電波法及び電気通信事業法の一部改正案に対する反対討論 
2017年4月25日 参院総務委員会

 私は、日本共産党を代表して、電波法及び電気通信事業法の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。
 航空機の無線設備等の検査制度に創設される総務大臣による認定制度は、航空機に搭載される無線機レーダー、衝突防止レーダー、電波高度計等の安全性チェックを航空会社に任せ、国による検査、合否判定を省略する規制緩和です。航空会社に技術的にチェックする能力があったとしても、自社の航空機搭載無線設備に対して厳正なチェックができるかは疑問です。航空機運航の安心、安全に対する国の責任の後退であり、反対です。
 そもそも、今回の検査制度の見直しは、年1回の定期検査の省略や費用負担の軽減を求める航空事業者の規制緩和要望が出発点です。しかし、専門家らの検討過程において、過去10年間で100件を超えるトラブル、重大事故につながりかねない多くの不具合事象が発生していることが明らかになりました。
 今、国、総務省がやるべきことは、航空会社任せの括弧付改善の取組や定期検査を省略する新たなスキームの導入ではなく、現在報告されている不具合事象について、国が主導して原因を分析、究明し、可能な対策を直ちに打つことです。安全性と競争力はバランスを取るものではなく、安全性確保は何よりも優先されなくてはなりません。
 国民の願いは航空機の安全運航の確保です。総務省の姿勢は、航空会社の要望ありきで国民の願いに逆行するものであることを指摘して、討論を終わります。

日本郵政巨額損失、航空機の無線設備に関する検査制度の見直しについて 
2017年4月25日 参院総務委員会

山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 法案に先立って、日本郵政の巨額損失問題について質問をいたします。
 日本郵政が6200億円もの巨額を投じて買収したオーストラリアの物流企業トール社の業績不振で、数千億円に上る巨額の損失を計上すると報道されております。日本郵政は、本日夕方、記者会見を行うと聞いておりますが、日本郵政がトール社を買収したのは2015年であります。当時の総務大臣は高市大臣でありました。
 大臣、当時この買収についてお認めになったんですか。

高市早苗総務大臣 買収につきましては私が認可するものではございません。

山下よしき 日本郵政の経営判断だということだと思うんですが、しかし、日本郵政の監督官庁は総務省であります。加えて、民営化、当時もされていたとはいえ、100%政府が株式を保有しておりました。監督官庁としても100%株主としても、政府そして総務大臣には重い責任があると思います。
 今回の件について、高市大臣、責任お感じになりませんか。

高市総務相 平成27年、私の記者会見の記録もございますけれども、私も発表になるまで十分承知はいたしておりませんでしたが、しっかりとした対応を期待したいと、それから、うまくいかなかったらこれは大変なことであると、しっかりと日本郵政グループのグローバル化と収益力の多角化、強化、そして、当然、法定されておりますユニバーサルサービスの確保、これを両立させていただきたいと考えています、このように記者会見で、これは日本郵便から発表があった数日後の記者会見でお答えしたところでございます。
 今、山下委員がおっしゃいましたトール社に係るのれんの扱いについては、今日現在、今の時点では日本郵政から現在検討中とのコメントが出されているのみでございます。さらにまた、日本郵政の経営判断によることですから、今の時点で総務省としてコメントをすることは差し控えたいと存じます。
 平成29年度事業計画の認可においては、私から日本郵便に対しては、国際物流業務の状況等に留意しつつ、引き続き、収益力の多角化、強化、経営の効率化の更なる推進、ガバナンスの強化などを着実に進めることということを要請いたしております。しっかりと取り組んでいただきたいと存じます。

山下よしき 今、会見のことが紹介されましたので、私もその会見を議事録を読みました。2015年の2月18日に日本郵政がトール社の買収を発表しているんですね。買収は、その後数か月掛けてトール社の全株式を取得する予定でありました。この2月18日の発表された2日後に高市総務大臣は記者会見で野心的な挑戦だというふうに評価をされていたわけで、事実上これはこのトール社の買収について追認されたと言っていい状況だったと思います。ですから、知らなかった、日本郵政がやったことだということでは私は済まない。
 ユニバーサルサービスの維持ができるのか、郵政で真面目に働く人たちへの影響はないのかが懸念されておりますので、委員長に提案したいと思いますが、この件について、買収当時の社長だった西室泰三氏、現社長の長門正貢氏ら関係者に参考人として出席していただいて、集中審議を行うことを提案したいと思います。

横山信一総務委員長 ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。

山下よしき それでは、法案の質疑に入ります。
 法案の航空機の無線設備に関する検査制度の見直しについて聞きます。
 航空機にはたくさんの無線設備が搭載されておりますが、まず、どのようなものがあるのか、紹介してください。

富永昌彦(総務省総合通信基盤局長) 航空機に搭載される無線設備には、管制所と交信するための航空機用無線電話、質問信号を受信すると自機の識別信号を送信するATCトランスポンダー、前方の雨などの気象情報を表示させる気象レーダー、航空機の対地高度を測定する電波高度計、不時着時に救命信号を発信する航空機用救命無線機、質問信号を送信して周辺のATCトランスポンダーの情報を収集する衝突防止装置などがございます。

山下よしき いずれも航空機の安全運航にとって不可欠な機器でありまして、こういう機器が正常に機能しなければ大変なことになります。
 人命にも関わることになると思いますが、実際に航空機の無線設備の不具合が原因で乗員乗客が死亡した事故はありますか。

