アベノミクスによる円安、燃油価格急騰で漁業者の死活問題に 
【議事録】 2013年4月26日 参議院予算委員会

山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 アベノミクスによる急激な円安が、国民の暮らしと産業の様々な分野に深刻な影響を与えております。
 3月22日、全国漁業協同組合連合会、全漁連が臨時総会を開きました。資料をお配りしておりますけれども、「政権交代後に強力に推進されている景気浮揚政策による円安の進行は、燃油価格等の急激な上昇をもたらし、出漁の断念のみならず、廃業に追い込まれる経営体も出現している状況にある。」として、漁業経営の存続を可能とする緊急燃油対策の実現を求める決議をされております。その上で、今日そして明日、2日間、小型イカ釣り漁船、全国で四千隻あるそうですが、一斉休漁を現在されております。家族単位など零細な漁業者が多く、今が最盛期のイカ釣り漁業者が一斉に漁を休むのはよほどのことだと思います。
 林農林水産大臣、どう受け止めておられますか。

林芳正農水大臣 今委員がお示しいただきましたこの全漁連の決議、我々もいただいたところでございまして、しっかりと、この燃油価格の高騰、これが漁業経営に与える影響を緩和をしていかなければいけないなと、こういうふうに思っておりまして、22年度から漁業経営セーフティーネット構築事業、こういうものを実施しているところでございます。
 御案内かもしれませんが、これは、漁業者と国が毎年一対一の割合で積立てを行いまして、直近7年間の原油価格のうち、高値1年間分と1番安い1年間分を除いた5年間分の平均、七中五と言っておりますが、この平均の原油価格を補填基準にいたしまして、この補填基準を超えた場合には補償金が支払われる仕組みとなっておりますので、しっかりとこういうものを使って漁業経営に与える影響を緩和してまいりたいと、こういうふうに思っております。

山下よしき 実は5年前、2008年にも燃油の高騰がありまして、このときも全国一斉休漁がされました。そのとき、私、タチウオの水揚げ日本一の和歌山県箕島町漁協を訪ねまして、嶋田栄人組合長と話をさせていただきました。誰よりも早く漁場に駆け付けたくさんの魚を捕る、こういう漁業者にとって、互いに競争していて本来は仲が悪いんだけれども、その漁業者が一斉休漁する、団結する、まずあり得ないことだ、そのことを重く受け止めてほしいと、こう言われました。今ももう一度そういうことが起こっているということなんですね。
 一体燃油がどのぐらい上がったのか、2009年4月から2013年4月までの燃油価格の推移について報告してください。

林大臣 これは、全漁連の京浜地区の末端価格ということで水産庁が調べておりますが、A重油につきましては、2009年の4月時点で6万100円、キロリットル当たり。それから、2013年4月時点でこれが9万6600円、これもキロリットル当たりになっているところでございます。

山下よしき 2008年、急騰の後、一旦がくんとこう下がって、2009年、今言ったように1キロリットル当たり6万円。それがずっと上がってきて、2013年、9万7000円。4年間で3万7000円上がったわけであります。
 西村内閣府副大臣に来ていただいておりますけれども、燃油対策などにも取り組んでおられますが、直接漁業者の声も聞いていると思いますが、出漁する漁業者の燃油価格の限界、1キロリットル当たり幾らぐらいだと認識されていますか。

西村康稔内閣府副大臣 お答えを申し上げます。
 私の地元も淡路島、明石で漁業組合30ぐらいありますし、日々いろんな厳しい状況を伺っておりますけれども、今、林大臣から御答弁もありましたけれども、非常に高騰している中で厳しい状況にあるのは事実でありまして、私の地元の兵庫県の県漁連の皆さん方は、リッター当たりでこのA重油でいいましたら60円ぐらいが採算ラインではないかという声もございますが、これはやり方によって大分違いますので、その辺りも勘案しなきゃいけないと思いますけれども、相当厳しい状況にあるのは事実だというふうに認識をしております。

山下よしき キロリットルにすると6万円なんですね。
 一昨日、私も、カニとホタルイカの水揚げ日本一、兵庫県浜坂町漁協の川越一男組合長に電話で尋ねましたら、やはり、たとえ1キロリットル当たり8000円でも真綿で首を絞められるようだと。あっ、8万円でもですね。6万円から7万円なら何とかなるがとおっしゃっていました。それから、昨日、箕島漁協の嶋田組合長に聞きますと、うちも6万円以上に上がったらもう漁に行かぬときが多いと、魚価が下がっているんでということでした。やはり漁業者は共通して、漁に出るためには1キロリットル当たり6万円程度が限界だとおっしゃっているんですね。ところが、急激な円安で、今9万7000円ですから、これ深刻なわけです。
 先ほど林大臣からセーフティーネット事業の内容について御説明がありましたが、現在1キロリットル当たり幾ら補填されていますか。

