地方公共団体情報システム機構法案に対する反対討論 
【議事録】 2013年5月23日 参議院総務委員会

 私は、日本共産党を代表して、地方公共団体情報システム機構法案に対する反対討論を行います。
 本法案は、現在、住基ネットワークを管理運営している財団法人地方自治情報センターを衣替えして地方公共団体情報システム機構を設置するものであります。この機構は、住民基本台帳番号に基づいて個人の共通番号を生成する機関となるものです。機構の共通番号情報が総務省に設置される情報提供ネットワークシステムによって国や地方の行政機関に提供されることになります。このように、機構は、共通番号制度に不可欠な基盤の運営を担うものです。
 本法案と一体である番号法案は、国民一人一人に原則不変の個人番号を付番し、個人情報を容易に照合できる仕組みをつくるものです。個人のプライバシーが容易に集積され、プライバシーの侵害や成り済ましなどの犯罪が常態化するおそれがあります。政府は、成り済まし犯罪などの対策として、利用範囲の限定、番号の変更などを挙げています。ところが、番号法案では、適用範囲の拡大が検討され、番号を変更しても、民間企業が保有するものまで自動的に切り替わるものでもないことが審議を通じて明らかになりました。このように、犯罪などの対策は最初から空文化しているのであります。
 また、番号システムは、初期投資が三千億円という巨額プロジェクトであるにもかかわらず、その具体的なメリットも費用対効果も示されないままであります。さらに、共通番号で所得の把握が正確になるかのように言われています。しかし、民主党政権の大綱でも、番号を利用しても事業所得などの把握には限界があるとされていました。
 一方、この制度は、税や社会保障の分野では徴税強化や社会保障給付の削減の手段とされかねないものであります。個人のプライバシーが関係のない第三者によって集積され、個人の人格まで丸裸にされる、その情報が売買されたり不正利用されるなど犯罪が多発する、この制度の導入によってそんな気味の悪い社会をつくっていいのでしょうか。
 このように、番号制度には、憲法が保障する基本的人権の侵害にも直結しかねない重大な問題が含まれています。我が党は、個別分野での番号利用自体を否定するものではありませんが、今回の共通番号制度導入は将来に重大な禍根を残すものであります。
 以上、指摘しましたように、番号法案と一体である本法案には反対であることを述べて、討論を終わります。