全体の奉仕者の役割と逆に—公務員制度改革 
【議事録】参議院内閣委員会質疑

○山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 今日は、国家公務員の人事評価制度とメンタルヘルスについて質問したいと思います。
 法案では、人事院が持っている人事に関する権限が内閣人事局に移管されます。人事評価制度の企画等の事務を内閣人事局に移管されることになるわけですが、国家公務員の人事評価というのは能力評価、S、A、B、C、D、五段階です、それと業績評価、S、A、B、C、D、五段階を掛け合わせた結果が昇給、昇格、場合によっては解雇など処遇に反映されるというシステムになっております。
 この人事評価制度が導入されて5年がたちました。今年2月、総務省人事評価に対する検討会報告書が出され、その中で、人事評価は、その公平性、正確性、納得性を確保しながら、適切に運用していくという非常に難しい課題とされております。どういうことか御説明いただきたいと思います。

○笹島総務省人事・恩給局長 お答え申し上げます。
 人事評価制度につきましては、昨年7月から人事評価に関する検討会を開催しまして、現状分析と課題の抽出、具体の対応策について御検討いただきまして、先ほどお話がありましたように、本年2月7日に報告書を公表したところでございます。
 この報告書におきましては、「おわりに」というところにおきまして、国家公務員の人事評価は、給与や任用のみならず、職員の人材育成、自己啓発促進や勤務意欲の向上等人事管理のあらゆる側面で活用する能力・実績主義の人事管理を行う基礎となるものであり、国家公務員制度の中でも非常に重要な位置付けを与えられているとされておりまして、また一方で、人事評価は公平性、正確性、納得性等を確保しながら適切に運用していくことという非常に難しい課題に不断の対応が求められるといった考えが示されております。
 総務省といたしましては、この報告書にある提言を踏まえ、今後必要な改善措置を講じていくとともに、不断の見直しにより引き続き人事評価の適切な運用を図ってまいりたいと考えております。

○山下よしき 残念ながら、公務職場において公平性、正確性、納得性の確保が非常に難しい、その中身については今御答弁ありませんでしたが、私は公務の職場でこういう評価が難しいのは当然だと思うんですね。
 一般的に、成果主義というのは短期的な成果を求められ、それが評価をされることになります。民間企業だったら、売上げや利益に直結することが評価されるということで割と物差しとして分かりやすいと思うんですが、しかし、公務の場合は国民の権利を保障するという大きな仕事でありまして、国民に直接接して相談や支援の活動をすることが本来の業務ということになっている場合が多くて、利益を上げることとは関係ないことの方が多いわけですね。ですから、数値目標にできないこと、あるいは短期の成果になじまないことの方が多いと思われるわけであります。
 人事評価について、国公労連が、労働組合がアンケートを行っております。2012年5月ですが、答えていただいた職員の方、五省庁、5174人ですから、かなり大規模な調査でありまして、このアンケートの結果、制度の基本設計について最も多かった答えは、本来求められる仕事は何なのかという視点を失い、あらかじめ定めた数値目標だけが重視される、六〇・二%。それから、次いで、短期の評価で判定されることが業務実態に合わない、これが三七・九%というふうに出ております。やっぱり、公務の実態に短期だとか数値目標ということがなじまないんじゃないかということを多くの国家公務員の方が実感されているわけであります。
 その結果どういうことが起こっているか少し具体例を紹介したいと思いますが、御存じのとおり、業績評価における目標の設定というのは本人と上司である評価者が面接で話し合って決めるということになっております。どんなふうな目標が設定されるのかということですが、このアンケートの中で実例として書き込まれた例なんですけれども、法務省地方出先機関というのがありますので恐らく法務局の方だと思いますが、窓口の接客態度の向上を常に意識し取り組んでいるが、これを目標として設定すること自体を数値で表せないため不適切とされ、ほとんどの評価者に削除を求められた。法務局に行きますと、物すごく時間が待たされて結構面倒なんですよね。そういうことがないように、この方は窓口の接客態度を一番大事に、向上することを自分は目標にしたいんだけれども、それは数値目標にならないから駄目よと言われるということが起こっているということなんですね。
 じゃ、どういうことが目標にされるのかということなんですが、別のケースですが、ある事務職場では、この職場では毎日正確に事務をこなすことが求められる業務なんですが、ここで業績評価の目標を設定しようとしたところ、結果的に自分たちの仕事のマニュアルをそれぞれ作ることを目標にしようというふうになったそうです。その結果、みんなが同じようなマニュアルを作ったということなんですね。これでは、業績評価をするために必要のない目標が無理やり設定されて、そのために不要な時間が使われただけだと、これ非常に不満が職場では出ております。こういうことが起こるんですね。
 大臣、数値目標による人事評価というのは公務の職場になじまないんじゃないか。いかがでしょうか。

