淡路島地震被害 政府の対策をただす 
【議事録】 2013年5月29日 参議院災害対策特別委員会

山下よしき 日本共産党の山下芳生です。先月、4月13日に発生した兵庫県淡路島を震源とする地震被害について質問したいと思います。
 最大震度六弱を観測し、淡路市、洲本市、南あわじ市の淡路島3市を中心に多数の被害が生じております。地震当日から、我が党市議団、地元党組織も救援活動や生活相談に取り組み、私の事務所スタッフも二度ほど現地に入って聞き取りを行ってまいりました。宅地のひび割れ、住宅被害、農地やガラス温室、ブロイラー、漁業施設の被害、そして店舗や商品の損害が発生しております。また、観光や特産品である淡路の瓦産業への風評被害対策も求められております。特に住宅被害が深刻だということを感じております。
 現在、住宅の被害数、どうなっているでしょうか。

原田保夫内閣府政策統括官 お答え申し上げます。
 4月13日に発生した淡路島付近を震源とする地震による住家被害につきまして申し上げますと、全壊6棟、それから半壊66棟及び一部破損8千棟ということでございまして、特に洲本市、南あわじ市、淡路市の三市で住家被害の99.5%を占めているというような状況でございます。

山下よしき 震災から1か月たってその淡路島がどうなっているか。5月13日付け神戸新聞の見出しですが、「淡路島地震1カ月 増え続ける「一部損壊」」、こうあります。13日付け読売新聞、淡路島住宅再建遠く、生活元どおりへのめどなし23%、11日付けの朝日新聞、「淡路島復旧、住宅悩み 高齢化「震災過疎」懸念」、こうやって、やっぱり住宅再建の遅れが報じられているわけであります。
 私のスタッフが洲本市の炬口、塩屋、それから淡路市の生穂の地域で直接お話を伺ってまいりました。
 屋根をブルーシートで覆って取りあえずの応急措置をしているお宅がたくさんありました。資料の1枚目と2枚目にそのときの写真を掲示しておりますが、先ほど御報告があったように、ほとんどが一部損壊の扱いとなっているんですが、一部損壊であっても屋根瓦がずれたり落ちるなどしたお宅では修理しないと雨が漏りますので、住み続けることはできません。ここに載せているAさん、このお宅も屋根がずれておりまして、四人家族のうち娘さんと息子さんはもう出ていって遠いところの場所から職場に通わざるを得なくなっていると。それから、2枚目のBさんも、介護の必要な親御さんがおられるので、これは雨漏りしますので、借家住まいに今はなっておられると。それから、Cさんも、アパートを確保して、もうここには住めないということで、自ら借家住まいになっておられるということで、これは一部損壊でもこうして住めない状況が多々見受けられました。
 それから、屋根を直すだけでも100万円から200万円掛かると。さらに、崩れたりひびが入った部屋の壁、あるいは家がゆがんで開かなくなった戸などを一緒に直せば数100万円掛かるということでありました。したがって、この修理費用が出せないことから、避難したまま自宅に戻る見込みが持てない世帯も少なからずあるという状況でありました。
 皆さん共通して口にするのは、淡路ではこの間3度の大きな災害による被災を被ったというんですね。一つは、先ほどお話のあった阪神・淡路大震災であります。それから2回目は、2004年の台風23号水害であります。そして今度の地震被害。18年間で3回大きな被災を受けて、もう直すお金がないという言葉も聞きました。加えて、洲本市の高齢化率は30%、所得200万円以下が61%です。それから、淡路市の高齢化率は35%で、所得200万円以下が73.6%ということもありまして、そういう下で生活の基盤である自宅の再建や補修が思うようにできない状況が今現れてきているわけですね。
 大臣に認識を伺いたいんですが、私は、地震から1か月過ぎたわけですが、全半壊の戸数が先ほどあったようにそれほど多くないために災害救助法も被災者生活再建支援法も適用されていない中で、しかし被災者の置かれている状況は厳しいものがあると私思ったんですが、古屋防災担当大臣、御認識いかがでしょうか。

