事務所案内 
日本共産党中央委員会(本部)

日本共産党中央委員会(本部)

〒151-8586 
東京都渋谷区千駄ヶ谷4‐26‐7
TEL:03-3403-6111 FAX:03-5474-8358

【代々木駅から】
JR山手線・中央総武線(緩行線)「代々木駅西口」(代ゼミ側)、または都営地下鉄大江戸線「代々木駅」(A2出口)から、「富士そば」と宝くじ売り場の間の道をまっすぐ徒歩4分。途中でガードをくぐり、踏切を渡ります。
【北参道駅から】
東京メトロ副都心線「北参道駅」(1)出口を「明治通り」沿いに北へ4分。途中で「北参道」交差点を渡り、首都高の高架下をくぐり、JR(中央線)のガード下手前左側です。

jcp_access_map

※車を利用される場合は、明治通りから。駐車場はありますが、事前にお問い合わせください。

日本共産党本部

事務所案内 
参議院山下芳生事務室

 参議院山下芳生事務室

〒100-8962
東京都千代田区永田町2-1-1 参議院議員会館1123号室
[地下鉄をご利用の場合]
「永田町駅」(有楽町線・半蔵門線・南北線)1番出口より、徒歩1分
「国会議事堂前駅」(千代田線・丸の内線)1番出口より、徒歩10分
電話:03-6550-1123(直通) ファックス:03-6551-1123

参議院議員会館

 

事務所案内 
日本共産党国会議員団近畿ブロック事務所

日本共産党国会議員団近畿ブロック事務所

所在地

〒537-0025
大阪市東成区中道1-10-10 ホクシンピース森ノ宮102
 【JR、地下鉄をご利用の場合】
JR大阪環状線「森ノ宮駅」、地下鉄中央線・長堀鶴見緑地線「森ノ宮」駅(5号出口)を出て「中央大通」を東へ、2つ目の筋(信号あり)を南へ徒歩4分
電話:06-6975-9111(代表) ファックス:06-6975-9115

ホクシンピース森ノ宮

原発事故避難計画は国責任で  自治体まかせを批判 
【議事録】2014年6月19日 参議院内閣委員会質問

○山下よしき  日本共産党の山下芳生です。
 今日は、原発の周辺自治体における住民の避難計画について質問したいと思います。
 国は、新たな原子力災害対策として、原子力規制委員会が策定した原子力災害対策指針によって、原発から5キロ圏内をPAZ、予防的防護対策を準備する区域、それから5キロから30キロ圏内をUPZ、緊急防護措置を準備する区域と決めました。これによって、該当する県あるいは市町村は、地域防災計画や連絡体制、環境モニタリング、被曝防護対策、住民避難計画などを事前準備することが義務付けられたわけであります。
 先月、私、滋賀県における原発再稼働問題について自治体や住民の皆さんから話を伺いました。滋賀県は、関西電力の高浜、大飯、美浜原発、日本原電の敦賀原発、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」、「ふげん」の6つの原子力施設、15の原子炉が集中する福井県に隣接する県であります。
 資料1を御覧いただきたいんですが、これは滋賀県が作成した放射性物質の拡散予測図であります。滋賀県内のどの地域で防護対策が必要なのかを把握するために滋賀県独自にシミュレーションを行ったものでありまして、この4つの原発施設でそれぞれ東京電力福島第一原発並みの事故が起きた場合、過去の気象データに基づいて放射性物質がどのように拡散するかを予測した合計106ケースを重ねた図であります。これ、4つ同時に事故が起こった場合ではありません。それぞれ、一つ一つ気象条件が違えばこういう拡散をするということを重ねた図であります。
 緑色の地域が安定ヨウ素剤予防服用の判断基準となる甲状腺被曝等価線量50ミリシーベルト以上になる地域、オレンジ色は100ミリシーベルト以上となる地域であります。その結果、滋賀県では、このオレンジ色の地域までを、原発からおよそ43キロ圏内ですが、UPZ区域にしたわけであります。
 田中原子力規制委員長に伺いますが、福島第一原発の事故では、放射性プルームと呼ばれる気体状の高濃度放射性物質による被曝が重大な被害をもたらしました。滋賀県のこの拡散予測では、UPZ区域をはるかに超えて放射性プルームが50キロ、60キロと飛んでいく可能性があることが分かりました。緑色の地域であります。国が決めた重点対策区域では全く甘い。UPZの外の地域、国が防護策の準備をしていない地域が広大にある。これ、どうするんですか。

○田中俊一原子力委員会委員長 今御指摘のありました滋賀県が行った放射性物質の拡散予測は、まずヨウ素等の放出、放射能の放出量が東京電力福島第一原発と同じ規模の事故が起こるということであります。これにつきましては、まず、新しい規制基準では、こういったことは2度と繰り返さないということで、フィルターベント等、環境への放射能放出を極力抑えるという方向で、大分そこは条件が違います。それから、この影響が大きくなるような、北の風が吹いているような滋賀県に最も大きくなるような日を選んで、しかも風が余り強くない、長期間そのプルームがそこにとどまるような、そういう評価をしているというふうに認識しております。
 私どもが示しました原子力災害対策指針では、国際基準に基づいて、UPZの最大半径は原子力施設から5から30キロの間で設定されているということを踏襲しまして、おおむね30キロを目安として原子力災害対策重点区域を設定しているところでございます。
 私どもも先日、試算をさせていただきました。それによりますと、当初はUPZにおいても、5キロから10キロになりますけれども、そのプルームの通過時には屋内退避をしている方が実際の被曝線量は少なくなるし、実際にそれによって被曝限度を超えるということはないだろうというふうに見ております。
 なお、指針では、大規模な放射性物質の放出、漏えいが発生する事故というのは否定しておりませんで、仮に先生御指摘のように、UPZの外においても追加的な防護措置が必要となる場合があります。今回の事例でいきますと計画的避難区域と言われるようなところがそうですけれども、UPZ、外におけるモニタリング結果を踏まえまして、そういう場合には原子力災害対策本部がその地域においても必要な追加的防護措置を判断して指示することにしています。つまり、事故が起きてすぐに被曝限度に達するような、そういうふうな状況は想定しておりません。

○山下よしき  もう今聞いていて、また新しい安全神話を作ろうとされているのかと率直に思いましたよ。
 まず、こんな事故が起こり得ないと、冗談じゃない、起こったんですよ。これ、北風が吹くとか滞留する時間が長期のものをしかも想定して、そういう想定だってあり得るから県はやっていて、そういう想定したらこういうことが起こり得るということを県がわざわざ試算しているのに、そんなことはあり得ないというふうに原子力規制委員長が言うこと自体、私は驚きました。
 それから、県も関西広域連合も、こういう放射性プルームが遠くまで飛んできた場合の指針がないじゃないかということを厳しく非難していますよ。そのことに全く応えないで、起きたらそのとき指示すると。一方でもう再稼働の審査はどんどこどんどこやりながら、一方でこういう自治体の心配には全く応えないと。山本大臣、そんなことでいいんですか。

○山本一太科学技術政策担当大臣 個別の地域防災計画は、これは一義的には当該自治体において判断されるべきものだというふうに考えております。

○山下よしき  個別の自治体が判断した結果、国の指針では当てはまらない地域にもそういう対策が必要だということが出ているんですよ。それを問題提起しているんですね。これは引き続き検討中ということも聞いていますから、そういう指針が作られるのかもしれません。
 次に、じゃ実際に、今政府が重点対策区域としているUPZ、緊急時防護措置を準備する区域では対策がどうなっているかについて質問します。
 このオレンジ色の区域、滋賀県のUPZ区域の対象住民は、高島市30074人、長浜市27640人となります。滋賀県と高島市と長浜市で連携して住民の避難計画を検討しましたが、マイカー、自家用車で避難すると主要道路が限られていること、あるいは福井県から避難してくる車もあると想定されることから、渋滞が発生するんではないか、その混乱を避けるために両市ともバスを主体とした広域避難の計画を決めたんです。高島と長浜の対象避難住民を合わせますと、さっき述べた数字を合わせますと57,714人になるわけですね。これ、一度に避難させるためには5,334台のバスが必要だということになりました。
 私ここでちょっと考えたんですが、57,000人に対し5,000台のバスというのはちょっと多いんじゃないかと、バス1台10人しか乗らないのかと思ったんですが、なぜ、山本大臣、5,000台も必要になるとお考えですか。

