製ワーキングプアの温床となるトップランナー方式は、地方交付税制度を著しくゆがめるものであり、やめるべきであります。
 1兆円のまち・ひと・しごと創生事業のうち、6,000億円になる人口減少等特別対策事業費の配分を、成果を上げた自治体に段階的にシフトすることも、交付税制度をゆがめます。人口減少に悩む中山間地の自治体にとって不利な成果を求めるようなことは本末転倒であり、課題に真剣に取り組もうとしている自治体にこそ厚く支援すべきです。総務大臣の答弁を求めます。
 最後に、明日3月11日、東日本大震災から6年目を迎えます。いまだ仮設住宅などで避難生活を送っている人は12万3,000人、何年たっても被災者の暮らしの再建には大きな困難が横たわっています。
 とりわけ心が痛むのは、福島の自主避難者とされた方たちへの住宅無償提供がこの3月で打ち切られようとしていることです。避難指示解除区域に戻れと言われても、病院が復活していないので帰ることができないなどの状況もあります。
 自主避難者への住宅支援の打切りは見直すべきではありませんか。
 避難先となっている全国各地の自治体が支援を継続できるように特別の対応を強く求めます。
 防災大臣、復興大臣、総務大臣の答弁を求めて、質問を終わります。

関係大臣の答弁

高市早苗総務大臣 山下議員から私には、まず、沖縄における米軍基地移設についてお尋ねがございました。
 国と地方公共団体の役割分担の下、国の施策に関して意見が対立する場合には、両者の関係を定めた地方自治法などの各種法令の規定に沿って解決が図られているものと認識をしております。
 次に、臨時財政対策債と地方交付税法定率の引上げについてお尋ねがございました。
 地方財政の健全な運営のためには、本来的には、臨時財政対策債のような特例債による対応ではなく、法定率の引上げにより地方交付税を安定的に確保することが望ましい方向であるというのは、山下議員御指摘のとおりでございます。しかしながら、国、地方とも巨額の債務残高や財源不足を抱えていることなどから、平成29年度地方財政対策においては、法定率の引上げによらず、折半ルールを3年間延長した上で、国は一般会計からの地方交付税の特例加算、地方は臨時財政対策債の発行により対処することとしました。
 国、地方とも厳しい財政状況でありますことから、法定率の更なる引上げが容易に実現できるものであるとは考えませんが、でも、今後とも諦めずに、法定率の見直し等による交付税総額の安定的な確保について、政府内で粘り強く主張し、十分に議論もしてまいります。
 次に、税制の在り方と地方交付税の拡充についてお尋ねがございました。
 税制につきましては、グローバル化、少子高齢化の進行等の経済社会構造の変化に対応して、国税、地方税を通じて、各税目が果たすべき役割を見据えながら、その在り方を検討することが重要でございます。特に地方税につきましては、行政サービスの対価を広く公平に分かち合うという応益課税の考え方を重視しつつ、その充実確保を図ることが必要です。
 今後とも、地方団体が地域に必要な行政サービスを確実に提供しながら安定的な財政運営を行えるよう、地方交付税を含む地方の一般財源総額を適切に確保してまいります。
 次に、公立保育所の施設整備に係る地方債の交付税措置についてお尋ねがありました。
 一般財源化された公立保育所の施設整備に対する補助に係る地方財政措置については、全額を地方債の対象とし、その元利償還金について、事業費補正により70%、単位費用により30%、合わせて100%の地方交付税措置を講じています。その上で、保育の供給体制整備については、それぞれの地方団体において、地域の実情などを踏まえて適切に判断されているものと認識をしています。
 次に、公立保育所の統廃合についてお尋ねがありました。
 公共施設の老朽化が進む中、計画的な施設管理を行うことで、財政負担の軽減、平準化や施設配置の最適化を図ることが重要でございます。施設の集約化や複合化に当たっては公共施設最適化事業債が活用できますが、これは公立保育所といった特定の施設の廃止や統合を進めようとするものではございません。各団体においては、保育所などの子育て施設をどのように配置することが地域において必要とされる保育サービスの要請にかなうのかということも含めて議会や住民の皆様と議論し、検討をしていただきたいと存じます。
 次に、公立保育所の増設についてお尋ねがありました。
 公立保育所の整備については、一般財源化による影響が生じないよう適切に地方財政措置を講じておりますが、地域において良質な保育サービスが確保されるよう、今後も厚生労働省と連携しながら対応してまいります。
 次に、トップランナー方式についてお尋ねがありました。
 トップランナー方式においては、既に多くの団体が民間委託等に取り組んでいる業務について、その経費水準を基準財政需要額の算定基礎としています。また、導入に当たっては、地方団体への影響等を考慮し、複数年掛けて段階的に反映するとともに、小規模団体において民間委託等が進んでいない状況を踏まえて算定を行っており、地方交付税制度をゆがめるものではございません。
 次に、人口減少等特別対策事業費についてお尋ねがございました。
 人口減少等特別対策事業費においては、地方創生の取組の成果が現れつつあることを踏まえ、段階的に、取組の必要度に応じた算定から取組の成果に応じた算定にシフトすることとしています。また、その際、財政力が低く過疎法などの対象となっている団体について算定額の割増しを行うなど、条件不利地域に配慮した算定を行うこととしています。
 最後に、自主避難者への住宅支援についてお尋ねがございました。
 避難指示区域外からの避難者への応急仮設住宅の供与の取扱いについては、福島県において、災害公営住宅の整備状況などを踏まえ、災害救助法を所管する内閣府と協議の上で決定されたものと承知をしています。また、住宅確保に関しては、福島県において、自主避難者に対する仮設住宅の供与終了後の支援策を策定し、取り組まれることと承知しています。
 総務省では、引き続き、人的、財政面での支援を始めとして、被災自治体が必要な復旧・復興事業を確実に実施できるよう万全を期してまいります。
 以上でございます。