○稲田朋美国務大臣 まず、国家公務員の人事評価は、給与、任用のみならず、職員の人材育成、自己啓発促進や勤務意欲の向上、人事管理のあらゆる面で活用する能力・実績主義の人事管理を行う基礎となるものであり、国家公務員制度の中でも非常に重要なものです。
 今、数値目標になじまないものがある、私もまさしくそのとおりだと思います。それは、例えば民間であったとしても数値目標になじまないものもあるし、ミスのない仕事をやるということも私は立派な目標であろうかというふうに思います。
 また、必ずしも数値目標を求めているわけではなくて、目標設定に当たっては、組織目標との整合性が取れているか、被評価者となる職員のポストにふさわしい目標となっているかなどの観点に留意した上で、できるだけ具体的に設定することとされているというふうに承知をいたしております。また、人事評価の実施に当たっては、評価者と被評価者のコミュニケーションが必須となっていて、職員の心身両面の健康状態を上司が確認できる重要な機会にもなっているというふうに認識をいたしております。
 現在の人事評価制度については、評価者と被評価者との間で十分コミュニケーションを取り、適切な目標を設定することを基本として定着しつつあるところであり、今後更に有効に機能していくことが期待をされているというふうに認識をいたしております。

○山下よしき 大臣も、民間であったとしても数値目標になじまない場合があると、それは私も同じ思いなんですが、そして数値目標だけが必ずしもというふうにお述べになりましたが、数値目標になじまないということで、一番大事な心掛けが外されて、何かためにするような目標になっちゃっているというのが実態としてあるということを是非御承知おきいただいて、改善していただきたいと思います。
 それからもう一つ、これまたゆゆしき問題が起こっております。
 業績評価では自ら目標を設定する、もちろん上司と評価者と相談しながらですが、自ら目標を設定するというのが基本にされておりますが、アンケートの中、国公労連のでは、職場の上位者が目標にした内容を自分の目標に設定させられたとか、評価者自身の目標を達成するために被評価者に目標を強要しているなどの事例が見られるわけですよ。
 人事院が行っている苦情相談を見ましても、パワハラが相談件数の三割を占めるようになっておりまして、直接関係があるかどうかは分かりませんが、私は、自らの成果を上げるために部下に同じ内容で目標設定を求めることも起きているということが、この業務成績評価の中でそういうやり方、在り方が起こっているということがパワハラを助長することになっているんじゃないかと危惧するものですが、この辺りの御認識、いかがでしょうか。

○稲田大臣 パワハラの相談件数が増加しているということに関して、その根源的な原因を特定することはなかなか難しいかというふうに思いますが、人事評価の実施で職員の心身に悪影響を及ぼすことがあってはならないというのは当然だというふうに思います。
 人事評価制度は、期首・期末面談を実施して上司、部下のコミュニケーションの充実を図ることなどによって信頼性を確保することをその趣旨としているわけでありまして、その制度を適切な運用を図ることが重要で、反対に、いやしくもその人事評価制度がパワーハラスメントの原因になるというようなことは絶対あってはならないし、そのようにならないように運用すべきだというふうに考えております。

