私は、日本共産党を代表して、電気通信事業法及び情報通信研究機構法の改正案に対し、反対の討論を行います。
NTTの固定電話網は社会を支える重要な公共インフラです。
NTTの固定電話網のIP網への移行は、2025年頃に中継交換機等が維持限界となるとして進められるものですが、本法案は、その際に保障されるべき利用者保護を十分に担保するものとなっておらず、問題です。
総務省情報通信審議会の第1次答申は、「サービスが終了される場合における利用者保護を確保するためのルール化を検討することが適当である。」としています。しかし、本法案では、IP網への移行によって利用者の利益に及ぼすおそれが大きい電気通信役務に関わる休廃止については、電気通信事業者が大臣に事前届出をすること、届出内容は休廃止について利用者への周知を行うことにとどまっております。
質疑の中でも、必要とされる代替措置が確保される保証がない、不安が残ることが明らかになりました。また、IP網に移行した場合、消防や警察などが緊急通報を受けた際の回線保留機能が廃止されること、光IP電話では停電時も電話が通じる局給電機能がなくなることが衆議院の委員会質疑でも明らかになっています。
なお、増加するIoT機器を悪用したサイバー攻撃によってインターネットに重大な障害が発生している事態に対処し、セキュリティー対策を強化することは必要です。その際、本来、利用者情報を知り得ない情報通信研究機構がパスワード設定の確認に、認定送信型電気通信設備サイバー攻撃対処協会が通信の秘密を含む情報共有等に関わるようになります。通信の秘密の厳守と個人情報の保護の徹底を強く求めます。
以上申し述べて、討論とします。