麻生太郎財務大臣 山下議員から、公正公平な税制の在り方や地方交付税について一問お尋ねがあっております。
 税制につきましては、所得税の最高税率の引上げ、金融所得課税の見直し、法人税改革におきます大企業を中心とした課税ベースの拡大など、現政権におきましても担税力に応じた税負担となるよう見直しに取り組んできており、大企業や富裕層に対する優遇課税との御指摘は当たらないと存じます。
 地方交付税につきましては、地方による必要な行政サービスの安定的な実施を勘案しながら、毎年度の地方財政対策において、総務省と十分に協議してまいりたいと考えております。

塩崎恭久厚労大臣 山下芳生議員にお答えを申し上げます。
 認可外保育施設での死亡事故と公立保育園の費用の一般財源化についてのお尋ねがございました。
 認可外保育施設に対しましては、事故防止ガイドラインによる取組の徹底、都道府県等による年1回以上の立入調査に加え、平成29年度予算案では新たに指導員による巡回指導を支援することとしており、これにより重大事故の発生を防止していきたいと考えております。
 また、公立保育園につきましては、平成16年度に運営費が、平成18年度に施設整備費がそれぞれ一般財源化されました。これは地方6団体の提案による三位一体改革によりなされたものでございます。
 公立保育園の減少に対する見解とその増設についてのお尋ねがございました。
 公立保育園の数は全体では減少しておりますけれども、各市区町村がどのような形で保育の受皿を整備をしていくかということにつきましては、地域が抱える諸事情を踏まえ、各市区町村において適切に判断されているものと考えます。
 各市区町村においては、公立や私立を問わず、質を確保しつつ、地域の保育ニーズに対応した保育園の整備を進めており、厚生労働省としては、こうした市区町村の取組をしっかりと支援をしてまいります。

