認知機能審査 慎重判断を 道交法改正案 
【議事録】2015年4月16日 参院内閣委員会質問

○山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 資料で今配付いたしましたけれども、4月8日付けの毎日新聞に、「倒れていた認知症男性 警察保護せず死亡」という記事が載りました。
 ちょっと中身大事なので、ポイントとなる部分読み上げさせていただきます。
 男性は2014年8月19日夕、横浜市鶴見区のデイサービス施設から行方不明になり、家族は同日夜、神奈川県警に届け出た。21日午前10時20分頃、JR中野駅近くの路上で男性が倒れているのが見付かり、警視庁中野署の駅前交番の警察官も駆け付けた。警察官に対して男性は氏名を答え、住所は話さず、生年月日は昭和26年2月26日、実際は昭和6年2月4日と答えたという。警察官は男性に水を飲ませ、休憩できる安全な場所と考えて約300メートル東側にある紅葉山公園に連れていき、ベンチに座らせ、現場を離れた。ところが21日午後10時過ぎ、男が公園で寝込んでいるとの通報があり、午前のやり取りを知らない同交番の警察官が駆け付けると、この男性が公園トイレの床で寝ていた。警察官が救急車を呼ぶかと尋ねると大丈夫と答え、家はないんですかと聞くとうなずいた。名前と生年月日の問いにも大丈夫を繰り返し、後に分かるが実際とは1字だけ違う氏名を答え、このときも警察官はそのまま現場を離れた。男性は23日朝、トイレ脇の地面で死亡しているのが見付かった。身元不明遺体として扱われ、家族が今年2月、警視庁のホームページで持ち物や特徴が一致する遺体情報を見付け、身元が判明した。男性は最初の発見時に正確な氏名を答えていたが、警察はこのとき、身元照会をせず、死亡後も家族が見付けるまで身元を特定できなかったとあります。
 まず、警察庁に確認しますけれども、この報道に記された経過は事実でしょうか。

○山谷えり子国家公安委員長 亡くなられた男性の御冥福をお祈りするとともに、御遺族にお悔やみを申し上げます。
 警察官が男性に水を飲ませ、休憩できる安全な場所と考えて約300メートル東側にある紅葉山公園に連れていき、ベンチに座らせたこと等、また、夜には救急車を呼びますかと尋ねて、これは別の警察官だったんですけれども、大丈夫と答えて繰り返したということ等、事実でございます。

○山下よしき 事実ということですが、その後、記事を読んでいただくと、保護や身元照会しなかったことについて警視庁は、外傷や自傷他害のおそれもない、受け答えがしっかりし不審点も認められないなどと判断したと説明。一時的に気分を悪くして横になった近所の人、最近ホームレスになった人と推測したという。警視庁地域部は警察官の取扱いは必ずしも適正を欠くところがあったとは言い難いと思っていますと。
 要するに、対応は正しかったという認識だったという報道ですが、大臣も同じ認識でしょうか。

○山谷大臣 警視庁において所要の対応が取られたものと承知しております。
 必ずしも、私としましても、適正を欠くものではないと考えておりますけれども、年齢幅等々、もう少し身元確認、幅広い照会の励行等々については検証をすべき点もあるというふうに思っております。
 いずれにしましても、認知症に係る行方不明者の発見、保護活動が適切に行われるように警察を指導してまいりたいと思います。

○山下よしき 今後、身元の照会等をきちっとしたいということですが、その次のページの資料に、御家族、御遺族の方が、何度も命を助けられる機会があったのに、2度とこのようなことが起きないよう対策を真剣に考えてほしいというコメントが載っております。
 そのとおりだと思います。亡くなる前に2回、警察官が接触しているわけですね。そして、行方不明の届出が出されていた、名前も正確に答えていたと。ただ、認知症と分からなかった、したがってホームレスになった人かなという判断をしてしまったということですが、それで救える命が救えなかったというのもこれはまた事実であります。
 左下の方に、この男性が通っていたデイサービス施設の所長のコメントがちっちゃく載っていますけれども、男性のような対応を取る人は介護現場では少なからずいる、つまり大丈夫だと言う人はいるというんですね、大丈夫じゃないのに。それが認知症の一つの特徴だということであります。
 したがって、私は、こういうことを2度と繰り返さないために、やはりきちっと対応する必要があると思うんですが、政府は今、認知症施策推進総合戦略、いわゆる新オレンジプランというものを作りつつあります。認知症の人を含む高齢者に優しい地域づくりを推進しているわけですが、その点で私は、警察の役割は非常に大きいと思います。生活安全課あるいは交番勤務の警察官には、様々なこういった相談や情報が寄せられると思います。
 伺いますと、全国の交番それから駐在所の数は約1万3,000あります。地域の中にかなり網の目のように張り巡らされている交番、駐在所が、実際に認知症でこのような行方不明になったり徘回したりする方々の情報と接する機会は多いと思います。その現場での対応が適切に行われるなら、これは御家族や御本人の不安を解消する上で、あるいは今回紹介したような悲しい結末を防止する上で大きな効果を上げることは可能だというふうに思うんですね。
 その点で、やはり認知症に対応する力を付ける必要があると思います、現場の警察官に。警察官を対象に認知症について正しい知識、対応方法について研修をする必要があると思いますが、いかがでしょうか。

