NHKの2017年度予算案が30日、参院総務委員会で全会一致で承認されました。衆院に続き、全会一致での承認は13年度以来4年ぶり。委員会でNHK執行部に質問しました。
冒頭、籾井勝人NHK前会長の「政府が右というものを左というわけにはいかない」「原発報道は(政府の)公式発表をベースに」などの発言で、公共放送のあり方が大きく問われたと指摘。「放送による表現の自由を確保すること」「放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること」と規定した放送法第1条が、「NHKと政府との関係はどうあるべきか、大切な基準になるのではないか」と問いました。
上田良一会長は「(第1条は)放送法の根幹というべき重要な規定だと認識している」と答弁しました。
私は、イギリスの公共放送BBCの元会長が「公共放送の役割は権力の監視」だと述べたことや、NHKも福島原発事故直後の放射能汚染を告発した番組を制作したことを紹介。「籾井氏の方針では、こういう番組はつくれないのではないか」とただしました。
上田氏は「公権力の監視もジャーナリズム機能の一つだ」と認め、「真実に基づく報道をしっかり守るよう執行を担いたい」と決意を語りました。
私は、NHKの前身「日本放送協会」が「戦争推進を担った事実をどう受け止めるのか」と質問。上田氏は「そのような歴史的経緯をふまえ、戦後の民主主義的な放送を保障するために放送法が制定され、現在のNHKとなった」と答えました。