大役に家族から励まし
──若き新書記局長としてメディアでも注目さています。
山下 13年間書記局長を務められた市田忠義さんに代わっての大役です。責任の重さを感じています。
党大会で書記局長就任が決まった18日、地元大阪の党支部・後援会のみなさんが胡蝶蘭(こちょうらん)の鉢を持ってわが家に来られて、妻を励ましてくれました。私は今でもなかなか家に帰られへんし、三男はまた小学生ですから、いろいろ察していたたいてのことでした。上の息子たちからは「お父さん、健康に気をつけて」と励ましをもらいました。 フェイスブック上で知り会った大たちや他党の元国会議員の方からも「大役ですが、頑張ってくたさい」「のびのびやってくたさい」などメッセージをたくさんいたたきました。ありがとうございます。
笑いあり、涙ありの大会
──党大会の討論で代議員の発言に何度もうなずかれていましたね。大会の印象は?
山下 笑いあり、涙あり、生きた人間ドラマありの連続で、実に感動的な大会でした。
今回の大会は、安倍自公政権の暴走と国民のたたかい、日本共産党のたたかいが正面からぶつかりあう激突の情勢のもとで開かれました。
代議員のみなさんの発言で、国会たけでなく全国の地域・職場・学園が 「自共対決」の主舞台となっていることが語られたのが特徴でした。そしてそのなかで日本共産党に出会い、問題の根源と打開の展望をつかんで入党する。 「共産党に助けられた。今度は自分がまわりの困っている人を助けたい」と急速に変革者、組織者になる人間ドラマの発言が次々ありました。 代議員のみなさんの発言を聞き、「共産党はすばらしい力をもっている」「みなさんと一緒に力をあわせれば、新しい政治を切り開く仕事が必ずできる」-そんな思いがどんどん心に染み込んできました。一番勇気をいただいたのは、自分自身たと思っているんですよ。
若い世代のエネルギー
──20~30代の代議員の発言は大きな反響をよびましたね。
山下 ええ。自らブラック企業で働き苦しめられた「どん底」「暗闇」のなかで党に出会い、「自分と同じようなつらい人を増やしたくない」と入党し、政治変革に立ち上かっている若い代議員の発言には、日本共産党こそ若者たちのエネルギーを発揮できる政党だと確信できます。
志位和夫委員長は大会討論の結語で「若い世代の悩みや苦しみに心を寄せ、そのエネルギーに信頼を寄せ、願いや思いをともに実現し、日本共産党という希望を届け、未来への展望を語ることは、若い世代に対する日本共産党の重大な責任」と述べました。その仕事に力を注ぎたいと思います。
──ところで山下さんと 党との出会いは。
山下 学生時代(鳥取大学)に党員の先輩と自治会活動を通じて出会ったのがきっかけでした。戦前、多くの学生が学徒出陣で勉学のためのペンを銃に持ち替えさせられ戦場で散った。その侵略戦争に命がけで反対し、どんな弾圧にも屈しなかったのが日本共産党だったということを知り、 「信念を貫くことが人の役にたつ生き方になる」と入党しました。
大会で「ここにいま僕がいるのは、たまたま共産党に出会ったから」とある若い代議員が語っていましたが、自分もまったく同じです。いろいろ悩み模索する。でも自分で選びとって最後に残ったのが共産党でした。それはやっぱり自分が納得できたからです。
新しいことに挑戦する
──大会では2010年代に「党勢倍加」と「世代的継承」という党建設の二大目標をやりとげようと決めました。どのようにすすめたいですか。
山下 大会後、代議員のみなさんや視聴した機関役員の方が地元での報告会や新春のつどいなどで大会の感動を熱く自分の言葉で語っています。そのなかで入党者が3人、4人と相次いで生まれています。
何より、大会の討論で語られた党勢拡大の実践を通じて、二大目標の実現は可能だということが明らかになりました。これは大きな成果です。“大会で決まったからやらねば”と構えるのでなく、“語りたい。語ってみたらこたえてくれた”となっている。「自共対決」時代の本格的始まりという新たな情勢のもとで、日本共産党の役割が見えやすくなっているからでしよう。
党大会で語られた人間ドラマが力になって、さらに新しい人間ドラマが生まれています。すべての地区委員会や支部、党員のまわりに新たなドラマを広げるためには、党中央としてどんなことをやればいいのかという観点でとりくんでいきたいと思います。
大会決定の具体化、実践の先頭にたつ新しい中央委員会には若い同志も多く選出されました。21人で構成する書記局も、試され済みのベテランから、フレッシュな同志までそろっています。一人ひとりがもっている力をそれぞれ発揮し、大きな力にしていく。そんなチームワークを大切にしたいと思います。失敗を恐れず、どんどん新しいことに挑戦することがいま党活動全体にとって大事だ、という立場で活動していきたいですね。
山登りとうどん打ちと
──山にも登られるそうですね。
山下 学生時代はワンダーフォーゲル部に入っていました。就任後の新聞インタビューで、「リーダーは一番最後に歩く。全体を見渡し、疲れた人がいれば声をかける」のが山登りの原則といったことがあるのですが、党の活動も一緒だと思うんですね。一人でいくのは大変だけど、チームワークによって困難な道を開くことができます。
趣味でいえば、うどん打ちですかね、讃岐うどん。香川県で生まれ育ちましたから。妻が立ち上げた子育て支援のNPOのイベントでときどき講師になって打っています。大会が終わってからは打つ暇がありませんが、いずれまた振る舞いたいですね。
──24日に通常国会が始まりました。
山下 昨年の臨時国会で安倍政権が強行した秘密保護法には空前の反対運動が広がりました。この国民のエネルギーはほんとうにすごい。今回の通常国会では初日から秘密保護法廃止の国会包囲のたたかいがおこっています。
安倍政権による卑劣な沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設の押し付けに対し、市民は屈せず市長選で勇気ある良識を示しました。安倍政権の暴走に対し、国民的な大反撃が始まっている中での国会です。
あらゆる分野で対決・対案・共同の立場を今まで以上に発揮して、「日本共産党ここにあり」の大奮闘をして、国民のたたかいを促進する役割を発揮したいと思います。私も参院の国会質問で思いっきり国民の声を政府にぶつけ、対決します。
「しんぶん赤旗」2014年1月26日付より