○山本大臣  山下委員、全部御存じの上でお聞きになっているんだと思いますが、先ほど申し上げたとおり、原子力災害に係る地域防災計画は、災害対策基本法等に基づいて避難のための対策を含めて対象となる自治体が作成することとなっております。
 御指摘のバスの台数については、滋賀県が地域防災計画の検討において幾つかの前提条件を踏まえた上で必要な台数を見積もったものであるというふうに承知をしています。
 いずれにせよ、個別の地域防災計画に係る検討の妥当性、これは一義的には当該自治体において判断されるべきものであるというふうに考えております。

○山下よしき  よく考えていただきたいんですよね、5,000台、なぜ必要か。
 資料2枚目を見ていただいたら、滋賀県の原子力防災対策パンフレットからの抜粋ですが、この真ん中下辺りの広域避難の基本的流れと書いてあるところを御覧になっていただきたいんですが。
 なぜ5,000台のバスが必要になるのか、2つ大きな理由があります。一つは、この高島市や長浜市、オレンジの地域ですけれども、ここは中山間地域なんです。琵琶湖からもうずっといきなり急峻な山に連なっていまして、スキー場などがいっぱいあるところなんですね。そういう中山間地域ですから、5人、10人の集落というのがたくさんあって、そういうところに細かくバスを向かわせる必要があるというのが一つの理由です。
 それから、2つ目の理由としては、この図でも分かるんですが、UPZ区域からの避難というのは、必ず避難中継所というところに立ち寄って、スクリーニングと書いてありますけれども、避難住民全員が放射線の測定、体や衣服の除染を行う必要があるわけです。放射性物質のこれは汚染の拡大を防ぐためですが、こういう避難中継所でスクリーニングする必要がある。UPZ地域を移動した住民を運んできたバスにも同じく放射性物質が付着して汚染されますので、この避難中継所までとする必要があるわけです。避難中継所から各避難所に向かうには別のバスを用意する必要があるということで、これだけでもう2倍バスが必要になると、単純計算では。そういうことになるわけでして、こういう中山間地の細かい集落まで巡回しなければならない。だから、避難中継所以前と以降、バスを分けなければならないということになりまして、5,000台のバスが必要だということになったわけであります。
 山本大臣、これ5,000台、バス確保できると思われますか。

○山本大臣  先ほど申し上げたとおり、これは滋賀県が地域防災計画の検討において幾つかの前提条件、恐らく今委員がおっしゃったようなシミュレーションもされて必要な台数を見積もったというふうに考えております。

○山下よしき  だから、見積もったんだけど確保できると思いますかと聞いているんですよ。もういいです。
 これ、無理なんですよ。滋賀県もその計画立てたけど、5,000台はさすがに無理だという判断をして、結局、滋賀県の計画は、滋賀県内に民間のバス事業者中心に保有されているバスが1,000台ある、せめてその半分のバス505台を確保するという計画にして避難計画を策定しました。そうすると、この集合場所と避難中継所までの間をピストン輸送する必要があるわけですね。それから、今度、中継所から避難先の移動もピストン輸送すると。そうすると、一度に避難してもらうことが当然できなくなりまして、避難地域を2つに分けて、1日目避難する地域と2日目避難する地域の2段階で避難することを滋賀県は想定しております。
 ですから、避難指示後2日間での全員避難を目指す計画にせざるを得なかったんですね。一度に一斉避難した方が早いですけれども、5,000台のバスが無理なので、2日間で避難する計画にしたわけです。これ、住民にとっては一刻も早く避難したいという思いが、特に地域の線量が高ければそういう不安が募ると思いますが、やっぱり一日待たされる住民が出ざるを得ないということなんですね。
 ただ、問題は、それでも505台、500台のバスを運転手付きで必要になるわけですね。そういうことが確保できるのか。私、簡単ではないと思いますが、今日は浮島原子力防災担当政務官に来ていただいておりますが、いかがでしょうか。

○浮島智子内閣府大臣政務官 山下委員にお答え申し上げます。
 滋賀県のうちUPZの対象とされているのは、委員御指摘のとおりに長浜市、高島市の一部の地域でございます。この地域における緊急時の対応といたしましては、住民の方々には屋内退避を行っていただくのが基本でございます。その上で、緊急時のモニタリングを実施をさせていただきまして、その測定の結果が原子力規制委員会の原子力災害対策指針で定めた基準、これを超えた場合、これは例えば空間線量率が毎時20マイクロシーベルトを超えた場合ということでございますけれども、一週間程度以内に避難先へと一時的に避難をしていただくということになります。この場合には、UPZの対象となっている地区の全てに一時移転の指示が行われるわけではございませんで、UPZの対象区域のうち、毎時20マイクロシーベルトを超えている地域、これを超過が測定されてから一日以内をめどに区域を特定いたしまして、その区域の住民の方々に対して1週間程度以内に移転をしていただくということが基準となっているところでございます。
 また、避難手段といたしましては、バスの利用以外に自家用車を使う場合も考えられるところでもございます。避難住民のためのバス等の今御指摘ありました確保についてでございますけれども、昨年の12月に内閣府と国交省の連名でバス協会等に対しまして、原子力災害時の住民避難に対する支援の要請を行わせていただいたところでもございます。また、滋賀県におきましては、滋賀県バス協会との間で原子力災害時における住民避難に関して協力をするという旨の協定を締結していると承知をいたしております。
 いずれにいたしましても、政府といたしましても、現在、地域ごとに国のワーキングチームをしっかりと設け、関係省庁を挙げて自治体の取組への支援を行っているところでございます。滋賀県につきましても、福井エリアのワーキングチームにおいて、国と自治体が協力をして地域が抱える問題の解決に向けた取組を行っているところでありまして、引き続き、地域防災計画、避難計画の実効性の向上に向けてしっかりと自治体を支えてまいります。

○山下よしき  肝腎なお答えはありませんでした。
 協定を結んでいるからということだけなんですが、なかなか難しいと思うんですよ。協定結んでいるといっても、滋賀県や市からの要請に応じて協力するという旨の協定でして、どこのバスがどこの地域の集合場所に迎えに行くといった準備がされているわけではありません、頑張りますという協定ですから。いざ頑張った結果、500台が本当に確保されるかという保証はありません。
 それから、また浮島政務官も非常に計画が過大なものであるかのような印象を与える御発言だったと私は思ったんですが、滋賀県がこれシミュレーションして、こういうことはあり得るということになっていますから、先ほどの基準で、これが全部に当てはまらないことだってあるんだというふうにおっしゃいましたが、当てはまることだってあることを想定して、自治体は住民の命を守るためにこういう想定して、そのためにバスが505台少なくとも必要だと言っているんです。5,000台本当は一気に逃げるためには要るんだけど、無理だから500台ということで現実的な想定をしてやろうとしているのを更に低めるような御発言というのはやるべきでないと私は思います。
 それから、自家用車も既にこれ計画の中に入っているんですよ、バスが行けないところは。それでなお505台が必要なんだというふうになっているんですが、私これは実際なかなか大変だと思いますよ。当日になって、結局、運転手、バスをかき集めるということになりますので、頼まれるバス事業者の方だって、いつ原子力災害起こるか分からないわけですから、いろんなところにバスを営業で出していることだってあるでしょう。
 それから、関西広域連合で対応するという案もあるんですが、関西広域連合での対応という場合、これ消防の広域連携だったらそれぞれの消防車とか消防職員が待機していますけれども、バスの運転手とバスを待機させているわけじゃありませんから、広域連携といったって消防のような即応態勢にはなかなかならないのは当然であります。しかも、これ滋賀県だけじゃなくて、当然、福井で事故が起こった場合はかなり広域の地域からバスの要請が来るでしょう。
 これ、実際、滋賀県長浜市も苦労されております。高島市も苦労しております。住民の声としては、放射性物質が降り注いだところへバスを出してくれるか、運転手が応じてくれるかという不安の声が出ておりますし、滋賀県の嘉田知事も、バスの確保に大変苦労していると、長浜での集会ではそういう実情を述べておられます。
 これは山本大臣に伺いたいんですが、ちょっと、滋賀県が決めたことだからそれは認めますという、そういう人ごとじゃなくて、これ実際に本当にできるかどうかを国が責任持つ必要があると思うんですが、私、結局絵に描いた餅にならざるを得ないんじゃないか、なる危険があると思っているんですよ。本当に住民の安全、安心に責任を持つというんだったら、バスも運転手もどこかに確保して待機させておく以外にいざというときに対応できないと思うんですね。そこまでやらなければ、原発事故という非常事態のときに滋賀県だけで505台ものバスと運転手を確保できるのかと。これ、県や市にはそんなことできませんよ。
 本当に事故が起こったときに住民の安全を守るというんだったら、国と電力事業者でこの500台のバスと運転手を用意しておく以外ないと思うんですが、そういう構え、政府としてありますか。

