国保料値上げ問題、特別支援学校の教室不足問題 
2019年03月25日 参議院予算委員会

山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 今、全国で国民健康保険の保険料が高過ぎることが大問題になっております。国民健康保険の加入者は、職を持たない高齢者、非正規で働く若者など、所得の低い方が多く加入しています。にもかかわらず、保険料は他の健康保険と比べて飛び抜けて高いと。国保の構造問題と言われております。
 安倍政権は、昨年4月から国民健康保険の都道府県単位化を進めています。国保の都道府県単位化でどう変わるのか。厚生労働省の資料によりますと、ポイントは2点です。パネルにしました。(資料提示)
 これまで市区町村ごとに行っていた国保の財政運営を都道府県単位化すること、二つ目に、都道府県が市区町村ごとの標準保険料率を算定、公表すること。厚労大臣、間違いありませんね。

根本匠厚生労働大臣 その点においては間違いありません。

山下よしき お認めになりました。その下で何が起こっているのか。全国の市区町村で、今でも高い国保料が更に値上げされようとしております。
 都道府県が公表した2019年度の標準保険料率に合わせた場合、国保料がどうなるかを試算いたしました。パネルにしました。大阪市の場合、年収400万円、4人世帯では、2018年度42万円だった国保料が46万円へ4万円上がります。年収240万円の単身者では、20万2000円が21万2000円へと1万円上がります。年金280万円の高齢者夫婦では、16万7000円が18万2000円へと1万6000円上がります。
 さらに、新宿区の場合も試算をいたしました。年収四百万、4人世帯では、42万6000円が52万5000円に9万9000円上がる。年収二百四十万の単身者では、16万3000円が20万1000円に3万8000円上がる。年金280万円の高齢者夫婦では、15万5000円が19万1000円に3万6000円上がると。極めて高い国保料が更に上がるということになるんですね。
 何でこんなことになるのかといいますと、この都道府県が行う標準保険料率の算定は、これまで市町村が独自に保険料を抑えるためにやっていた例えば一般会計から国保会計への繰入れも、あるいは子育て世代、1人親世帯などへの減免も全部なしにして計算することになるからであります。そういう算定の仕方を都道府県にさせているのは国なんですね。
 総理に伺います。
 安倍政権が導入した国保の都道府県単位化で、今でも高い国保料が更に値上げされようとしております。これでは国保加入者の生活は成り立たないのではないか、国保料を払えずに滞納する人がますます増えて、お医者さんに行けない方、命を落とす方も増えるのではないかと思いますが、総理、いかがですか。

安倍晋三内閣総理大臣 詳しくは根本大臣からお答えをさせていただきますが、今回の国保改革では、国保の財政運営を都道府県単位化することにより財政の安定化を図ったことに加えまして、年約3400億円の財政支援の拡充を行います。財政基盤を大幅に強化をしたところであります。その中で、低所得者、低所得の方への支援や子供の被保険者の多い自治体への支援を拡充するとともに、保険料水準の激変緩和措置を講じています。また、差押えの対応についても、個別の状況に応じたきめ細やかな対応を講じているところでございます。

山下よしき いやいや、総理ね、3400億円の財政基盤強化とおっしゃいましたけど、その3400億円投入した後で試算したらこうなっている、上がるんですよ。物すごい上がるじゃないですか。認めないんですか。

根本厚労相 3400億円の、財政基盤強化のために投入しました。そして、この保険料率と自治体の、今委員がお示しになりましたけど、その点について申し上げますと、標準保険料率、これは市町村ごとの所得水準や医療費水準を勘案して都道府県が算定する、これは理論上の保険料率であります。そして、実際の保険料率は、各市町村において保険料の算定方式や積立金の状況、一般会計繰入れ等を考慮して決定されるものであります。
 このため、2019年度の標準保険料率が算定されても、実際の保険料率は今後決定されることになりますから、2018年度の実際の保険料率を単純に比較することは難しいのではないかなと、こう考えております。
 いずれにしても、国保については3400億円の公費の、国の支援を行っておりますので、全体として我々、負担感、負担は緩和していきたいと思って対応しているところであります。