○山谷大臣 政府としても、新オレンジプランに基づく取組を推進しているところでありまして、認知症に係る行方不明者の適切な発見、保護活動を推進するため、警察庁においては、認知症の特性を踏まえた行方不明者届の受理、迷い人の発見、保護時の留意事項等を指示しているところでございまして、また、都道府県警察においても、認知症の方の特性や対応等に関する講習会の開催等の所要の取組を行っているところでありますけれども、しかしながら、今回のことを踏まえながら、今後ともこうした取組、ますます強化、推進していかなければならないというふうに思っております。
 あわせて、認知症の方が行方不明になった場合において、身元や連絡先が確認できるよう、関係機関、団体等に対し、認知症の方の着衣等への記名、名札等の装着等の重要性についても引き続き周知してまいりたいと考えております。

○山下よしき それでは、本題に入りたいと思いますが、まず基本的な確認ですが、現在でも認知症の人は運転免許証を持つことができません。道路交通法で規定されている認知症とはどういう段階のものをいうんでしょうか。

○鈴木基久警察庁刑事局長 道路交通法において運転免許の取消し等の事由とされております認知症でございますが、これは介護保険法第5条の2に規定する認知症ということで捉えております。
 ちなみに、介護保険法第5条の2に規定する認知症とは、「脳血管疾患、アルツハイマー病その他の要因に基づく脳の器質的な変化により日常生活に支障が生じる程度にまで記憶機能及びその他の認知機能が低下した状態をいう。」とされておるところでございます。

○山下よしき 厚労省、関連して、日常生活にまで支障が生じるとは具体的にどういう症状のものをいうんでしょうか。

○苧谷秀信厚労大臣官房審議官 お答え申し上げます。
 認知症により日常生活に支障が生じる場合といたしましては、例えば、1人で着替えができない、自分で計画して食事の準備ができない、付添いがないと買物ができない、こういったADL、日常生活動作、あるいはIADL、手段的日常生活活動に関しまして支援を要する状態が挙げられます。

○山下よしき 次に、今回の法案で免許更新の際の簡易な認知機能検査で3分類が行われて、認知症のおそれがあるとされる人は全員専門医の診断を受けなければならないとされます。これまでは、認知機能検査でおそれがあるとされ、かつ、信号無視あるいは一旦停止などの違反が判明したら専門医の診断を受けなければならないということでしたけれども、今回はそれが前倒しされるということです。
 そこで伺いますが、これまで違反をして医師の診断を受けた人は、例えば一昨年と昨年、何人か、そのうち認知症だと診断されて免許停止・取消しになった人は何人か、その割合はどのぐらいか、お答えください。

○鈴木刑事局長 臨時適性検査の件数は、それに関して主治医の診断書が提出された場合を含め、平成25年中でございますが524件、それから平成26年中は1,236件でございます。
 また、このような臨時適性検査等の結果、認知症に該当したとして運転免許の取消し等が行われた件数、及び同件数を先ほど申し上げた臨時適性検査等が行われた件数で割った割合について申し上げますと、平成25年中は取消し等が行われた件数が118件、したがいまして割合としては22・5%。それから、平成26年中は356件で28・8%であったところでございます。

○山下よしき 法改正後に専門医の診断、臨時適性検査などの診断を受ける対象はどれぐらいになるか、あるいは、どれほどの人が免許停止・取消しになると想定されていますでしょうか。

○鈴木刑事局長 今回の改正により、違反の状況等にかかわらず臨時適性検査の受検又は診断書の提出をしていただく制度を設けるものでありますところ、認知機能検査を受け認知症のおそれがあると判定された者は、平成25年中は3万5,000人、そして平成26年中は約53000人でありまして、これから推計いたしますと、改正後は年間約4万」から5万人の方が医者の診断を受けることとなるというふうに推計をしておるところでございます。