富永局長 お答え申し上げます。
 平成24年8月の航空機に搭載する無線局の検査の在り方に関する研究会の開催に当たり調査いたしましたところ、平成21年に電波高度計の異常に関係する死亡事故が海外で1件発生しております。これは、搭載されている二台の電波高度計のうち一台が原因不明のトラブルで異常な値を示し、警報が鳴ったにもかかわらず、そのまま降下を続けた結果墜落し、乗員乗客9名が死亡したものでございます。
 本件は、警報が鳴ったにもかかわらずそのまま降下を続けたという航空機の運航上の問題と、トラブルを起こした電波高度計が事故発生前の25時間以内に同じトラブルを二度発生させており、かつ以前より100回以上のトラブルが発生していたことにもかかわらず取り外し等の措置をとらなかった整備体制の問題と捉えられております。
 こうしたことも勘案しまして、今回、日常的な点検体制、点検方法について総務大臣の認定を受けることができる制度を導入することとしたものでございます。

山下よしき 電波高度計の不具合が理由で墜落事故で死んじゃったということでありますが、じゃ、日本は大丈夫かということなんですが、資料一に、お配りしてありますけれども、これは総務省の航空機に搭載する無線局の検査の在り方に関する検討会が無線設備の不具合により発生したトラブルの例を国土交通省に聞き取って作ったものであります。
 ここに紹介してあるのは2011年中に発生したもののみの抜粋ですが、それを見ても、例えば気象レーダーとか電波高度計とか航空無線電話などで不具合が発生し、飛行中目的地を変更したとか、離陸直後引き返したなどのトラブルとなっております。いずれも日本の航空会社であります。下のピンク色の箱の中に、国土交通省に報告されている案件だけでも過去10年間に100件超の無線設備不具合によるトラブルが発生している模様だとされております。
 資料二に、そこで、この検討会を受け継いだ総務省の航空機局の定期検査等に関する評価会が、今度は各航空会社に対して、トラブルに至らないまでも不具合がどれだけあったのかということを調査しております。無線機器の定期検査及び通常運航時の不具合データ調査です。要するに、引き返すとか目的変更まで至らなかったけれども不具合が見付かったものはどれだけあるかを調査したんですが、結果、現状は無視できないほどの不具合があることが明確になったと結論付けられております。
 A社からJ社まで個別の航空会社の結果が載っておりますけれども、一番大きいと思われる下のJ社、これは無線機器の保有台数が4090台です。定期検査のときに不具合が見付かった件数が、レベルワン、レベルワンというのは下のちっちゃい字ですけれども、通信不能や他の通信に影響を及ぼす事象に直接つながった不具合でして、これが26件。レベルツー、継続して使用するとレベルワンの事象になる可能性のある不具合、これが17件。レベルスリー、そこまではいかないけれども電波法の技術基準を満たさない不具合、これが591件あったと。その他の航空会社でもかなりの件数報告されております。日本の航空会社でもこういう無線機器の不具合、それを原因とするトラブルは結構起こっているということであります。
 ところが、今回総務省が導入しようとしている航空機の無線設備の新たな検査制度というのは、これまで年1回、国の検査官が直接合格、不合格の合否判定してきたのをやめて、航空会社自身に点検も検査も任せてしまう規制緩和であります。これは、航空機運航の安全、安心に対する国の責任を後退させるものではありませんか。

あかま二郎総務副大臣 お答えいたします。
 航空機に搭載される無線設備に係る電波の質の維持は、航空機の安全運航の確保の観点から極めて重要と考えております。
 今回の認定制度でございますけれども、まず、点検の手法及びその間隔並びにその体制について規程を定めさせた上、総務省の認定を受ける。そして、点検その他保守に係る報告を義務付けることにより、これまでの年1回の定期検査と同等以上の電波の質を維持させようとするものでございます。認定の基準の策定及び個々の認定でございますけれども、電波監理審議会への諮問、答申を経て行うこととしております。
 また、毎年義務付けている免許人からの保守点検実施状況の報告内容に疑義がある場合や、免許人の業務の不適切な実施に関する疑い、又は外部からの情報があった場合には、その事実関係を確認するために立入検査を実施し、必要に応じて認定を取り消して、国が直接検査をすることとしております。
 こうしたことにより、日常の点検、整備が適切かつ確実に実施されるよう、国の責任を果たしてまいりたいと考えております。

山下よしき 私、説明受けたんですが、航空会社の自主点検、整備にPDCAサイクルを取り入れるんだということなんですが、その新たなスキームで本当にトラブルや不具合を減らすことができるのか。これからその具体的な基準を決めるということなんで、じゃ、その検査の方法とか、検査の頻度とか体制とか、どういうふうにするんですか。

富永局長 お答え申し上げます。
 今回の制度における保守規程につきましては、その認定の基準として、保守を行う体制、能力の観点から、電波の質を維持するために十分な点検、整備能力を有していること、点検、整備に携わる組織、人員、資格の要件が定められていること、それから二つ目といたしましては、点検手法の観点から、無線設備の点検、整備手順が明確であること、無線設備に関する品質、信頼性、技術管理の方法が定められていること、それから三つ目は、そのほか、無線局の基準適合性を確保するために必要な事項が定められていること、こういったことを定めることとしております。
 今後、法律の施行までの間に専門家の御意見なども聴取しながら、具体的な認定の要件をまとめていく予定としております。
 無線局の基準適合性の確認の頻度につきましては、現在の定期検査の頻度、それから航空法に定められる整備間隔などを勘案いたしまして、電波の質が維持されるように具体的な頻度を検討してまいります。
 以上でございます。

山下よしき だから、これから検討なんですよね。
 具体的に聞きますけれども、年1回の定期検査、これどうなるんですか、やめるんですか。

富永局長 年1回の定期検査を選択される場合と、それから今回の認定制度を選択される場合ということで、二つのコースを今回設定させていただいております。
 それから、認定制度におきましても、毎年報告を受けて、私どもがしっかりそれを見るということにしております。
 以上でございます。

