「不当な人員削減だ」 日航労働者復帰へ指導を 
【議事録】参議院内閣委員会質疑

○山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 まず、私は地域経済活性化の軸というのは雇用の確保、雇用の安定だと考えます。そこで、まず、明日にも開催される国家戦略特区諮問会議で検討される雇用指針、雇用のガイドラインについて質問をします。
 雇用ガイドラインは、進出企業にとって我が国の雇用ルールが分かりにくいという声に応えるため、裁判例を分析、類型化したものを作る。加えて、従業員が意欲と能力を発揮できるよう援助を行うと。これは田村厚労大臣が私の質問に本会議で答弁した内容です。ただ、厚生労働省案が出されたものを見て、私は驚きました。
 まず、採用の自由から始まっているんですが、そこには昭和48年の3菱樹脂事件の最高裁判決についてこう述べてあります。労働者が採用試験の際に、思想信条について身上書に虚偽の記載をし、面接試験で虚偽の回答をしたため、企業が試用期間の満了に当たり本採用を拒否したことについて、裁判所は雇入れの拒否を認め得るとしたと説明してあるんですね。これ、あたかも採用に当たって、思想信条調査を行うことが認められるかのような説明になっております。これ、余りにも不正確だと思うんですが、まず厚労省に確認しますが、現在、採用に当たって、思想信条などの差別についてどのような指導をしていますか。

○宮川晃厚労省職業安定局派遣・有期労働対策部長 お答えいたします。
 職業安定法の指針におきましては、個人情報の扱いについて、労働者の募集を行う者などは、その業務の目的の範囲内で求職者などの個人情報を収集すること、思想信条などに関する個人情報は原則として収集してはならないこととしております。また、公正な採用選考におきましては、思想信条のように応募者の適性、能力に関係のない事項については事業主に対して把握しないよう周知啓発しているところでございます。

○山下よしき 今のが到達なんですね。
 三菱樹脂の裁判というのは、1963年に大学を卒業した原告が面接の際に60年安保の集会などに参加していたことを隠していたとして、詐欺だとして本採用を拒否したことに対して、原告が思想信条の自由を訴えて争ったものであります。1審、2審は原告が勝利、勝訴したわけですが、最高裁は判断を逃げて、事業者側の留保解約権を行使できるかどうかの審理が十分尽くされていないとして、高裁に差し戻されたわけであります。結局、高裁の審理の中で和解がされまして、原告は職場復帰して、後に子会社の社長にもなっております。これがこういう裁判の実態なんですよ。さっきの例は全く当たらないと思います。しかも、この判決後、女子学生たちの訴えや様々な労働者、学生たちの運動で、事業主の採用の自由においても何でもありではないんだと、労働者の保護などの原理に基づいて、例えば職安法や均等法において制限されるんだということで今に至っております。
 先ほど紹介した厚労省のガイドライン案は、古い判決のゆがんだ解釈を紹介して、使用者にあたかも出身地や思想信条、組合の加入などなど、身上調査をしてもよろしい、その結果、採用拒否、解雇してもいいという誤ったメッセージを送るものになりかねないと。こんな不正確、到達が反映されていない雇用指針、ガイドラインを作るべきではないと思いますが、いかがですか。

○大西康之厚労大臣官房審議官 委員御指摘の雇用指針案の採用の自由の項目につきましては、法律その他の特別の制限、もちろんこれがない限り、企業は原則として採用を自由に行うことができるという、そういったリーディングケースである判例を記載しているところでございますが、当該項目の関連情報で、委員が御指摘いただきましたように、社会的差別につながる個人情報を取得してはならないといった、そういったことも含めた個人情報保護に関するガイドラインとか、あるいは均等法についても紹介しているところでございます。
 そうしたことでございますので、現在、誤解を招かないように修正する方向で調整中でございます。