古屋圭司防災担当大臣 1か月半経過して、その生活再建についての所感は、どう感じているかという趣旨の質問だと思いますけど、確かに今回の地震では全壊の住家は少ないですよね。一部破損の住家が多くあるということで、そういう意味では、被災者に心からお見舞いを申し上げたいというふうに思います。
 その上で、今回の災害に対しては、兵庫県とか地元において、こうした被害を被った住家に対して災害援護金や見舞金の支給、ひょうご住宅災害復興ローンの貸付けや金利負担の軽減、修繕費用や解体、撤去費用の補助といった被災者支援対策が講じておられて、そういった支援により適切な対応が取られているのかなと、こういうふうに認識をいたしております。
 国の支援制度としては、住家による被害を受けた被災者に対して災害復興住宅融資制度による貸付制度がございます。また、国や地方税において、所得税、固定資産税、個人住民税等の税制における減免等の措置を設けているところでございまして、今後とも、そういった被災自治体と連携をして適切に対応していくということが必要だというふうに思っています。

山下よしき ローンとか貸付けということもあったんですが、先ほど紹介したように、高齢化で所得が非常に少ない方ですから、もう今更ローンは借りられないという声も随分聞きました。
 そこで、災害救助法の適用について質問しますが、災害救助法は何か一定規模以上の全壊、半壊の被害世帯がないと適用できないかのような一部の新聞で報道もされているんですが、そうではないと思います。災害救助法の適用について、どうなっているか確認したいと思います。

西藤公司厚労大臣官房審議官 お答えいたします。
 災害救助法の適用につきましては、各市町村の人口規模に対する家屋の全半壊世帯数により判断を行う以外に、当該市町村において多数の者が生命又は身体に危害を受け又は受けるおそれが生じ、避難して継続的に救助を必要とされる場合にも都道府県知事の判断で可能ということになってございます。
 厚生労働省といたしましては、都道府県の全国会議などにおいてこの災害救助法の適用の考え方について周知するとともに、災害発生時にも当該都道府県に対して助言しているところでございます。

山下よしき 今御説明あったように、かつては厚生労働大臣と協議が必要だったんですが、今は都道府県知事の判断で適用が可能というふうになっております。適用されれば、災害救助法にある救助メニュー、全壊、半壊世帯には住宅応急修理ですとか借家を仮設住宅として提供したりすることもできるわけですので、今ある制度をフル活用していくことが私は求められていると思っております。
 次に、住家の被害認定基準とその運用について質問をします。
 現地を訪ねて被災者のお話伺いますと、一番多かったのは住宅の被害認定に対する不満、判定員や役所の対応に対する憤りでありました。
 屋根が駄目になって雨で布団も敷けない状態なのに半壊にもならなかったという声、それから、この写真でも紹介しておりますけれども、家がゆがんで戸が開かなくなったり、壁のすき間から外が見えるようになってお風呂が使えなくなった状態でも、これ一部損壊なんですね。一体どこを見て決めているのかとか、もう住めないから部屋を借りた状態なのに何で一部損壊なのかとか、役所は冷たい、厳し過ぎるなどの声が出ております。これは当然の声だと私は思いました。
 内閣府の災害の被害認定基準、住家、平成13年6月28日では、住家の全壊とは、住家がその居住のための基本的機能を喪失したもの云々とあります。半壊については、居住のための基本的機能の一部を喪失したもの云々となっております。つまり、住み続ける上で、その機能がどの程度失われているかを見て被害認定の判断をするべきだというのが基準ではあるんですが、古屋防災大臣、屋根が駄目になってもう住めないのに半壊にもならないというのはおかしいと思いませんか。