松本純防災大臣 山下議員より、いわゆる自主避難者の方への住宅支援の見直しについて御質問をいただきました。
 東日本大震災における応急仮設住宅の提供については、発災当初から災害救助法に基づく応急救助として実施することとしたものであり、地震、津波、原子力災害を別なく一律に取り扱ってきたところでございます。
 福島県におきましては、これまで、避難指示解除、災害公営住宅の整備状況などを勘案し、国の同意を得て、各市町村を一律に6年目まで応急仮設住宅の提供を延長してまいりました。今般の7年目の延長決定に際しては、災害公営住宅の整備等がおおむね完了し、各市町村の復旧・復興状況に応じたきめ細やかな対応が可能であると福島県において判断されたところでございます。そのため、福島県において個々の市町村の状況を確認し、延長の方針を検討、判断され、国に協議し、その同意を得た上で決定されたものでございます。
 具体的に、平成29年4月以降については、避難指示区域以外の市町村は、災害公営住宅が十分に整備等されていない市町村を除き、災害救助法に基づく応急仮設住宅の供与から、福島県により策定された帰還・生活再建に向けた総合的な支援策に移行することとなります。
 内閣府としては、引き続き、関係省庁や福島県と連携し、避難者の方々の安心して生活を営むことができるよう努めてまいりたいと考えております。

今村雅弘復興大臣 福島の自主避難者への住宅支援についてお尋ねがありました。
 この度の応急仮設住宅の供与の取扱いについては、福島県が、復興公営住宅の整備、住居の確保の市町村ごとの状況を踏まえて判断し、災害救助法に基づいて内閣府に協議がなされ、決定されたものでございます。
 応急仮設住宅の供与終了に当たり、福島県においては、自主避難者に対する仮設住宅の供与終了後の支援策を策定し、民間賃貸住宅の家賃補助、公営住宅等の確保、県内帰還時の移転補助を行うものと認識しております。
 復興庁としましては、住宅確保に関して、雇用促進住宅での受入れを関係団体に協力要請し、住宅の一部提供が行われることとなったほか、国土交通省とも連携しながら、公営住宅への入居円滑化の支援を行っているところでございます。また、避難者への相談支援などを通じ、福島県の支援策が円滑に進むように支援してまいりたいと考えております。
 福島県に対しては、個々の避難者の方の事情をよく伺って丁寧に対応していただくようお願いしており、県においてそのように対応されているものと認識しております。

消防職場 いじめ防げ 
団結権回復を要求

 9日の参院総務委員会で、人命救助に携わる消防士の職場で頻発しているハラスメント(いじめ・いやがらせ)根絶への対策と、消防職員の団結権回復を求めました。

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消防職場 いじめ防げ 団結権回復を要求 
2017年3月9日 参院総務委員会

山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 私からも、3月5日、訓練に向かった長野県の消防防災ヘリが墜落し、乗っていた9名の方がお亡くなりになったことに対して心からお悔やみを申し上げます。

 お昼のニュースで告別式の模様が流されておりましたが、人命救助活動に当たってきた尊い命がこのような事故で二度と失われることがないように、しっかりと原因を究明し、対策を取ることを求めたいと思います。先ほど答弁がありましたので、これはもう答弁は求めません。

 さて、消防庁は、2月6日、消防職場でのパワハラやセクハラなど、職場での嫌がらせ、ハラスメントの実態調査を実施するための有識者による会合を立ち上げました。その概要と目的、それから消防職場でどのようなパワハラ行為があったのか、御報告ください。

冨樫博之(総務大臣政務官) 消防庁では、消防本部における職員のセクシュアルハラスメント、パワーハラスメント等のハラスメント事案等の実態を調査し、各消防本部において講じる対策の在り方について検討するため、消防本部におけるハラスメント等への対応策に関するワーキンググループを開催しているところであります。

 アンケート調査は、消防の職場におけるハラスメント発生の実態を把握し、ワーキンググループにおける検討の材料とするために実施しているところであります。具体的には、全国の消防職員のうち、男性3200名、女性800名を無作為で抽出し、最近1年間のセクシュアルハラスメント、パワーハラスメント等の経験の有無やその内容、ハラスメントを受けた後の対応等についてお聞きしているものであります。
 また、パワハラ行為の事例としては、糸島市消防本部における複数職員による暴言、暴力、しごき等の事案や、千葉県消防学校における教官による体罰等の複数の不適切な指導があったところであります。