○山下よしき 私の指摘に基づいて今修正中だというんですけど、修正箇所以外にも、さっきの判例が結構そういう方向で載っているんですよ。
 それから、これだけじゃありません。採用だけではなくて例えば配転について、日本では広範囲な配転が広く行われていると、まるで推奨するかのような記述があります。しかし、育児休業法や男女雇用機会均等法で未成年者や介護者がいる労働者についての配転については配慮しなくてはならないと、こういう制限が加えられているんですね。これをめぐって判決が各地で出ております。そういうことに触れていない。
 それから、解雇についても、労働者保護に欠けることがない場合という、非常によく分からない曖昧な定義を新たに持ち出して、こういう表現があるんです。解雇をする場合には、雇用期間その他の事情を考慮して一定の手当を支払うことを労働契約書などに書き込めばいいと、これ解雇の金銭解決のやり方を指南するような内容になっている、まるで解雇特区が復活しているかのようであります。
 甘利大臣に伺います。これまで政府は、雇用指針について、雇用のルールと判例の類型化を示すと指摘していましたが、必要な判例をきちっと紹介しないで余分なものを付けている。このままこういうガイドラインを作るべきではないと思いますが、いかがですか。

○甘利明内閣府特命担当大臣(経済財政政策) 今、国内への投資を飛躍的に拡大していこうということで、例えば外資が日本に投資してくる際に雇用に関して予見可能性を高める必要があるという指摘は随分あります。この予見可能性といっても何をもってするかといえば、裁判事例、今の御指摘だと適切な事例が全部そろっていないじゃないかというお叱りをいただきましたが、事例とか、それから相談案件があります、雇用に関する紛争例ですね。どういうふうに指導したか等とかも含めて、将来、雇用に関する紛争が起きないように事前に日本の雇用形態に関しての情報を整理して理解している必要が特に外資にはあるということで、こういう試みに取り組んでいるわけであります。
 いずれにしても、この雇用指針につきましては、労働政策審議会における議論を含めて現在議論が行われているものでありまして、もうこれ担当大臣は田村厚労大臣と新藤総務大臣でありますけれども、この担当大臣において適切に検討されていくものというふうに受け止めております。

○山下よしき ちょっと曖昧なんですけど、甘利大臣自身が諮問会議の議員だということで質問しているわけですね。
 それから、関連して、明日にも開催される国家戦略特区諮問会議で、特区の地域指定、それから今の雇用指針が議論されようとしております。私は、諮問会議のメンバーに竹中平蔵氏など使用者側のメンバーが複数入っていることについてこれまでも指摘して、菅官房長官は本会議の答弁で、議員が直接の利害関係を有すると考えられる議題が上がる場合には、当該議員が審議に参加しないようにできる仕組みとしたいと、会議の運営については、中立性、公平性を担保するため、0全の対策を講じると御答弁されております。だとすれば、事業主のメンバーが雇用指針を決める会議にのうのうと参加させるべきではないと思うんですが、甘利大臣、いかがですか。

○甘利大臣 雇用指針は、労働契約に係る、今申し上げましたけれども、判例等の事実関係を分析をして分類することにより作成されるものでありまして、直接の利害関係を有する者は存在しないというふうに考えておりまして、直接の利害関係を有するということについてでありますけれども、個々具体の案件においてそのたびに判断されるものではありますけれども。
 一般論で申し上げますと、例えば国家戦略特区における区域計画の認定について調査審議をする際に、当該計画に定められた特定事業に民間有識者が特別の関係を有する場合を、そういうところを想定しておりますが、御指摘のことに関しましては、いわゆるこれ、直接の利害関係を有する者という判断はしておらないところであります。

○山下よしき これはウオッチする必要があると思っているんですが、私は委員長に、これは非常に重要な問題なんです、雇用指針の問題、それから利害関係者の諮問会議への不参加の問題、見過ごすことができない問題がありますので、当委員会としてこの戦略特区問題について集中した審議を行うことを提案したいと思います。御検討いただけますか。

