私は、日本共産党を代表し、地方税法、地方交付税法の改定案等四法案に対し、いずれも反対の討論を行います。
法案の問題点に入る前に、安倍政権が、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に伴う埋立てで、新たな区画への土砂投入を開始したことに対し、民主主義と地方自治の名において断固たる抗議の意を表明するものであります。
7割以上が埋立て反対という県民投票の民意を無視し、1か月の工事停止と集中協議を求めた玉城デニー知事の要請も拒否した上に、大浦湾側の埋立面積の6割以上を占める軟弱地盤の改良には途方もない時間が掛かる、施工不可能な深度に軟弱地盤が存在することも確認されている。にもかかわらず、ただただ既成事実をつくって工事を進めようとする安倍政権のやり方は、まさに展望なき暴走と言わなければなりません。
このままでは新基地は完成せず、普天間基地が半永久的に固定化され、辺野古の海にコンクリートの巨大な残骸が残るだけであります。工事は即刻中止すべきです。さもなくば、安倍政権は、沖縄県民はもとより、国民から厳しい審判を下されることになるでしょう。
以下、法案に対する反対の理由について述べます。
第1の理由は、本法案が、国民、住民の暮らしに大打撃を与え、日本経済と地方財政を悪化させる危険が極めて大きい消費税増税を前提としているからであります。
3月13日の本会議質疑で、私は、総理に対し、消費税増税が景気悪化を招いて地方財政を悪化させた1997年の例を引いて、10月からの消費税10%への増税が地方財政を悪化させない保証はどこにあるのか問いましたが、総理は、家計消費が持ち直すことへの期待を述べ、地方財政悪化の懸念を否定されました。
しかし、その後、政府の景気動向指数に続き、月例経済報告も景気判断を下方修正せざるを得ませんでした。1997年は、上向いていた景気が消費税増税で急速に悪化したため、新たな地方の税源となる地方消費税が創設されたにもかかわらず、地方税収総額が逆にマイナスとなったのです。今、消費税10%を強行することは、坂道を下り始めた日本経済を後ろから蹴飛ばして谷底へと転がり落とすことになり、地方財政も悪化する懸念を拭うことはできません。
10月の消費税増税を前に、すでに4月から食料品など各メーカーの値上げ競争が始まっています。地方自治体の調達への影響は計り知れません。この増税前の値上げは、内閣府、内閣官房の消費税率の引上げに伴う価格改定についての指針、ガイドラインに沿ったものです。そこには、消費税率引上げ前に需要に応じて値上げを行うことなど経営判断に基づく自由な価格設定を行うことを何ら妨げるものでないと、わざわざ増税前の値上げを推奨しています。
総理は、20日の総務委員会で、このガイドラインについて、消費税導入前の駆け込み需要を防ぐために、ある意味価格を引き上げ、そして消費税が上がった後も消費が落ちないような工夫を自主的な判断で行っている、そういう対応を取っていると認めました。軽減税率の対象となり、税率が8%に据え置かれるはずの食料品の便乗値上げを政府が主導するとは言語道断と言わなければなりません。
安倍政権が進める国民健康保険の都道府県単位化は、これまで各市区町村が行っていた国保の財政運営を都道府県単位に移すものです。ここでも地方自治に逆行する事態が生じます。都道府県が市区町村ごとに算定する標準保険料率は、これまで各市区町村が国保料を抑制するために独自に行ってきた、一般会計からの国保会計への繰入れも、子育て世帯や高齢者世帯に対する減免も、すべてなしにすることを前提に算定されます。
この標準保険料率に合わせた場合、8割の自治体で、今でも高い国保料がさらに値上げになる危険があります。わが党の試算では、年収400万円の4人世帯で見ると、大阪市では、2018年度42万円だった国保料が46万円へと4万円上がる、東京品川区では、42万6000円が52万5000円に9万9000円も上がることになります。
消費税10%への増税に加え、国保料値上げが国民生活にダブルパンチとして襲いかかることになります。家計消費は確実に一層冷え込み、地方税収は抑えられることになります。消費税に頼るのではなく、富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革によって、この道に行くのではなく消費税10%への増税中止、高過ぎる国保料の値上げではなく値下げこそ行うべきであります。
反対理由の第2は、本来なら、地方交付税の法定率を引き上げ、地方の財源保障機能と財政調整機能を十分に発揮させるべきであるのに、それに背を向け、地方の事業の民間委託を促進するトップランナー方式など、上からの地方財政縮減を推し進めるものだからであります。
安倍政権は、骨太方針、改革工程表に基づき、地方の一般財源を厳しく抑制するために様々な手段を用いてきました。トップランナー方式を学校用務員などに段階的に拡大し、さらに窓口業務にも導入することを検討するとしていますが、住民と自治体職員との接点をとことん細め、住民福祉の増進という自治体本来の役割を弱らせるこの方式は直ちにやめるべきであります。
さらに、安倍政権は、地方創生1兆円交付金において、まち・ひと・しごと創生事業に行革算定の仕組みを持ち込み、自治体が必要に駆られて児童相談所職員や教職員、保育士などを増員すれば交付金が減額されるやり方を続けてきました。これは、児童虐待を防止するために児童相談所に新たに2200人の児童福祉司を配置する政府の方針とも根本的に矛盾します。
委員会質疑の中で、この仕組みによって今年度は21道府県で減額算定がされ、福岡県6億1000万円、神奈川県5億9000万円、埼玉県4億9000万円、愛知県4億8000万円、静岡県4億円を始め、合計48億円が本来交付される額から減額されたことが明らかになりました。一つの県で職員を数10人ないし100人規模で採用できる額に相当します。政府の方針とも矛盾するこの仕組みは直ちに廃止するべきであります。
反対理由の第3は、法案の具体的内容が地方税本来の性格を大きくゆがめるものだからであります。
自動車保有税の恒久的な引下げと環境性能割の1%減税は、業界団体の要望に応え、消費税増税による駆け込み需要と反動減への対策を行うものです。
さらに、消費税増税で自治体間の財政格差を拡大させながら、その格差是正の責任を一部の自治体に押し付けるやり方も問題です。新設される特別法人事業税は、地方税を国が取り上げ、他の自治体に回すやり方を恒久化するもので、地方自治体の課税自主権を侵害し、地方税制にゆがみを持ち込むものであり、反対です。自治体間の財政格差は、地方交付税の財政調整機能を回復させ、国の責任で是正すべきものです。
さらに、森林環境税は、東日本大震災を口実に導入し2023年度で終了とされていた個人住民税均等割への上乗せ1000円を、看板を替えて継続するものです。個人住民税の均等割は、所得税が非課税の人にも課税となる逆進性の高い税であり、国民生活を圧迫するやり方はやめるべきです。
森林整備の財源は、国の一般会計での林業予算や地方交付税で保障すべきであります。
以上述べて、反対討論を終わります。