「改憲阻む」参加者一体 
11・3国会包囲行動10氏のスピーチ

 「安倍9条改憲NO」を掲げて3日、行われた国会包囲行動。国会周辺い設置されたステージでは、各界の幅広い著名人ら多数がスピーチし、参加者と一体になって改憲阻止の声を響かせました。このうち10氏のスピーチ(要旨)を紹介します。


団結すれば阻止可能
全国市民アクション運営委員
高田健さん
 安倍首相は、憲法9条に新たに3項をつける改憲を企てました。2項を骨抜きにして、「戦争する国」にする企てを許してはなりません。
 総選挙で、野党の定並みに乱れが起きましたが、2年余りのたたかいは無駄ではなく、野党と市民の結束を選挙の中で生み出しました。改憲勢力が3分の2を占めたとはいえ、野党と市民の結束が大きく発展し、9条改憲を打ち砕くに違いないと確信しています。
 改憲発議を阻止するたたかいに全力をあげましょう。国会議員と民衆が団結してたたかえば、9条改憲阻止、戦争法廃止は可能です。


民意に背<内閣包囲
ルポライダー
鎌田慧さん
 改憲しようとする安倍閣にむかって、大きな行動をしていかなければなりません。憲法9条の中に、自衛隊を入れることは、平和な草原に裏切りの地雷を置くようなものです。
 国会内で野党は残念ながら少数です。しかし、デモの力、集会の力、市民の力によって、絶対に憲法改悪の発議をさせない。
 沖縄の状況も、原発のやり方も、民意に背く、ファシズム的なやり方です。
 これを認めてはならない。多数によって国会、内閣を包囲していきましょう。老人も若者もがんばりましょう。


白紙委任の覚えない
作家
落合恵子さん
 安倍政権に白紙委任状を渡した覚えはありません。野党が求めていた臨時国会を3カ月も延ばしに延ばし、開いたとたんに所信表明もなし。何が〝国難突破解散〟でしょうか。「お前が国難だ」といってやりましょう。
 沖縄に国難を与えているのは誰か。市民の安全と安心に国難を与えたのは誰か。このことをハッキリさせようではありませんか。
 本当の安全保障は、原発をなくすこと。そして、憲法を守ることが私たちの安全保障です。諦めることを諦めて、前に進んでいく私たちでありましょう。


戦争と核兵器なくす
ピースボート共同代表
川崎哲さん
 今年7月、国連で核兵器禁止条約が採択されました。せかいっじゅの市民運動と、広島、長崎の被爆者の努力によるものです。
 核兵器廃絶の願いと、憲法9条を通じた不戦の誓いは、大戦から学び取った教訓です。
 しかし、日本政府は条約に反対し、平和憲法を変える、製版他のの方向を歩んでいます。
 北朝鮮の問題を脅威だというなら、核兵器禁止条約に署名、批准し、そして北朝鮮にも署名、批准を迫ることです。9条を守り二度と戦争しない、世界中から核兵器をなくすことがすすむべき道です。


9条はアジアの宝だ
韓国「主権者国民会議」顧問
金泳鎬さん
 9条の問題は、日本国内にとどまらず、世界、歴史の問題です。9条はアジアの平和の宝であり、戦後の世界平和体制の柱です。
 ナショナリズムを引き起こし、憲法改定を推し進めるプロセスが怖い。9条がなくなれば、戦前のファシズム国家の復活と新しい軍国主義の出発になる恐れが強いです。
 9条改正されれば、周囲の国家は軍拡の方向に行き、アジアは軍拡の悪循環に入ってしまう。9条を守って、平和の地域に進むのか、不安のアジアに行くのか、分かれ道にいます。9条を守ることは、アジアと世界にとって重要な問題です。


国難は安倍内閣存続
弁護士・元最高裁判事
濱田邦夫さん
 9条に3項を加える改正案には反対です。国内での安全・安心な暮らしや、憲法規範を著しく損ねるからです。国民の理解を得ないまま、議員の数を頼んだ強行は許されません。
 安倍総理が目指すのは、戦前に戻るコースです。主権在民、平和主義、基本的人権の尊重という理念が無視されようとしています。
 北朝鮮の脅威を国難と称して解散しましたが本当の国難は安倍内閣の存続です。少数の人を一時的にごまかせても、多数を長い間だますことはできません。平和と民主主義を守るために頑張りましょう。


憲法を守り抜く誓い
埼玉大名誉教授
暉峻淑子さん
 私は戦争の生き残りの世代です。友人だった男の子は、14歳で予科練に入り、死んでいきました。送り出すとき、サツマイモをふかして、机にのせただけでした。
 憲法を手に取ったとき、無念の中に死んでいった少年や遺族に報いるのは、憲法を守り抜くことだと誓いました。憲法は、日本だけでなく、世界に対してつくられたものです。
 今は戦争しても勝利する国はありません。武力じゃない形で何ができるか。戦争の反対は対話。対話ができず、戦争をあおるような首相に対し、真剣なたたかいを日常の中でやっていきましょう。


「怒ろうよ」と伝えて
落語家・芸人9条の会呼びかけ人
古今亭菊千代さん
 「9条は世界の宝物」「9条を変えてほしくない」という思いから、10年以上「9」の紋付を着て落語をやっています。
 今日は憲法が公布された日です。こんな日に国会前に来るようになるなんて思ってましたか。たくさんの人たちが安倍政権に対して文句をいっているのに、なんで選挙結果はこうなってしまうのか。
 でも各界のメッセージを聞いて、決意を新たにしたと思います。今集まっている人たちだけでは足りない。みなさんのお知り合いに、近所の人たちに「今おかしい。なんか文句いおうよ、怒ろうよ」と伝えていきましょう。


心一つにたたかう時
精神科医
香山リカさん
 原発、沖縄、格差いろいろな問題でたたかってきました。
 ここにきて、いよいよたたかうべきものがこの憲法9条の問題だということがはっきりしてきました。心ひとつにして、これから何をすべきかが見えてきました。
 私は精神科医ですが、人間にとっての恐怖とか不安は、何が敵なのか見えない、わからないときなのです。
 でも私たちは何をやるべきかを分かっています。憲法9条を変えさせないということが分かっています。
 これからは、迷わず9条を変えさせない一点でたたかっていきたいと思います。


活路は共闘にあり!
法政大名誉教授
五十嵐仁さん
 総選挙の最大の教訓は「活路は共闘にあり」。この一点ではなかったでしょうか。市民と立憲野党が共闘すれば勝てる。ここに勝利の方程式があります。
 自民党は「圧勝」「大勝」といわれていますが、対有権者比では、小選挙区で25%、比例代表では17%。過去3回の選挙で変わっていません。
 「圧勝」したかのような形になったのは、小選挙区制という制度のからくりと野党分断によって助けられたからです。
 これは、市民と立憲野党が手を組み、選挙で候補者を統一して共闘すれば、たちどころに崩れ去る虚構です。


「しんぶん赤旗」2017年11月4日付より

About 山下よしき 364 Articles
日本共産党参議院議員。香川県善通寺市出身。県立善通寺第一高校、鳥取大学農学部農業工学科卒業。市民生協職員、民主青年同盟北河内地区委員長・大阪府副委員長。95年大阪府選挙区から参議院議員初当選。13年参議院議員選挙で比例区に立候補3期目当選。14年1月より党書記局長。2016年4月より党副委員長に就任。2019年7月参議院議員4期目に。参議院環境委員会に所属。日本共産党副委員長・筆頭(2020年1月から)、党参議院議員団長。