○山本大臣  個別の地域防災計画ですから、当該自治体が一義的に判断をするということだと思いますので、その細かいことについてここで私がコメントする立場にありませんが、先ほど浮島政務官がおっしゃったように、これは絵に描いた餅ではなくて、きちっとした対応ができるというふうに考えます。

○山下よしき  バス確保できるというふうに思っているんですか。

○山本大臣  バスが確保できるかどうかではなくて……(発言する者あり)いや、それは現時点で私が、これは自治体が一義的に作ったものですから、私がそれについてお答えする立場にはありません。
 ただ、全体として、今、浮島政務官がお話をされたように、いろんなことを考えて対応を今打ち出しているということだというふうに考えております。

○山下よしき  結局、バスの確保を私は答えられないということが無責任なんですよ。バスの確保ができなければ、この避難計画は絵に描いた餅になるということを私は言っているんですよ。バスの確保は大変だと嘉田知事が言っているわけですよ、実際に。この計画、現実的にということで5,000台じゃなくて500台としたけれども、その確保も大変ですということをつい最近、嘉田知事が住民に対してやっぱり言わざるを得ない状況にあるわけですよ。そのぐらい自治体は、本気で住民の避難をしてもらおうと思ったら、こういう壁にぶち当たっているんですよ。そのことについて全く心を痛めなくていいのかと、それは自治体のことだと、それでいいんですか、本当に。

○山本大臣  心を痛めていないとかそういうことではなくて、この計画は滋賀県が中心になって作った計画でございますので、それについては浮島政務官の方から御説明がありました。そのことについて、私が細かい点について今ここで解説をするような立場にはないというふうに考えております。

○山下よしき  何も解説してくれと言っているんじゃないんです。責任持つべきだと言っているんです。結局、責任持たない。再稼働には熱心だけど、住民の安全は自治体任せということじゃありませんか。これ、周辺自治体はたまったものじゃないですよ。
 そこで、資料3枚目を御覧になっていただきたいんですが、これは先月、滋賀県が国に提出した原子力防災対策の要望書であります。赤い波線引いているところに、国、原子力事業者と関係自治体との情報共有や、地方意見の反映を図るために必要な制度の法定化、これを求めております。
 これはどういうことかといいますと、原発が立地している例えば福井県の知事には原発の再稼働についてそれを認める、認めないという権限が与えられています。しかし、周辺自治体、滋賀県知事にはそんな権限ないんですね。ないんだけれども、再稼働されて、もし事故が起こったら、こういう大変な、言葉は悪いですけれども、尻拭いをさせられるという状況にあるわけで、したがって、せめて地方の意見を反映できるような制度を法定化してくれと、極めて当然な周辺自治体の首長からの要請ですが、山本大臣、これを真剣に検討するべきじゃありませんか。

○山本大臣  これも山下委員は御存じの上で質問されていると思うんですが、この御指摘の要望書の中身は、これは原子力防災担当部局の所管ということですから、今私がここで具体的なことをお答えを申し上げる立場にはありません。
 原子力委員会においては、安全の確保に関係がある事項については原子力規制委員会の意見を聴くということをしつつ、こういったことをしつつ、企画、審議等を行うことになっておりますので、まず本件に対する規制委員会等の対応についてはしっかり関心を払ってまいりたいと思います。

○山下よしき  本当に逃げの答弁ばかりで困るんですよ。自治体に対する責任を負うのは、内閣が一致して負わなきゃ駄目ですよ。私、そういう立場から質問しているのに、私の担当じゃないって、そんな逃げを打ってどうするんですか。
 原発の再稼働があれば、これだけの避難の計画を立てて、本当に対策を取ろうと思ったら大変な壁がいっぱいあるんですよ。その対策だけを強いられて原発再稼働について物も言えない、聞いてももらえない、そんなことでいいのかということを、滋賀県知事だけではなくて、関西広域連合としても、3月ですね、そういう要望書を出していますよ。せめて立地自治体と同程度の内容の安全協定が結べるようにすべきだと、それを真剣に受け止めるべきじゃないんですか。

○山本大臣  先ほど申し上げたとおり、原子力委員会に与えられた機能について、きちっとこれを果たしていくということに私は尽きるというふうに考えております。

○山下よしき  安倍内閣の一員として大臣に聞いたんですが、自治体の住民に対する安全責任を果たす上でのそこから来る要望について、真剣に受け止めるという姿勢が私は感じられませんでした。政治家として真正面から受け止めてすぐ対策打つべきですが、そのことがなかったのは極めて残念です。
 再稼働ばかり熱心で安全には責任負わない今の安倍内閣に原発の問題を扱う資格はないということを申し上げて、終わります。

平壌宣言明記は重要—日朝合意文書で指摘 
【議事録】2014年6月13日 参議院北朝鮮による拉致等に関する特別委員会質問

○山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 まず、今回の日朝政府間協議と合意の評価について伺います。
 我が党は志位委員長の談話で、これは拉致問題などを解決する上で重要な前進の一歩である、我が党は、北朝鮮が合意を確実に実行するよう強く求めるとともに、日朝双方の行動により、拉致被害者の帰国の実現を始め、日朝平壌宣言で合意された諸懸案が前進することを願うものであると述べました。
 そこで、岸田外務大臣、古屋拉致問題担当大臣は今回の合意についてどのように評価されているか、伺いたいと思います。

○岸田文雄外務大臣 今回の日朝政府間協議の結果、全ての日本人に関する包括的かつ全面的な調査を実施すること、これが約束をされました。そして、北朝鮮側が、全ての機関を対象とした調査を行うことができる特別の権限を有する特別調査委員会を立ち上げること、さらには、この調査の過程において日本人の生存が発見された場合には、その状況を日本側に伝え、帰国させる方向で去就の問題に関して協議し、必要な措置をとる、こういったものを文書でしっかり確認した次第であります。
 こうした日朝双方がとるべき行動措置について文書の形で明確にお互いの意思を確認をできた意義は大きいと思っていますし、これは大きな一歩であると認識をしております。
 是非、今後とも、この調査、我が国の主権の及ばない地域において行われる調査が実効性をしっかりと確保できるということをしっかりと担保しなければいけません。そして、具体的な結果を得るべく全力で取り組んでいきたいと考えています。

○古屋圭司国務大臣 安倍政権は、安倍総理御自身が強い決意の下、この拉致問題解決をするというこの姿勢、一貫しています。
 いろんな取組してきました。そして、今回はこういう形で合意をしたと。総理もいつも言っているように、チャンスがあればしっかりそれを捉えて前進をすると、このまずスタートラインに立ったということだと思います。これからまさしく胸突き8丁の交渉が始まります。私も全力で頑張ってまいりたいと思いますが、まずは、この調査委員会、どんなのが立ち上がるか、組織とか人とか、こういうものをしっかりまず見極めるということですね。
 やっぱり、ここまである意味では北朝鮮が合意をせざるを得なかった背景は3つあると思いますよ。一つは、やっぱり政権が安定している、厳しいスタンスを取る議員が内閣総理大臣であるということ。2つ目、国際社会の圧力。3つ目、やはり金正恩という若い指導者に替わっていると。こういったものが背景にあると思いますが、しっかり私ども、政府を挙げて、それを是非オールジャパンで、この問題解決に向けて、全ての拉致被害者の帰国に向けて全力を尽くしたいと思います。

○山下よしき 日朝合意文書の冒頭に「日朝平壌宣言に則って、」とされているのが重要だと思います。拉致問題と併せて、核、ミサイル、植民地支配の清算などを包括的に解決するという平壌宣言の立場で進めることが鍵だと考えますが、外務大臣の認識、いかがでしょうか。

○岸田外務大臣 政府の基本的な方針ですが、日朝平壌宣言にのっとって、拉致、核、ミサイル、こうした諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算し、国交正常化を図るべく努力をしていく、こうした方針につきましては一貫しており、全く変わっておりません。
 そして、今回のこの合意文書の冒頭に「日朝平壌宣言に則って、」というものを明記し、これを日朝双方においてしっかりと確認をしたということであります。是非、こうした確認した基本的なこの方針に基づいて、しっかりと結果を出すべく努力をしていきたいと考えております。

○山下よしき 次に、拉致問題の包括的で全面的な調査について伺います。
 今回の日朝合意文書では、北朝鮮側は、過去北朝鮮側が拉致問題に関して傾けてきた努力を日本側が認めたことを評価し、従来の立場はあるもののとして、調査を包括的、全面的に実施し、全ての問題を解決する意思を表明したとあります。
 伊原局長に伺いますが、この努力を日本側が認めたことを評価し、それから、従来の立場はあるもののという意味について説明いただけますか。

