自治体臨時・非常勤職員問題 新制度で処遇の改善、身分の安定を 
2013年3月26日 参議院総務委員会

山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 今日は、地方自治体の臨時・非常勤職員の問題について質問します。
 3月6日、参議院本会議で私は総理に、今や全労働者に占める非正規雇用の割合は3割を超え、日本社会にとって放置できない深刻な事態をもたらしています、こうした働かせ方が日本の将来を危うくさせているとの認識はありますかと伺いました。安倍総理は、非正規雇用は、雇用が不安定であり、賃金が低いなどの問題が指摘されており、また、厚生年金の適用対象とならない人も多く、被用者としての十分な保障を受けられないおそれがあることや、未婚率の増加の要因にもなっていますと答弁されました。
 要するに、今現在不安定、低賃金なだけではなくて、老後も低年金あるいは無年金となるおそれがあり、若者にとっては結婚したくてもできない要因の一つになっているという、これは総理の認識であります。これは正しいと思います。
 続けて総理は、このため、正規雇用を希望する非正規雇用労働者の正規雇用化を進めるなど、非正規雇用対策に全力で取り組んでまいりますと、こう答弁されました。
 そこで、地方自治体の非正規雇用が今どうなっているか。まず総務省に伺いますけれども、臨時、非常勤の職員数の変化について数をお答えください。

三輪和夫(総務省自治行政局公務員部長) 臨時、非常勤の職員数の推移でございますが、総務省の調査によりますと、それぞれ4月1日現在でありますが、平成17年で約45万6千人、平成20年で約49万8千人という状況でございます。

山下よしき そもそも、これ、総務省が統計をほとんど取っていないというのが問題なんですが、しかし、それでも、地方自治体で働く非正規雇用の職員は、2005年から2008年、3年間で4万人余り増えて約50万人に上っているということであります。
 しかし、これは実際はもっと多いと思いますね。自治労の皆さんが2012年6月現在で行った調査では、推定で70万人となっております。2005年からの7年間でおよそ24万人増えているという計算になります。
 それでは、もう一つ総務省に伺いますが、同じ年の正規職員数はどうなっているでしょうか。

三輪部長 正規職員数でございますけれども、平成17年の4月1日で約304万2千人、平成20年の4月1日では約289万9千人という状況でございます。

山下よしき 2012年は何人でしょうか。

三輪部長 平成24年の4月1日現在で約276万8千人という状況でございます。

山下よしき ですから、正規の職員数は、2005年、304万人から、2012年、276万人、7年間で約27万人も減っているわけですね。要するに、正規職員が27万人減って非正規職員が24万人増えているというのがこの間の実態です。
 総務大臣に伺いますけれども、この状況というのは、総理が全力で取り組むと述べられた非正規から正規への流れに逆行していると残念ながら言わざるを得ないと思います。なりたての総務大臣ですから、その責任が大臣にあるという、全部あるとは言いませんけれども、こういう状況に地方自治体で働く方々がなっているということについて、この事実をどう受け止め、どう対応するおつもりでしょうか。

新藤義孝総務大臣 まず、この総理への質問に対する総理答弁でありますが、これは、非正規雇用の問題は極めて重要な問題であります。
 これは公務員にとどまらず、一般の民間の労働形態についてもそういった問題が指摘されておりまして、これは、キャリアパスをするとか、いろんな流れをつくろうじゃないかというのは国において検討しているわけでありまして、そういう努力の一環としての御説明も含まれているということは御理解いただきたいと思います。
 その上で、この地方公共団体においての問題につきましては、これは、事務の種類や性質に応じて、各種の任期付職員、それから臨時・非常勤職員、そういった多様な任用・勤務形態が活用されているということはあると思います。そして、そのような、どのような業務をどのような形態で職員を充てるかについては、これは地方公共団体において判断をされていると承知しておりますし、組織において最適と考える人員構成、これを実現することによって最も効果的な行政サービスが行われているのではないかと、このように、またそのように行うことが重要だというふうに考えております。

