27日、国会内で記者会見し、参院で同日審議入りした戦争法案について、「衆院での論戦の到達点にたち、法案のもつ現実的危険性、違憲性がどこにあるか、徹底した追及で廃案に追い込みたい」と表明しました。
このなかで、同日の参院本会議での安倍晋三首相の答弁について、衆院での審議と同じで繰り返しとごまかしばかりで、国民の理解を得ようとする姿勢がなかったと批判。
また、アフガニスタンの治安部隊を支援する「確固たる支援(RS)任務」への将来的な自衛隊参加に含みを持たせたことなど、危険性も隠しきれなかったと指摘しました。
さらに国民運動をめぐって、29都道府県につくられた「安保関連法案に反対するママの会」や、自らも参加した「総がかり行動実行委員会」による国会包囲行動をはじめ、全国各地に広がる国民の怒りとたたかいに言及。「法案の強行で、国民の怒りが高まり、『反対』の声がいっそう広がっていると実感します。主権者の声を聞かない政治はいらないという雰囲気に満ちあふれ、国民主権の大原則が生きた形で示されていると実感しました」と強調しました。その上で、「廃案を勝ち取るために国民運動の高揚に貢献できるよう全国各地で奮闘したい」と述べました。
礒崎陽輔首相補佐官が戦争法案について「法的安定性は関係ない。(集団的自衛権行使が)わが国を守るために必要な措置かどうかを気にしないといけない」などと立憲主義否定の暴言をして波紋を広げています。政府・与党自ら、集団的自衛権行使を禁じたこれまでの憲法解釈を百八十度覆しながら法案の「法的安定性」を強調してきただけに重大な発言です。
この発言は、礒崎氏が26日に大分市内で行った講演でのもの。この中で礒崎氏は「『憲法解釈を変えるのはおかしい』と言われるが、時代が変わったのだから政府の解釈は必要に応じて変わる」とまで述べました。
会見のなかで礒崎氏の発言について、「戦争法案が法的安定性に欠けるもので、これまでの憲法解釈を百八十度変える『違憲立法』だと政府自ら認める発言だ」と批判。「この法案は、参院審議を通じて、廃案にするしかないことがますます明らかになりました」と語りました。
礒崎氏の発言をめぐっては与党からも「足を引っ張るようなことがないようにしてほしい」(山口那津男公明党代表)などの苦言が出され、参院安保法制特別委員会の鴻池祥肇委員長は27日の理事懇談会で、発言の事実関係や真意を理事会に報告するよう自民党理事に求めました