古屋防災担当大臣 住家の被害認定については、もう委員御指摘のように、災害の被害認定基準において全壊あるいは半壊の具体的な基準は定めています。
 半壊については、今御指摘があったように、住居がその居住のための基本的機能の一部を喪失したもの、すなわち住家の損壊が甚だしいけれども、修復をすれば元どおりに再使用できる程度のもの、具体的には、住家の主要な構成要素の経済的被害を住家全体に占める損害割合で表して、その住家の損害割合が20%以上で50%未満のもの等としています。
 屋根については、災害に係る住家の被害認定基準運用指針がございますけど、これで住家全体の10%を構成するというふうになって、屋根瓦が崩壊していることのみをもって半壊とはなりにくいわけですけど、しかし、外壁だとか建具だとか天井等、屋根以外の部位についても被害が生じている場合は、家の内部の被害も丁寧に調査をすることで半壊等と認定をされることもあります。
 平成25年の4月13日付けで、国から県を通じまして、市町村に対して適切な被害認定の実施について通知をさせていただきました。
 今後とも、こうやって丁寧に被害認定を行うように、地方公共団体に対しては適切に指示をしてまいりたいと思っております。

山下よしき 丁寧な被害認定は非常に大事ですよね。一次調査というのはもう外見から見ると、スピーディーさが要求されるという、災害時においてはですね、そういう面も、仕方がない面もあると思いますが、それで納得できなければ二次調査、三次調査と。中に入って被災者の皆さんの声をよく聞いて丁寧にと、大臣おっしゃるとおりですが、そのとき、屋根が全部壊れていても10%だという部分部分を積み上げるやり方では、先ほど大臣もおっしゃった居住のための基本的機能が喪失されているという実感と、まるで固定資産税を評価するような経済的損失の積み上げでは、どうも、住めないのに何で10%なのという声が出ておりますので、柔軟な判定と併せて、この被害認定基準の運用指針も私はこれは見直していくべきではないかなと、こういう思いはありますが、今その答えは求めません。求めませんが、今大臣からあったように、そういう形で丁寧な対応をしていくということ、これが非常に大事だということは申し上げておきたいと思います。
 その上で、その丁寧なということに関して、資料3枚目の裏表のチラシをちょっと見ていただきたいんです。これ、洲本市が被災世帯に配布したチラシです。兵庫県が独自に見舞金を出すことになったことをお知らせする内容ですが、全壊20万円、半壊10万円、半壊に至らない一部損壊でも損害割合が10%以上なら50,000円の見舞金を出すということになっております。
 このチラシには損害割合が10%以上と思われる方は市役所まで申し出てくださいとあるんですが、問題だと私が思ったのは、裏面の写真入りの説明なんです。これ見ますと、10%とはこのぐらいの損傷ですよという写真を見ると、こんなに壊れていないと駄目なのかとなるわけですね。この裏の方ですね、この10%の写真ですね。
 もう屋根瓦は全部落ち、壁ももう本当に大変な損害を受けているような、これで10%という写真が付いているわけで、こんなに壊れていないと駄目なのかと、これでは私のところは駄目だと落胆して、二次調査を依頼することも諦めている方が、行きますと、おられました。このチラシを見ながら、そう言っておられました。
 更に問題だと思ったのは、二次調査を依頼しに行った役所の窓口で、この資料を使って、損害割合10%というのはこういうことですよと、これほどの被害受けていますかと、こう説明されて、窓口で二次調査の依頼を諦める人もおられるということになっておりました。
 先ほどあったように、外見でしか判断しない一次調査では分からない、行政が立ち入って詳しく調査する二次調査が必要なわけですが、残念ながら、それがこのチラシによって非常に狭められているということが実際としてあるんですね。
 資料4枚目見ていただいたら、その結果どうなっているかという数字が表れております。淡路市と洲本市の家屋被害認定調査の実施状況ですが、淡路市は、一次調査件数2,478件、二次調査済みは2,323件で、二次調査率98%。これに比較して洲本市は、一次調査件数3,425件と淡路市より多いんですが、二次調査の件数は752件、二次調査率21%と非常に低い状況になっております。
 こういうチラシが影響しているんじゃないかと私は現地に行った声を聞いて感じたわけですが、いろいろな事情が洲本市にはあると思いますが、一か月たって被害者から、被災者から不満の声や諦めの声が上がっているわけですので、是非、政府として洲本市の実情をよくつかんでいただいて必要な助言をしていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