山下よしき ベンチチェックというのはどうなりますか。ベンチチェックというのは、積んで飛んでいるとき、フライトチェックじゃなくて、航空機が着陸して機器を降ろしてチェックする検査ですが、これ定期検査のときにはこれまで全部やっていましたけれども、このベンチチェックどうなるんですか、やめるんですか。

富永局長 ベンチチェックにつきましては、どういった形で実際に点検をしていただくかということを含めまして、これからの検討課題とさせていただいております。
 以上でございます。

山下よしき 結局、これから決めるということなんですよ。どうなるか分からない。定期検査が年1回やられていたときよりも良くなるのか悪くなるのか、私は今の段階で判断できない、白紙だと言わなければなりません。何も決まっていないんですからね。これではトラブルや不具合を減らせるのかどうかは分からないと思います。
 そこで、そもそも論聞きたいんですけれども、航空機の無線設備で、先ほど紹介したように、これだけの日本の国内でもトラブルがあったり不具合があったということが分かったわけです。しかも、これは2013年、2014年にこの検討会や評価会が国交省や各航空会社に問合せをして初めてこれだけたくさんあるんだということが分かった。専門家の先生方もたくさんあるじゃないかと驚いておられたわけですが、だとすればですよ、まずは国が主導して、緊急に事故や不具合発生の原因を分析、究明して、今すぐ可能な取れる対策を打つことが当然だと思うんですが、それやらないで、なぜ航空会社のPDCAサイクルに委ねるようなことをするんですか。なぜまず国が主導して、直ちにやれることをやらないんですか。

富永局長 航空機局の定期検査等に関する評価会におきましては、航空機局に搭載される無線設備につきまして、過去数年にわたる不具合の技術的データを分析した結果、定期検査時だけではなく通常運航時、この通常運航時と申しますのは、航行中に限らず運航前点検中ですとか整備期間中という期間も含みます、こういった運航時にも不具合が一定程度発生していること、それから、不具合を予防するための系統的な信頼性管理は行われていないことが判明いたしまして、不具合を減少させる方策につきまして検討を進めるとの中間的な取りまとめが平成27年6月に行われました。
 この取りまとめを受けまして、不具合の原因分析及び信頼性向上のための具体的な方策について検討を進めた結果、PDCAサイクルなど予防的な整備管理体制を構築し、恒常的に無線機器の基準適合性、適合性確認を行うスキームを導入するとの方向性が平成28年3月に示されたところでございます。今回の制度改正はこれを踏まえて行うものでございます。
 以上でございます。

山下よしき 予防的整備、PDCAサイクルというんですが、私、それがうまく回ることを前提に今お答えになっていると思いますけれども、必ずしもそういくとは限らないということを指摘しなければなりません。
 2004年の日本航空のMD87型機、これが、義務付けられた左主脚部の点検をしないで41回離着陸を繰り返していた事件があります。しかも、この未検査が発覚した後の検査も、必要な二つの検査のうち一つを行わずに手抜き検査のままだったと。それで12回、また後、離着陸を行ったということがありました。このとき報道では、検査を担当した整備士は、翌日のフライトに影響を与えることが気になった、早く検査を終えたかったこともあると、こう答えているわけでありまして、2011年、航空機を製造する三菱重工でも部品の手抜き検査があって、89年から2011年までの間、46万個の航空部品で規程の検査手順を守らなかったということもありました。
 何が言いたいかといいますと、民間会社では、こうして運航に支障を来すなどの理由で検査、点検が正常に行われないことがあり得ると、こういうところにPDCAを委ねても正常に機能しないことが起こり得ると。違いますか。

富永局長 今回の制度整備は、専門家にお集まりいただきました評価会等の検討を受けて、やはりPDCAサイクルを実際に点検等を行う会社がやることを前提に制度整備ということでつくらさせていただきたいということでございます。
 私どもとしては、この制度創設を契機にいたしまして、しっかりと民間事業者におきまして、点検整備、PDCAサイクルを回すようなことをやっていただくようにしっかりと周知啓発を図っていきたいと思っておりますし、実際にこの認定制度を運用していく段階で報告を求めることになっております。その報告の中で、しっかりしたものがやられていない場合は立入検査もいたしますし、また、必要によっては認定を取り消す、あるいは、更に申しますと無線局の免許を取り消すといったことも可能でございますので、しっかりと総務省として対応していきたいと考えております。

山下よしき 事故が起こってからでは遅いんですね、命に関わるわけですから。ですから、さっき言ったような民間会社における手抜きがなぜ起こるのかといいますと、やはり背景に利益至上主義があると思います。今回の航空機の無線機器の検査制度の見直しの出発点も、航空機会社、とりわけ格安航空会社と言われるところから2012年に年1回の定期検査の免除を求める規制緩和要求が出された、費用も手間も掛かる定期検査を3年に1回にしてくれとか、検査項目を減らしてくれとか、ベンチチェックを見直してくれとかいうことが出たことがきっかけですから。
 私は、そういう規制緩和、検査のコスト削減と安全というものをてんびんに掛けるわけには絶対にいかないと、航空機の安全というのは絶対優先されなければならないと思いますが、まだそういうPDCAサイクルに委ねるのは私は時期尚早だと。まず国が、これだけのトラブル、不具合があることが分かったんですから、やるべきことをまずやらせるということをやるのが先決だと思っております。
 国の責任を後退させることはまかりならないということを申し上げて、終わります。

丸亀(香川)で3議席必ず 
市議選きょう投票 応援に

 15日、最終盤の香川県丸亀市議選(16日投票)で党3候補を押し上げようと市内3カ所で演説しました。

 冒頭、シリアに59発のミサイル攻撃を仕掛け、北朝鮮への軍事攻撃を示唆した米国トランプ大統領に追従する安倍晋三首相の態度を「国連憲章と国際法に違反する米国の行為を『支持する』と表明したことは重大だ」と批判。「もし米国が北朝鮮に対して先制的な軍事攻撃を行えば、韓国や日本を巻き込んだ武力紛争になる。北朝鮮の核・ミサイル問題は外交的交渉で解決する以外に道はない」と強調しました。