林大臣 現在これが、平成25年の1月から3月期が直近でございますが、この本事業に加入していただいている皆様、すなわち積立てをいただいている皆様に対して1キロリットル当たり1万4240円の補填金、これが支払われているところでございます。

山下よしき 林大臣、大事な数字なんですね。現在の燃油価格は1キロリットル当たり9万7000円です。今おっしゃった、補填されるのは1万4000円です。これ、引きましても8万3000円なんですね。これ、限度と言われる6万円から相当開きがありますから。ですから、この制度は確かに一定の役割を果たしているんですけれども、この制度だけでは、補填だけでは間に合わない。なぜなら、燃油がずっと値上がりが続いておりますと、この補填の基準になる額もずっと上がっていくからなんですよ。
 ですから、林大臣、これはセーフティーネット事業だけでは今の深刻な現状を救済できないのは明らかじゃないでしょうか。

林大臣 委員が御指摘のように、この漁業経営における燃油のコストに占める割合ですね、これは非常に高いわけでございます。
 今ちょっと御指摘いただいたイカ釣りの場合は更に、集魚といいますか、光を使うものですから、大体三割ぐらい燃油費が占めているということで、今、この制度は、最初御説明したように、積立てをやっていただいて加入した方の事業でございますので、この方々が不公平だと思わないようにきちっといろんな対応をしていかなければならないと思いまして、今ちょっと御指摘があったように、この予期し得ない異常高騰の場合に、異常高騰分について特別な対応を行おうということで検討を開始しておるところでございます。

山下よしき 特別な対応、これ急ぐ必要があるんですね。漁業者に聞きますと、来年度予算じゃ間に合わない、直ちにやってほしいと。
 それから、今の制度ではもうベースが上がっていますから、新たな別枠でやる必要がある。これはいかがですか。

林大臣 これは今から与党ともいろいろ連携して検討したいと思いますが、今おっしゃったように、今の仕組みの中ということになりますと、先ほど私も申し上げたんですが、今入っている方との平等性というか、そういう今まで入っていた方が不公平と思わないようにするということがございますので、できる限り、この異常高騰分についてはもう特別な対応ということで、この制度を超える対応ということをやはり考えてまいらなければいけないんじゃないかなと思いますし、先ほど西村副大臣からもありましたが、一方で、燃油コストの占める割合が高いと申し上げましたけれども、これを何とか省エネの努力というものもやっていくということで、こういうことに対する対策ということも併せて取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。

山下よしき 原因は国がつくっているということを自覚する必要がありますね、アベノミクスによる円安で燃油が高騰しているんですから。
 私、箕島漁協の組合長にこんな話聞きました。うちは後継者が多いんだと、組合員の25%は20代、30代、ここから辞めていくと言うんですよ。まだ転職ができるからね。そんなことをさせてはならないといって、5年前は、全国は1日、2日だったけれども、一週間ストライキやったんですよ。このままの状態を半年、1年と続けたら漁師は半減するだろうと。1日休漁したら全体で2000万円のマイナスになる。それでも7日間やることに誰も反対しなかった。それだけ深刻だけれども、何とかしたいという気持ちなんですね。この声にこたえることこそ政治だと思いますよ。これ緊急にやるべきじゃありませんか。

林大臣 実は私も地元が下関でございますので、水産業の方たくさんおられます。今まさに委員がおっしゃっていただいたように、若い方が後を継いでいただくというのは本当に有り難いことなんですね。したがって、こういう若い方が将来に展望を持てるように、しっかりと早急に検討を行ってまいりたいと、こういうふうに思っております。

山下よしき しっかりと早急にということでしたので、これ、事は漁業関係者だけの問題ではありませんね。世界的に魚介類の需要が増大し、輸入に頼ることができない時代となりつつあるときに、日本農業の存亡の危機にこれは無策な政府ということになったら、日本人の食料と食文化に無策な政府ということになりますから、ですから、漁業と食料を守るためには緊急の対策をこれは立場を超えてやる必要がありますから、私たちもそういう点ではいろいろな声をまた提起していきたいと思いますが、最後にもう一つ、そういう食文化、漁業者だけの話じゃない、日本人の食文化と食料が懸かった問題として早急にやっていただきたい。いかがですか。

林大臣 日本食、大変世界で人気がございまして、最近のジェトロの調査ですと、主要各国の中で一位を占める国が増えてきたということでございます。御三家というのがありまして、すしとてんぷらと、それから焼き鳥ということでございます。
 したがって、おすしは言うまでもなく魚、それも鮮魚ということでございますから、水産業の果たす役割は非常に大きいわけでございまして、そういう意味も含めてしっかりと取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っております。

山下よしき 終わります。