○水岡俊一内閣委員長 ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議をいたします。

○山下よしき さて、昨年の改正で企業再生支援機構が地域経済活性化支援機構とされました。地域経済を活性化する上で、先ほど述べたように、従業員とそこに蓄積された技術が大事だと思っております。
 先日、テレビ東京を見ておりますと、経営危機に落ち込んだ下請中小企業がどのように再生していったか、具体例を紹介されていました。液晶パネル製造に進出して高級車のインパネ部品を製造していたある下請事業者は、取引の8割を頼っていた取引先がリーマン・ショック後に海外に工場を移転したと、収入が一気に減った。ところが、社長は会社存続を決断して、一番先に従業員と話合いを持って打開策を探す中で、やっぱり崖っ縁で出た答えは下請からの脱却だったと。従業員とともに自社製品を作ることを始め、立派なこれは音響製品を作ってこの会社がよみがえったと。この社長は、精神的に私は参ったが、社員が元気だったから頑張れたと話しておられました。メーンキャスターの村上龍さんも、下請から脱却するのは至難の業だが、独自の技術、社員の結束があれば自立の道が開けると述べておられました。
 これ非常に大事だと思うんです。甘利大臣に基本姿勢について伺いますが、地域経済を活性化させる上で、そこにいる従業員、そこに蓄えられてきた技術を生かしてその事業をどう支援するかということが大事だと考えますが、大臣の見解、伺いたいと思います。

○甘利大臣 それは、技術というのは人と共にあることだと思います。その事業を培ってきた、その事業者が持っている強みを培ってきた技術をどう進化させていくかということと、そしてそれを支えてきた人をどう強力な、更に強力な経営資源としていくかということは、両々あって初めて事業再生ができるということは御指摘のとおりだというふうに思います。

○山下よしき そこで、具体的にこの機構が支援した中身について伺いたいと思うんですが、この間、前身の企業再生支援機構も含めて機構が手掛けた支援の中で、整理解雇など人員削減を伴ったものは具体的にどういうケースか、まず何人の削減がされたかお答えください。

○小泉進次郎内閣府大臣政務官 今御指摘のありました機構がこれまで再生支援決定した38件のうち、この支援期間中に希望退職を実施した案件は9件あります。この9件の合計で、総従業員数合計約48,000名のうち、希望退職人数が約6,000名、そして継続雇用された人数が約42,000名、そうなっております。

○山下よしき 機構には公的資金が入っているにもかかわらず、今言ったように38ケース中9件で人員削減が行われたということであります。これ問題だと思うんですね。
 一番人員削減が行われたのは、機構の支援第1号となった日本航空、JALであります。大量の希望退職者とともに、2010年12月31日、50歳代のベテランを中心に、パイロット81人、客室乗務員84人、計165人の整理解雇が強行されました。12月31日、大みそかの日にそういうことがやられたんです。
 20歳で入社し53歳で切られるまでの33年間、真面目に働いてきたという独身のある客室乗務員は、解雇され収入がなくなり、貯金を切り崩しながら暮らしている。余りにも理不尽な解雇、判決に怒りに震えていると、これからの将来が不安で怖いと語っておられます。解雇者の中には、障害のある御家族、介護や子育て中の方、夫を亡くして自分の収入で家族を養わなければならない人、病休の後、育児休業取得中の人、妊娠中の人などが含まれております。解雇後もう3年たっているわけですが、解雇撤回の闘いの中で亡くなった方もおられます。職場復帰を願っている客室乗務員の原告のうち、既に13人が解雇されたまま定年を迎えて、来年で定年を迎える人も入れれば27人となっておりまして、これは早い解決が求められているわけです。
 支援機構は、日本航空の支援の決定、2010年1月と同時に会社更生手続を行い法人管財人となりました。機構が管財人になったんです。機構の役員は、労働組合との交渉にも参加して、交渉内容についての決定権はむしろ支援機構の役員が握っていたと言われる状況がありました。支援機構と更生管財人が作成した更生計画では、日航グループ全体で48,781人の体制を32,600人の体制にする、うち日航本体では1,520人削減、更に後に250人の削減の上乗せが必要であるとされましたが、そういうことがこれ支援機構主導でやられているわけですね。
 そこで伺いますが、2010年12月末までの希望退職者の数、乗員、客室乗務員それぞれ何人だったか、同じく更生計画の期限である2011年3月の時点ではどうなっているか、お答えください。