山下よしき じゃ、何でこんな算定やらすんですか、都道府県に。
 さっき根本大臣は、実際の保険料は市町村が決めるんだとおっしゃいました。これまでだったら財政運営が市町村単位ですから自分で決めることができたでしょう、何も縛られることなくね。しかし、こういうものを、都道府県単位化に財政運営がされた下でその都道府県から標準保険料率を示されたら、これはもう単なる参考では済まないんですよ。A市がこんな標準保険料率守りませんと決めたとしたら、それによって、B市、C市、D市にこのしわ寄せが行くんじゃないかという圧力が、これ掛かってくることになりますよね。だって都道府県単位で財政運営することになったんですから。
 実際、現に厚労省が先進例と示している大阪府では、あと5年で全ての市町村を統一保険料にすると決めているんですよ。もう例外なしですよ。全部の市町村一緒に大阪府が決めた保険料率にすると言っている。
 財政制度審議会、平成31年度の予算編成に関する建議、どう書いてあるか。国保財政の都道府県化を機に、速やかに法定外一般会計繰入れを解消というふうに書いてあるんですよ。
 繰入れを解消したら上がるに決まっているじゃありませんか。それを、都道府県化を機に繰入れをなくそう、解消させようと国がしているじゃありませんか。上がるじゃありませんか、大臣。

樽見英樹(厚生労働省保険局長) 国民健康保険の都道府県単位化ということでございます。
 まさに、その都道府県を財政単位にするということによって財政規模は大きくなりますので、それによって、その市町村ごとの保険料は、したがいまして、上がるところもあれば下がるところもあるという関係になるわけでございます。そういうことも含めて財政的には安定するというような構造になっているということを申し上げたいと思います。
 それと併せて、これまで保険給付に五割の公費負担というのを国民健康保険やってまいりましたが、さらに公費の先ほどの3400億円の財政支援の拡充というようなことを行いまして、財政基盤を大幅に強化するということをやっているということでございます。
 標準保険料率は、そういうことで都道府県のレベルで算定する理論上の保険料率ということでございますが、まさに、これまで市町村でいろいろやってきたというところの違い、あるいは財政方式の違い、あるいは収納率の違いといったようなこともありますので、直ちにそれを1本にするということではなくて、まさに都道府県と市町村とよく相談をしていただいて保険料を決めていただくと、そういうことで進めているということでございます。

山下よしき 今、政府の方から、直ちに1本化するわけではないと。そのとおりなんですよ。大阪府だって5年掛けてやるんですよ。これにずっと圧力掛かって収れんされていくような仕組みをつくったんですよ。そのためにつくったんですよ、これは。
 実際、標準保険料率に合わせるために、国保料の値上げが起こっております。去年1月30日の北海道新聞、こうあります。国民健康保険の運営が道に移行されるのに合わせ、旭川市は新年度から市独自の保険料軽減制度を段階的に縮小し、2024年度に廃止する方針を決めた。こういうことが既に起こっているんですね。軽減制度を縮小し、廃止するということは、国保料が上がるということであります。
 旭川市の軽減制度を見ますと、国保料の均等割を18歳未満については五割軽減する、そういう制度だったんですね。高過ぎる国保料の中でも1番問題なのが、私はこの家族の人数に応じて掛かってくる均等割だと思います。旭川市の場合、子供の均等割は3万8000円なんですよ。だから、赤ちゃんがおぎゃあと1人生まれたら、3万8000円国保料が上がると。これでは心からおめでとうと言えないですよ。まさに少子化を促進する、それが均等割なんです。そこで、旭川市は子供の均等割を軽減することにしたんですね。
 ところが、2016年度に始まった子供の均等割の五割軽減が、2018年度、国保の都道府県単位化に伴って三割軽減に縮小され、2024年度に廃止されることになったと報じられております。
 総理、子供に係る均等割については、全国知事会や全国市長会からも軽減制度をつくってほしいと要望が出ております。総理も、2月1日の参議院本会議の答弁で、地方の意見を聞き、引き続き検討すると答弁されました。
 しかし、国保の都道府県化でそれに逆行する事態が起こっております。少子化を促進する事態が起こっております。総理、問題だと思いませんか。

安倍首相 詳しくは厚労大臣から答弁させますが、国保改革においては、交付金制度を見直しをして、子供の被保険者数が多い自治体への財政支援を強化をいたしました。
 子供の均等割保険料の今後の在り方については、財政支援の効果や、そして国の国保財政に与える影響などを考慮しながら、厚生労働省を中心に、国保制度に関する国と地方の協議の場において引き続き議論をしてまいりたいと考えております。

