日本共産党の山下芳生副委員長・参院議員は5日、大阪市西淀川区でアスベスト建材が使われている工場・住宅地域を調査しました。日本では人体に有害なアスベスト含有のスレート(石板)が工場などの壁や屋根に多く使われています。老朽化で今後増大が予想される工場解体工事の際、アスベストが周囲に飛散することが懸念されています。
山下氏が調査した同区千舟地域は近年、新築マンションが建ち、子育て世代が増加しているところです。マンションや戸建て住宅に近接して立つ工場の多くは、断面が波形のスレートで造られていました。中には損傷したスレートの屋根を金属の板で覆っている建物もありました。
調査後、大阪アスベスト対策センターの伊藤泰司氏らと懇談した山下氏は「アスベスト飛散の危険性が住民の身近にあることがわかりました。意見を聞かせてください」と質問。「アスベスト建材は住宅や学校でも使われている。市民に危険性を啓発していくことが大切」「飛散させないという予防原則の立場で行政は対応してほしい」などの声が出ました。
今国会では大気汚染防止法改定案が審議されます。アスベスト含有のスレートなども規制の対象になります。ところが、その内容は欧米や韓国と比べ著しく低水準で、解体工事の際、アスベスト建材の有無の調査を、その工事関係者の仲間内に委ねられる問題点などが指摘されています。