 審議入りが強行された「共謀罪」法案について「現代の刑法の大原則を踏みにじるだけでなく、思想・良心の自由を侵害する違憲立法です。人々の内心を取り締まることになる」と指摘。「今こそ野党と市民の共闘で安倍政権を倒すために力を合わせましょう」と呼びかけると、大きな拍手が起こりました。

 おざき淳一郎=現=、中谷まゆみ=現=、笹井たかし=新=の各候補は、現有2議席から3議席への躍進で議案提案権を勝ち取る決意を述べました。

地方公務員法改正案の審議で小川祐子さん(学童保育指導員)が意見陳述

 4月13日、地方公務員法改正が審議されている参院総務委員会で、自治労連・非正規公務公共評議会幹事の小川祐子さんが意見陳述に立ちました。小川さんの発言をそのまま紹介します。


○地方自治体の職場で働く臨時・非常勤職員の現状。

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意見陳述する小川祐子さん

小川祐子さん 私は自治労連非正規公共評議会幹事の小川裕子です。埼玉県内で学童保育の指導員として働いています。また自治労連埼玉県本部非正規公共協議会の事務局長として、県内自治体で働く臨時・非常勤職員と自治体業務を委託や指定管理などを受けている施設などで働く労働者の雇用を守り、賃金・労働条件を改善させ、住民サービスを守る活動を行なっています。 続きを読む

正規拡大対策ない 
地方公務員法改定など 共産党は反対

 地方公務員法と地方自治法改定案が13日の参院総務委員会で自民、民進、維新、公明各党の賛成多数で可決されました。日本共産党は、非常勤職員の正規化、正職員の定員拡大等の根本的な対策がないこと等を問題として反対。採決に先立ち、私が質問と反対討論に立ちました。参考人として、自治労連非正規公共評議会幹事の小川裕子さんが発言しました続きを読む

地方公務員法及び地方自治法の一部改正案に対する反対討論 
2017年4月13日 参院総務委員会

 私は、日本共産党を代表して、地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。
 本法案は、地方自治体における特別職非常勤及び臨時的任用の実態が地方公務員法の規定と乖離しているとして、臨時、非常勤の任用要件を厳格化し、増大した臨時・非常勤職員の受皿として新たに有期雇用契約である会計年度任用職員制度を新設し、期末手当の支給を可能とするとされているものであります。
 反対理由の第一は、臨時、非常勤を急増させた国と地方自治体の責任への反省がなく、臨時、非常勤の正規化、正規職員の定員拡大などの根本的な改善策が示されていないことです。
 三位一体改革や集中改革プランなどによって国から正規職員の定数削減を迫られる中、行政需要の増大に対応した結果、地方自治体の臨時・非常勤職員が急増しました。今や、公立保育所の保育士の半数近くが臨時、非常勤となっています。学童保育については総務省の実態調査すらされていません。学校では、定数内でさえ臨時、非常勤の教員、講師が配置されています。未来をつくる子供たちの命と安全、発達を保障する業務の担い手が、不安定で低賃金、生活保障さえできない処遇で本当に良いのでしょうか。
 民間の非正規雇用労働者に認められた解雇法理の適用による無期転換の対象外とされ、司法の場でも歯止めが掛からなかったことで、不安定、低賃金な臨時・非常勤職員が自治体職場で一貫して増え続けてきたのであります。本来なら、基幹的、恒常的業務については定数枠を広げて常勤化すべきです。ところが、本法案には常勤化への道を積極的に開く内容は一切ありません。
 反対理由の第二は、導入される会計年度任用職員制度が入口規制のない有期任用の職となっており、会計年度ごとの任用と雇い止めを地方自治体の判断で進めることを可能としており、合法的な人員の調整弁となる可能性を否定できず、地方公務員法の恒常の職の無期限任用の原則を掘り崩すおそれがあることです。
 反対理由の第三は、会計年度任用職員への給付について、フルタイムの場合は給料及び各種手当の支給対象となるのに、数分でも短くパートタイマーとされた者は期末手当のみとされ、通勤費などは従来どおり費用弁償の対象とするとしつつも、フルとパートで待遇格差を温存することは認めるわけにはいきません。
 さらに、再度任用されても、条件付採用期間があることなどで、不当に雇い止めに遭った場合にも任用継続への期待権が認められにくくなるのではないかとの指摘を否定できる根拠はどこにあるというのでしょうか。
 また、特別職非常勤を会計年度任用職員へ移行させることにより労働基本権の制限が掛かることとなりますが、組合解散や一般労組からの脱退により労働条件の不利益変更などが生じるおそれも指摘されています。
 自治体における常勤、非常勤格差は今や民間以上となっており、臨時・非常勤職員の7割が女性です。まさに公務がワーキングプアの製造場所となって、日本全体の格差拡大を進める結果となっていることを直視すべきです。
 仕事の中身が同じなら権利もお金も皆同じ、人間の平等からして当然の状態を公務職場でこそ実現することが強く求められていることを指摘して、討論を終わります。

恒常的な仕事については正規職員が担うのが原則 学校職場・自治体職場の非正規職員の現状を聞く 
2017年4月13日 参院総務委員会 参考人質疑

山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 今回の地方公務員法改定案の審査に当たっては、当事者である地方自治体で働く臨時・非常勤職員の皆さんの声を是非とも聞く必要があると考えまして、理事会で提案したところ、委員長、各会派の御理解を得て、本日、日本自治体労働組合総連合、自治労連の非正規公共評議会幹事である小川裕子さんに参考人として出席していただくことになりました。
 小川さん、ありがとうございます。早速ですが、私から小川さんに二点お聞きします。
 まず、地方自治体の臨時・非常勤職員はどのような仕事をどのような思いで担っているのか、また賃金などの待遇や生活はどうなっているのか、お話しください。

