私は、日本共産党を代表して、地方税法改正案及び地方交付税法等改正案に対する反対討論を行います。
まず、地方税法改正案についてです。
東日本大震災からの復興支援として、津波被災区域における固定資産税や都市計画税の課税免除等の一年間延長や延滞金の引下げなどは当然の措置であります。
金融税制の一体化として、現行の上場株式等の配当・譲渡所得に対する損益通算特例を債権、公社債等の利子益、譲渡所得にも拡大することは、多くの金融資産を保有する資産家ほど税制面の恩恵を受けることになるものです。これらは資産家、富裕層への優遇策を拡大するものであり、反対です。
法案は、国際バルク戦略港湾の荷さばき施設等に対する固定資産税等の軽減措置を行うこととしています。その対象となるのは大手の荷主や商社などであり、十分な担税力を持っています。こうした大企業に税制優遇策を拡大する必要は全くありません。
次に、地方交付税法等改正案についてです。
東日本大震災の被災地の復旧復興、被災者の生活となりわいの再建のために震災復興特別交付税の増額とその有効な活用は当然です。
来年度の地方財政計画の最大の問題は、社会保障費の自然増分の支出として約五千五百億円を見込むとしながら、地方への一般財源総額を前年度並みに抑え込んだことであります。
政府は、生活保護、地方公務員人件費などの適正化、見直しを重点化に挙げ、地方公務員給与や生活保護費などの社会保障関係費の大幅な削減を狙っています。国家公務員給与七・八%削減と同様の地方公務員給与削減を前提に地方交付税を削減し、職員給与の削減を地方自治体に押し付けていることは重大であります。
地方交付税は地方の固有の財源であり、国が責任を持って確保すべきものであります。地方公務員給与の削減を前提にあらかじめ一律の削減を掛けて引き下げるなどということは、前代未聞の乱暴なやり方であり、断じて認められません。地方の固有の財源を国の勝手な基準で削減し、地方公務員給与の削減を強要することは許されるものではありません。きっぱりとやめるべきであります。医療、介護、保育、教育など、あらゆる分野で住民生活を支え、被災自治体でも懸命に奮闘する地方公務員の生計費を乱暴なやり方で削るのは間違いであり、デフレ不況脱却にも逆行するものです。
以上の点を指摘し、反対討論を終わります。