日本共産党の山下芳生副委員長は30日の参院本会議で、2019年度決算について質問に立ち、安倍晋三首相(当時)主催「桜を見る会」への税金投入問題や同会「前夜祭」をめぐる疑惑、新型コロナウイルス感染症対策などをただしました。
山下氏は、安倍氏側が「桜を見る会」に招待した多数の後援会員を「前夜祭」にも招き、その費用としてホテル側に数百万円を補てんしていたとの報道が事実なら、公職選挙法と政治資金規正法への違反は明白だと指摘。首相が1年間もウソをついていたのは「国会と国民を愚弄(ぐろう)するものだ」と批判しました。また、官房長官として安倍氏と同じ答弁を繰り返した菅義偉首相の責任は重大だとして、安倍氏の証人喚問実現を自民党総裁として決断するよう迫りました。
菅首相は、自身の答弁は安倍氏に確認して「誠実に行ってきた」と強弁。「国会の運営は国会で決めることだ」として証人喚問要求を事実上拒否しました。
山下氏は、コロナ対策でひっ迫する医療機関への3兆円の支援金が実際には2割弱しか届いていない実態を示し、「医療関係者に感謝するというなら、減収補てんに踏み切るべきだ」と要求しました。菅首相は、田村憲久厚生労働相に「速やかに届けるよう厳しく指示している」と説明しつつも、減収補てんには応じませんでした。
山下氏は、菅首相による日本学術会議推薦の会員候補6氏の任命拒否について「強権をもって異論を排除する政治に未来はない」と批判。菅首相は「適切に判断を行った」と繰り返し、広がる抗議の声に背を向けました。