地方公務員 育児介護休業改正法案 可決 国“非常勤も育休可能” と答弁 
2016年11月24日 参議院総務委員会

山下よしき 日本共産党の山下芳生です。

 女性が働きながら結婚、出産、子育てできる制度と環境を整えることは重要であり、今回の法改正は、そのためにプラスとなるので賛成です。

 今日は、自治体で働く全ての職員、とりわけ臨時・非常勤職員が法改正の趣旨に沿った処遇となるのかどうか質問したいと思います。

 まず、労働基準法で全ての女性に認められている産前産後休暇について聞きます。

 労働政策研究・研修機構、JILの調査によりますと、民間企業で働くフルタイムの有期契約労働者の産休取得率は81%、パート労働者は58%、派遣労働者は59%となっております。自治体で働く臨時、非常勤の職員の産休取得率、どうなっているでしょうか。

高原剛総務省自治行政局公務員部長 御答弁申し上げます。

 臨時・非常勤職員の産前産後休暇については、今般実施いたしました地方公務員の臨時・非常勤職員の実態調査において、調査項目の一つとして産前産後休暇制度の有無を調査し、現在結果を集計中でございます。なお、臨時・非常勤職員の産前産後休暇の取得人数については把握しておりません。

 以上でございます。

山下よしき これ、つかんでいないんですね。

 ある自治体の保育職場の非常勤職員のアンケートでは、自分が産休を取れるということを知らなかったという人が7割に上ったそうです。これ、知らずに産休前に退職することになれば、せっかく今回改正される子どもの看護休暇や育児休業の取得にもたどり着けません。

 政府として、自治体で働く臨時・非常勤職員の産休取得の実態、つかむべきではありませんか。

高市早苗総務大臣 産前産後休暇については、女性の母性保護の観点から、労働基準法において、原則、産前において6週間、産後において8週間の休暇が定められております。各地方公共団体においては、臨時・非常勤職員に関してもこの基準に従った制度、整備すべきでございますので、平成26年総務省通知でもその旨助言をしております。ですから、今答弁をしましたとおり、今回その制度の整備状況について調査を行っております。その結果を踏まえて、未整備団体については、整備について更に助言を行ってまいりたいと存じます。

 個々の職員の取得状況の把握については、今後の調査の際にその必要性などを改めて検討させてください。

山下よしき 検討するということですが、これは是非必要だと思っております。

 そこで、定数削減でぎりぎりの職員配置となっている下で、妊娠しても言い出しにくいとか、喜ばしいことなのに業務のことを考えると素直に喜べないなどの声が上がっております。産休、育休を取る本人も周りの職員も安心できる代替制度をつくることが重要だと思います。

 臨時・非常勤職員で代替するケースが多いわけですが、私は、一定規模の自治体なら、毎年どれぐらいの職員が産休、育休を取得するか推定することは可能だし、その代替に必要な職員をあらかじめ正規職員として計画的に採用していくことも可能だと思います。実際にそうした創意工夫を行っている自治体もあります。これは住民サービスの安定的な提どもという観点からも望ましいと思われますが、総務大臣、休業者の代替を任期の定めのない正規職員で行っている自治体の創意工夫、これ評価していいんじゃありませんか。

高市総務相 出産、育児を行う職員が必要な産前産後休暇を、また育児休業を円滑に取得できるような環境を整備するということは重要な課題でございます。地方公務員育休法においては、育児休業の請求があった場合、職員の配置換えなどによっても請求を行った職員の業務を処理することが困難なときには、育児休業の期間を限度として任期付職員や臨時的任用職員の任用による人材確保が認められております。

 この結果ですけれども、平成26年度の女性地方公務員の育児休業の取得率は約98%となっています。また、取得者数は約38,000人です。これに対して、任期付職員や臨時・非常勤職員による代替は約29,000人、75・5%となっています。

 この地方公共団体における職員の任用については、基本的には各団体が適切に判断すべきものでございます。その中で業務の円滑な遂行のために組織全体として工夫するということはあり得るのですが、このように育児休業を取得した職員の職務の代替というのは時限的な性格を有しますから、一義的には任期の定める職員による対応が想定されると認識をいたしております。

山下よしき 地方公務員の育休取得期間は年々長くなっておりまして、今1年超えて育休を取得する方が65%というようになっております。ですから、本人も周りの職員も、それから住民やあるいは学校で教えてもらう子どもさんたちも安心できる代替制度がいよいよ求められていると思うんですね。

 御存じのとおり、育休取得者の給与については自治体の人件費負担はほとんどありません。ですから、正規職員による代替は財政的にも可能でありますし、育休取得者は定数外の扱いが当然ですから、この点でも問題ありません。是非、総務省として、代替の正規職員による取組、これ自治体に周知すべきだと思います。

 それから、これは確認ですけれども、子どもの看護休暇について1日未満の単位で取得することが可能となりますが、臨時、非常勤を含む全ての職員が対象になるということでいいですね。

高原部長 御答弁申し上げます。

 臨時・非常勤職員の子の看護休暇については、育児・介護休業法の規定を踏まえ、一般職の非常勤職員の場合では、6月以上継続勤務しているなど、一定の要件に該当する場合取得が可能となっているところであります。今般の改正に伴って、それらの職員につきましても1日未満での取得が可能となるところでございます。