古屋防災担当大臣 今御指摘のあったように、一次調査を実施をした住家の被害者が、申請があると、二次調査として外観目視調査に加えて内部立入調査を行うということになっています。また、二次調査実施後、判定結果に対する再調査の申立てがあった場合には再調査を行う、こういう立て付けになっておりまして、洲本市では御指摘のチラシが配られたということは承知をいたしていて、このチラシ見てみますと、誤解を生じないよう、ほかにも基礎だとか柱だとか天井、床、建具なども認定の対象になるというふうに書いてありましたので、上記の全ての部位の損害割合を合計して被害の程度を計算しますというふうに書いてありますので、やはりそこをしっかり御覧になっていただく必要があります。
 だからこそ、このチラシのみによらず、被害世帯一戸一戸に声を掛けて丁寧に説明をして回っているというふうに私たちは伺っているところでありまして、第二次調査であるとか再調査は被災者にとって非常に重要な機会でありますので、こういった点はしっかり徹底してまいりたいと思っております。

山下よしき 役所に聞くとそういう答えに多分なるんだと思いますが、私は被災者に聞きましたので、これで相当もう二次調査の依頼を諦めたという方が出ていますので、この写真を見て。これは大臣、もう一度善処を、被害者の声も含めて聞いていただいて、ちゃんと丁寧にやられていたらいいんですよ、しかし明らかに差がありますから、洲本と淡路では。これちょっと、そういうことを問題提起しています。

古屋防災担当大臣 今答弁申し上げましたように、チラシのみではなくて一軒一軒丁寧に説明をするということを伺っていますので、やっぱりそれをしっかり徹底をしていくということが大切だと思っておりまして、そういったことはしっかり私どもの方からも徹底をしてまいりたいと思っております。

山下よしき じゃ、また現場でどうなっているかは引き続き私も聞いていきたいと思います。
 最後に、ため池、農地被害の支援について聞きます。
 淡路島には大小2万3千の農業用ため池があります。このうち一部は堤防の亀裂や漏水など被害が報告されておりますが、ちょうど田植の時期を控えておりますので、水を抜くわけにはいかないで、全体の被害を確認することも被害査定を行うことも今できないでおります。また一方で、貯水量や亀裂が大きい五か所のため池では、万が一決壊して下流の住宅に被害を出さないために、兵庫県が水位を下げるように要請しているところもあると聞いております。ただ、そうすると、水が必要な農家は、これから、非常に心配の声を上げておられます。
 そこで二点要請したいと思いますが、一つは、応急的な修理、それからよそから水を引いてくるくみ上げポンプ、そのための燃料代などを、災害復旧事業の査定前着工制度というものを活用すればできるということになっているはずですが、これを周知していただきたい。それから二点目、被害査定の時期も田植が終わってからやっていくこともできるんじゃないかと、柔軟に対応していただきたい。この二点、いかがでしょうか。

稲津久農水大臣政務官 お答えさせていただきます。
 淡路島の今回のこの地震によるため池の災害の査定と応急復旧の制度の周知ということになると思いますが、お答えさせていただきたいと思います。
 議員から今御指摘のとおり、現在、この淡路島の地域は田植の時期になってきておりまして、田植やその後の営農に支障が生じることのないようにしていくことが必要でございますが、この査定前着工の制度を活用すれば、査定前であっても対応の概要を報告していただければ、これは応急復旧、また応急ポンプの設置、それからポンプを運転するための燃料代等について災害復旧事業の対応の措置として含むことができるとしているほかに、査定のこの実施の時期につきましても、営農等の状況を考慮して、被災農家、また地元の自治体と相談した上で適切な時期に実施ができることとなっているところでございます。
 以上のような制度の仕組みについて、議員からも御指摘ありましたが、兵庫県及び関係市町村に十分周知をして活用していただけるよう引き続き努めてまいりたいと考えております。
 以上です。

山下よしき 終わります。