17日、11日の参院安保法制特別委員会で小池晃議員が暴露した統合幕僚監部の内部文書に関して、急きょ国会内で記者会見し、「資料提出のうえ、委員会でこの問題での集中審議を要求すると述べました。
憲法を日米同盟に従属させるという、内部文書の危険な内容を指摘したうえで、今後の国会対応をめぐって次の3点を求めました。
第一は、防衛省に内部文書にかかわる資料を速やかに提出させたうえで、特別委員会でこの問題の集中審議を行うことです。
第二に、安倍晋三首相と中谷元・防衛相の責任追及です。法案成立前から自衛隊がこのような検討をしていたことを首相や防衛相が知っていたか、否か。どちらにしても国会無視、国民無視の重大問題です。
三つ目は、真相解明のために、河野克俊統合幕僚長を証人喚問することです。
法案に関わる重要問題であり、この問題の集中審議を行うことが筋です。多くの野党が一致できるのではないかと考えます。
さらに、四つの大問題を指摘しました。
一つは、ガイドラインが上位にあって、その実効性確保のために戦争法案が必要であることが、赤裸々に述べられている点です。
内部文書は「ガイドラインの記載内容については、既存の現行法制で実施可能なものと、平和安全法制関連法案の成立を待つ必要があるものがあり、ガイドラインの中では、これらが区別されることなく記載されています」と記しています。山下氏は、「憲法を日米同盟に従属させるものという本質が明らかになった」と述べました。
二つ目に、日米共同の司令部を設置し、日米共同の作戦計画のもとに自衛隊をおいて活動させることが述べられている点です。
文書は、「平時から利用可能な常設の同盟調整メカニズム」「軍軍間の調整所」を明記しています。山下氏は「自衛隊が自ら『軍』と位置づけていること自体問題ですが、ガイドラインにも書いていないことが堂々と述べられています」と指摘しました。
三つ目は、南スーダンに派遣している国連平和維持活動(UNMISS)についても、「駆けつけ警護」や「武器使用の権限」の拡大が「UNMISS派遣施設隊の業務に追加される」と記し、法案を先取りしていることです。
そして、四つ目に、平和安全法制が8月に「成立」、来年2月に「施行」と「日程表」に表記され、ここでも国会を無視していることです。
戦前の「軍部の独走」と同じ事態が起こっています。この内部資料の内容は、憲法を日米同盟に従属させるという本質を示すものです。