山下よしき 私は、調査がやや遅かったんじゃないかという実感を持っております。消防での暴力、いじめ、パワハラ、セクハラはしょっちゅう報道されております。
 今ちょっとお触れになった、3月3日に福岡県糸島市消防本部で起こった事例をもう少し具体的に紹介します。消防本部の職員13人が集団で約30名の同僚に暴行、パワハラを繰り返していたと市長が記者会見をいたしました。訓練を装って日常的に暴行、パワハラが行われていた。例えば、100回から1000回の腕立て伏せを強要する、部下をロープで鉄棒につないだ状態で懸垂を命じ、力尽きると約30分間宙づりにするなどで、口から泡を吹き失神する職員もいたといいます。これ、100人規模の消防で約30人の被害者が出ていた。9年前から続いていて、少なくとも3人の若手職員が退職しております。過去に内部告発が何回もあったけれども、改善するどころか、告発者が逆に特定され、更なるいじめの標的となっていたと。

 それから、こういう小さな消防だけではありません。東京消防庁でも先月15日、50代の消防司令が部下の20代女性消防士にセクハラを繰り返したとして懲戒処分になっております。職場や飲食店で女性の肩や腰を触ったり、嫁にしてやってもよいなどの声を掛けたりしていたと。
 それから、少し前になりますが、渋谷の消防学校でレスキュー隊研修の教官6人が研修生を殴るなどの暴行を繰り返していた。4人の学校職員も暴力を目撃したのに報告しなかった。それどころか、上司の見回りを無線で知らせたり、研修生に隠蔽のための口裏合わせを指示していた。とんでもない連係プレーが発揮されていたわけであります。

 私は、公務職場で、しかも最も人命を尊重すべき消防職場で暴力やいじめやパワハラがこれほど頻繁に、また深刻な内容で起きている、これは放置できないことだと思いますが、大臣、どのように考えておりますか。

高市早苗総務大臣 まさに放置できないことだと思います。いかなる職場におきましても、このパワーハラスメントや暴力については、職務上の地位や人間関係など職場内の優位性を背景として相手の尊厳や人格を侵害する、決して許されてはならない行為であると思います。

 この消防の職場におけるパワーハラスメントや暴力の発生の原因ということで私から断定的なことを申し上げることはできないんですけれども、消防吏員は危険な現場において活動することを求められますので、階級制度に基づいた指揮命令系統というのが確立されていて、また、安全管理のため一定程度の厳しい指導、訓練が行われています。したがって、状況によっては、この指導の行き過ぎなどによるパワーハラスメントや暴力が起こる可能性があるということは推測できるかと思います。

 現在、このパワーハラスメントのみならず、いわゆるセクハラ、マタハラなどハラスメント全般について、消防庁において有識者及び全国消防長会などをメンバーとしたワーキンググループを設置しています。29年度のできるだけ早い時期にこの取りまとめを行っていく予定です。その取りまとめを踏まえまして、ハラスメントの撲滅に向けた対策をしっかりと取ってまいります。

山下よしき 厚生労働省のパンフレットによりますと、職場のパワハラ、六類型挙げておりまして、身体的暴力はもちろんですが、言葉による精神的攻撃、それから無視するなど人間関係からの切離し、業務上明らかに不要な要求で無理で過大な要求をすること、また逆に仕事を与えないなど過小な要求、さらに私的なことに過度に立ち入る個の侵害などを挙げております。こうしたパワハラによってメンタル、精神疾患に追い込まれて休職や退職、そして自殺という最悪の事態も生まれております。
 消防庁に伺いますが、消防職員のメンタル、精神疾患による休職者や退職者数の推移について報告してください。