○山下よしき そのようにならないように運用するということなんですが、そのようになってしまう構造的な問題がここにはあると私は感じているんです。なぜなら、評価者である上司自身も評価されるからです。そうすると、やっぱり自分の評価を上げるために部下に自分の評価が上がるような目標を設定させるということが起こっているというのが今のこの国公労連のアンケートに表れているんですよ。これはよく見る必要がある。
 それから、メンタル、パワハラと成績評価、業績評価の関係は定かではないということでしたが、私は、国家公務員に現在の人事評価制度を導入する際に、国会で、先行して実施されている民間職場における成績主義による弊害についても指摘をしておりました。これ、有名なレポートですが、富士通総研経済研究所の「成果主義の社員の健康」、2011年、レポートがありますけれども、ここでは、成果主義の導入とうつ病などの精神疾患による長期病休者、休業者の増加の関係が指摘され、成績主義の健康への影響は直視すべき課題だとされているんですね。これが公務にも広がりつつあるんじゃないかということは、やはり直視しなければならないと思います。
 国家公務員の中でもメンタルヘルス障害の増加は見過ごすことができません。資料をお配りしておりますが、2枚目を見ていただいたら、人事院がまとめた平成23年度長期病休者実態調査ですが、傷病別の区分を見ますと、メンタルヘルス、精神・行動の障害が3468人でもう第一位、断トツなんです。これは全長期病休者の六四・六%を占めております。別の資料を当たりますと、二十歳代では長期病休者の八割、三十代では七割五分がメンタルが原因になっています。若者のほとんどの長期病休者の原因はメンタルヘルス障害だということなんですね。
 稲田大臣、国家公務員の中でここまでメンタルが広がっている実態についてどう思われるか。それから二つ目に、業績評価、成果主義とメンタルヘルスの関係が疑われるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○稲田大臣 今委員が御指摘になった若い世代がメンタルヘルスによって長期病気休業者が増加している実態というのは官民別なく非常に残念でありますし、未然防止、また着実な治されてからの復帰というものが重要であると思っております。
 国家公務員に関しては、まさしく非常に大きな課題でありますし、全府省挙げてメンタルヘルス対策を強力に推進すべきであるというふうに考えております。新設いたします内閣人事局においては、使用者としての国を代表する立場から、今のメンタルヘルス対策を強力に推進すべき立場にあって、中核的な役割を果たしていくことが求められているというふうに思います。

○山下よしき メンタルヘルスにならないような対策、最も大事です。同時に、今これだけの方が、たくさんの国家公務員の方が現にメンタルヘルスで苦しんでおられますので、そこで人事院に伺います。国家公務員のメンタルヘルス対策のうち、職場復帰についてはどのような制度があるんでしょうか。

○井上利人事院事務総局職員福祉局長 お答えいたします。
 精神・行動の障害により療養している職員が円滑に職場復帰できるよう支援することは、公務の能率的な運営を確保するためにも重要であり、人事院は、各府省の人事当局や職員が職場復帰及び再発の防止のための助言を得ることができるよう、各府省が共同で活用できる精神科医等の専門医を確保した上で、本院及び各地方事務局に相談室を開設しているところであります。
 また、円滑な職場復帰及び再発防止については、円滑な職場復帰及び再発の防止のための受入方針を各府省に示しており、その中で、精神・行動の障害による療養のため長期間職場を離れている職員が職場復帰前に一定期間継続して試験的に出勤をする仕組みである試し出勤を提示し、その要綱を示しているところでございます。

○山下よしき 試し出勤という制度があるということなんですが、その試し出勤制度は具体的にどのぐらいの期間が設定され、どのような出勤パターンを想定しているのか。また、交通費の支給や通勤途上の公務災害の認定などはどうなっているか、御説明ください。

○井上局長 お答えいたします。
 試し出勤は、先ほども申し上げましたけれども、精神・行動の障害による療養のため長期間職場を離れている職員が職場復帰前に一定期間継続して試験的に出勤をする仕組みであり、職員の主治医、健康管理医、それから人事課長等の健康管理者により復職可能と考えられる程度に回復したと判断される職員のうち、試し出勤の実施を希望する職員を対象として実施しております。
 この試し出勤の実施期間及び実施プログラムは、健康管理者が健康管理医、それから職員の主治医、それから受入先職場の管理監督者及び職員の本人の意見を踏まえて設定することとなりますが、実施期間については一か月程度とすることを基本としつつ、実施状況及び職員の意向を踏まえて期間を短縮し、又はおおむね二週間まで延長することができることとしております。

○山下よしき ちょっとパターンについては御説明なかったんですが、資料3枚目にパターンA、B、Cという資料を載せてあります。要するに、一か月程度で、一週、二週、三週、四週で、どういう内容で徐々に職場に慣れていくかということが考えられているんですが、基本的に一か月というのは、まあ延長しても二週間程度、これはちょっと人によっていろいろ状況があるわけですから、短過ぎるのではないかというのが一つ。
 それから、この通勤パターンは、全部朝九時からスタートというのは、これは全部そろっちゃっているんですね。そうすると、徐々に職場に復帰をしてもらおうというときに、いきなり朝のラッシュアワーにもまれなければ出勤できないということでいいのかと。この二点、お答えください。