○山下よしき その上で、免許停止・取消しとなると推定される方は何人ぐらいと。

○鈴木刑事局長 このうち、先ほど申し上げたような認知症と診断された率を勘案いたしまして、約3割の方が認知症と診断されるという、これはあくまでも仮定でございますが、そういうふうに仮定をいたしますと、医師の診断の結果、認知症であるとして運転免許の取消し等の処分を受ける方は年間約12,000人から15,000人程度になるのではないかと推計されておるところでございます。

○山下よしき これまでは100人から300人ぐらいだったのが、1万数千人の単位で取消しになる方が出てくるであろうということであります。
 それで、私、一般的に認知症の診断結果を告知する際に、その後の治療の方法や生活支援情報なども含めて伝えるなど多面的な配慮がされるべきであるとされていると理解しておりますけれども、ましてや、今回、運転免許証の更新時に行われることになる認知機能検査というのは、認知症のおそれがあるかどうかを判定するためのものであって、そこからお医者さんに行っていただくわけですけれども、認知症だという判定ではないわけですね。
 したがって、なお細心の配慮がされるべきだと思いますが、その点、具体的には、更新の際の検査をする人、それから通知をする人、あるいは認知症のおそれがある方の場合には特別の講習が、別コースが用意されますけれども、その講習する人、例えばその中で、もうあなた、おそれありますからお医者さんに診てもらう必要がありますよ、あるいは診てもらう前に免許証を自主的に返納した方がよろしいよとかいうことをばんといきなり言っちゃうと、打撃的にダメージ受ける方もあると思うんですね。ですから、細心の注意を払って、正しい認知症の知識に基づいた対応ができるような人をこういうところに配置する必要があると思いますが、いかがでしょうか。

○鈴木刑事局長 御指摘の認知機能検査、それから講習、あるいはまた運転相談、こういった場面等においては、高齢者の認知機能の低下の状況や一定の病気等に該当しているおそれがあるというふうな事実、こういったプライバシーに関する情報を取り扱うことになります。まさに機微な情報でございまして、相手方への対応については、しかもいろんな心情の方もおられますでしょうから、そういった心情にも配慮をしつつ丁寧に行うべきものであるというふうに認識しております。
 そのため、これらに従事する者が認知症に対する正しい知識や丁寧な対応の方法が身に付けることができるよう、必要な教育などしっかり実施されるようにしてまいりたいというふうに考えております。

○山下よしき 認知症の診断は、一般的に本人からの話を聞くだけではなかなか診断できません。御家族からの聞き取り、あるいはペーパーテスト、MRIなどの脳の萎縮状況などの画像検査などをして総合的に判断されると理解しておりますが、それでよろしいですか。

○苧谷審議官 医師がどのような手順で認知症の診断を行うかにつきましては、本人の状況等にもよりますが、一般には病歴の聴取、身体診察、神経心理検査、血液検査等を行うとともに、必要に応じてCTやMRIなどの画像検査等を行った上で鑑別診断が行われるものと承知しております。
 その際、症状が日常生活に支障が生じる程度であるかどうかにつきましては、検査結果等を踏まえつつ、医師が本人や家族から日常生活の様子等の情報を確認した上で総合的に判断されているものと承知しております。

○山下よしき かなり判断自身が難しいものなんですね。医師によっても判断が違ってくる場合はざらにあります。それから、その本人の健康状態とか体調だとか、日時だとか、午前とか昼とかによっても症状が違ってくるということが間々あります。
 ですから、これなかなか判断するのが難しいのが認知症の特徴でもあると思うんですが、そこで伺いたいのが、独り暮らしの方の認知症の判断をどのようにされるんでしょうか。

○苧谷審議官 診断を受ける高齢者の方が独り暮らしの場合につきましては、家族から日常生活の様子等を確認することができないことから、場合によっては近隣にお住まいの方々から情報収集するなど、個人情報に配慮しながら高齢者の状況に応じて総合的に判断することになると承知しております。

○山下よしき そういう丁寧な対応がやはり必要だと思うんですね。
 そこで伺いますが、今回、認知症のおそれがあると診断、判断された場合、免許証の更新で一旦免許は交付されるというふうに聞きました、講習受ければですよ。しかし、医師の診断をもらう、あるいは臨時適性検査を受けるということをしなければそれは無効になると。その際、いつ、どのくらいの期間を掛けてその診断をしてもらいなさいよ、臨時適性検査を受けなさいよというふうにされるんでしょうか。