山下よしき 何かもう組織において実態に見合った対応がされているという御答弁ですけれども、私、それは余りにも実態を見なさ過ぎだと思いますよ。
 正規が減って非正規が増えてきたという中で何が起こっているかというと、これまで正規がやっていた仕事が非正規の方々によって担われていると、常勤的非常勤ということが増えているんですよね。
 その一番の私、典型例は保育の職場だと思っております。今や保育士の半数以上が非正規という自治体も珍しくありません。そこでは、非正規の保育士もクラスの担任を持って、保育日誌を作成して、保護者からの相談に応じるなど、正規と区別のない仕事をしております。しかし、賃金は正規職員の3分の1以下の水準で、年収200万円を切っているんですね。正規職員と同じ保育士の資格を持ち、同じ職場で同じ仕事をしている人たちが差別されているんです、これは。
 私、何人もの方に聞きましたけど、非正規の保育士の方がどんな思いで保育をしているか聞きますと、子供がけがをしたら、先生はアルバイトやから知らぬとは言えない。当たり前ですね。賃金が低いならそれだけの働きをではなくて、将来を担うかわいい子供たちのために私たちができることは何でもしようと、みんなで非正規の方々が話し合って頑張っている。子供たちのことを一番に考える気持ち、保育に懸ける熱意、私は、雇用の形態は非常勤だけれども志はプロフェッショナルだと話を伺って思いました。
 ところが、その志ある人が低賃金で、独り暮らしができません、貯金ができません、毎日の生活で精いっぱいで今後のことを考えられません、先生同士の親睦会にも行けません、コンビニでダブルワークしていますと、こういう状況があるんですね。これはやっぱり、自治体の職場でこういうことが広がっているというのは、これは適切に対応されているというふうには絶対に言えない、放置できない、そういう事態だと思いますが、大臣、いかがですか。

新藤総務相 そういう、例えば教育だけでなくて福祉の現場でもそういった大変低賃金による過酷な労働があると、こういうことが問題になっているのは私も承知をしております。
 ですから、これでいいというふうには思っておりませんが、しかし、どういう雇用形態でどういう人を勤務させるか、それは各自治体においてそういった中で適切な判断をされている結果だと、このように思います。いい悪いではなくて、そういう判断の下でそういった今の状況があるんではないかと、このように考えております。

山下よしき これ、自治体が判断したんじゃないんですよ、自治体が勝手にやったんじゃないんですよ。政府が交付税を削減して自治体リストラを押し付ける集中改革プラン、定数を削減することを押し付けてきた中でこういうことが起こっているんですからね。これは自治体が勝手にやったんじゃないですよ。
 それで、私は、本来こういう方々はすぐにでも正規化すべきだと、安倍総理が言っているように。しかし、それはやっぱりいろいろ一足飛びにいかない問題はあるでしょう。そこで今日は、待遇改善ですぐできることが幾つかあるので、その問題について具体的に提案したいと思います。
 自治体は、定数削減が進む中で、経験を持った臨時・非常勤職員を確保するために、1年ごとに再任用という行為をされております。しかし、そのときに空白期間なるものを設けている自治体があるんですね。つまり、任期切れになった後、その翌日から、じゃ再任用ということで続けてもらうというんではなくて、任期切れになった後1週間、あるいは1か月、長い場合は3か月、空白期間を置いてそれから再任用する。3月31日に任期が切れた場合、4月1日からじゃなくて5月1日からとか6月1日から、こういうことになっておるんですね。
 しかし、これは毎月10数万円しか収入がない、場合によっては手取りが10万円切る月もある非正規の自治体の職員の方にとって、1か月も2か月も仕事がなくなるというのは本当に大変なんです。私も聞きました。この期間、何とかしてくれと。人間らしい働き方、生活をする上で、この空白期間というのは大問題だと思いますが。
 そこで伺いますが、再任用を行うに当たって、法制度上、空白期間を置く必要はあるのか、法的に空白を置く必要はないんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

