私は、日本共産党を代表して、地方税法改定案及び地方交付税法等の改定案に対する反対討論を行います。
冒頭、この委員会の所管である情報公開法、それと車の両輪である公文書管理に関わって、質疑の中でも紹介した私に対する防衛官僚による虚偽説明は、国会質疑が成り立たなくなる重大な問題であることを改めて厳しく指摘しておきます。
その上で、法案に反対する理由の第一は、民間委託化を進めた一部の自治体のコストをもって全ての自治体の単位費用を算定するトップランナー方式の対象を、これまでの十六業務から十八業務に拡大することです。
この方式で、2016年以降、1,380億円もの基準財政需要額の減少になっています。総務省は、今後自治体の窓口業務も対象にすることを検討していますが、全国に先駆けて地方税の窓口業務を民間委託している大阪府では、税に関わる個人情報漏えいのリスク、納税者の生活、営業を無視した催告等の拡大のリスクなどが顕在化しています。
トップランナー方式は、住民サービスの低下、官製ワーキングプアの増大、地方交付税の削減をもたらすものであり、その拡大を到底認めるわけにはいきません。
第二は、まち・ひと・しごと創生事業費のうち人口減少等特別対策事業費の算定について、取組の必要度から取組の成果にシフトさせることです。
地方固有の財源であり、財政調整機能と財源保障機能の役割を担い、全国どの地域に住む人々にも必要な行政サービスを保障するための交付税を自治体間の競争をあおるために利用することは許されません。とりわけ、町村の財源削減に大きく影響する点は重大です。
第三は、地域経済・雇用対策費が削減され、単位費用で見れば住民1人当たり四割削られ、住民生活に欠かせない経費の削減、抑制をもたらす内容となっているからです。
一般財源総額を62兆2,000億円確保したと言いますが、地方財源を保障するものとはなっておらず、財源不足は22年にわたり、今回も地方自治体に負担をかぶせる臨時財政対策債の発行を延長しようとしています。しかも、公共施設の縮小、統廃合など新たな地方行革を押し付け、公共サービスをますます民間に委ねさせるものとなっています。これでは、住民の命と暮らしを守る自治体本来の役割を果たすことができません。
委員会でも同僚議員が指摘しましたが、巨額の内部留保を更に増大させている大企業に対する適正な課税など、応能負担の原則に立った税制の抜本的改革で国、地方の財源を確保するとともに、地方交付税の法定率を引き上げることに本気で取り組むべきであります。
地方税法の改定案については、PPP、PFIを推進するための特例措置や大手電力事業者の廃炉積立金制度創設を前提にした特例措置、外国軍隊への免税軽油の提供に関わる特例措置の創設などが含まれるなどしており、反対です。
以上、私の反対討論を終わります。