3日、国会内で記者会見し、環太平洋連携協定(TPP)交渉閣僚会合での「大筋合意」が見送られたことについて、「各国の経済主権や国民生活より多国籍企業の利益を優先させるTPPに対して、各国で反対の世論が広がった結果だ」と述べました。
また、日米交渉で日本政府が米側の要求に譲歩を重ねたと報じられていることについて、山下氏は「国会決議、自民党の公約に照らして、重大な背信行為といわなければならない」と指摘。農畜産物の関税引き下げや輸入枠の拡大など、とりわけ農業分野で譲歩を重ねたことは「国内農業と農村の崩壊を一気に進め、食料の安全・安定供給を脅かす」と批判しました。
そのうえで、「局面はまだ、緊迫した状況が続いている」と述べ、「各分野の国民的な運動と連帯してたたかう」ことを表明。そのうえで(1)この間の交渉経過を明らかにする(2)譲歩案を撤回する(3)TPP交渉から速やかに撤退する、ことを主張しました。
違憲立法は明らか 礒崎首相補佐官の参考人質疑
戦争法案に関わって「法的安定性は関係ない」などと述べて同日の参院安保法制特別委員会に参考人招致された礒崎陽輔首相補佐官の発言について記者団から問われ、「法案そのものが法的安定性を欠いた違憲立法であることが重ねて明らかにされた」と述べました。
礒崎氏が国際情勢の変化に伴って武力行使にかかわる「必要最小限度」の内容が変わると発言した部分について、この日の参考人質疑でも「間違ってはいない」と述べたことを指摘。「国際情勢の変化で政策的な変化は起こるだろうが、憲法上の規定からくる『必要最小限度』は変わってはならない。これが変わるということは法的安定性を欠くことになる。その部分について『撤回する考えはない』と、安倍政権全体の本音があらためて述べられた。非常に重大だ」と主張し、法案の違憲性が明らかになったとして廃案をめざすと述べました。