○鈴木刑事局長 医師の診断書の提出命令を掛けさせていただいて、その提出命令を受けた方は、都道府県公安委員会が指定する期限までに診断書を提出していただくということに制度としてはなっております。
 この診断書の提出期限につきましては、地域におけるお医者様、医者の体制等を勘案いたしまして、都道府県公安委員会が定めることとなるものでございます。

○山下よしき そこをちょっと心配するんですよ。都道府県公安委員会に任せていていいのかと。
 要するに、認知症の正確な判断は難しい、一定期間が必要だ、特に独居の方の場合は、本人だけで判断できない場合は、先ほどあったように、プライバシーに配慮しつつ御近所の方から様子を聞くとかということも必要になると。したがって、1か月後にちゃんと提出しなければ無効ですよなどという期限の決め方をされちゃうと、ちゃんとした診断ができないまま、あるいはもう医師の方にもそれが伝わって、きちっとした丁寧な対応がなされないままもう認知症という診断をしておこうというふうなことさえ起こりかねない。
 したがって、ここは余り性急な期限の切り方をすると、本来運転していただいて結構な方まで免許証が取り消されるおそれがあると思いますが、その期間の定め方については各県の公安任せにしないで、よくこれは専門的な関係学会ですとか関係団体の意見も聞いて、大体こういう点を注意して定めなさいよということをやはり政府の方から示す必要があると思いますが、いかがですか。

○鈴木刑事局長 具体的な都道府県公安委員会における提出期限の在り方についての御指摘でございますが、有識者等の御意見も伺いつつ、今後検討してまいりたいというふうに考えております。

○山下よしき 次に、認知症の診断でよく使われるCDR基準というのがあります。配付資料に、一番最後のページですかね、高知大学の研究を載せておりますけれども、このCDRの各段階で運転可能かどうかを医師の方に伺った結果、CDR0・5の段階ではもう100%、運転していいというふうに答えた医師が100%あったと。CDR1の段階では運転可能だと答える医師が4割あった、6割はやめた方がいいと。CDR2の段階だともう可能だと答えた医師はゼロですから、要するにCDR1のところでは判断が分かれているんですね。可能だという医師もいれば、可能でないという医師もいる。
 そこで伺いますけれども、警察庁、このCDR1は運転免許証を取り消される対象になりますか。

○鈴木刑事局長 CDR1につきましても、当時、痴呆症の疾患治療ガイドライン、まだ痴呆症と認知症が呼ばれていた頃でございますが、明らかな痴呆と診断された患者に該当するというふうにされておるところでございます。
 このように、関係学会でも明らかな認知症と診断された患者については、事故の可能性、運転ミスの頻度が高まるので運転することをやめるべきであるとの見解、これは御指摘のCDR1も含めてでございますが、見解が示されておるところでございます。また、実際に認知症のおそれがあると判断された方は、認知機能が低下しているおそれがないと判断された者と比較して約1.9倍事故を起こしやすいというふうな調査結果もあるところでございます。
 これらのことも踏まえまして、認知症の方については運転を認めないということとしているところでございます。
 軽度の認知症の方の中に安全に運転できる者もいるのではないかというふうな御指摘でございますが、どのような方であれば常に安全な状態で運転することができるかに関し、定まった見解があるとは承知しておりません。
 警察といたしましても、今後の認知症に関する研究の進展については注視していきたいというふうに考えております。

○山下よしき 今後注視していきたいということなんですが、これは今までだったら年間300人ぐらいの取上げですからね。取上げという言葉を使いましたけど、今後は1万数千人取消しになるわけですよ。それがきちっとした科学的根拠なしに、CDR1だから認知症だ、イコール取上げだというふうにしてしまっていいのかというのは、これから施行まで2年間あるわけですから、やはり科学的な知見に基づいた慎重な判断基準の設定というものがなされるべきだと思うんですよ。
 誰でも彼でも免許証を出せばいいという立場に私立ってるんじゃありません。しかしながら、運転することが可能な人だってCDR1の段階の中にはあるであろうということを専門医が、意見が分かれている範囲なんですね。そこのところを全部黒にしちゃっていいのかということなんですよ。
 ここはやはり慎重な判断基準の設定が科学的根拠に基づいてなされるべきではありませんか。

○鈴木刑事局長 御指摘のような専門家の御意見を、私どもも今回御提案させていただくに際し、いろいろお聞かせいただいたところでございます。
 その上で、現段階の判断では、認知症と診断された患者については、やはり安全な運転が難しいということでございますので、運転することをやめていただくべきであるというふうな見解でございます。