山下よしき 総理、引き続き協議すると、考えているとおっしゃいますけど、協議する前に均等割の軽減が逆に縮小されちゃっていますよ。総理の答弁と逆行する事態が目の前で今起こっているんですよ。
 北海道新聞は、国保の都道府県化に合わせ、軽減制度を縮小、廃止と報じております。これ、因果関係はっきりしているんですよ。国の、国保の都道府県化によって、せっかくの子育て世代への軽減、負担軽減がなくなっていっている。これはゆゆしき問題だと思いますね。このままでは私はえらいことになると思います。国保料の値上げと消費税10%への増税がダブルで国民生活に襲いかかることになります。いいのかと。
 私、消費税10%への増税が世帯ごとにどれだけの増税額となるかも総務省の家計調査に基づいて試算をしてみました。パネルにしました。年収400万円の4人世帯では、消費税が10%に上がりますと3万4000円程度の増税額になります。年収240万円の単身者では1万8000円程度の増税額になります。年金暮らしの280万円の高齢者夫婦では3万2000円程度の増税額になるわけですね。消費税10%の増税額です。先ほど試算してパネルにしました国保料の値上げを合わせますと、それぞれ赤い矢印のように、大阪市の場合は7万4000円、2万8000円、4万8000円の負担増、新宿区の場合は13万3000円、5万6000円、6万8000円の負担増です。
 総理、これではもう家計、もたないんじゃないですか。国民生活は破綻するんじゃありませんか、総理。

安倍首相 消費税の引上げにつきましては、これはまさに、伸びていく社会保障に対応するためと同時に、国の信認を確保する、そして子供たち、子育て世代に大胆に投資をしていくために引き上げていくものでございますので、我々は、リーマン・ショック級の出来事がない限り、法律にのっとって引上げを行っていきたいと、こう考えているところでございます。

山下よしき いやいや、国民生活が破綻するんじゃないですかと問うたんですよ。

安倍首相 今回の消費税の引上げによって、先ほど、子育てに、この保険料について子育てに逆行するのではないかというお話がございましたが、今回の消費税の2%の引上げを行うと同時に、10月から幼児教育、保育の無償化を行うことになるわけでございますし、来年の4月からは真に必要な子供たちに対する高等教育の無償化を行う。言わば、子供の教育費、保育費等の負担を思い切って軽減をしていくことにもつながっていくと、こう考えているところでございます。
 また、低年金者に対する給付、年金の給付も行う予定でございます。

山下よしき 子育て世代、低年金者世帯に対してこれだけの負担がかぶってくるようなことをこれから安倍政権がやろうとしているという問題を提起しているんです。
 さっき、自民党席の方から、大阪市、新宿区以外はどうなんだと。全部試算していますよ、都道府県の標準保険料率が発表されたところ。八割の自治体で国保料は上がるということになっているんですよ。これは全国的な趨勢なんですよ。その上に消費税10%、まさにダブルパンチじゃありませんか。これで国民生活が破綻するんじゃないかと言っているのに、一言も答えがないと。驚くべき生活実感だと言わなければなりません。
 大体、社会保障のための消費税と言っていたけど、どこが社会保障のためですか。消費税を増税しながら、今でも高い国保料を更に値上げして、医療を受けられない人を増やす。国民をだまし討ちにするようなやり方だと言わなければなりません。
 私は、消費税増税も国保料の値上げもどちらもやめるべきだと思いますし、財源はありますよ、財源はある。大企業にせめて中小企業並みに法人税を払ってもらえば、年間4兆円。そして、富裕層の株のもうけにせめて欧米並みに税金を掛けて、下げ過ぎた所得税、住民税の最高税率を元に戻したら、3兆円。合わせて7兆円ですね。消費税10%中止の財源にもなるし、昨年、全国知事会が提言された、公費1兆円投入による国保料大幅値下げの財源もこれで出てくるんですね。日本共産党は、こういう別の道があるということを国民の皆さんに広く知らせて、ダブルパンチを止めて、高過ぎる国保料を引き下げるために頑張ることを表明したいと思います。
 さらに、特別支援学校の問題について、次、質問したいと思います。
 私は、社会保障の充実というんだったら、障害のある子供たちの教育環境こそ充実させるべきだと思います。
 総理に伺います。障害のある子供たちが学ぶ特別支援学校が果たしている役割について、どう認識されているでしょうか。

安倍首相 先ほどの……(発言する者あり)いやいや、先ほどの引き上がる市町村が多いというパーセンテージについて厚労省から答弁をさせたいと、こう思います。(発言する者あり)いや、その共産党の調べとちょっと違うわけでございますので。
 そして、私に対する質問でございますが、特別支援学校の教室不足など教育環境に関するお尋ねでありますが、まずはこの特別支援学校については文科大臣から答弁させたいと思います。

金子原二郎予算委員長 樽見保険局長、簡単に。

樽見局長 はい、簡単に申し上げます。
 保険料が国保改革によって上がるか下がるかということでございますけれども……(発言する者あり)

金子委員長 速記を止めて。
   〔速記中止〕

金子委員長 じゃ、速記を起こしてください。
 樽見さん、席に帰ってください。

柴山昌彦文部科学大臣 特別支援教育について御質問でございます。
 障害のある子供に対してその障害の種類や状態に応じて柔軟な対応が行える教育環境を整えて学校教育を提供することによって子供の権利を充実させていくということで、極めて重要でございます。

