地方交付税の拡充を 法定率引き上げ求める

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 10日の参院本会議で、地方財政計画と地方税法・地方交付税法改定案にかかわり、慢性的な地方財源不足解消のために地方交付税の抜本的拡充を求めました。

  政府は、地方の財源不足が22年間も続いているのに、地方交付税の法定率を引き上げず、自治体の借金である臨時財政対策債(臨財債)の発行で対応してきました。これによって、臨財債の残高が52兆円に上り、自治体の歳出抑制や住民サービス低下につながっており、いまこそ法定率を引き上げるべきです。

 また、保育所不足にもかかわらず5年間で1222カ所も公立保育所が減らされています。認可外保育所の事故で子どもを失った母親の「保育の量も質も大事にしてほしい」という切実な訴えを紹介。公立保育所統廃合の背景には、総務省による財政誘導があります。悲しい出来事を二度と繰り返さないために、公立保育所増設へ緊急対策に乗り出すべきです。

 また、民間委託などで経費を削減した自治体の経費水準を交付税算定に反映する「トップランナー方式」は、住民サービス低下と人件費抑制、官製ワーキングプアの温床になって、地方交付税制度をゆがめており、やめるべきです。

 高市早苗総務相は「法定率引き上げが原則」と地方財源不足を認めながら、臨財債での対応はやむを得ないとの姿勢を示しました。

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日本共産党参議院議員。香川県善通寺市出身。県立善通寺第一高校、鳥取大学農学部農業工学科卒業。市民生協職員、民主青年同盟北河内地区委員長・大阪府副委員長。95年大阪府選挙区から参議院議員初当選。13年参議院議員選挙で比例区に立候補3期目当選。14年1月より党書記局長。2016年4月より党副委員長に就任。2019年7月参議院議員4期目に。参議院環境委員会に所属。日本共産党副委員長・筆頭(2020年1月から)、党参議院議員団長。