小川裕子(日本自治体労働組合総連合、自治労連の非正規公共評議会幹事) 本日は、このような機会をお与えいただきましてありがとうございます。私は、自治労連非正規公共評議会幹事の小川裕子と申します。埼玉県内で学童保育の指導員として働いております。また、自治労連埼玉県本部非正規公共協議会の事務局長として、県内自治体で働く臨時・非常勤職員と、自治体業務を委託や指定管理などを受けている施設などで働く労働者の雇用を守り、賃金、労働条件を改善させ、住民サービスを守る活動を行っております。
 自治体に直接雇用されて働く学童保育の指導員は、子ども・子育て支援新制度で、その役割は育成支援だと位置付けられました。子供の育ちを保障し保護者の子育てを支援するという、成長期の子供たちの命と育ちを守る重要な仕事をしていると自負しております。また、近年は、障害児や育児放棄を含めた虐待対応など、より高い知識と技術が求められております。しかし、現場には正規職員は配置されず、臨時や非常勤でありながらも、その責務を果たすため、一生懸命働いております。
 総務省調査結果でお分かりのように、全国の保育士の四割以上が臨時・非常勤職員として任用されております。埼玉の非正規公共協議会に集まる仲間には、常勤職員同様フルタイム又はフルタイムにごくごく近い、そういう勤務時間で働く保育士がたくさんおります。臨時、非常勤など非正規であっても正規保育士と同じように担任を持ち、子供たちや保護者と日々向き合って仕事をしております。
 しかし、その賃金は正規の半分か3分の1、20年以上働いても手取りは20万円にもならない、退職金もなく老後の生活は心配、病気休暇がないので熱があっても無理をして働いている、育児休業もないので子供ができたら仕事を辞めざるを得ないなど、仕事には誇りとやりがいを持ちながらも、労働者としては不安や不満を抱いて働いております。
 そして、一番大きな不安は、来年も働き続けることができるかという雇用不安です。非正規で働く若い保育士の中には、将来に期待や希望を持てず、賃金は変わらないけれども、一時金や退職金、休暇制度がある民間保育園に正規として転職していくという現状もあります。保育士不足は深刻で、このままでは公的保育の質が守られません。
 保育士以外にも、正規と同じように専門性や資格が問われ、基幹的、恒常的に働く看護師や保健師、図書館司書などなどの非正規がおりますが、1日の勤務時間を15分や30分短くされ、また週の勤務日を4日とされ、また空白期間が置かれ、常勤ではないと、正規との待遇格差が温存されてきました。自治体業務の多様化のニーズに対応するため、そして正規職員削減の調整弁として、自治体の使い勝手の良い、またいつでも雇い止めできる安上がりな職員として非正規が活用されてきましたが、私たちも正規と同じ常勤職員になりたいと強く願っております。
 自治体では、こうした実態を改善するために労使間で待遇改善の努力が図られていますが、抜本解決のためには、法改正を始め、基幹的、恒常的な業務に従事している非正規職員の正規化の道を政府の責任で示すことが必要だと考えております。
 以上です。

山下よしき 次に、今回の地方公務員法改定案について、臨時・非常勤職員の立場からどのような問題点があると小川さんお考えでしょうか。

小川幹事 総務省調査結果や研究会での問題点把握、働き方改革実現会議で公務を一体に取り上げることを求める発言が出されるなど、自治体の臨時・非常勤問題にもスポットが当てられ、政府として法改正に踏み込んだ検討がなされていると思います。しかし、今回の法改正は、制度の趣旨に合わない任用の適正化のために行うと説明されておりますが、臨時・非常勤職員の勤務実態を踏まえたものとなっていないということが最大の問題ではないでしょうか。
 今回厳格化するという特別職非常勤職員や臨時的任用職員には一定の任用要件が規定されておりますが、会計年度任用職員では一会計年度を超えない範囲内で置かれる非常勤の職としかありません。そして、総務省の説明では再度の任用が可能だというふうにされていますが、これでは任用根拠を変えただけで、基幹的、恒常的業務にも使い勝手の良い安上がりな労働力が自治体職場に拡大、固定化されてきた現状を何ら変えることにはつながりません。むしろ、いつまでも非正規雇用、いつでも雇い止めできる仕組みづくりだと考えております。
 民間であれば、有期雇用の拡大を防止し、その労働者の保護を図るため、労働契約法などが改正されてきました。民間で働く有期雇用の保育士であれば、5年以上同じ職場で働けば無期転換の権利が発生します。しかし、臨時、非常勤の保育士は、公務員だからといって雇い止めの不安を抱えながら働き続けることになります。同じ有期雇用の保育士で、公務と民間でどんな違いがあるのでしょうか。さらに、任用根拠の見直しで、労働委員会の活用など、権利の保護、救済の仕組みが制約されることになります。
 二つ目に、会計年度任用職員の処遇をフルタイムと短時間で差を設けたことによる問題です。
 先ほど紹介しましたように、正規職員との違いを設けるために、勤務時間、勤務日数をわざと短くしている実態がございます。そのことによって、手当支給や共済、公務災害の制度適用の要件を満たさない状態がつくられています。今回の期末手当支給の制度化でさえ、地方自治体からは財政負担の増加への不安が出されています。そうした下で、フルタイム勤務が必要な職であっても短時間に設定していく流れをつくるものではないでしょうか。
 私たちはこれまで、仕事の専門性や継続性を訴え、年休の繰越しや加算、昇給の仕組み、退職慰労金など、賃金、労働条件の改善を実現させてきました。しかし、それさえもなくなってしまうのではないかという懸念があります。
 今回の法改正によって、今働いている臨時・非常勤職員の雇い止めや労働条件の引下げはあってはならないことです。これまで紹介しましたように、臨時・非常勤職員は、住民、子供と向き合って、その生活、命、発達を支えています。そうした仕事には専門性や継続性が必要なことはもちろん、その職務に合った労働条件が確保されなければならないと考えます。
 適正な任用等を確保し、それに対する給付を規定する、そう言うなら、国の財源保障が絶対に必要です。財源保障のない状況では絵に描いた餅であり、以上の点から私はこの法案に反対せざるを得ず、大幅な修正を求めます。
 以上です。