山下よしき 先日、私は、ある特別支援学校を視察いたしました。障害のある子供にこそ本物の芸術をと、美術や音楽の専門の先生が配置されていました。音楽の授業を見学いたしました。ピアノや打楽器のメロディーとリズムに合わせて子供たちが声を出し、体を弾ませていました。立っている子もいれば、椅子に座っている子、それからもう寝転がっている子もいました。大変リラックスして音楽を楽しんでいました。その様子を見て、この子たちは間違いなくこの授業を楽しんでいると、力を引き出されている、仲間と一緒に学んでいると感じました。もう余りに楽しそうなので、私も思わず笑顔になったんですけれども。
 先生方に話を伺いますと、子供たち1人1人について、人格的発達はどこまで来ているか、今この子には何が必要か、教師がみんなで話し合いながら集団で判断していると言います。教育の原点を見た思いがいたしました。子供たちの内側から発達要求を引き出すという言葉にも感動いたしました。
 保護者の声も聞きました。ある保護者の方は、人の集まりが苦手、友達との関わりがストレスという子でしたが、支援学校に通うことにより、そのストレスが軽減され、大人との関わりから子供への関心も増えましたと語ってくれました。別の保護者の方は、子供を支援学校に行かせて良かったと思うのは自己肯定感が高まったところかな、得意なところはめっちゃ褒めてもらえて、少し苦手なことは少しでもできるようになったら評価してもらううちに自信付けてきたと思うと語ってくれました。
 支援学校は、障害のある子供たちの学び、発達する権利を保障する大事な役割を果たしていると思います。
 総理、先ほど御答弁ありませんでした。総理の認識を伺います。

安倍首相 障害のある子供に対し、その障害の種類や状態に応じて柔軟な対応が行える教育環境を整えて学校教育を提供することは重要であります。
 このため、政府としては、法律に基づく設置義務を有する都道府県に対し、特別支援学校の新設や増改築等に取り組もうとする都道府県等に国庫補助を行うなど必要な支援を行うとともに、学校指導要領において障害の特性に応じた指導上の配慮事項を規定するなど、特別支援教育の充実を図ってきたところであります。
 今後とも、こうした取組を通じて、障害のある子供たちが安心して学ぶことができる教育環境を整えてまいりたいと思います。

山下よしき その特別支援学校に通う児童生徒が今、全国で急増しております。
 特別支援学校の児童生徒数と学校数の推移をグラフにしました。2000年に全国で9万人だった児童生徒は、2018年に14万3000人になりました。1.6倍に増えております。1.、学校数は992校から1141、1.15倍。児童生徒数の急増に対して学校建設が全く追い付いていないという実態にあります。私が訪ねた滋賀県の草津養護学校、三雲養護学校、野洲養護学校では、僅か10年の間に児童生徒が1.5倍から1.9倍に急増しておりました。
 そういう中で、子供たちが学ぶ教室が足らなくなる事態が生まれています。文部科学大臣、特別支援学校の教室不足数、全国で幾つありますか。

柴山昌彦文部科学大臣 特別支援学校の教育環境の整備については、従来から各設置者である地方公共団体において取組が進められているところですけれども、調査によれば、近年の特別支援教育を必要とする児童生徒数の増加により、全国で合計3430室が、1時的にはありますけれども、1時的ではありますけれども、不足しているという調査がございます。
 それぞれ各地方公共団体は、これに対して、学校の新増築や、特別教室や管理諸室を教室に転用するなど、教室不足に対応しているということですけれども、先ほど総理が答弁をされたように、国としてもしっかりと、財政的支援等を始め、こうした事態に対応してまいります。