○井上局長 お答えいたします。
 試し出勤は、実施期間について一か月程度を基本としておりますけれども、これは、試し出勤は職員の主治医や健康管理医及び健康管理者により、復職可能と考えられる程度に回復したと判断される職員をまず対象にしているということ。また、そのように相当回復した状態にもかかわらず、一定期間試し出勤を実施しても結果が芳しくないときは療養を継続する方がよい場合もあると考えられることを考慮したものであり、これは専門家の意見も踏まえたものであります。
 なお、先ほど申し上げましたように、試し出勤の実施状況等を踏まえ、円滑な職場復帰の観点から適当と判断される場合には、おおむね二週間までは延長できることとしております。
 それからまた、御指摘の円滑な職場復帰及び再発の防止のための受入方針において例示しております試し出勤実施に当たり考えられるパターン例については、始業時間九時の場合を想定いたしまして、いずれも九時開始の例を示しておりますが、これは試し出勤の目的が職場復帰を円滑に行うことにあることに鑑みまして、通常始業時間に合わせて出勤する実施プログラムを組むことが望ましいと考えられることを踏まえたものであります。
 なお、試し出勤の対象となる職員の状況等によっては、職場復帰を円滑に行うという観点から、開始時間について柔軟に設定することも可能であると考えられるところであります。

○山下よしき 柔軟にということでした。実は、民間では更に弾力的に、多彩に職場復帰の支援がなされております。
 雇用保険を財源にしている地域障害者職業センターでの職場復帰支援、リワーク支援事業というものが行われておりまして、全国四十七か所、東京ではもう一か所支所があるそうですが、2006年スタートし、当初509人の利用者が昨年度は2114人となっており、実際の復職率も八割を超えていると聞きました。
 ここでの事業の具体的な中身、スタッフの配置などについて御説明ください。

○内田俊彦厚生労働省職業安定局雇用開発部長 お答えいたします。
 各都道府県にございます地域障害者職業センターにおきまして、うつ病等で休職している精神障害者の円滑な職場復帰を目指しまして、精神障害者の職場復帰支援、いわゆるリワーク支援を実施しているところでございます。
 その概要は、本人、事業主及び主治医の三者の合意に基づいて、同センターの障害者職業カウンセラーに加えまして、職場復帰支援を担当するリワークカウンセラーやリワークアシスタントと医師等との連携によって、本人の状況に応じて、本人に対する生活リズムの構築等への支援、事業主に対する復職の受入れに関する支援、リハビリ出勤支援などを組み合わせた継続的な支援をしているところでございます。なお、支援期間についてはおおむね三か月から四か月となっているところでございます。

○山下よしき おおむね三か月から四か月ということですが、これは出勤前なんですよね、ここは、いろいろ支援するのは。その後、出勤ができる、リハビリ出勤というそうですが、それが一か月ぐらいあるというふうに聞きました。本人の状況で出勤時間も様々、事業主と支援対象者の同意の中で進めているというふうに聞いておりますが、要は本人の状況に合わせて柔軟に取り組まれているこの民間の事業なんですが、これ非常に大事だと思いました。よく考えられているなと。
 独立行政法人労働者健康福祉機構の職場復帰支援の手引きを見ますと、復職に向けて、初めの二週間は四時間の内勤、三週目からは六時間、二か月目からは八時間、三か月目からは他の担当者と一緒に営業に同行という、外に出るということも考えられるなどの例が紹介されておりまして、非常に多彩で、本人の状況を中心に考えられているわけですね。その一つの例がここで紹介しているリワーク支援事業だと思いますが、ただ、これらに比べて、国家公務員の場合は非常に弾力性がない状況に置かれているのではないかということを感じるわけです。
 一つ例を紹介しますと、ある出先の国家公務員の機関の職場でうつで休んでいた人が復帰する際、例えば窓口からちょっと離れたところで相談状況を見るなどをさせるけれども、窓口に来る人たちからの視線が痛い、居場所がなくてストレスケアが十分できないという声が寄せられております、これは恐らくハローワークではないかと思いますが。職場復帰していきなり窓口は大変だから、ちょっと離れたところで見ていただこうということなんですが、窓口にはたくさんの方が並んでかなり緊迫した環境ですので、そこから離れて見るだけでも視線が痛いということがあるようです。
 ですから、こういう場合、民間でやっているリワーク支援事業などを利用できないかと。いきなり職場でそういう視線にさらされるんじゃなくて、もう少し弾力的な、前段階でのいろんな支援があってもいいんじゃないか。この民間でやっているリワーク支援事業などを国家公務員、地方公務員などが利用できないか。地方には教員の方も結構メンタルで離職されている方は多いんですね、休職されている方。だから、多彩なリワーク支援を受けられるような、こういうリワーク支援事業の利用が公務員も対象とできないかという希望が出ているんですが、大臣、いかがでしょうか。