山下よしき 小川さん、ありがとうございました。地方自治体で働く臨時・非常勤職員の皆さんの実態と思い、そして皆さんの御覧になった法案の問題点、よく分かりました。法案審議に生かしていきたいと思います。
 それでは、法案について政府に質問をいたします。
 会計年度任用職員という新たな制度ですが、臨時・非常勤職員として働いている当事者の皆さんからの評判がすこぶる悪いです。保育、学童保育あるいは教育、医療、文化など、自分たちが担っている仕事は一会計年度で終わるものではないという声が噴き出しております。私たちのことをその程度にしか見ていないのかという怒りも直接聞きました。前回指摘したように、こうした基幹的、恒常的業務は、本来任期の定めのない常勤職員によって担われるべきだと思います。
 今、小川さんから紹介された、私たちも正規と同じ常勤職員になりたい、これが当事者のもう痛切な願いであります。それを、会計年度任用などという実態から一層懸け離れる制度に有無を言わせず移行するとなりますと、これは新たな矛盾が生まれざるを得ないと思います。
 そこで聞きますけれども、勤務時間も業務内容も常勤職員と同様なのに、これ引き続き非常勤の会計年度任用職員にしなければならないのか、それぞれの自治体が実態に合わせて判断をすればいいのではないかと、こう思いますが、いかがでしょうか。

高原剛(総務省自治行政局公務員部長) 御答弁申し上げます。
 個々具体の職の設定に当たりましては、就けようとする職務の内容、勤務形態等に応じ、任期の定めのない常勤職員、任期付職員、臨時・非常勤職員のいずれが適当かを検討し、基本的には各地方公共団体において適切に判断されるべきものでございます。
 今回の任用根拠の適正化に当たりましては、各地方公共団体において臨時、非常勤の職の全てについて個別に検証を行い、それぞれ適切な任用根拠を選択することとなろうかと思いますが、その際、常勤職員と同様の業務を行う職が存在することが明らかになった場合には、会計年度任用職員制度ではなくて常勤職員や任期付職員の活用について検討することが必要になるものと考えております。
 以上でございます。

山下よしき 常勤職員としても可能だと、各自治体の判断だということであります。
 次に、法案では会計年度任用職員をフルタイムとパートタイムに分けることとしております。パートタイムには期末手当は支給できるが退職手当など他の手当は支給できないと説明を受けました。これは非常に大きな差です。
 そこで聞きますけれども、常勤職員の勤務時間より一分でも短いとパートタイムになるということでしょうか。そうなりますと、合理性もなく、勤務時間をあえて数分間短くすることで安上がりにしようという動機が働くのではないでしょうか。こうしたやり方は許されるんですか。

高原部長 御答弁申し上げます。
 会計年度任用職員として任用するに当たりましては、各地方公共団体において職務の内容や標準的な職務量に応じた適切な勤務時間を設定していただく必要がございます。このため、勤務条件の確保に伴う財政上の制約を理由として合理的な理由がなく短い勤務期間を設定しパートタイムの会計年度任用職員として任用することは、臨時・非常勤職員の適正な任用、勤務条件の確保を目的とする改正法案の趣旨に沿わないものと考えております。
 一方、今回創設される会計年度任用職員については、フルタイムでの任用は可能であることを法律上明確化したところであり、こうした任用は人事管理や勤務条件の確保の面でメリットがあることを考慮し、職務の内容などに応じて各地方公共団体において積極的な活用を検討するよう促進を図る考えでございます。
 総務省といたしましては、会計年度任用職員について適正な任用、勤務条件が確保されますように、このような趣旨について各地方公共団体に対してマニュアル等により丁寧に助言を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。

山下よしき 具体的に聞きます。
 ある自治体では、臨時・非常勤職員の勤務時間を常勤職員よりも15分間短くしております。朝15分遅く出勤する、あるいは夕方15分早く退出するということになっております。当事者の方に聞きましたけれども、職場で後ろめたい気分になるのでほかの職員と同じ時間にしてほしい、報酬は変えなくていいからと、こう当局に申し出ても、当局は正規職員との違いがなくなるから駄目だと言って却下するということがあるそうです。
 ですから、こういう方々は、法改正された後、このままだとこれはパートタイムの会計年度任用職員となるんです、15分短いですから。待遇が切り下げられる心配があります。これ、いいんでしょうか。こんなことを許していいんですか。

高原部長 今まで地方公共団体の人事当局におきましては、地方公務員法上の明文の規定がないということでフルタイムでの任用をちゅうちょしておったというような事情もあったのではないかと思います。既に国家公務員ではフルタイム型の期間業務職員制度が導入されておりますし、今回地方公務員法でフルタイム型を明記したということでございますので、そのような形の勤務時間の設定がなされないように私どもとしてはしっかり助言をしてまいりたいと、こう思っております。
 以上でございます。