山下よしき 3430、教室不足があると。1時的だとおっしゃったけど、1時的じゃないですよ。もう20年近くずっとこういう状況があります。
 その下で何が起こっているか。教室不足のために、ある支援学校では玄関前の通路で体育の授業をやっています。後ろに写っているのは靴箱ですね。クラスが増えて、運動場や体育館の空きがないんですね。だから、私が見学した支援学校も、体育館をどうやって使うのかを、そのカリキュラムを組むのにもう一生懸命組合せをやっていました。あぶれる子供たちはこういう状況になるんですね。
 それから、多くの支援学校で特別教室が普通教室に転用されております。ある支援学校の小学部の転用状況を伺って、図にいたしました。これ、左側は一階の図でありまして、元々生活室と音楽室があったんですが、二つのクラスの教室に転用されました。右側は二階の図ですが、教材室、生活室、図工室がありましたが、いずれも潰されて四つのクラスの教室に転用されました。要するに、転用というのは特別教室を潰すことであります。
 音楽室が潰された学校では普通教室で音楽の授業をやっておりまして、隣の教室に音が響くので、音楽の授業なのに音を出してはいけない事態になっております。それから、別の支援学校では、子供たちが社会に出たときに困らないようにするために、学校新設の際に作法室というのを造ったそうです。小さな前庭があって、玄関から入って部屋に上がることができる、そうやって挨拶する訓練をするという作法室を造ったんですが、それも普通教室に転用するために潰されてしまいました。それから、この写真のように、図書室が潰されたために廊下に本が並んでいる支援学校もありました。
 総理に伺います。障害のある子供たちにこそ本物の芸術を、障害のある子供たちにこそより豊かな教育環境をと先生や保護者の皆さんが長年努力されて、創意を発揮されて築いてきた豊かな到達点が本当に困難に直面しております。こんな状態は普通の小学校や中学校にはありません。総理、おかしいと思いませんか。放置できない事態だと思いませんか、総理。

柴山文科相 今委員が御紹介をいただいたように、非常に特別支援教室、不足をしているという実態から、様々な問題が生じていることは事実であります。
 特別支援学校は、対象とする障害の種類に応じた多様な施設や設備が必要とされていることなどから、各学校の状況に応じて柔軟な対応が可能となるよう、その施設や設備についての基準は設けられていないところであります。
 ただ、特別支援学校の設置について、学校教育法80条において、都道府県がその区域内において就学する児童生徒に必要な学校を設置しなければならないこととされておりますので、一義的には都道府県の責任において、障害のある児童生徒の状況や地域の実情などを考慮した上で、そうした特別支援学校の設置等について対応をいただくものだというように考えております。
 ただ、この特別支援学校の教室不足ということについて、今御指摘のあるような状況があることを踏まえて、私どもといたしましては、先ほど総理が答弁をされたような整備に係る補助制度を平成26年度に創設したところでありますけれども、その上さらに、各都道府県に対しまして、平成28年、潜在的なニーズを含め、児童生徒数を把握し、解消計画を策定、更新した上で、新設校の設置や校舎の増築、分校、分教室の設置など、適切に対応するよう求めているところであります。
 いずれにいたしましても、今後とも、今委員が御指摘された、障害のある児童生徒が安心して学ぶことができる教育環境の整備を国としても懸命に進めていきたいと考えております。

山下よしき 様々な問題が生じていることは事実って、そんなさらっと言っていい問題ですかね。子供たちの学ぶ権利が今、目の前でこれは保障されない事態が起こっているわけですよ。一刻も放置できない事態ではないか、その認識、残念ながら聞こえてきませんでした。
 さらに、教室不足で起こっている実態を紹介します。
 教室が足りないために、一つの教室をカーテンなどで間仕切りして、二つのクラスが使用する事態が全国の支援学校で生まれております。この写真は、間仕切りした教室で片側で行われている授業の様子であります。これ、NHKさんの放送から借用しましたけれども、隣の教室から、大丈夫、一つずつ慣れていきましょう、そしたら実習問題、算数の授業でしょうか、その声が聞こえてきていますね。こちらでまた別々の授業がされているということであります。
 障害のある子供の中には、突然大きな声を上げざるを得ない子供さんもいます。そういう大きな声が突然聞こえてくると、パニックになって授業が受けられなくなる子供さんもいます。ですから、こんなカーテン1枚、間仕切り1枚ではそういう状況が防げない。教育上極めて深刻な状態であります。この問題はもう20年近く続いているんですね。国会でも2008年から問題となっていますけれども、解決されておりません。
 総理、一刻も放置できない問題だという認識、ありませんか。

柴山文科相 ソフトの面とハードの面、それぞれ我々、課題解決に向けて取組を進めております。
 今、ハードの面、設備等の面について御指摘をいただきました。先ほど答弁をさせていただいたとおり、必ずしも我々、施設や整備の基準については特別な基準を設けておりませんけれども、学校教育法による規定により、省令である学校教育法施行規則においては、特別支援学校の学級編制基準などについては規定をさせていただいております。
 また、ソフトの面においても、特別支援学校において、障害のある児童生徒が1人1人の教育的ニーズに応じた適切な指導及び必要な支援を受けることができるように、特別支援学校学習指導要領の改訂などによる指導の充実、また、特別支援学校教師の専門性の向上、特別支援教育に係る専門家の配置に係る補助事業の実施などを行っているところであります。
 まだまだ狭隘、あるいは共用による設備の不足などについては理解をしておりますけれども、繰り返しになりますが、我々として、こういった状況を放置しないで、ハード、ソフト両面にわたってしっかりと支援をしていくということを進めていきたいと考えております。