大庭誠司(消防庁次長) 消防庁におきましては、パワーハラスメント、暴力を受けて精神を患い休職した者及び退職した者の人数についての調査を行っておりませんで、その人数については把握していないところでございます。

山下よしき 調査はしていないんですね、これまでは。今回調査初めてだと思うんですが、私も、今紹介あったアンケートの案を見せていただきました。アンケートは、女性消防職員2割に対するセクハラ・マタハラ調査、それから年代別に抽出して行うパワハラ調査とともに、全ての消防本部に行う調査というのもあります。
 大庭消防庁次長に問題提起させていただきますが、この各消防本部に対する調査で、メンタル疾患の有無、長期休職者あるいは若手の退職者数も項目に入れて聞く必要があるんじゃないでしょうか。

大庭次長 今回調査を発出いたしておりまして、その中では、特に不祥事防止の対応に関する調査ということで、例えば公益通報窓口あるいは相談窓口、あるいは懲戒処分基準等に関する調査と掲げておりまして、具体の事例等については抽出する予定はございません。

山下よしき 是非それは私は調べた方がいいと思いますよ。
 資料配付しておりますけれども、地方公務員災害補償基金の過労死等公務災害補償状況というデータがあります。これ3年前から、2013年から取り始めた統計なんですが、そこから精神疾患による公務災害事案をピックアップしてみました。

 資料の一番下の表を見ていただきたいんですが、2013年から2015年の3年間の合計で、全国の消防職員約16万人いるわけですけれども、この消防職員の中で、業務による精神疾患の公務災害の申請が20件、公務災害の認定が11件となっております。これ自体、申請されたものだけですから氷山の一角だと思われますが、それでも申請20件のうち11件が自死されておりますし、認定11件のうち3件が自死されたことも分かりました。

 太枠で囲んでいるところですが、消防職員、教職員、それからその他の地方公務員の1万人当たりの精神疾患による公務災害の率で比較しますと、消防職員は教職員の2.3倍の申請があり、その他の地方公務員の1.3倍の申請があります。また、認定件数では、消防職員は教職員の4.1倍、その他の地方公務員の1.8倍となっております。

 消防職員のメンタル、精神疾患の比率が他の公務職場よりも高い。高市大臣、どう受け止めますでしょうか。

高市総務相 公務災害補償の対象となる精神疾患について資料を作っていただきましたけれども、まず、先ほど御指摘のあったようなパワーハラスメント以外にも、勤務時間の長さですとか異動によるストレスなど様々な要因があると思います。そして、特に消防職員はもう本当に凄惨な災害現場活動に従事することで強い精神的ショックを強いられるということ、また身体の危険にさらされるということなど、一般の地方公務員とまた異なったストレスを受けて精神疾患となるケースもあると思われます。

山下よしき 私も、これ全部がパワハラの影響だとは言いません。しかしながら、消防職員のこのメンタル、精神疾患の多さは、これはやはり消防職場のいじめ、パワハラの実態と無関係でもないというふうに考えるわけであります。

 いじめ、パワハラがあってはならないと言うのなら、私は背景や原因をしっかり明らかにすべきだと思うんですが、消防職場での暴力、パワハラ、セクハラ問題について全労連、自治労連、連合、自治労などの労働組合の皆さんが繰り返し問題を指摘し改善を要求してきたわけですが、労働組合の皆さんが共通して指摘されているのは、暴力やパワハラが繰り返し起こる原因、背景の一つに、消防職員の団結権がいまだ付与されていない、回復されていないという根本的な問題があるという提起をされております。

 例えば、職場で起こる様々な問題を自分たちで話し合い自分たちで解決していくための職員団体すらつくることが許されておりません。職場での暴力やいじめ、パワハラが起きても声を上げられない、報復や更なるいじめを恐れて我慢を強いられる、まして、上司や消防署長ら、各消防のトップである消防長などの幹部によるハラスメントには個人では対抗しようがないと。
 私は、この労働組合の皆さんの団結権が回復されていないという問題提起、納得できる問題提起であると感じましたけれども、総務大臣、消防職場のハラスメントと団結権の関係、どう認識されていますでしょうか。

