国家公務員法等の一部を改正する法律案反対討論 
【議事録】参議院内閣委員会討論

○山下よしき 私は、日本共産党を代表して、国家公務員法等の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、本法案が国家公務員制度改革といいながら、労働基本権の回復を先送りしたまま人事権を内閣人事局に集中し、一層中央集権的な官僚制度につくり変えるものだからであります。
 公務員の賃金に直結する級別定数について、担当大臣が労働条件としての側面もあることを認めながら、これを人事院から内閣に移管しました。憲法が保障した労働基本権制約の代償機能である人事院制度を後退させるものであり、認めることはできません。
 労働条件に関する権限を内閣に移管するのであれば、労働基本権も回復されなければなりません。労働基本権について、第一次安倍政権で提出された国家公務員改革基本法では、審議を経て、第12条に自律的労使関係について措置するとされました。自民党も認めたこの到達を自ら否定するような主張は通用するものではありません。
 加えて、国際的に、公務員に労働基本権が付与されている海外で混乱が起きているという事実はありません。国家公務員の公務労働者としての側面を踏まえつつ、国民全体の奉仕者として民主的公務員制度を確立していくには、ILO勧告をまつまでもなく、労働基本権を回復することこそ求められています。
 反対理由の第二は、本法案は官邸による幹部職員人事への恣意的な介入を可能とする内閣一元管理制度を導入するものであり、憲法が規定する全体の奉仕者としての公務員の在り方を変質させるものだからであります。
 内閣一元管理のプロセスには、政治家である官房長官による幹部候補者の適格性審査などが組み込まれています。現内閣は、現行の任命権をフル活用して内閣法制局長官やNHK経営委員など適格性が問われる人事を行ってきましたが、官邸のこうした恣意的人事に対し国民の批判が巻き起こっています。求められているのは、官邸の人事権限を内閣一元管理の名の下に更に強化することではなく、中立公正な任用制度を再構築することであります。
 第三に、天下りを原則禁止から容認へと転換した2007年国公法改悪と並びの改悪を自衛隊法にも持ち込み、自衛隊員の天下りも原則解禁するものだからであります。天下り要員を拡大するのではなく、天下りの原則禁止に立ち返るべきです。
 以上、理由を述べて、反対討論といたします。