山下よしき まあ助言で直ったらいいんですけどね。私、この15分の短縮には全く合理性ないと思いますよ。単に正規職員と差別するために15分あえて短くしているだけですから。このままだとこれは大変な待遇改悪になるおそれがあるということを指摘しておきたいと思います。
 それから、会計年度任用職員については再度の任用も排除されない、できるとの説明でした。
 そこで、高市大臣に聞きます。
 年度をまたぐ産前産後休暇、年度をまたぐ育児休業、同じく年度をまたぐ介護休暇などをどう扱うつもりでしょうか。私は再度任用の可能性があるなら当然年度をまたいで取得できるようにすべきだと思いますが、いかがですか。

高市早苗総務大臣 産前産後休暇、育児休業、介護休暇につきましては、その取得要件を満たしている場合、会計年度任用職員の任期の末日まで取得することができます。翌年度に再度の任用がされたときには、改めて取得することによって、年度をまたいでその休暇、休業を継続することができます。また、会計年度任用職員の任期が更新された場合、再度、条件付採用期間を経ることとなりますけれども、条件付採用期間中であることをもってそれらの休暇、休業取得が妨げられるというものではございません。

山下よしき 丁寧に御答弁あったんですけれども、再度任用されたら、その最初の1月は条件付採用ということになります。採用されるたびにお試し期間が付くんですね。非常にこれも評判が悪いです。だって、10年、20年と同じ仕事に繰り返し継続して任用されている臨時、非常勤の職員の方に何でお試し期間が一々毎回毎回必要なのかということになるわけで、ベテランの臨時・非常勤職員の皆さんは、もう正規職員にその業務のノウハウを教えているという場合も少なくありません。ばかにしないでという声も出ているということも、これはもう大臣に紹介だけしておきたいと思います。
 次に、会計年度任用職員制度の創設で最も心配されているのが雇い止めの問題であります。
 5年、10年と繰り返し任用されてきた臨時・非常勤職員の皆さんから、会計年度任用イコール1年で雇い止めの響きがあるという声も聞きました。
 高市大臣、これまで繰り返し再度の任用をされてきた職員が新たな制度で雇い止めされるのではないかという不安の声を上げています。どう答えますか。

高市総務相 会計年度任用職員は、条例定数の対象とせず、毎年度の各地方公共団体の予算で職の設置の要否が決定されるということを想定していますので、その任期は採用日の属する会計年度末までとし、その名称を会計年度任用職員としてございます。
 平成28年12月に取りまとめられました総務省研究会報告書においては、当該非常勤の職が次年度も引き続き設置される場合、平等取扱いの原則や成績主義の下、客観的な能力の実証を経て再度任用されることはあり得るということ、再度の任用の取扱いについては、今回の制度改正などに伴ってこれまでの取扱いが変わるものではないということが明示されております。
 現在御審議いただいております改正法案はこのような報告書の考え方を基にしておりますので、今回の制度改正に伴って再度の任用に関する取扱いに変更はないものと認識をしております。
 改正法案を成立させていただきました暁には、総務省としてはこのような趣旨について今年の夏をめどに作成するマニュアルなどにも記載をして、各地方団体に助言を行ってまいります。

山下よしき 今回の制度改正によって変わるものではないという御答弁でしたが、ということですので、提案一つしたいと思うんですが、民間の有期労働契約については、厚生労働省が示した基準でこうあります。契約締結時に使用者が労働者に対し契約を更新しない場合の判断の基準を明示しなければならない、こうしてあるんですね。例えば、当該業務がなくなった場合は契約更新しませんなどの条件を明示して契約を締結しなさいというのが厚労省のこれは基準なんです。雇用の安定のためには、せめてそのぐらいはしなさいよということです。
 だったら、地方自治体の会計年度任用職員についても、募集時に、再度任用があること、さらには再度任用しない場合の基準を明示しておくこと、このぐらいやるべきじゃありませんか。

高原部長 御答弁申し上げます。
 公募の時点におきまして臨時・非常勤職員が従事することとなる業務自体の廃止がもう明らかであるような場合には、公募に当たってそうした趣旨を明確にすることが望ましいものと考えられます。また、複数回にわたって同一の者の任用が繰り返された後に業務自体の廃止その他の合理的な理由により再度の任用が行われないこととするような場合においては、事前に十分な説明を行うことが望ましいと考えられます。
 一方、再度の任用の取扱いといたしましては、私どもは、募集に当たって任用の回数や年数が一定数に達していることのみを捉えて一律に応募要件に制限を設けることは、平等取扱いの原則や成績主義の観点から避けるべきであるというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。

山下よしき ちゃんと答弁なかったですね。再度任用しない場合の条件について明示しておくべきだと、民間ではそうやっているからやるべきだと言ったんですが、はっきりした答えはありません。私は、そのぐらいやらないと、この評判の悪い会計年度任用職員で募集しても、これはなかなか人は来ないと思いますよ。そのことを忠告しておきたいと思います。
 次に、給料額の変更、昇給について質問します。
 2年、3年と続けて働けば、経験によって仕事に幅や深みが出てくるのは当然だと思います。私は会計年度任用職員についてもそれはちゃんと評価されるべきだと考えます。
 在り方研究会の報告書では、臨時、非常勤の保育士がクラス担任になった場合、給料額を変更することはあり得る、すなわち昇給もあり得ると明示しております。たとえ肩書が付かなくても、経験を積むことによってより責任ある仕事が担えるようになったら、それに見合った昇給がなされるべきではないかと考えますが、いかがですか。