○小泉政務官 まず、御指摘今は2問ありましたけれども、1点目が、整理解雇が行われた2010年12月末より前までに8回にわたり行われた特別早期退職及び希望退職募集により、総計5,320名が退職をしております。
 2点目でありますが、それ以降、2011年3月末までに整理解雇により165名が退職をしています。

○山下よしき 今のはグループ全体の数字だと思います。
 そこで、客室乗務員の場合はどうだったか、客乗の場合について見てみたいと思うんですが、2011年3月末までに計画では4,120人体制にするとしていたわけですが、これ裁判の中で明らかになっているんですが、もう整理解雇の時点で既に4,042人となっていたんですね。ですから、減らして4,120人にすると言っていたのがもう4,042人と、削減目標を78人も上回る状況であったのに、会社機構、管財人はそれを隠して更なる整理解雇に踏み切ったということになっております。しかも、整理解雇後、自主退職者が218人出ておりますが、そういう状況になるということを会社側は予測することができる状況にもあったわけです。
 当時、日本航空の稲盛会長は、経営上整理解雇はしなくてもよかったと述べられました。これは非常に重大な発言です。たとえ会社更生手続の下にあっても、私は、憲法で保障されている労働者の基本的な権利は守られなければならない、整理解雇の4要件、例えば人員削減の必要性があったかどうか、解雇回避努力義務が尽くされたかどうかなどは満たされなければならない、これは明らかであります。それが満たされてなかったと、整理解雇の対象となった客乗組合、CCUあるいは乗員組合の皆さんは、仮に日航の再建に向けて希望退職の人員目標が達成できなくても、これは休職を含むワークシェアリングを行おうじゃないか、賃金の大幅ダウンものもうじゃないかというふうに解雇回避に向けて自ら厳しい提案をしていたんですね。ところが、会社は何が何でも整理解雇をということで、実際にそれを進めてしまったわけであります。
 整理解雇の必要性は全くなかったんではないか、支援機構は、安全と公共交通を守ること、雇用を守ることのために最後まで整理解雇を回避するために努力をしなかったんではないか、こう思いますが、甘利大臣、いかがですか。

○甘利大臣 稲盛さんが内々におっしゃったことについては稲盛さん御自身にお聞きをいただければと思いますが。
 日本航空の整理解雇については、同社の事業再生に不可欠であった再生計画を確実に実施するために行われたものであるというふうに私どもは承知をいたしております。具体的には、累次にわたり実施をされました特別早期退職それから希望退職、これだけでは再生計画にあった自主退職者の状況も踏まえた必要削減人員数を達成できなかったということからやむを得ず行ったものであるというふうに聞いております。

○山下よしき それは聞き間違いなんですよ。もう目標以上に減らされ過ぎていたんです、実際は。そして、稲盛さんが経営上整理解雇はしなくてもよかったと、こう述べているんですよ。しかも、これ単に民間の企業がやったんじゃないんです。支援機構が管財人になった下でやられたことなんです。だから、私は聞いているんですよ。
 両組合は、何としても労働者を路頭に迷わす整理解雇は避けるべきだということで、ストライキ権を確立して会社としっかり交渉できるようにしようと争議権確立のための投票を当時開始しました。しかし、その途上、2010年11月ですけれども、日本航空は組合執行部を呼び出して、企業支援機構のディレクター、飯塚さんという方ですが、と管財人の代表が、争議権が確立された場合、撤回するまで機構は3,500億円の出資はできない、こう述べて、これは事実上の私はもう脅しだと言わなければならないと思いますが、結局投票中止に追い込ませるなどしたわけであります。
 この件については、東京都労働委員会は、この発言は争議権投票を控えた組合員に対して投票をちゅうちょさせるに十分なものであり、組合運営に影響を及ぼすとして不当労働行為として認定し、会社側に謝罪文の交付を命令いたしました。不当労働行為の主役は支援機構だったわけであります。
 小泉政務官に質問しますが、確認しますが、東京都労働委員会で支援機構の不当労働行為が認定されたという事実、ありましたね。もう1つは、支援機構は争議権を確立したら3,500億円の出資はしないとの決定をしたのか、いつ、どこで、誰によってそんな決定をしたのか、お答えください。

