森友「安倍夫人の名で入園」首相夫妻の道義的責任追及
冒頭、学校法人「森友学園」が運営する塚本幼稚園の退園者の親族から届けられた声を紹介し、同園を持ち上げてきた安倍晋三首相夫妻の道義的責任をただしました。
安倍首相夫人の昭恵氏は、何度も講演に訪れ、一時は名誉校長に就任しました。退園者の親族は「『安倍晋三夫人が関係しているのよ』と説得された」「首相夫人を目の前にすれば信じる」と訴えています。
私は「『安倍晋三夫人の名前がなければ、入園しなかった』ともある。心が痛まないのか」と質しました。安倍首相は「(退園者の家族の声を)確認しようがないので、コメントは差し控える」などと答えました。
安倍首相の答弁は、首相夫人の名前を見て「勝手に信じたことがいけない」という立場に立っていると思わざるを得ません。
オスプレイの危険 米軍も認識「配備・飛行訓練の拡大やめよ」と追及
次に、昨年12月に沖縄本島沖で空中給油訓練中に墜落事故を起こした米海兵隊のMV22オスプレイのパイロットが使用している「チェックリスト(確認書)」を示して、米軍が空中給油での「破滅的」な事故の危険を認識していたことを指摘し、日本全国への配備・訓練拡大の中止を求めました(関連記事)。
私が独自に入手したチェックリストは、乗務員が必ず携行するもので、緊急時に取るべき動作手順などが記されています。空中給油については、給油機から延びるホースを「ギロチン(=切断)」した場合、ホースがオスプレイのプロペラに絡まって「壊滅的」「破滅的な損傷を引き起こしかねない」と記されています。米軍の発表では、実際、空中給油中にホースが右プロペラに当たって羽が損傷したことで、機体が不安定になりました。
防衛相にたいして「(沖縄では)この警告通りの事態で墜落事故が起きた」と指摘。民間機のパイロットが「(民間機では)緊急時でも『破滅的』『破壊的な損傷』などの結末を招くことは想定されていない」と述べていることも示し、事故の危険を前提としたオスプレイの欠陥をただしました。
さらに、昨年9月の日米合同委員会で両国が、オスプレイの訓練を日本国内で実施し、その経費も日本が負担すると合意したことを指摘。日本全国で低空飛行訓練、空中給油訓練を行うのかとただすと、安倍晋三首相は「空中給油訓練を行う場合は海上で行う」と述べ、本土でも空中給油訓練を行うことを事実上、認めました。
南スーダンPKO「撤収」の検討経過 報告を要求
政府が昨年9月に南スーダンPKO(国連平和維持活動)に派遣されている陸上自衛隊の撤収の是非を検討しながら、同年10月に5カ月もの派遣継続を決め、同年11月に「駆け付け警護」などの新任務付与を行ったとして、「安保法制の最初の発動という『実績』づくりが目的だったのではないか」とただしました。安倍首相は「部隊の派遣を継続することが適当と、その時はそう判断した」と述べました。
昨年9月以降の国会論戦でも、今後の在り方を検討しているとはいいませんでした。翻弄(ほんろう)され、危険にさらされたのは自衛隊員です。撤収の検討経過を明らかにするために昨年9月以降の撤収検討経過の詳細を国会に報告するよう求めました。