高原部長 御答弁申し上げます。
 総務省の有識者研究会報告書では、任期終了後に再度任用される場合の給与について、同一人が同一の職種に再度任用される場合であっても、職務内容や責任の度合い等が変更される場合には、異なる職への任用であることから、給料額を変更することはあり得るとされております。
 具体的には、一定の勤務経験や実績などのある会計年度任用職員の保育士さんにつきまして、クラス担任など、より責任の度合いが高い職に新たに任用する場合には、当該職員の勤務経験などにより一層向上した能力を踏まえた職務を行うことを考慮して給与の額を設定することなどが考えられるところであります。
 なお、その際、必ずしも職名の変更が伴う場合に限られるものではないというふうに考えております。
 以上でございます。

山下よしき 肩書にはとらわれないということでした。
 例えば、1年目の保育士さんにはなかなか任せられないことであっても、2年目、3年目の経験を積んだ方だったら任せられるということはクラス担任以外にもたくさんあるんですよね。そういうことをちゃんと評価して昇給することは自治体の判断によって可能だということだと思います。
 高市大臣に伺いますが、私、もう繰り返し言いますけど、会計年度任用職員という名称は余りにもセンスが悪過ぎると思います。変えた方がいいと思います。こんな名称では募集してもいい人材が集まらないと考えますけれども、大臣、この名称を公募や広報の際に必ず使わないといけないのでしょうか。これまでも自治体はいろんな言い方をそれぞれしてきました。それでいいんじゃないですか。

高原部長 御答弁申し上げます。
 地方公務員の任用、勤務条件については、任用根拠に基づいて法令等で定められております。このため、適正な人事管理を行うためには適切な任用根拠を選択することが重要でございます。これに対し、地方公務員の臨時・非常勤職員については、現状において一般職非常勤職員制度が不明確であり、地方公共団体によっては本来の趣旨に沿わない任用根拠の選択が見られるところでございます。
 このため、改正法案では一般職の会計年度任用職員制度を設け、その定義、採用方法、任期等を定めることとしております。任用根拠によって任用、勤務条件が定められるため、公募や任用に当たっては法律上の任用根拠及びその位置付け、すなわち会計年度任用職員としての任用であることは明示すべきものと考えておりますが、実際の公募に際し、地方公共団体が個々の職に対して具体的にどのような呼称を用いるかについては、各地方公共団体で適切に判断すべきものと考えております。
 以上でございます。

山下よしき ということであります。
 ある市の対応、ちょっと紹介します。この市は早々と、全ての臨時・非常勤職員を、法改定後、会計年度任用職員にすると、もう全部会計年度任用にするとしております。しかも、期末手当の支給が可能になるが、総支給ベースで検討するとされております。要するに、月々の報酬を引き下げて、その分を期末手当に回そうということです。さらに、休暇制度も見直しの対象とすると、引下げの意向が示されております。これでは法改定によって臨時・非常勤職員の処遇は改善されません。それどころか後退することにもなります。こういうことを認めるんでしょうか。

高原部長 御答弁申し上げます。
 今般の改正法案の趣旨は、臨時・非常勤職員の適正な任用や勤務条件の確保を図るものでございます。各地方公共団体においてはこうした趣旨に沿った対応をしていただくことが求められるものでございまして、総務省といたしましては、本改正法案を成立させていただいた暁には、今夏をめどに発出する予定のマニュアルなどにその旨を盛り込み、地方公共団体に対してしっかりと助言を行ってまいります。
 いずれにいたしましても、従前、臨時・非常勤職員として任用していた者を新たに会計年度任用職員として任用するに当たりましては、各地方公共団体において十分に議論した上で丁寧に対応していただくことが重要であると考えております。
 以上でございます。

山下よしき 高市大臣、幾ら手当をオンしようと思っても、財政措置がなければできない。なければこういうふうに同じ枠の中であちこちやり取りするだけに終わってしまう危険性もありますので、法改定に伴う財政措置、どうしても必要じゃないですか。

高市総務相 本日、何度か答弁をさせていただきましたとおり、地方公共団体の実態なども踏まえながら、地方財政措置についてもしっかりと検討してまいります。

山下よしき 最後に、学校教員における非正規雇用問題について文部科学省に聞きます。
 全国の地方自治体に65万人いる臨時・非常勤職員のうち、9万3000人ほどが教員、臨時的任用の教師の方あるいは非常勤講師の方となっております。小学校1年は35人、2年生以上は40人など、クラス編制に応じて配置される教員については国庫負担金が出されておりまして、さらに自治体独自に少人数学級としているところもあります。
 配付した資料に、国の負担金が出ている公立小中学校の教員定数の標準に占める正規教員の割合を示しております。これを見ますと、定数中、正規教員の占める割合は全国で93%にとどまっておりまして、都道府県別に見るとかなりばらつきがあります。国庫負担金が出る定数内なのに、正規の職員ではなく非常勤講師、臨時的教員など非正規雇用が一割以上を占める県がたくさんある。樋口文部科学政務官、これは問題ではありませんか。

樋口尚也文部科学大臣政務官 この教員の任用につきましては、任命権者であります都道府県の教育委員会等の権限に属するところでございますが、任用の際には、法令の趣旨等踏まえて、就けようとする職務の内容や勤務形態等に応じて適切な任用根拠を選択していただくことが必要であります。
 いわゆる非正規雇用の非正規教員につきましては、様々な教育課題などへの対応など重要な役割を担っている一方で、勤務時間や任用期間の都合により、児童生徒への継続的な指導や教職員間、地域や保護者との連携に制約が生じるといったような懸念や、雇用が安定せずに正規教員と同じ処遇が保障されていないなどの課題も指摘をされているところであります。このため、教育の機会均等や教育水準の維持向上等を図る観点から、仮に非正規教員の配置により教育に支障が生ずるという場合には、可能な限り正規教員が配置されることが望ましいというふうに考えております。

山下よしき 学校職場であれ自治体職場であれ、やはり恒常的な仕事については正規職員が担うようにすべきだ、これが原則であるということを申し上げて、時間が参りましたので質問を終わります。