安倍首相 もちろん政府としては、こうした現状についてもちろん把握をしておりますし、この現状を放置するという考え方はもちろん全くございません。今までも努力を重ねてきたところでございますが、潜在的なニーズも含めて、この教室不足の解消のための計画的な取組を促して、各都道府県に対しては促すとともに、特別支援学校の施設整備に対する国庫補助を行うなど必要な支援を実施してきたところでございますが、今後とも、こうした状況の解消のために力を、努力をしていきたい、また都道府県とともに努力をしていきたいと、こう考えております。

山下よしき 今総理から、放置するつもりは全くないと答弁がありました。
 こういう事態、異常事態の根本に、では何があるのかと。私は、特別支援学校にだけ学校設置基準がないことがあると言わなければなりません。
 先生と保護者は、特別支援学校にも学校設置基準を作ることを強く求めております。2012年から毎年、数万筆の署名が提出されております。私も、この署名運動で特別支援学校にだけ学校設置基準がないことの深刻さを改めて認識いたしました。
 文部科学大臣、確認いたしますが、学校設置基準とは何ですか。

柴山文科相 先ほども少し紹介をさせていただきましたけれども、学校設置基準というのは、学校を設置しようとする者が、学校の種類に応じて、設備、編制その他に関する設置基準に従い、これを設置しなければならないと規定されているところでありまして、例えば、文部科学大臣が制定した小学校設置基準においては、施設及び設備は、指導上、保健衛生上、安全上及び管理運営上適切なものでなければならないこと、校舎及び運動場の面積、その校舎には図書室、教室、保健室、職員室を備えなければならないことなどが定められております。

山下よしき 今大臣から答弁のあった学校設置基準、どういう性格なのかと。
 上は、今読み上げられた第3条、学校教育法第3条ですけれども、その下側に文部科学官僚の書かれた解説書から抜粋したものがあります。
 学校として備えるべき人的組織や物的組織等について、一定の準拠すべき基準がなければ、設置者の財政事情や教育に対する情熱の相違などによって、学校教育が一定の水準を下回ることになる懸念がある。公の性質を持つ学校がその学校の名に値しないような低劣な状況下で設置されたり運用されたりすることは国法の期待するところではないから、学校教育法は、学校の設置基準についても規定を設けているのである。
 そして、この性格としては、最低基準の性格、学校設置の認可基準たるの性格、そして法規命令としての性格を持つと述べています。
 文科大臣、間違いありませんね。

柴山文科相 性格としては、おっしゃるとおりだと思います。

山下よしき 次に、先ほど柴山大臣ちょっと紹介されました文部科学省の小学校設置基準から施設及び設備の中心部分を抜き出してパネルにいたしました。
 一つ、校舎、運動場の面積(ただし、特別な事情かつ教育上支障がない場合、下回っても良い)。割と柔軟に対応ができるようになっています。二つ、教室(普通教室、特別教室等)、図書室・保健室、職員室を備える。三つ、体育館を備える(ただし、特別な事情かつ教育上支障がない場合、なくても良い)。
 こういう小学校設置基準ですが、この学校設置基準、小学校だけではなくて、幼稚園にも中学校にも高校にも大学にもありますね。しかし、特別支援学校にはありませんね。確認です。

永山局長 御指摘のとおり、学校教育法第1条に規定する学校において、実質的に、設置基準、いわゆる文部科学省令による設置基準がないのは、実質的には特別支援学校のみでございます。

山下よしき お認めになりました。この学校設置基準がないのは特別支援学校だけなんですね。
 そこで、具体的に提案したいと思います。私は、この設置基準が、法規命令としての強力な基準がないことが、さっき言った、とんでもない、学ぶ権利が侵害されている状態が長く続く根本にあると思っております。ですから、これは具体的に提案いたしますけれども、この学校設置基準がない特別支援学校にもこの小学校設置基準と基本的に同じ基準を作ってはどうかと。文科大臣、いかがですか。