高市総務相 先ほど来申し上げていますように、パワーハラスメントの要因というのは様々だと思います。やはり階級制度に基づいた指揮命令系統、これが確立されていて、安全管理のための相当厳しい指導、訓練が行われているというようなことで、状況によってはパワハラにつながるような厳しい行き過ぎた指導というものになっているおそれがあると考えられるんですけれども、ただ、消防職員の団結権が付与されていないためにパワーハラスメントの発生が防止できないとは必ずしも言えないように思います。

 パワーハラスメント対策については、労使関係の在り方にかかわらず、これはもう組織のトップから全部の職員までが全体として取り組むべき重要な課題であるというふうに私は認識をしています。先ほど申し上げましたハラスメントに関するワーキンググループで御議論いただいた上で、しっかりと撲滅に向けた対策に取り組んでまいります。

山下よしき 団結権の付与が全てパワハラを解決することになるとは私も申し上げておりません。しかし、こういう深刻ないじめ、特に上司だとかトップからいじめがあったときに職員がばらばらな状況、団結することが認められないような状況でどうやってこれを告発し解決していくのかということは、これはひとつ大きく考えなければならない問題ではあると思うんですね。

 例えばもう一つ、じゃ、事例を紹介しますけれども、こんな事例ばっかり紹介するのは嫌なんですけれども、大変深刻な事例です。
 消防長がパワハラを行い、退職強要している事例であります。関東のある消防本部、30代の消防士Aさんは、休日に友人とのスポーツ競技で足をけがし、3か月休職いたしました。復帰後、消防長から、自己管理ができていない、おまえに消防士の将来はない、辞めろと退職強要が始まりました。Aさんは、いじめ、嫌がらせがAさんに対して繰り返されるようになって、労働組合の相談窓口にどうしたらよいか相談したわけですが、その後、この相談したことが問題になって、朝礼の場で消防長が労働組合にパワハラ問題があると相談した者は誰だと発言し、その場で収まらないので名のり出たら、今後1年の間に一人前の仕事ができるようにならなければ退職する旨の誓約書の提出を強要されたということになっております。

 これはもう公務災害として、その後出勤できなくなって、病院でうつ病と診断されて、公務災害の申請も行って、公務災害に認定されました。認定した裁定書に、職場を辞める旨の誓約書の作成を要求することを正当化できない、労働組合に相談したこと自体を理由として誓約書の作成を要求することは正当化できない、消防長らによる継続的な退職強要によって職を失うことへの深刻な不安を強め、その結果うつ病を発症したものと公務災害を認定されております。

 これ、恐らく団結権問題になりますと、消防職員の委員会制度というのがつくられておりますから、そこでその団結権付与に代替されているんだということをよく聞くんですけれども、その消防職員委員会というのは、審議結果はあくまでも参考意見として、最終的な決裁権限は消防長が持つということになっておりまして、いろんなところでも、ほとんど要求が実らない、聞かされない、聞きっ放しにされているということも聞きますけれども、こういう職場の現状では消防長がやるパワハラということを解決することができないわけですね。

 私は、労働者の基本的人権である労働三権、せめて団結権の付与というものは、もうこれは人権ですから当たり前なんですが、これだけパワハラが全国調査をしなければならないほど消防職場に蔓延しつつあるときに、この間の消防職員に対する団結権の付与についていろいろな議論があり、到達がありますけれども、こういうパワハラが蔓延している今だからこそ団結権の付与を改めて決断すべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

高市総務相 消防職員の団結権を含む地方公務員の労働基本権の在り方については、国家公務員制度改革基本法附則第2条において「国家公務員の労使関係制度に係る措置に併せ、これと整合性をもって、検討する。」こととされています。この国家公務員の労働基本権の在り方については、安倍総理から、多岐にわたる課題があることから、これまでの経緯なども踏まえ、引き続き慎重に検討する必要があると答弁をされています。ですから、消防職員の団結権を含む地方公務員の労働基本権の在り方については、国家公務員についての動向を踏まえ、関係者の御意見をよく伺いながら対応する必要があると考えています。