○伊原純一外務省アジア大洋州局長 今委員御指摘の部分は、非常に重要な合意文の箇所でございます。北朝鮮は、事あるごとに拉致問題は解決済みだという立場を今まで表明して、したがって、これ以上やることはないとか、やるべきことは全部やったとか、そういう立場を取っていた。ここを改めさせて、日本側がこれまでも求めてきたような全面的な調査に踏み切らせる、そのためのやり取りの中で今委員御指摘の文章は作られたということでございます。
 したがって、従来の立場はあるもののという、ここでの従来の立場というのは、拉致問題は解決済みとしてきたこれまでの立場はあるもののという意味でございますし、そこにある意味持っていくために、私ども、これまでの北朝鮮のやってきた調査の結果を受け入れたり評価したりしたことはありませんが、北朝鮮は北朝鮮として努力をしたということをある意味でアクノリッジ、英語で言いますと、するということで、彼らが従来の立場はあるものの、全面的な調査をするということを受け入れたと、そういうことでございます。

○山下よしき 次に、特別調査委員会の設置について伺います。
 日朝合意文書では、北朝鮮側は「特別の権限(全ての機関を対象とした調査を行うことのできる権限。)が付与された特別調査委員会を立ち上げることとした。」とありますが、外務大臣、これはどういう意味でしょうか。

○岸田外務大臣 過去の調査におきましては、特殊機関の存在がこの拉致問題の真相究明に大きな障害になってきた、こういった経緯があったと認識をしております。こうした経緯を踏まえまして、御指摘の特別な権限という部分ですが、北朝鮮側が特殊機関も含めた全ての機関を対象とした調査を行うことが必要であるという観点から、こうした権限が付与された特別委員会を立ち上げる、こういった合意に至った次第であります。
 今申し上げましたような経緯を念頭に、是非この特別調査委員会に実効性を与えるためにこういった文言を加え、双方で一致したという次第であります。

○山下よしき 今の御答弁にも関することですが、北朝鮮は10年前にも、政府から必要な権限を与えられた調査委員会を立ち上げて、特殊機関を含む関係機関も調査対象にした再調査を行ったわけですが、伊原局長、どういう結果になりましたでしょうか。

○井原局長 当時のいわゆる白紙に戻しての再調査というものについて、日本政府としての評価は、北朝鮮側の結論というのは客観的に立証されておらず、我が方としては全く受け入れられないというものであったわけです。また、前回の調査は、北朝鮮側は、特殊機関が関与した事案であるとして満足な回答を行わなかったり、あるいは特殊機関の関係者であるので面会は実現できないなど、特殊機関の存在が真相究明にとって大きな障害になっているということが我が方の評価としても明らかになっております。
 したがって、今回全面的調査をするに当たっては、私どもとしてはこの点が非常に重要である。すなわち、今回の特別調査委員会というのは、こうした特殊機関についてもしっかり調査ができる権限を与えられたものであることが重要であるということで、今回は文書にこの点を明記させたということでございます。

○山下よしき もう一度確認的に聞きますが、前回調査では、先ほど外務大臣から御答弁あったように、北朝鮮の特殊機関の存在が真相解明にとって大きな障害となっていることが明らかとなったと日本側の報告書ではされております。
 2点確認したいんですが、特殊機関は今も存在しているのか。それから2つ目、全ての機関を対象とした調査を行うこと、当然この中に特殊機関も調査対象に含まれているのか。いかがでしょうか。

○井原局長 北朝鮮のそのいわゆる特殊機関について、これまで北朝鮮側からその具体的な内容について説明を受けているわけではございません。
 ただ、今回私どもから何度も強調したのは、全面的な調査というのは、やはり全ての機関、その全ての機関の中には、特殊機関も含まれるこの全ての機関を対象とした調査でなければならないということを主張し、その結果として今回のような合意文に至ったということでございますので、この全ての機関の中には当然に特殊機関も含まれているというふうに考えております。

○山下よしき 非常に大事なポイントだと思うんですが。
 私たち日本共産党は、拉致問題の真相解明と解決のためには、北朝鮮側の交渉当事者並びに調査の責任者については、拉致問題の全容を知っており、問題の解決に責任を負うことができ、その権限を持った人物が当たらなければならない、こう考えております。要するに、きちんとした権限を持った人物が調査の責任者であり、日本側との交渉の当事者でなければならないと考えておりますが、外務大臣、この点の御認識いかがですか。

○岸田外務大臣 これから開始されます調査の実効性をしっかりと担保する上においても、御指摘の点は大変重要なポイントであると認識をしております。
 まず、調査が開始される前に、北朝鮮側から特別調査委員会の組織、構成、責任者、これが明らかにされ、我が国に通報されるとされています。これをしっかりと確認し、見極めた上で、我が国の対応も進めていきたいと考えております。

○山下よしき 残り時間で核問題について伺います。
 今回の日朝政府間協議で、日本側からは、北朝鮮による核・ミサイル開発及び地域・朝鮮半島の緊張を高めるような挑発行動について、北朝鮮の自制を求め、日朝平壌宣言や関連国連安保理決議、6者会合共同声明等を遵守するよう求めたとされておりますが、伊原局長、相手側の反応はどうだったんでしょうか。

○井原局長 今委員御指摘のようなその日本の立場については、今回の協議の際も明確に北朝鮮側に我が方の立場を伝え、それから申入れを行いましたが、こういう外交上のやり取りですので、北朝鮮側の発言の一つ一つを具体的に御紹介することは差し控えたいと思いますが、北朝鮮側からは、核・ミサイル開発を含む安全保障問題に関する北朝鮮の従来の立場を繰り返していたということでございます。

○山下よしき G7の首脳宣言でも、我々は北朝鮮の核及び弾道ミサイル開発の継続を強く非難するという文言が入っております。そして、2005年9月の6者会合共同声明の下での約束を完全に遵守するよう要請する。もちろん、国連安保理決議の下での義務ということも入っております。
 外務大臣、こういう立場、非常に大事だと思いますが、いかがでしょうか。

○岸田外務大臣 我が国としましても、日朝平壌宣言にのっとって拉致、核、ミサイル、諸懸案を包括的に解決していく、こういった方針で取り組んでおります。
 そして、特にこのミサイル、核につきましては、御指摘のように様々な国際場裏におきまして問題が指摘をされ、そして取組が確認をされております。
 また、拉致問題につきましては我が国が主体的に取り組まなければならない大変重要な課題だと認識をしております。
 いずれにしましても、米国、韓国を始めとする関係国としっかり連携をしながら、こうした諸懸案を包括的に解決するべく、我が国としても全力で取り組んでいきたいと存じます。そして、その大きな一歩が今回のこの日朝政府間協議の合意でなければならないと考えています。全力で取り組んでいきたいと考えます。

○山下よしき 終わります。

原発を永遠に使い続ける エネルギー基本計画批判 
【議事録】2014年6月12日 参議院内閣委員会質問

○山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 山本大臣に質問したいと思います。
 1956年、原子力基本法、原子力委員会設置法が制定され、それ以来、原子力委員会は常に我が国の原子力政策行政の中核にあって、原発推進政策を担ってきたと思います。原発は安全だ、放射性物質が大量に放出されるような深刻な事故は起きないといったいわゆる原発安全神話を作り上げてきた組織の一つだと思います。
 今回、組織を見直すというのであれば、まずこの原発安全神話の醸成に深く関わってきたことへの反省が求められると思いますが、その点、大臣の認識、いかがでしょうか。

○山本一太内閣府特命担当大臣(科学技術政策) 東京電力福島第一原子力発電所の事故は過酷事故への対応策が欠如していたことを露呈しておりまして、いわゆる安全神話に陥ってしまったというふうに理解をしております。
 政府は、東京電力福島第一原子力発電所の事故を防ぐことができなかったということを真摯に反省をし、事故の原因等を踏まえ、このような事故の再発の防止のための努力を続けていかなければいけない、そう考えております。

○山下よしき 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会、いわゆる国会事故調の委員長、黒川清さんは、想定できたはずの事故がなぜ起こったのか、その根本的な原因は日本が高度経済成長を遂げた頃にまで遡る、政界、官界、財界が一体となり、国策として共通の目標に向かって進む中、複雑に絡まった規制のとりこが生まれたと、先ほど水野委員の御質問にも絡んでくるようなことが指摘されております。
 その上で、こう国会事故調の報告書は述べております。「当委員会は、本事故の根源的原因は歴代の規制当局と東電との関係について、「規制する立場とされる立場が「逆転関係」となることによる原子力安全についての監視・監督機能の崩壊」が起きた点に求められると認識する。何度も事前に対策を立てるチャンスがあったことに鑑みれば、今回の事故は「自然災害」ではなく明らかに「人災」である。」。
 要するに、規制する立場とされる立場の逆転関係ということが根本的原因だという指摘なんですが、これ、原子力行政に関わる際に非常に大事な観点だと思いますが、この教訓についてどのように今回生かされるんでしょうか。