○山下よしき じゃ、角度を変えますが、認知症の専門医の中には、例えば白か黒かでいいのか、免許証取消しか更新継続でいいのかと。要するに、地域限定というやり方もあるんじゃないかと。日常的に運転する道、場所、もう慣れた場所、限定された地域だけだったら可能な場合もあるんじゃないか。あるいは、同乗者が、御家族が同乗する条件を付して運転してもらうことだって可能ではないかと。そういう弾力的な運用といいますか適用というものを検討する必要もあるんじゃないかと。
 さっきのCDR1がかなり意見が分かれるということと併せて、その対応の仕方についても、取上げか継続か以外にも、そういう条件付免許の交付ということだってこういう場合はあり得るんじゃないか、検討するべきじゃないか、研究するべきじゃないか、そう思いますが、いかがですか。

○鈴木刑事局長 御指摘のように、例えば運転できる地域を限定するとかあるいは同乗者に乗っていただくとか、そういうふうな方策を取っていただいたとしても、安全性の確保という意味ではそれが実証されているような状況にはないというふうに承知しております。
 したがいまして、現時点で認知症の方について御指摘のような制度を導入することは困難であるというふうに考えております。

○山下よしき 大臣にこれは聞いておいた方がいいと思うので。
 さっき言いましたように、認知症の初期の段階では、認知症と認定された方の中でも運転能力があると、医師から見てですよ、そういう方も相当程度ある可能性があると。そこはまだ研究段階なんですね。そこを今の段階ですぱっと切っちゃうと、かなりの今度は違反を起こす前からもう医師の診断を受けて取消しというふうになる場合が出てくるわけですから、大量に。そこは、そうする以上、ちゃんと科学的根拠に基づく基準を作る必要が私はあるんじゃないかと。まだ2年間あるわけですから、今後の知見を踏まえながらここは設定すべきではないかと思いますが、大臣、いかがですか。

○山谷大臣 委員御指摘のように、認知症の診断は難しゅうございますし、慎重さが求められるというのはそのとおりだというふうに思っております。
 軽度の認知症の方の中には安全に運転できる者もいるとの指摘については、どのような方であれば常に安全な状態で運転することができるかに関し、今定まった見解があるとは承知しておりません。
 警察としましても、今後の認知症に関する研究の進展について注視してまいりたいと思いますし、また、提出期限等の在り方については、御指摘も踏まえまして、有識者等の御意見を伺いつつ検討してまいりたいと思っております。

○山下よしき それは2年間ありますので、しっかり注視しつつ適切に反映をしていただきたいと思います。
 残りの時間もうありませんので、私、自家用車は山間地、過疎地において通院や買物、農作業を行うために必要な足となっていると思うんですが、これが運転できなくなったと、認知症として判断されてですね、高齢者の皆さんへの支援をどう進めるのかと。もうこれ時間ありませんので、国交省はデマンドタクシーだとかありますよと、厚労省も介護保険の制度の中で利用できなくはない制度もありますよという説明を受けました。
 私、大臣に是非御提案いたしたいのは、こういう認知症の検査を前倒ししてかなり大量に運転ができなくなる方を政府の政策として生じさせることになるわけですから、やはりこれはその方々の移動の手段をしっかり確保する必要があると思うんですね。今の制度でこれだけありますからこれを利用してくださいよだけでは、これはできない方が出てくると思います。デマンドタクシーなんかも、それはあるところはいいですけど、ないところの方がたくさんあると思いますから、これは、この制度をスタートさせるまでに、自治体がやっぱり一番よくつかんでいると思いますので、自治体ともよく相談しながら、こういう制度を導入する以上、それぞれの方の移動の手段、移動の自由をちゃんと政府として保障するように、大臣が政府全体挙げて推進できるようなイニシアチブを発揮していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○山谷大臣 認知症の人も含めて高齢者が自ら運転しなくても移動できる環境づくりを行うなど、認知症の方を含む高齢者に優しい地域づくりを行うことは、政府を挙げて取り組むべき重要な課題だと認識をしております。
 警察としましては、これまでも関係機関等に働きかけ、運転免許を返納した方に対する公共交通機関の運賃割引等の支援措置の充実に努めているほか、持続可能な地域公共交通整備に資するよう、交通規制等の諸施策について検討するなど、自治体等による地域公共交通整備について連携を強めているところでございます。
 認知症の方を含む高齢者に優しい地域づくりに向けて、新オレンジプランに掲げられた施策を引き続き更に推進していくとともに、関係省庁や自治体と連携をいたしまして、認知症の方を含む高齢者ができる限り住み慣れた地域の良い環境で自分らしく暮らし続けることができるように、社会の実現に向けて努めていきたいと思っております。

○山下よしき 終わります。