○稲田大臣 今委員から様々な取組について御説明がありました。心の健康の問題で長期間職場を離れられた職員が円滑に職場復帰をすること、また再発防止はとても重要な課題だというふうに認識をいたしております。
 先ほど人事院からお話がありましたように、人事院では、円滑な職場復帰及び再発の防止のための受入方針を策定して、元の職場などに一定期間継続して試験的に出勤する試し出勤制度を実施する等の取組を実施をしています。また、総務省では、国家公務員福利厚生基本計画を策定し、各府省に、心が不健康な状態になった職員への早期発見、円滑な職場復帰の支援と再発防止等の心の健康づくりを充実させるよう促しをしております。また、総務省では、具体的なメンタルヘルス対策として、管理職員を対象としたメンタルヘルスセミナー、各自のパソコンを利用したe―ラーニングによる講習の実施を行っているほか、各府省でも職場のカウンセラーの実施、充実、メンタルヘルス対策の実施をしているというふうに承知をいたしております。
 国家公務員は国民共有の貴重な人的資源でもあり、非常に重要な方々でありますので、内閣人事局においては、既存の取組も踏まえて、ワーク・ライフ・バランスの実現、心の健康の問題による長期療養者の職場復帰の取組について一層強力に進めていきたいというふうに考えております。

○山下よしき 私の質問は一問だけだったんです。民間のリワーク支援事業を公務員も対象とできないですかという質問はいかがですか。

○井上局長 御質問に関連いたしまして、人事院が発出しております円滑な職場復帰及び再発の防止のための受入方針においても、試し出勤実施に先立ちまして、外部機関が提供するリワークプログラムやデイケア等で軽作業あるいはグループミーティング等の経験を積んでおくことや、職場の近くまで通常の出勤経路で移動を行うなどの訓練を行っておくことが有効である場合もあると考えられるというふうに言っております。

○山下よしき では、リワーク支援事業、公務員も対象となるというふうに理解していいんですね。

○内田部長 現在のリワーク支援事業、地域障害者職業センターにおいて行っておりますものは、先生御指摘ございましたように、雇用保険料を財源としてございます。したがいまして、雇用保険の被保険者でない国家公務員につきましては今の事業の対象とはならないということでございます。

○山下よしき 大臣、そうなんです、ならないんですよ。ならないことが問題だと私話聞いて思いましてね。そうすると、試し出勤にいきなり行くということに、やっぱり機会としてはそうならざるを得ないわけですね。
 ですから、国家公務員、本当に大事な人材だという認識は一緒なんですから、メンタルヘルス障害にならないようにすることが、予防することが最も大事です。しかし、たくさんの方が今苦しんでおられるわけですね、実際に、長期休職で。その方々をきちっと職場復帰してもらうというのも、これは国民にとって大事なこれは任務だと、我々にとってですね。
 そこで、お試し出勤前にそういうリワーク支援事業が受けられるような、民間の事業は残念ながら雇用保険から出されておりますのでできないというんですから、国家公務員についても民間でやられているような、これは国の支援が入っている事業ですから、国家公務員がこういう事業を受けられないというのは、やはりこの点ではちょっと抜けている点だと思うんですよね。この点、御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○稲田大臣 御指摘のリワーク支援のプログラムの事業は雇用保険料を財源としているので、雇用保険の被保険者でない国家公務員については対象にならないというふうに考えますが、今様々御指摘になった点なども参考にして、既存の取組も踏まえて、内閣人事局において長期療養者の職場復帰の取組を一層進めていきたいというふうに考えております。

○山下よしき 終わります。

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日本共産党参議院議員。香川県善通寺市出身。県立善通寺第一高校、鳥取大学農学部農業工学科卒業。市民生協職員、民主青年同盟北河内地区委員長・大阪府副委員長。95年大阪府選挙区から参議院議員初当選。13年参議院議員選挙で比例区に立候補3期目当選。14年1月より党書記局長。2016年4月より党副委員長に就任。2019年7月参議院議員4期目に。参議院環境委員会に所属。日本共産党副委員長・筆頭(2020年1月から)、党参議院議員団長。