○小泉政務官 1点目でありますが、東京都の労働委員会でそのような発言が不当労働行為として認定されたことは事実であります。そして、この発言が不当労働行為に当たるか否かについては現在司法の場において係争中でありますので、その行方を見守りたいと思っております。
 そして2点目の、今の一部の職員の発言に関してでありますが、これは機構職員が当時の機構の執行部の考え方を述べたものであると承知しております。

○山下よしき 当時の機構の執行部の考えだとなると、ますます深刻だと思いますね。そういうことをスト権確立の投票の際に表明して、それを防害するということをやったわけですから、これは明白な不当労働行為ですよ。
 私は、これは甘利大臣に伺いたい。機構に監督責任がある政府、出資していますからね、私は、機構に対して、労働組合に対する不当労働行為を謝罪させるべきではないかと思います。加えて、これから機構がいろいろな支援をするでしょうけれども、不当労働行為までやって人員削減を強行するようなことは絶対にさせるべきではないと思いますが、この2点、いかがでしょうか。

○甘利大臣 東京都の労働委員会から、御指摘の案件が不当労働行為に当たるということで救済命令が出されたことについては承知をいたしております。
 ただ、これ今係争中ですよね。具体的に言うと、これ地裁は不当労働行為ではないという判決を出しておりまして、それが今高裁で係争中になっているわけであります。(発言する者あり)あっ、違う。東京地裁。済みません、ちょっと私の勘違いでした。地裁で今この問題を係争中であるということであります。
 でありますから、まだ係争中の案件でありますから具体的なコメントは差し控えたいと思っておりますが、いずれにいたしましても、今後とも機構に対しては、事業者が労働者の理解、協力を得るための努力を行っているということを十分に確認した上で支援を進めるよう、しっかりと指導してまいりたいと思っております。

○山下よしき 今後は当然なんですけれども、日航の問題は現在進行中なんですよ、さっき言ったように。
 それで、支援機構はもう2012年の9月、日航の株式を売却して、出資金の倍近くを取得して、もう再生支援完了だと、こう言っておりますが、私はこれで完了にしてはならないと思います。支援機構が主導した整理解雇で現在142人の原告が解雇撤回を求めて闘い続けているんですね。この問題が続いている限り、これ支援終了としたら余りに無責任だと思うんですね。
 その後、今現場では何が起こっているかといいますと、日航の客室乗務員のベテランが皆いなくなりましたから、新人の比率が3割を大きく超えております。中には7割が新人という飛行機もあるわけですね。その中で、基本中の基本の作業であるドアモードの変更ミスで実際に緊急脱出用シュートが作動してしまったとか、機内でのカートの転倒、これは非常に危険です、こういうトラブルが多発しているわけです。
 国交省に伺いますが、客室乗務員の保安要員としての任務について航空法でどうなっているか、それから日航からこのようなトラブルの報告はどうなっているか、お答えください。

○甲斐正彰国土交通省航空局次長 お答えいたします。
 まず1点目の客室乗務員の保安業務でございますが、機長ら運航乗務員とともに、航空法に基づき認可された各航空会社の運航規程に従いまして旅客の安全確保など保安業務を行っていただく必要があります。具体的には、旅客に対しましてシートベルトを常時着用するよう求める、あるいは緊急時におきます旅客の避難のための誘導、機内で火災等が発生した場合のその消火活動、機内で手荷物が適切に収納されていることを確認すること、その他安全の確保に関する業務を行っております。
 2点目につきまして、航空機に装備されました操縦系統やあるいは燃料系統など運航上の重要なシステムが正常に機能しないなどの航空機の運航に安全上の支障を及ぼす事態につきましては、本邦航空会社から国土交通省に対して報告されることになっております。また、先生が御指摘のようなドアモードの操作ミス、あるいはこれによって誤って脱出シュートが展開した事案などにつきましても、客室乗務員が関与した安全などに支障を及ぼす事態につきまして同様に報告を受けることになっております。
 いずれにいたしましても、こういった報告を受けた事案につきましては、航空会社が適切な措置を講じたか、あるいは、さらに、航空会社に対します定期的、随時の安全監査を通じまして客室乗務員の保安業務が適切に行われているか、有効に対策が機能しているかといったことを確認しているところでございます。
 以上でございます。

