山下芳生副委員長・党建設委員会責任者が25日に党内通信でおこなった全党への訴えは次の通りです。
全国のみなさん、お元気ですか。
先週に続き今週も、党内通信を使ってみなさんに直接訴えたいと思います。
先週17日に行った訴えは、リアルタイム視聴が9100カ所にのぼり、全国のみなさんに深く受け止めていただきました。
なにより、コロナ危機から国民の苦難を軽減する活動とともに、党員の命と健康を守ることを強く打ち出したことに熱い反応が寄せられました。
二つ目に、新型コロナウイルスから国民の命と暮らしを守るうえで、わが党が果たしている役割についての深い確信が寄せられました。
三つ目に、コロナ危機のもとでの党活動は、「無理をせず、いまできる課題を思い切って推進する」という基本姿勢で、党勢拡大については読者拡大に力を集中しよう、支部会議にかわる支部の連絡・連帯網をつくり強めようと呼びかけたことが歓迎されました。
コロナ危機のもとで、中央の提起を全国のみなさんが真剣に受け止め、困難ななかで党活動を維持・発展させるための新たな努力と挑戦が始まっていることに、訴えたものとして胸を熱くしています。
党の果たしている役割は大きい
新型コロナから国民の命と暮らしを守るうえで、日本共産党が果たしている役割は、この1週間でも大きなものがあります。
志位委員長が16日に発表した「感染爆発、医療崩壊を止める緊急提案」は、危機打開の展望を示すものとして広く歓迎され、政治を動かす力となっています。
「1人10万円」の給付が実現したことに続き、「事業継続のために、家賃など固定費の補填(ほてん)を」との提起は、与野党超えて共通の認識となり、家賃の補填は実現への道が開かれつつあります。
「医療崩壊を止めるために、検査体制の強化と医療現場への財政補償を」との提起は、PCR検査体制の拡充が与野党超えた共通の要求となり、医師会や自治体の努力とも相まって、安倍首相が「PCR検査センターをつくって、かかりつけのお医者さんが必要だと判断したら直接センターに行ける、そして検査もできるようにする」と表明するところまできました。
しかし、補正予算案のなかにPCR検査センターの予算はゼロ。これではすすみません。来週行われる国会での補正予算案の審議で、わが党は緊急提案の実現めざして論戦するとともに、野党共同で一致点での補正予算案の組み替え案を出して奮闘します。
志位委員長が29日午前、小池書記局長が30日午後、それぞれ衆参の予算委員会で質問に立つ予定です。党国会議員団の論戦も力にしながら、全党が新型コロナから国民の命と暮らしを守る役割を大いに発揮しようではありませんか。
これまでにない困難のもとで、発想の転換がいる
コロナ危機のもとで、党活動は「無理をせず、いまできる課題を思い切って推進する」という新しい提起の実践は、決して容易ではありません。
ある地区委員長からは、「党員の命を守りながら、できることを思い切ってやる。わかるけどどうやればいいのか」との悩みが寄せられました。ある支部長からは「支部会議をやらなければ活動は進まないのではないか」という戸惑いが届きました。
当然だと思います。いま私たちは、コロナ危機という党の歴史でもまったく経験したことのない異質の困難に直面しています。こういう時は、いい意味で割り切ること、発想を転換することが必要ではないでしょうか。
例えば、感染拡大防止のために、「3密」を避けるだけでなく、人と人との「接触」を避けようとなっている時に、支部会議が開けないこと、支部会議に参加できないことを後ろ向きに考える必要はありません。いま、あえて支部会議を開かず、党員同士の「接触」を避けることが、感染拡大防止という社会的責任を果たすことであり、党員の命と健康を守る同志的連帯の証しでもあると、前向きに考えることが大事ではないでしょうか。
電話による読者拡大にどうとりくむか
そのうえで、できることを思い切ってやろう、どんな困難な中でも党活動を維持し発展させようというのが今回の提起です。
「電話による読者拡大は経験がなく難しい」との声が出されています。これもある意味当然です。党勢拡大は、党員拡大だけでなく、「しんぶん赤旗」読者の拡大も、対面で、紙面を広げて購読を訴えるのが基本的なやり方でした。なので、電話による読者拡大の経験がない地区や支部が少なくないのは当たり前のことです。
しかし、この間、「しんぶん赤旗」党活動のページで紹介しているように、全国で新しい探求が開始され、すぐれた経験が各地に生まれています。
ある地区では、電話での読者拡大に、議員と支部が協力してとりくみ、今月、日刊紙7人、日曜版129人を拡大し、前進への勢いをつくりだしています。ある支部は、市議が先頭に立って、元読者名簿に電話をかけています。相手の不安や要望を聞くことから始め、「コロナ問題での『赤旗』の正確な情報を知ってほしい」と率直に購読を訴えています。ここでは、働きかけの数を思い切って広げ、拡大目標の5~6倍に電話をかけています。支部がよく知っている方には、まず支部の党員から電話し、途中で市議に代わって購読を訴えるなど、議員と支部との連携プレーで読者を増やしています。こうした経験は今、各地で生まれています。
共通しているのは、一つ、議員や幹部が先頭に立ち、支部と一緒に経験をつくっていること。二つ、対話では「お困りごとはありませんか」と相手の話をよく聞いていること、三つ、目標に見合った対象者の名簿を出し合い、多くの人と対話していること。四つ、事前に見本紙を届けておくと、大変話しやすく、購読につながりやすい。こういう教訓が共通しています。
ある市議は、「電話による拡大にはちゅうちょもありましたが、名簿にかけると、6~7割の人が不安や党への思いを語ってくれ、電話はすべてがプラスになると思いました」と語っています。すべてがプラス、マイナスはなし。やらないともったいない活動ではないでしょうか。