三輪部長 臨時・非常勤職員の再度の任用につきまして、御指摘のような空白期間を設けなければならないという、そのような法的根拠はないというふうに考えております。

山下よしき ないということなんですよね。
 ところが、実態は大体3割ぐらいの方がそういう空白期間を置かれているという答えをされていますから、そういうことは法律上必要ないんだということを、これ大臣、是非自治体に周知徹底していただきたい。いかがですか。

新藤総務相 これは、今のように根拠がないものについて、なぜそのようなことが起きているのか、これをまず実態把握をしなきゃいけないというふうに思いますし、必要なことは御連絡をさせていただきたいと、このように思います。

山下よしき 把握できていないんですか。

三輪部長 それぞれの自治体でどういった今御指摘のような空白期間が設けられているか、あるいはそれをどういう考え方で設けているかという御指摘についての大臣の答弁というふうに理解しておりますが、そういったことについては私どもでは把握はいたしておりません。

山下よしき こんなことを把握も今していないというのはもう大問題ですよ。これ、勝手に自治体がやっているんじゃないんだから。国のそういう定数削減の下でやむを得ずそういう実態がつくられているんですよ。にもかかわらず、さらにまた空白期間ということで臨時、非常勤の方が大変苦しい目をされている。実態もつかまないでしらっとしているなんて、これはもう任務放棄だと私は言わざるを得ない。直ちに、大臣、つかんで改善すべきじゃないですか。

新藤総務相 この実態のまず把握がどうなっているのか、そういったことを把握しなくてはならないと、このように思いますね。
 その上で、やはり適切と、必要と思われる措置については、これは私はやっていかなくちゃならないと、このように思います。

山下よしき 引き続きこれはウオッチしていきたいと思いますが、いつまでもこんなこと時間を掛けている場合じゃないです。私がこの質問をしたの5年前ですよ。もう全然変わっていない。
 次に、専門性のある臨時非常勤職員の処遇について伺います。
 昨年7月に消費者委員会が地方消費者行政の持続的な展開とさらなる充実・強化に向けた支援策についての建議を行っております。資料にお配りしております。消費生活相談員というのは、御存じのとおり、全国の市町村にある消費生活相談センター相談窓口で消費者被害などの具体的な相談に応じる方々であります。事業者とのやり取りもあって、これは法律を始めとした専門知識あるいは経験の蓄積が求められる業務であります。
 現在、全国で3,391人の方がおられます。そのうち定数内の方は126人、3・7%です。定数外非常勤が2,557人、75・4%。その他は法人や個人の委託であります。圧倒的に非常勤の方がこの任務を担っておられます。その任期の更新は平均が5・2回、やはり経験の蓄積が必要だからそうなっているんですね。
 今回の建議の中で総務省に当てた部分がございますが、こう書いてあります。三行目からですけれども、「相談員の専門性が高まったところで雇止めとなれば、相談員や地方自治体、地域住民のそれぞれにとって大きな損失となる。雇止めの抑止に向けて、」ということで三点、この消費者委員会は提案しておりますが、もう時間がないので、この三点についてどう対応しているか、総務省、お答えください。