○山本大臣 原子力委員会の見直しですけれども、一昨年、秘密会議という批判を受けました。こうした不適切な委員会の運営、それから、委員から御指摘のありました東京電力福島第一原子力発電所事故等による原子力をめぐる環境の変化等を踏まえて、内閣官房に設置された有識者会議において抜本的な見直しが行われました。
 その結果、中立性を確保しつつ、平和利用の確保とか放射性廃棄物の処理処分等に関する機能に重点化するとともに、今後は原子力利用の推進を担うのではなく、原子力に関する諸課題の管理、運営の視点から活動することが指摘をされました。
 こうした指摘も踏まえて、今回の法改正では、所掌事務の廃止、縮小等を行うとともに、法改正後の原子力委員会においても、企画、審議、決定のプロセスについて中立性等を確保するために、定めたルールにのっとり厳正な運営を行い、しっかりと役割を果たせるように努力をしてまいりたいと思います。

○山下よしき ちょっと私の質問に正面から答えていただけてないんですが、要するに、規制する側とされる側が逆転していたという問題なんですね。
 この国会事故調の報告書は、「規制当局は原子力の安全に対する監視・監督機能を果たせなかった。専門性の欠如等の理由から規制当局が事業者の虜となり、規制の先送りや事業者の自主対応を許すことで、事業者の利益を図り、同時に自らは直接的責任を回避してきた。規制当局の、推進官庁、事業者からの独立性は形骸化しており、その能力においても専門性においても、また安全への徹底的なこだわりという点においても、国民の安全を守るには程遠いレベルだった。」と、極めて厳しい指摘がされております。
 要するに、専門性も責任感も欠如していたと、もう全部規制されるはずの側の電力会社等に委ねられていたと。こういうことをもう2度とこれ、原子力行政に携わる場合、この組織を改編する場合、この問題を深く生かさなければならないと思うんですが、その点の言及が余りなかったんですが、いかがでしょうか。

○山本大臣 今委員が御指摘された様々な点も踏まえて、ここは私の所掌ではありませんが、原子力規制委員会も設立をされたというふうに思っておりますので、過去の様々な反省を踏まえてしっかりと原子力委員会も運営をしていかなければいけないと、こう思っております。

○山下よしき 次に、衆議院の審議で山本大臣は、原子力委員会は、エネルギー基本計画と整合性を取りつつ、エネルギーに関する原子力利用などの基本的考え方を策定していくという答弁をされました。
 安倍内閣が4月に閣議決定されたエネルギー基本計画というのは、原発を重要なベースロード電源と位置付けて、要するに、今後も一定割合は必ず原発を使い続けるということを示すものになっておりますし、「もんじゅ」を始め核燃料サイクルの推進も明記をしております。事実上の原発永久化宣言というものになっている。
 私は、これは、今回の福島第一原発の事故を踏まえてこういう基本計画が閣議決定されたこと自体とんでもないと思いますが、本法案によって立ち上げる新しい原子力委員会がエネルギー基本計画推進のための組織ということになるんでしょうか。

○山本大臣 委員御存じのとおり、原子力政策を含む全体のエネルギー政策については、法律に基づいてエネルギー基本計画が閣議決定されることになっています。エネルギーに関する原子力政策についても、これは同計画において示されるものだというふうに考えています。
 原子力委員会においては、エネルギー基本計画の内容は踏まえつつ、平和利用の確保、放射性廃棄物の処理処分等といった重要な政策課題を中心に、関係各省における施策の実施状況を聴取し、必要に応じて今後の取組等に関する考え方を示すことで具体的な施策の進捗を促す役割を担っていると、こう考えております。

○山下よしき エネルギー基本計画を踏まえつつとおっしゃいました。それから、整合性を取りつつというのも答弁としてあったんですが、私は、今回、福島第一原発事故の教訓を踏まえて抜本的に組織を見直すというんであれば、やっぱりこういう原発回帰の政策ではなくて、原子力委員会を本当にそこから根本的にその存立を見直す必要があると思うんですよ。
 今回は、残念ながら、既にやめている仕事、他組織に移って形骸化しているものを整理、廃止するだけで、有識者会議が新委員会は政権や大臣からの独立性に配慮すべきだとされた部分については見直されていないと思います。その最たるものが、大臣が繰り返しているエネルギー基本計画との整合性、それを踏まえてということにあると思うんですが。
 福島第一原発事故を目の当たりにして、多くの国民が原発ゼロの社会を求めております。これは世論調査を取ってもはっきりしていると思うんですね。例えば時事通信の5月の世論調査を見ますと、国内の原発をどうするべきかとの問いに、徐々に減らし、将来的にはなくすべきだが49.3%、それから、なるべく早くなくすべきだが24.7%、直ちになくすべきだが10.3%、合わせて84.3%の方が原発ゼロを志向されております。
 こうした世論を無視していいのかと、原発ゼロ社会を望む8割超の国民の声に逆行する原発永久化宣言をしたエネルギー基本計画との整合性を取るような原子力委員会にすべきではないと思いますが、いかがですか。

○山本大臣 先ほども申し上げましたが、原子力政策を含む全体のエネルギー政策、これは法律に基づいてエネルギー基本計画が閣議決定されるということになっております。この閣議決定されるエネルギー基本計画と全く整合性のない、例えば基本的考え方を示せるかということについて言うと、それは難しいというふうに考えております。

○山下よしき ということは、やはりこの福島第一原発事故を踏まえて国民がゼロを望んでいるということと残念ながら違う方向で今度の新組織を立ち上げようとしているにもかかわらず、そういう性格の原子力委員会にならざるを得ないということなんですよ。
 そこで、エネルギー基本計画での原発の位置付けについて山本大臣に基本的認識を伺いたいんですが、原発をベースロード電源としている、この意味について御説明いただきたいと思います。

○山本大臣 エネルギー基本計画におけるこのベースロード電源というのは、発電あるいは運転コストが低廉で安定的に発電することができ、昼夜を問わず継続的に稼働できる電源と、このように位置付けられております。

○山下よしき 運転コストが低廉というんですが、何でそういうことが言えるのか、どこからそういう説明になるんですか。

○山本大臣 これは、エネルギー基本計画を策定する中で様々な議論をした結果、そういう結論になったということでございます。

○山下よしき 要するに、事故対応費用を非常に低く見積もっているということがあるんですね。キロワット時当たり8.9円という数字がこのベースになっていると思います。しかし、それは2011年の古い数字で、福島の事故対応費用が約5.8兆円と見込まれていた当時の額であります。しかし、もう既にどんどんどんどん増えておりまして、もう11兆円とか13兆円を超えていると、また、これからももっと増えるであろうということが言われております。ですから、そういうことをちゃんと含めれば、原発が低廉などということは言えるはずがない。世界では、少なくとも先進国では、原発というのは高コストで経済性が低いということは常識になっております。
 世界の原発の政策、エネルギー政策に詳しい富士通総研経済研究所の高橋洋主任研究員が週刊東洋経済でこう述べておられますが、イギリスでは原発に対してキロワット時当たり15.7円の売電収入保証制度を導入したと。日本のこの8.9円と比べてみて倍ぐらいになるわけですが、これ1ポンド170円換算ですが、しかも、35年間の売電収入保証制度を導入しております。陸上の風力よりも価格が高く、保証期間は2倍以上長い。これ、原発はハイリスク・ハイリターンだから、そこまで保証しないと事業者は原発を運転してくれないと政府が認めたという指摘であります。
 実際に、民主党政権時代にコスト等検証委員会が設置されて、原発は下限値としてキロワット時当たり8.9円だということになっているんですが、そのときも事故対応費用が増えれば更に高くなるというふうになっておりました。
 ところが、今回のエネルギー基本計画の策定時においては、そういうことがきちっと議論されていない。計画案を審議する基本政策分科会で、委員としてもっとそういう真のコストについて議論すべきだ、検討すべきだと問題提起された京都大学植田和弘教授は、議論が深まらずに終わったのは非常に残念だというふうに話しておられます。
 既にこの8.9円の試算についてはもうその根拠が、事故対応費用がもう倍近くに膨らんでいるわけですから、これは非常に低廉だということの元々の根拠が崩れております。原発の真のコストが政府試算の8.9円の2倍近い17円になる可能性は、日本経済研究センターも指摘されております。
 イギリスだって日本だって、いろいろ試算してみればこんな安いことはないということになっているので、運転コストが低廉だというのは、これ、いつまでもそんなこと言ってたら現実から乖離する、世界の流れからも乖離する、そういう認識ありませんか。