私が全国の経験を聞いて感じたのは、いま電話で「赤旗」購読を訴える活動そのものが、「国民の苦難軽減」という立党の精神を発揮した、かけがえのない活動となっていることです。「赤旗」は国民の命と暮らしを守るネットワークの役割を発揮しています。新型コロナ「Q&A」パンフや見本紙の内容に感謝の声が返ってきます。世論の力で安倍内閣の閣議決定を覆し、「1人10万円」の給付金が実現したように、「声をあげれば政治は動く」という希望を届ける電話になっています。
こうした声かけができるのは、さまざまな形で国民との結びつきをもつ日本共産党の草の根の支部、党員、地方議員のほかにはありません。国民に献身する党への誇りをもって、ためらうことなく「赤旗」の購読を訴えましょう。
連絡・連帯網づくりをどうすすめるか
支部会議開催の困難が広がる中、連絡・連帯網づくりの努力がはじまっています。ある支部では、支部会議を見送る決断とともに手づくりニュースの配布を始めました。ニュースには「体に気をつけて」「会えなくて寂しいですが、電話はOKですよ~」など気遣いの言葉がつづられています。「第28回党大会決定をじっくり読みましょう」の呼びかけや、日刊紙をとっていない党員に「日々変化する状況を正しく知るには日刊紙」と呼びかけています。
このニュースは支部委員が手分けして全員に届け、「困っていることがあれば連絡ください」と声をかけています。支部長は「コロナ危機を克服し、みんな元気に顔を合わせられたらと、一人ひとりの顔を思い浮かべながら活動しています。『1人じゃない。みんなつながっている』と伝えたかった」と語っています。あたたかいですね。
「連絡・連帯網と言われてもイメージがわかない」との声も寄せられています。難しく考えることはありません。一人ひとりの党員のみなさんは、コロナ危機の困難な中でも、それぞれの条件のもとで、日本共産党員らしく生きよう、活動しようと努力されています。その努力に光をあて、交流することで、互いに励ましあうことが、今ほど大切なときはありません。連絡・連帯網がある支部は、ニュースや電話・メールなどで連絡をとりあい、連絡・連帯網がない支部は、こういうときこそ、党員一人ひとりの困りごとを聞き、励ましあうことから始めましょう。党員が自分と家族の命と暮らしの不安にさらされ、孤立の心配もある時だからこそ、連帯の声を1人残らず届けましょう。
支部長ひとりで支部員みんなに声をかけるのは大変です。副支部長や支部指導部をつくるなど荷を分かち合い、みんなの知恵と力を集めて連絡・連帯網づくりをすすめましょう。
この機会に大会決定の読了、日刊紙の購読を全党員に呼びかけ、党費納入100%をめざしましょう。
党大会決定の読了を喜び合える党に
先週の訴えでは、「いま学習は心おきなくやれます。学習の基本は独習です」と呼びかけました。ある市議の同志は、「『訴え』は、私の思いと活動にぴったりとあてはまる内容でした。県内でも感染者が多く、感染拡大防止のため、党活動や議員としての活動も、これまで経験したことのない状況です。連絡を密にし、励ましあい、三つの支部と、日刊紙10人、日曜版22人の読者を拡大し、30人の目標を達成しました。この原動力になっているのが、独習です。コロナ対策への党の提言や、『改定綱領学習講座』をくり返し読むなかで、“新自由主義、資本主義の矛盾が今の状況を生み出している。私たちが展望する未来社会を待っている”と確信を深めています」と感想を寄せてくれました。
いま、わが党が綱領路線にもとづき、新型コロナ危機打開のために緊急問題と抜本的問題の両面での展望を示していることへの確信を、学習によって、すべての党員のものとできるなら、社会を変革する大きな力となることでしょう。
党大会決定の5文献をまだ読めていない人が、この機に一つでも二つでも読了し、そのことを支部のみんなで喜び合えるような党に前進しましょう。
4月の読者拡大の到達と強化方向について
最後に、4月の読者拡大の到達と強化方向について訴えます。
読者拡大は、4月前半は、増勢した年とほぼ同じペースできていましたが、後半に入って勢いをつくれていません。昨日までの読者拡大の到達は、日刊紙1070人、日曜版8531人となっています。これは、増勢した2016年4月の同時期と比べて、日刊紙が78%、日曜版が82%であり、現状のとりくみの延長では、読者の後退の危険が大きくなっています。
一方で、この数日、「1人10万円の給付を実現したのは世論の力。補償まで行わせよう」という訴えに、電話での働きかけでも宣伝でも、明るい反応が寄せられています。党本部への購読申し込みも急増しています。
4月前進をかちとれるかどうかは、残る1週間、最後までの頑張りにかかっています。
すべての党員のみなさん。自分の結びつきになら声をかけられる、全国の友人・知人にお手紙と見本紙、「Q&A」パンフを送ることならできる、地方議員や役員と一緒なら電話できるなど、一人ひとりができる活動を最大限追求しましょう。
地方議員のみなさん。率先して電話による読者拡大にとりくみ、その経験を支部のみなさんに伝え、支部を励まし、支部の立ち上がりをひろげてください。4月の前進は、みなさんの肩にかかっていると言っても過言ではありません。
コロナ危機は、創刊以来92年、幾多の困難を乗り越えてきた「しんぶん赤旗」にも、かつてない試練を課すものとなっています。この危機を乗り越え、連帯と希望を育むネットワークとなっている「赤旗」の発行と配達・集金網を守ることは、国民的意義をもつものです。
この4月、全党の力を集め、コロナ危機のもとでも「赤旗」を守り前進させる画期的な結果をご一緒につくろうではありませんか。
私も、全国のみなさんと心ひとつに頑張ります。ともに頑張りましょう。