三輪部長 御指摘の消費者委員会からの建議に対する総務省の対応ということでございますが、三点ございます。
 一点目の、消費生活相談員に一律の任用回数の制限を設けることは適切でないということについて自治体に対する周知を徹底すること、まずこの点でございますけれども、これにつきましては、実態として非常勤職員の行う業務の中にも恒常的な業務があるということ、また任期ごとに客観的な実証を行った結果として同じ者を再度任用するということは排除されないということ、こういったことにつきまして消費者庁と認識を共有して、総務省が開催をする会議におきまして臨時・非常勤職員に関する対応を説明する際に、消費者行政担当大臣名のメッセージに留意するように呼びかけをしているところでございます。
 二点目、消費生活相談員が任期付短時間勤務職員制度の対象となり得ることを明確化することという点でございます。これにつきましては、総務省におきまして毎年任期付きの短時間勤務職員の採用事例を調査、公表をいたしておりますけれども、その中で消費生活相談員につきましても任期付きの短時間勤務職員としての採用事例を紹介をさせていただいているところでございます。
 三点目が、より柔軟な専門職任用制度の在り方について検討を深めることという点でございますが、これにつきましては、地方公共団体の臨時・非常勤職員の実態調査の結果などを踏まえまして議論をしていくことといたしております。

山下よしき 大臣に聞きたいんですけど、この三点目なんですよ。「専門性を要する消費生活相談員の雇止めを抑止し、適切に処遇するためのより柔軟な専門職任用制度の在り方について、」と。具体的にこの下の方に例示されています。「例えば、「任期の定めのない短時間勤務職員制度」の導入等。」と、こうあるんですね。
 要するに、任期付短時間勤務職員制度だと3年ないし5年たったらもう雇い止めになる可能性があるわけですね。ですから、それではもうせっかくの専門性や経験が生かされない。確かに臨時、非常勤と比べれば時給ではなくて月給などの待遇の改善の面はあるでしょうけれども、任期付きという点では、これはやっぱりそれでよしとはなかなかできない問題があります。そこで、これは消費者委員会が一つの提案として、任期の定めのない短時間勤務職員制度というものを提起されているわけです。
 私たちは、恒常的な仕事は正規職員が担うべきだと、これが原則だと思いますけれども、いきなりそこに行けない中で、現状を改善する重要な提案だなというふうに私も受け止めました。これは今までも検討はされているんですが、もうこういう専門職の方がいっぱいいます。消費生活相談員だけではありません。たくさんたくさん臨時、非常勤でおりますので、ここはひとつ、せっかく公的な組織である消費者委員会から具体的に提案があるので、これは大臣、より踏み込んで、急いで検討すべきだと思いますが、いかがですか。

新藤総務相 今御紹介をいただきましたこの三点目の指摘でありますが、それにおきましても、より柔軟な専門職任用制度の在り方について検討を深めると、こういう御意見いただいているわけであります。また、委員からの御指摘もありました。この検討を深めていくということは重要だと、このように思います。
 そして、もう既に御認識でありますが、任期の定めのない短時間勤務職員、こういった制度につきましては、やはり長期的な人事管理、それから、例えば短時間勤務を定年まで続けると、こういう前提がなるとすれば、それは公務の中立性を含む公務員の本分、こういったものは全うできるのかと、こういう問題も出てくるわけでありまして、そういう検討が一方であると。
 しかし一方で、様々な働き方があって、これを検討しなきゃならないと、こういう社会の要請があるということでありますから、もろもろのことを踏まえて、様々な観点から幅広く議論、検討を深めていきたいと、このように考えます。

山下よしき もう時間が参りましたので質問はしませんが、もう1枚資料として配付しているのは、別の、全国家庭相談員連絡協議会、これも、臨時、非常勤として今担われている家庭児童相談員の方々の処遇が、やっぱり経験が蓄積されるのが必要なんだけれども、雇い止めになっていると、処遇改善してほしいというこれは要望なんですね、これは厚生労働省あてに出ておりますけれども。
 やっぱり、こういう方々の一つの答えにも先ほどの三番目の提起というのはなるんですね。たくさんこういう方はありますので、余りこれはもう時間掛けておられないと思います。正規に変えていくということが当面なかなかいろいろ条件あるんだったら、せめてこういう新しい制度をつくって処遇の改善、身分の安定というものを図っていくようにするのが総務省の役割だということを申し上げて、終わります。