○山本大臣 コストについては、今委員がおっしゃったように、様々な分析やいろんな考え方があると思います。これは政府内で様々な要素を総合的に検討し、与党内でも議論をし、安倍内閣の判断として低廉で安定的に発電することができるベースロード電源ということで位置付けたと、こういうことでございます。

○山下よしき だから、その根拠を示してほしいと言っているんですが、示さずにそう位置付けたとしか答えがない。もう基本的な問題ですから、そこは本当にそれでベースロード電源にしていいのかと、この福島の事故を踏まえてもですね。
 それから、優れた安定供給性ということがありましたけれども、これはどういうことですか。

○山本大臣 そのままだと思います。安定性があるという意味だと思います。

○山下よしき 基本的なことですから、もう少しちゃんと根拠を述べていただきたいのですが。
 先ほど昼夜問わずとおっしゃいましたけれども、しかし、今、日本にある全ての原発が稼働してないわけですね。安全性に問題があるからですよ。一旦トラブルがあって止まれば、これは安全確認、非常に時間が掛かるのが原発でありまして、3・11以前も、実は故障や地震で度々停止してきたのが日本の原発であります。定期点検も13か月に一度やらなければならないわけで、日本の原発の稼働率というのは、地震大国ということもあったわけですが、約7割です、海外の原発は約8割、決して安定供給できているわけではありません。現に今全部止まっております。
 これは、エネルギー経済研究所、永富悠さんなどによる原子力発電所の設備利用率及び原因別停止時間の各国比較を見ましても、日本の原発の設備利用率は、1995年79.4%から2009年64.7%というふうに下がっております。
 これは、決して安定供給性などということは言えないんじゃないかと思いますが、いかがですか。

○山本大臣 何度も同じ答弁で恐縮ですが、安倍内閣として政府内そして与党内、いろいろと議論をした結果、私たちはこういう結論に達したと、安定的に発電することができて昼夜を問わず継続的に稼働できる電源、ベースロード電源というふうに位置付けたと、こういうことでございます。

○山下よしき 本当に今の原発事故と今の現状を踏まえているのかなと言わざるを得ませんが。
 私が原発事故で一番現場に行って教訓にしなければならないと思ったのは、やっぱり福島の今を見よということなんですよ。
 参議院の復興特で、私もメンバーでしたけれども、原発事故後一年半たったときに、2012年10月ですが、原発サイトの中に入りました。御存じのとおり、Jヴィレッジから福島第一原発まで大型バスで向かってまた帰ってきたわけですが、20キロ離れているJヴィレッジから福島第一原発までの間の光景というのは、もう本当に今でも変わらないですが異様な光景でありました。20キロ圏内の楢葉町は避難指示解除準備区域に当時なっておりましたけれども、より原発に近い富岡町、大熊町は警戒区域のままでありました。
 バスが走った国道6号線の両側には田んぼが広がっておりました。実りの秋でしたけれども、稲穂がこうべを垂れているようなシーンは一つもありませんでした。背の高い雑草、セイタカアワダチソウで一面覆い尽くされておりました。交差点という交差点は全部黄色の信号が点滅しておりました。結局、人が一人も住めていない、ですから信号はそういう状況に放置されているわけであります。
 要するに、30分ぐらいバスノンストップで走りましたけど、それぐらいの広い範囲、しかも当時で1年半、現在もう3年3か月たっているにもかかわらず、たった1回の過酷事故が起これば、これだけの長期にわたり、これだけの広範囲にわたって作物を作ることもできなければ人が住むこともできない状況がずっと続いちゃう、こんな事故というのは原発事故以外にありません。原発事故にはほかの事故にはない異質の危険があるというふうに、本当にそこに行ってそのことの意味をまざまざと感じたことを覚えておりますけれども。
 山本大臣、その異質の危険、要するに、事故を幾ら起こさないように努力したとしても、今の人類の到達点、科学技術によって事故を絶対に起こさない原発を造ることは不可能です、今。だったら、1回でも事故を起こしたらこんなことになる原発と、私たち人類社会、人間社会との共存はできるのかということが今問われていると思うんですが、そういうことをしっかり考えるのが私は原子力政策全体を本当に考える上で一番の、福島の今を見よということを原点にしなければならないと思うんですが、そういう観点、異質の危険があるという点について大臣の認識を伺いたいと思います。

○山本大臣 山下委員とは、エネルギー政策、ベースロード電源の考え方等々、相当考え方違う点はあると思いますけれども、やはり福島原発事故の教訓を忘れてはならないというところについては共通認識を持っておりますし、これをしっかり踏まえた上でエネルギー政策を考えていかなければいけないというふうに考えております。
 いずれにせよ、新たな原子力委員会が発足をすれば、過去の教訓もしっかりと踏まえた上で原子力の平和利用等についてしっかりと原子力委員会が機能を果たしていけるように、担当大臣として全力を尽くしてまいりたいと思います。

○山下よしき 本当に教訓を踏まえるんだったら、原発を永久に運転し続ける、核燃サイクルまで明記する、こんなエネルギー基本計画自身が問われなければならないと私は思うんですね。
 それから、再生可能エネルギーについてもエネルギー基本計画については述べているんですけれども、私は、原発をベースロード電源にしてしまうことで、再生可能エネルギーの普及への取組が後景に追いやられるということについても、これは非常に重大な問題だと思っております。
 2013年環境省の委託調査、2050年の再生可能エネルギー等分散型エネルギー普及可能性検証検討報告書というものがありますが、ここで再生可能エネルギーの導入見込みの推計がされております。低位のケースで2030年に2,173億キロワットアワー、これはエネルギー基本計画で欄外に示された目標20%と同水準でありますが、同時に、この環境省の調査では、高位のケースとして2030年の再生可能エネルギーの発電量3,227億キロワットアワー、低位ケースの1.5倍なんですね。環境省が再生可能エネルギーのポテンシャル調査を行って、最大限顕在化させることを目指して施策を強化する場合を想定したら、そのぐらいはすぐできるということが一方で試算がありました。
 ところが、エネルギー基本計画はそうではない低位の方を欄外で書くようになっております。具体的に、その保証というのは極めて心もとない状況ですが、なぜそうなっているか。やはり、原発をベースロード電源、再生可能エネルギーというのはそうではない極めて不安定なエネルギーなんだという位置付けをするから、本気で再生可能エネルギーの普及開発というものに力が入らないという位置付けになっている。
 だから、私は、ベースロード電源を、あの事故を踏まえても、原発に頼るということが、本来この事故から脱却して新しいエネルギーに向かうべき、再生可能エネルギーの開発普及を抑えるという計画そのものにもなっているというふうに思うんですが、この点、いかがでしょう。

○山本大臣 エネルギー基本計画の表現についての細かい議論をするつもりはありませんけれども、原発をベースロード電源として位置付けるということと再生可能エネルギーを導入するということは矛盾をしていないというふうに私たちは考えております。
 更に一言言えば、私も科学技術イノベーション担当大臣ですけれども、やはり科学技術イノベーションの可能性というものもしっかりと踏まえていかなければいけないというふうに考えております。

○山下よしき そういう、幾ら聞いても、私は、福島原発事故の教訓というものを、本当に国民の世論というものを踏まえたら、原発を永久的に使い続けるという基本計画というのはあり得ないと思っております。それを土台にした今度の原子力委員会というものの改編というのもやはり根本から見直すべきだというふうに思います。
 次回以降、また具体的に、特に今度は住民の避難の問題について議論させていただきたいと思います。
 今日は以上で終わります。ありがとうございました。

事務所案内

参議院山下よしき事務室

 〒100-8962
東京都千代田区永田町2-1-1
参議院議員会館1123号室
[地下鉄をご利用の場合]
「永田町駅」(有楽町線・半蔵門線・南北線)1番出口より、徒歩1分
「国会議事堂前駅」(千代田線・丸の内線)1番出口より、徒歩10分
電話:03-6550-1123(直通) ファックス:03-6551-1123

参議院議員会館

 

日本共産党 国会議員団近畿ブロック事務所

〒537-0025
大阪市東成区中道1-10-10
ホクシンピース森ノ宮102
[JRをご利用の場合
「森ノ宮駅」(大阪環状線)改札を出て「中央大通」東へ、2つ目の筋を南へ徒歩4分
[地下鉄をご利用の場合] 「森ノ宮駅」(中央線・長堀鶴見緑地線)5番出口より「中央大通」を東へ、2つ目の筋を南へ徒歩4分 
電話:06-6975-9111(代表) ファックス:06-6975-9115