 しかしながら、今委員から例示されましたようなあってはならないことが続いてはどうしようもございませんので、今回設置させていただきました検討の場におきまして、それらの事例も踏まえて、まず発生防止対策と、仮に発生してしまった場合に適切に対応する体制の在り方についてしっかりと検討を進め、実行してまいります。

山下よしき 実態調査を踏まえて検討して対策を取るというのは当然なんですが、その際、今消防職員自身に団結権を認められておりませんけれども、広く公務員の職場で労働組合は活動しておりまして、当然ながら消防職員の実態もいろいろ聞かれているわけですね。その労働組合の皆さんから、このパワハラについていろいろな問題提起がずっとされてきた。そして、いよいよ実態調査をしなければならない段階に来ていると。

 ですから、この調査を踏まえて対策を検討する際にはこうした労働組合の皆さんの意見も是非聞いていただいて、そして、本当にあってはならない、どんなに階級制があって過酷な訓練をする職場だとはいえ、こんな、私、これ聞いて読み上げるだけでももう体が震えるぐらいの怒りを覚えるような職場の実態があるわけですから、これをずっと告発し対策と改善の方法を提起されてきた労働組合の皆さんの意見もしっかり聞いて、これ本当にいろんな力を合わせて根絶するために総意を結集する、総力を結集する必要があると思うんですが、その点、御検討いただくべきではないかと思いますが。

大庭次長 この検討会におきましては、全国消防長会それから有識者の方々等で構成をいたしておりまして、ただ、やはり若手の消防職員の御意見もいろいろお伺いした方がいいということで、オブザーバーとして若手の消防職員の方々に何人か来ていただきましてこの検討会に参加していただくことを考えております。

山下よしき 大臣、もう労働組合でずっと毎年提起されているわけですね、この問題は。いろいろ経験を蓄積されておりますから、団結権付与の直接課題にならないかもしれませんが、パワハラをなくすという点でいうと、そういう皆さんの知見、問題意識もしっかりと私は参考にされることは絶対必要だと思いますが、いかがですか。

高市総務相 私も定期的に、自治労の方を始め労働組合の代表の方々と、処遇改善などの御要望も含めて会談の機会を持たせていただいております。就任以来、毎年やらせていただいております。
 今回も、せっかく検討するんですから、できるだけ幅広い方々の御意見を承りたく、労働組合の方にも来ていただいてよろしいかと思いますので、しっかりと対応させていただきます。

山下よしき 是非そういう機会をつくっていただきたいと思います。
 そもそも、消防職員の団結権は憲法28条で全ての労働者に保障されている労働基本権の一部であり、基本的人権です、繰り返しますが。それから、国際的にもILOから、公務員の労働基本権の回復、消防、刑事施設職員への団結権、団体交渉権の完全な付与を行うように、もう40年前から10回の勧告を受けております。ILO第87号条約批准国百二十二か国中、消防職員に団結権が認められていないのは現在日本ただ一国のみでありまして、これは極めて不当な事態、遅れた事態になっております。

 アメリカは、消防職員、警察官、これは団結権と団体交渉権が認められております。争議権はありませんが、団結権が認められたら上司と部下の間に対抗関係が生じ、一糸乱れず任務を遂行できないという状況はアメリカでは生じておりません。
 いろんな疑問がもうこれまでも繰り返し出されておりましたけれども、そんな心配はないと、2012年、当時の川端達夫総務大臣に私この問題を提起したんですけれども、いろいろな心配について、団結権を付与したことでこのチームワークが乱れるようなことはないだろうということを整理して答弁されておりました。
 こういう到達点もしっかり踏まえながら、パワハラの根絶という点でも生きるように団結権の回復、消防職員に対するですね、改めて求めて、質問を終わります。