○山下よしき そういう報告がされているということなんですよ。それで、やっぱり教える側も教えられる側も余裕がない状態になっていると、これは安全に直結する問題、ゆゆしき問題だと思います。
 この整理解雇された50歳代のベテランの方々は、皆さん1985年の御巣鷹への墜落事故を目の当たりにして、仲間の方が亡くなったりしているんですね。絶対にこれは忘れてはならない、安全が絶対第一だということを体に刻み込んでいる方々であります。この方々が大事な役割を果たすべきときに放り出されたわけですね。しかも、その放り出された後、日航は、例えば1,580人の客室乗務員を新人を新たに採用しております。2015年も200人採用すると、それからパイロットも、そもそも2010年から不足が話題になっていたんですが、これも日航は採用を再開するとしています。だったら、こういう方々からちゃんと職場に戻っていただいて、安全なJALをつくる先頭に立っていただくのが筋ではないかと思うわけですね。
 ILO理事会は2012年6月勧告を出しまして、委員会は、人員削減の過程において関連する当事者間で協議が実施されることを確実に保障するよう日本政府に要請する、再生計画策定の際には労働組合との十分かつ率直な協議が重要だと、政府にその協議ができるよう保障するようにと呼びかけております。政府が音頭を取れと言っているわけですね。
 さらに、昨年の10月には第2次勧告が出されておりますが、国交省、その中身を簡潔に紹介してください。

○甲斐次長 お答えいたします。
 先生御指摘のILO結社の自由委員会が昨年10月に出しました報告書の内容のうち該当部分を2点ほど御紹介いたします。
 まず1つに、日本航空から整理解雇されました元運航乗務員及び元客室乗務員が会社との労働契約上の地位の確認を求めて提訴した訴訟に関しまして、委員会は日本政府に対し、現在審理が係属されている東京高等裁判所での訴訟の結果、またその後の政府の対応などにつきまして引き続き提供を求めること。2点目が、当該整理解雇された乗務員の再雇用につきまして会社が採用活動に関して労働組合との間の協議が実施されることを期待するという内容でございます。

○山下よしき 甘利大臣、最後に伺います。
 甘利大臣は労働大臣もされたし、ILO議連の要職にもある方だと思っております。このILOがそういう勧告を2度にわたってしたわけですね。これはそもそも支援機構が関与して進めた大量解雇が、当時の政権は自民党じゃなかったんですけれども、やっぱり双方がよく話し合って職場に復帰できるように、真の再生が実現できるようにこれはイニシアチブを私は甘利大臣が機構に関わっている大臣として、国土交通大臣や厚生労働大臣などとも話をして、前向きに解決されるようJALが当事者と協議の場を持つように相談していくのが筋だと思いますが、いかがですか。

○水岡委員長 甘利大臣、簡潔にお願いします。

○甘利大臣 この案件は、もう既に御指摘のとおり、旧機構が2012年、おっしゃるとおり前政権のときにもう完了してしまっている案件でありまして、現機構の担当大臣として現時点で何らかの対応をするということは非常に難しいということは御理解をいただきたいというふうに思います。

○山下よしき そういう、その現とか旧とか言っているんじゃないんですよ。実際に機構が関わった問題でこういう事態が起こっている。ILOはそういう勧告をしていると。これ、大臣として、政治家としてですよ、ほっといていいのかと。ちゃんとこれ、大臣、関係大臣幾つかわたりますから、調整することぐらいはやっぱりやらないといけないんじゃないですか。その検討してください。

○甘利大臣 この整理解雇案件ですね、これ今係争中です。さっきちょっとこの案件とさっきのと取り違えて地裁と高裁の話をしましたけれども、この推移をまず見守らなきゃならないというふうに思っています。

○山下よしき 時間ですから、終わります。