ホクシンピース森ノ宮

独立行政法人統廃合の際の雇用継承は政府の責任で 
【議事録】2014年6月5日 参議院内閣委員会質問

○山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 現行法では、独法の目標期間終了時までの見直しについて、独立行政法人の業務を継続させる必要性、組織の在り方その他組織及び業務の全般にわたる検討を行い、その結果に基づき、所要の措置を講ずるとしておりましたが、法案では、業務の廃止若しくは移管又は組織の廃止その他所要の措置を講ずるとなっております。
 業務の廃止、移管、組織の廃止を明文化した理由は何でしょうか。

○稲田朋美国務大臣 今回、改正法の35条でございますが、引き続き、中期目標期間の終了に際して主務大臣が組織及び業務の全般にわたる見直しを行い必要な措置を講ずるというふうにいたしております。これまでも組織の在り方を検討するということとしておりましたが、今回の法改正では、組織の在り方の検討においては、最初から組織が存続を所与のものとせず、主務大臣による厳しい見直しを促すため、組織の存続の必要性を検証すべきことを明示することといたしたものでございます。
  〔委員長退席、理事芝博一君着席〕
 また、これまで見直しの結果に基づき所要の措置を講ずると規定をしていたところですが、これについても主務大臣による厳しい措置を促すため、所要の措置の具体的内容として、これまでも当然にあり得るものとして想定をいたしておりました業務の廃止若しくは移管又は組織の廃止という措置を確認的に明示することといたした次第でございます。

○山下よしき 確認的にと言いますけれども、明示したというところに今改定の本質、狙いが示されていると思わざるを得ません。
 しかも、主務大臣が廃止、移管を決断できなければ、総理大臣が任命する独法評価制度委員会が主務大臣に勧告を行う、同時にその勧告についての報告を求める。さらに、総理大臣に、内閣法に基づいた措置、つまり閣議決定などが行われるように意見具申を行うという強烈な権限を与えられた評価委員会を導入するということになっているわけですが、これはなぜそういう制度をつくるんですか。

○稲田大臣 今回の改正では、中期目標期間の終了時の主務大臣による見直しがいわゆるお手盛りにならないように、独法評価制度委員会が主務大臣の見直し内容を第3者的にチェックすることといたしておりまして、委員会は主務大臣に対して意見を述べ、更に勧告することができるというふうにいたしております。
 この場合、政策の実現に責任を持ち、その法人の事務事業を推進する立場の主務大臣の視点、そして第3者的な立場からチェックを行う委員会の視点はおのずと異なることから、事務、業務の存廃等に関する見解が対立する事態も想定がされます。こういった場合では、委員会が勧告を行ってもこれは直接の法的拘束力はなく、主務大臣が勧告内容に応じないこともあり得ることから、内閣総理大臣の指揮監督権の発動を促すため、委員会は内閣総理大臣に意見具申することができるようにしたところでございます。

○山下よしき 私は、主務大臣の評価をお手盛りというふうに評価すること自体が間違いだと思いますよ。
 有識者懇談会では、主務大臣は目標案、その変更案を作成する際に法人と十分に意思疎通を図ると。これはお手盛りじゃないんですよ。その法人が今どんな役割を果たしているか、職員がどんなモチベーションでどんな仕事をしているかを、ちゃんと現場の声を意思疎通を図って知るというのが主務大臣の一番大事な責任なんですよ。それをお手盛りといって逆に切り捨てるという評価をすること自体が私は間違いと思う。
 それから、そういう意思疎通をしながら評価をした主務大臣の判断を超えてこの第3者機関が判断するわけですが、要するに、主務大臣がどう考えようとこの委員会の判断が大きな影響を与える仕組みになっているわけですが、そうなるとこの委員会の人選、極めて重要だと思うんですが、どうするんですか。

○讃岐建総務大臣官房審議官 お答えいたします。
 独立行政法人制度委員会は、国家行政組織法第8条による合議制の機関、国家行政組織法8条には、国の行政機関は、学識経験を有する者の合議により処理することが適当な事務をつかさどるための合議制の機関を置くことができるとされているところでございまして、独法制度評価委員会も同条に定める合議制の機関でありますことから、その委員の人選に当たっても同条の趣旨にのっとって行うべきものと考えております。

○山下よしき 一般的にはそうなんですけど、さっき言ったように、主務大臣が現場側と十分意思疎通をしてその業務の継続性が必要だという判断をしたにもかかわらず、いや廃止せよということを勧告できるのがこの第3者機関なんですね。しかも、全ての府省に係る独法をそういう判断していくわけですよ。
  〔理事芝博一君退席、委員長着席〕
 そんな視野が広くかつ専門性が深い、そういう学識経験者はいるんですか、そんなことできるんですか。

○讃岐審議官 この評価制度委員会の委員の任命につきましては、審議会の運営に関する指針というものが平成11年に定められておりまして、その指針においては、委員の任命に当たっては、当該審議会の設置の趣旨、目的に照らして、委員により代表される意見、学識、経験等が公正かつ均衡の取れた構成になるように留意するものというふうにされてございますので、その趣旨をよく踏まえて人選をするということを考えております。

○山下よしき 一般的に言ったらそうなるんですけど、具体的に、100ある独法一つ一つを、直接担当する主務大臣が継続の必要性ありと認めても、いや廃止だというような判断をする権限なんですよ。しかし、そんなことができる人がいるのかと。さっき上月理事が実際はこんな分厚いドキュメントを見せられてとても判断できないよというのを全ての独法に対してやる責任が負わされることになるんです。
 そうすると、私は、現実的には、やっぱり総理が任命する、その任命権者の意図に即した判断をする人が集められるということになりかねない、初めに組織の廃止、業務の廃止ありきということになりかねない、それを強烈に推進するための第3者機関になりかねないと、そう思わざるを得ません。
 そこで、そうなりますと、私は独法に関する統廃合に伴う雇用問題というのは非常に大きな影響が及ぼされると思っております。既に基本方針では、現在の独法100を87にするということが決められております。もう既にそのうちの2つは廃止されました。今後、19の法人を8法人に統合するということになるわけですが、しかし、この19法人に今勤めている常勤職員は約2万人に上ります。この2万人の雇用や身分に関わる問題がこれから出てくるわけであります。その可能性があるわけですね。ですから、これは今決まって推進されようとしているところだけですから、今後、独法の統廃合ということになりますと、そういう万単位の雇用問題が生じる、そういう大問題であります。
 そこで、この法改定で組織の廃止についての規定を仕組みも含めてさっき言ったように強化する一方で、その結果生まれる職員の雇用問題についてはどんな対応がされようとしているのかについて質問をしたいと思いますが、法案50条で離職を余儀なくされていることが見込まれる者については密接関連法人への就職あっせん規制の対象にしないとしております。
 まず、この離職を余儀なくされることが見込まれる者とは一体具体的にどういう人のことか、お答えください。

○稲田大臣 50条の4項の第4号及び5号において離職を余儀なくされる者とは、職員本人の意思に反して自らが所属する法人の職員としての地位を失うことを意味しております。

○山下よしき 要するに意思に反してですから、これは独法の業務や組織の廃止ということに当たるんだと思うんですね。そういうことをもう前提にしてこれはそういうことを規定しているということですが、その点について少し細かく聞いていきたいんですが、その離職を余儀なくされる見込みのある者に対しての密接関連法人への就職あっせん規制の対象としないという場合の者の中に非正規、非常勤の方々は入るんでしょうか。

○稲田大臣 4号及び5号いずれも、非正規職員や非常勤の職員はそもそも密接関連法人等への再就職あっせんの規制の対象外でありまして、あっせんは可能でございます。

○山下よしき あっせんというのはどういうことでしょうか。例えば、100人、組織の廃止に伴って元の職場が奪われるということになった場合に、100人中100人ともきちっとあっせんする、再就職に責任を負うということでしょうか。

○長屋聡内閣官房行政改革推進本部事務局次長 お答え申し上げます。
 50条の4の第2項の中では第4号と第5号と書き分けてございます。この場合、第4号の場合でございますけれども、その法人の毎年度の業績評価の結果に基づきまして法人の業務の縮小又は内部組織の合理化が行われる場合で、対象となる者は役員や管理職員を除いて一般職員を対象にするということで、あっせん規制の適用除外とすると。それから、5号におきましては、法人の組織、業務の見直しによって政令で定める人数以上の人員削減が行われる場合、これから政令を定めることになりますけれども、これは中期目標終了時の見直しの際でございますけれども、これにつきましては再就職支援が必要な全ての役職員を対象にということで4号、5号で書き分けて、このような対象となるものでございます。