 以上でございます。

山下よしき 次に、育児休業の取得要件について聞きます。

 民間企業で働く有期契約労働者の育児休業取得要件は、これまで、一つ、過去1年以上継続して雇用されていること、二つ、子が1歳になった後も雇用継続の見込みがあること、三つ、子が2歳になるまでの間に更新されないことが明らかである者を除くの三点とされてきました。改正育児・介護休業法によって子が1歳になった後の雇用継続の見込み要件は廃止され、子が2歳になるまでの雇用継続の可能性要件は子が1歳6か月になるまでに緩和されました。自治体で働く非常勤職員の育児休業取得要件も同様に緩和されるんですね。

高原部長 御答弁申し上げます。

 民間法制におきましては、ただいま御紹介がありましたように、本年3月に成立した改正法において、子が1歳6か月になるまでの間にその労働契約が満了することが明らかでない者など、要件が緩和されたところでございます。また、国家公務員の非常勤職員についても人事院規則において同様の改正を行う予定とお伺いをしております。

 地方公務員の一般職非常勤職員に係る育児休業の取得要件については、国家公務員に準じ同様の見直しを行うこととしておりますが、この要件は法律事項ではなく地方公共団体の条例で定める事項でありますことから、総務省としては条例例を各地方公共団体に示し助言をすることを考えております。

 以上でございます。

山下よしき 厚生労働省の説明によりますと、民間の有期契約労働者の場合、本人が何度か契約を更新している、あるいは当該職場で現に契約更新が一定数行われているならば、これは更新されないことが明らかではない、つまり雇用継続の可能性ありとされ、育児休業取得要件が満たされるということでありました。これ、地方公務員でも同じですね。

高原部長 御答弁申し上げます。

 民間法制においては、育児休業終了後の継続勤務が必要とされる期間中に契約期間が満了する場合であっても、契約更新等により引き続き雇用される可能性がある場合は労働契約が満了することが明らかでないと判断され、取得要件を満たすものと承知をしております。

 先ほども申し上げましたが、国家公務員、地方公務員についても民間と同様の取扱いとすることを予定しているところでございます。

 以上でございます。

山下よしき 総務省は、これまで一般職非常勤職員については地方公務員育児休業制度の適用を認めてきました。しかし、これまで質疑があったように、特別職非常勤職員、それから臨時的任用職員をその対象外とする、私は、これは余りに実態を見ない時代錯誤の対応だと言わなければなりません。

 資料に、配付しておりますが、総務省の調査でも、女性の比率が高い教員、講師では、特別職非常勤職員が20,310人、それから臨時的任用職員が57,021人任用されております。更に女性比率が高い保育所保育士では、特別職11,156人、臨時的34,048人が任用されております。これらの職員の中には、3年、5年と繰り返し再度任用されている職員も相当数おりまして、当然、妊娠、出産する場合もあるわけですね。ですから、少なくない自治体が条例で育児休業を取得できるようにしております。

 具体例を一つ紹介いたしますが、広島市では、学童保育を市内140全ての小学校区と110の児童館で行っております。保育士資格などを持つ指導員を特別職非常勤の職員として660人配置をし、平日は午後、土曜日や夏休みは1日体制で勤務してもらっています。子どもたちの放課後の生活を見守り、遊びのリーダーになり、地域ぐるみの児童館祭りに取り組み、発達障害や学習障害の子どもたちの支援もする、また、保護者に声を掛け意見を聞き、保護者との信頼関係を築く。まさに専門性と継続による経験の蓄積が求められる仕事であります。

 こうした実態を踏まえて、広島市では条例で学童保育の指導員も育児休業が取得できるようにいたしました。それによって、経験ある指導員の仕事と子育ての両立を支え、出産、育児を機に退職する指導員を減らし、結果として子どもたちに、あるいは保護者からも歓迎されております。

 総務大臣、こうした自治体の取組を評価して、奨励すべきではないでしょうか。

高市総務相 特別職の非常勤職員については様々な職種の方が職務に応じた多様な勤務形態を取っておられますから、法律で一律の取扱いを定めることが困難ですので、地方公務員育休法の対象となっていません。

 しかしながら、特別職の非常勤職員であっても、労働者性が高く継続的な勤務が見込まれる方については、現状において要綱などで制度を設けて育児・介護休業が取得できるようにすることが適当であると考えておりますので、その旨助言をいたしております。

山下よしき 助言とともに、こういういろんなケースがあるわけですが、有効な条例による措置をやっているようなところは是非事例として各自治体に紹介、奨励すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

高市総務相 やはり、育児、介護とそして仕事を両立できる環境というのは、もうこれは男性、女性問わずこれからの時代必要なものでございますから、総務省からの様々な参考になる事例の紹介というところで、また優良な事例を取り込んで、できるだけ参考にしていただける材料を増やしてまいりたいと思っております。

山下よしき 是非奨励が図られるようにしていただきたいと思うんですが、そもそも、専門的で常勤的な業務を非常勤職員が担うという、これ非常に矛盾がこれほどまでに広がった根本にあるのは、私は歴代政府の定数削減政策だと思います。

 その矛盾を自治体の努力で少しでも緩和しようとして、今、条例でこういう方々の産休取得が可能なようにしているわけですから、これは是非総務省としても奨励すべきだと。ましてや、そういう取組をしている自治体に対して総務省としてブレーキを掛けるようなことがあっては絶対にならないと、そのことを申し上げて、質問を終わります。