柴山文科相 先ほど少し紹介をさせていただいたんですけれども、そもそも、この特別支援学校というのは、障害のある児童生徒が、本当に様々なタイプの児童生徒がいることから、その教育環境の整備について、特別支援学校においては、その生徒に応じた適切な指導及び必要な支援が行うことができるよう適切に対応いただくべきものということからそうした設備基準というものが設けられていないわけであります。
 文部科学省の調査によると、児童生徒の増加に伴う、先ほど紹介させていただいた1時的な対応として特別教室を普通教室に転用している場合があるということは承知をしておりますけれども、ただ、委員がお示しをいただいた資料にあるとおり、特別教室を普通教室に転用している場合であっても、教育上の支障、これがあるかどうかということが非常に重要な観点であろうかというように思っております。
 特別支援学校の教室不足による教育環境の悪化がこれ以上生じないよう、また改善するよう、都道府県等に対し、教室不足の解消のための計画的な取組を促す通知を平成28年に私どもとして発出するとともに、特別支援学校の施設整備に対する国庫補助を行うなど必要な支援を行っております。
 今後とも、そうした状況が少しでも改善するように、各都道府県の取組を我々としてしっかりとサポートしていきたいと考えております。

山下よしき 何でこの三つを作ったら柔軟な対応ができないのか、様々な子供さんに応じた適切な対応ができないのか。おかしいですよ。
 もう時間が迫ってまいりましたので。
 校舎、運動場の面積、これ決めたら何が問題になるんですか。

柴山文科相 例えば、車椅子やストレッチャーなど、児童生徒の使用する機器や介助の要否を踏まえた必要なスペース、また、年度の途中で入退院等による児童生徒の転学等や重複障害の児童生徒による学級編制などに対応した教室、障害種に応じた設備、点字ブロックやスロープなどや自立活動用の教室の確保などについて、やはり先ほど申し上げたように個別、柔軟に対応する必要があるというように考えております。
 そういった必要となる施設や設備は個々の子供の状態によって変わってくるものであり、一律の基準を設けることは困難であるというように考えております。

山下よしき いや、校舎や運動場の面積を最低基準として決めたら、なぜ体の大きな子供さんたちの発達とか対応に支障になるんですか。ならないじゃないですか、最低基準なんですから。

永山賀久(文部科学省初等中等教育局長) 先ほどの御答弁にもありましたけれども、年度の途中で入退院とかで児童生徒数の数が変わるということもございます。そういった状況にも柔軟に対応するということもございますので、やはり面積につきましても一律に定めることは困難であるというふうに考えてございます。

山下よしき 今のは全然一を否定する理由ではありません。
 では、2番目、教室、普通教室と特別教室等、なぜこれがあっては駄目なんですか。
 それから、柴山大臣、さっき特別な事情と言いましたけど、この2番目にはそれないですよ。特別教室は特別な事情があろうがなかろうが造らなければならないというのが小学校設置基準ですよ。これを何で特別支援学校、障害のある子供たちの学校には造ったら問題があるんですか。具体的に教えてください。

永山局長い 設置基準にはございませんけれども、学校教育法施行規則というものがございまして、これは全ての学校に共通の規定でございます。その規定におきましては、教室についても必要だといったことも規定がございます。

山下よしき そういう強力な、最低基準としての法的根拠のあるものじゃないんですよ、今言われたのは。だからどんどん潰れているんですよ。
 柴山大臣、何でこれ駄目なんですか。

柴山文科相 規則において一定の定めがあるというように申し上げておりますけれども、設置したら駄目ということを答弁してはおりません。

山下よしき 駄目なんじゃなかったら設置しましょうよ。設置しましょうよ。

柴山文科相 先ほど来何度も答弁をさせていただいたとおり、個々の学校の事情や児童生徒の障害の特性、またそれぞれの設置者や学校の財政状況等に応じて適切に対応いただくべきものと考えており、国としてもそれをサポートをしていきたいというように考えております。

山下よしき さっきから適切な対応適切な対応と言って設置基準がないことを合理化しようとしているけど、設置基準がないことによって音楽室が潰れているんですよ。適切な対応ができなくなっているんですよ。あんなに豊かな個性あふれる成長の姿を見せてくれた子供たちから音楽室を奪うのが適切な対応ですか。
 障害のある子に音楽室は要らないと、それが文科省の立場ですか。

柴山文科相 繰り返しになりますけれども、それぞれの学校の状況や児童生徒の障害の特性等を適切に考慮した上で当該学校あるいは先生方に対応していただくということがふさわしいというように考えております。それができないということであれば、我々としても、しっかりと状況を確認した上で必要な指導等をしていきたいというように考えております。

山下よしき 本当にこの設置基準がないことによって起こっている実態をもっと直視すべきですよ。幾ら聞いても、私は、今この挙げた二つ、三つ目は行けませんでしたけれども、小学校設置基準と基本的には同じ設置基準を特別支援学校に作ることがなぜできないのか、全くまともな理由は返ってきませんでした。特別支援学校に最低基準としての学校設置基準を作らない合理的理由はありません。
 総理、障害者権利条約には何とあるか。第24条、教育のところには、障害者が、その人格、才能及び創造力並びに精神的及び身体的な能力をその可能な最大限まで発達させることということがうたわれております。音楽室がなかったら、最大限能力が発達できないじゃありませんか。それを支えるのが公教育じゃないですか。私は、それを、ないんだったら作るのが政治の役割だと、責任だと思いますが、総理の見解を求めます。