○山下よしき 聞いていることに答えていただきたいんですが、あっせんというのは全員きちっと再就職させるということを意味しているんですか。

○長屋次長 お答え申し上げます。
 ここの点につきましては、衆議院段階の附帯決議でも、雇用の安定に配慮するということで附帯決議をいただき、また閣議決定の中でもそのような趣旨のことが書かれておりますので、そういった趣旨に基づきながら、それぞれの場合に応じて当局において対応していくということになろうかと思います。

○山下よしき 極めて心もとない御答弁ですが。
 さらに、あっせんを受けられる密接関連法人というのはどういう企業のことなんでしょうか。

○長屋次長 お答え申し上げます。
 これにつきましては、政令で具体的に定めることになっておりますけれども、資本関係、取引関係等が一定程度生じているものということで、具体的に施行までの間で政令で定められることになります。

○山下よしき 企業の規模の大小というのはどんなふうになるんでしょうか。

○長屋次長 その辺りもこれから政令の立案作業の中で明らかになっていくものと思われます。

○山下よしき 私、その点で心配するのは、密接関連法人の中に中小の企業も入ってくる場合があると思うんですね、そういう取引先が。その場合に、独法廃止に伴う職員のあっせんということを迫られた場合に、断れない中小企業が出てくると思うんですよ。そうするとその玉突きで、その企業で働いていた職員、労働者が玉突きで職を失うということだって、この間いろいろあったんですね。そういうことを考えると、この独法の廃止というのは非常に大きな影響を社会に与えるということもしっかり考えて、初めに廃止ありきの仕組みを強烈に進めるようなことは、私はこれはやるべきじゃないというふうに感じております。
 ちょっと角度を変えて聞きたいと思いますが、独法には各省庁から役員への相当の出向者が出ております。役員に占める各省庁からの出向者の人数と割合、どうなっているでしょうか。

○長屋次長 お答え申し上げます。
 国から独法の役員としていわゆる役員出向している者でございますが、平成25年10月1日現在でございます、総人数は142人。全独法の常勤役員数、これは483ポストございますけれども、この割合は29.4%。常勤、非常勤の役員も含めた全体の役員ポスト637に対する割合は22.3%になります。
 以上でございます。

○山下よしき 役員に占める府庁の出向者、私、約3割だというふうに認識しております。
 それから、一般職員の中への省庁からの出向者は何人でしょうか。

○長屋次長 お答え申し上げます。
 御要請もいただきながら、今回、平成26年4月1日現在ということで調査いたしました結果でございますが、総人数は3,488人、全独法の常勤職員数に対する割合が2.1%となっております。

○山下よしき 役員の3割が中央省庁からの出向者。それから、独法ごとに見ても、一般職員で見ても、例えば国際協力機構には9省庁から37人、新エネルギー・産業技術総合開発機構には経産省から53人など57人、自動車事故対策機構には108人、駐留軍等労働者労務管理機構には職員289人中、防衛省からの出向者が124人などなど、ばらつきはありますけれども、中央省庁の出向者が独法で課長あるいは部長などをしている、財務省からもそれぞれ送られているという実態が広くあります。
 独法の業務の関係上、省庁との連携が必要なものももちろんあるでしょう。国交省、厚生労働省など、その知見の蓄積が独法でも求められるものもあるでしょう。しかし、そういう業務の目標や評価がそういう中央省庁からの幹部職員、出向組が中心になって作られ、縛られているという面は多いわけですね。だから、これは先ほどの議論にもありましたけど、独法の自律性、自主性というのは一体どうなっているんだと、名ばかり独法ではないかという実態があるわけです。そういうことだったら、もう国民の生活の安全、安心の質の確保が必要だからそうしているんだというんだったら、これはもう省庁の執行機関に戻せばいいのではないかということさえ私は考えるべきだと思いますが、逆に特殊法人だったところなんかは、天下り的な出向によって、その業務に精通しているプロパーの職員がなかなか幹部になれないという実態もあると聞いております。
 そういうことを前提にして、今日お聞きしたいのは、独立行政法人の事業、組織の廃止、移管が行われる際に、省庁からの役員や幹部職員などへの出向者の身分は一体どうなるのかというのをまずお聞きします。

○稲田大臣 国から独法に現役出向中の者については、当該法人の廃止、統合がある場合には、国に復帰し独法での経験を政策の企画立案等の業務に活用すること、組織統合先や業務の移管先の法人の役職員として業務に従事することなどが考えられますけれども、個々の事案に即して、法人と出向元の府省との相談の結果により対応が決定をされるというふうに考えております。

○山下よしき 今答弁あったように、中央省庁からの出向者は当然雇用は継承されるわけですね。一般的には、出向先がなくなっても籍は出向元の中央省庁にあるわけですから、当然の原則であって、もしそれがやられなければこれ大変な問題になるわけですが、しかし、省庁からの出向者は職員であっても役員であっても雇用は継承されるのに、片や独法で働いている一般職員の方々、プロパーの方々は、逆に出向者をたくさん受け入れて、その人件費を出して、その役員の指示に基づいて仕事をしてきたにもかかわらず、若い職員の雇用保障は何ら約束されないというのは、同じ独法で働いている職員同士の中に溝をつくるんじゃないかと。役員はともかく、一般の若い職員を常に将来どうなるか分からないという不安の中で働き続けさせるのかと、こういう格差、差別は、私は不合理ではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

○稲田大臣 出向者についても当然に国の復帰等が決められているわけではなく、個々の事案に即して、法人と出向者の府省との相談の結果により対応が決定をされるというふうに考えております。
 なお、昨年末の基本方針の閣議決定において、改革を推進するに当たっては、独立行政法人で現在働いている職員の士気の向上や雇用の安定にも配慮する旨を盛り込んでいるところでございまして、職員を雇用する独法やその所管府省においては、この閣議決定の趣旨を十分に踏まえて対応することが必要になろうかというふうに考えております。

○山下よしき 本省からの出向者の身分も分からないみたいなことは重大ですよ。そんなことは絶対にあってはならないんです。
 今聞いているのは、独法のプロパー職員の方々について聞いているんですが、今大臣は個別に各独法でそこはちゃんと配慮すべきだと言われましたけれども、私は、この通則法改定案において大量の解雇も想定されているわけです、離職を余儀なくされる者と。にもかかわらず、雇用の維持、権利義務の継承などを保障する規定が何らこの法案に設けられていない。あっせんという名前が入っているだけでありまして、これでは極めてバランスを欠くというふうに言わざるを得ません。
 参考人質疑の中でも、離職を余儀なくされる場合に備えてあっせんについて定めておきながら、雇用の継承について定めていないというのは、法の立て方としては不完全だという趣旨の御発言もありました。組織変動の態様として吸収合併や会社分割に類似するものでありますので、これは会社分割に係る商法や労働契約承継法というものがありますけれども、吸収合併や会社分割の例に倣って、この独法の改廃についても雇用の継承を通則法の中に定めておくのが当然ではないかという専門家の御指摘ですが、大臣、いかがでしょうか。

○稲田大臣 独法通則法は法人の業務運営に普遍的に適用される共通基盤ルールを規定するものでございます。個々の法人の職員の採用、身分承継等の人事管理は、各法人ごとに個別法等において、個々の法人の業務の特性、組織、業務改変等に係る個別具体の事情などを踏まえ、必要事項を定めるべきものだというふうに考えております。その際、法人の組織、業務の改廃等に伴う職員の雇用の取扱いについては、雇用者である各法人において、労働法規や判例、いわゆる整理解雇の4要件などに基づいて適切に対応すべきものだというふうに考えております。
 また、過去、独法の統廃合などの大きな組織見直しが行われた際には、当該法人の置かれた状況を十分に勘案した上、必要な場合には法人間の身分承継など、職員の雇用に関する法的措置がなされているところでございます。このため、通則法に雇用の安定に関する事項は盛り込んでおりませんが、職員の雇用の確保の重要性に鑑み、昨年末の改革の基本方針の閣議決定において雇用の安定への配慮を盛り込んだところでございます。今後、組織見直しが行われる場合にはこれらを踏まえて適切な対応がなされるべきものというふうに考えております。

○山下よしき 個別に対応するということですが、実際、2011年廃止された雇用・能力開発機構については、事業の大半は移管されたわけですけれども、雇用については法律で担保をこれは実際にされずに、一旦全員解雇、希望者の中から移管先に採用というやり方が取られました。また別の、万博の法人の場合も、地方に移管する際に改めて採用試験ということがやられて、解雇された労働者もいるわけですね。
 やっぱり、これは今度の通則法で独法の廃止ということが強力に推進される危険性があることを定めながら、それを個別法でその雇用については任せるというのでは極めてバランスに欠くと、そういうものを認めるわけにはいかない、引き続きこれは審議する必要があるということを申し上げて、終わります。