安倍首相 先ほどもう既に大臣から答弁をさせていただいているわけでございますが、この特別支援学校の設置については、学校教育法において、都道府県が区域内において就学する児童生徒に必要な学校を設置しなければならないこととされておりまして、基本的には都道府県の責任において障害のある児童生徒の状況や地域の実情等を考慮した上で適切に対応いただくものと考えておりますが、今後とも、先ほど申し上げましたように、各都道府県と協力をしてしっかりと支援をしていきたいと、こう考えております。

山下よしき 障害のある子供たちの学ぶ権利、そして発達する権利が保障されない事態をなくすために設置基準を作ること、校舎新増設を促す緊急の財政措置をとることを強く求めて、質問を終わります。

参院予算委員会で質問に立ちました

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森友「安倍夫人の名で入園」首相夫妻の道義的責任追及

 冒頭、学校法人「森友学園」が運営する塚本幼稚園の退園者の親族から届けられた声を紹介し、同園を持ち上げてきた安倍晋三首相夫妻の道義的責任をただしました。
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「侵略」「植民地支配」 首相、歴史認識の言明拒む 「安倍談話」欺まん浮きぼり 
【議事録】2015年8月24日 参議院予算委員会

○山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 今年は、戦後70年の節目の年に当たります。日本共産党は、日本が行った侵略戦争と植民地支配によって犠牲となった内外の人々に深い哀悼の意を表するとともに、過ちを2度と繰り返さない決意を新たにするものであります。
 総理は、8月14日、安倍談話を発表されました。そこには、侵略、植民地支配、反省、おわびなどの言葉はちりばめられていますが、侵略と植民地支配を行ったのは誰なのか、主語がありません。戦後50年の村山談話に示された、日本が国策を誤り植民地支配と侵略を行ったという歴史認識は、全く語られておりません。反省とおわびも、過去の歴代政権が表明したという事実に言及しただけで、安倍総理自らの言葉としては語られておりません。そこで、総理自身の歴史認識を今日は聞きたいと思います。
 まず、植民地支配について聞きます。
 私は、植民地支配というのだったら、どの国がどの国を支配したのかが肝腎要だと思います。総理は、日本が植民地支配を行ったという認識をされているのでしょうか。

○安倍晋三内閣総理大臣 21世紀構想懇談会の報告書においては、日本がかつて台湾や韓国を植民地化したこと、そして戦争への道を進む中において、1930年代後半以降、植民地支配が過酷化していったことが記載されています。懇談会において有識者の方々が共有した認識、その報告書の上に立って今回の談話を作成したわけであります。
 戦後、全ての民族に自決の権利が認められるべきだという考え方が国際社会の大きな目標となりました。そうした国際的な流れの中で、日本も自らの過去を振り返り、植民地支配から永遠に決別し、全ての民族の自決の権利が尊重される世界をつくっていくことを強く決意しました。今回の談話においては、そのことと併せて、過去の植民地支配も含め、さきの大戦における行いについて痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明した歴代内閣の気持ちについて、私の内閣においても揺るぎないものとして引き継いでいくことを明確にしたところでございます。

○山下よしき 今、懇談会の報告書では明記されているという御答弁でしたが、私は安倍談話を幾ら読んでもその主語を見出すことはできませんでした。
 そこで聞いているんですけれども、総理は日本が植民地支配を行ったという認識をお持ちなんですか。

○安倍首相 この談話については、言わば談話全体が一つのメッセージになっているわけでございますから、一つ一つを切り取って、それを一部分だけを切り取って議論するのは、より幅広い国民とメッセージを共有するという観点からは適切ではないと、こう考えるわけでありますが、今回の談話作成に当たりましては、様々な有識者の方々にお集まりをいただきまして、21世紀構想懇談会の中で様々な議論をいただいたわけでございます。当然、それぞれ視座は異なったわけでございますが、その中において共通の一つの認識が示されたわけでございまして、それは今申し上げたとおりでございまして、21世紀構想懇談会の報告書においては、日本がかつて台湾や韓国を植民地化したこと、そして、戦争への道を進む中において、1930年代後半以降、植民地支配が過酷化していったことが記載されているわけでございまして、この談話を発表する冒頭申し上げたとおり、私はこの報告書を歴史の声として受け止めたいと思いますと、こう述べたところでありまして、この報告書の上に立って今回の談話を発出したところでございます。

○山下よしき 報告書の上に立ったのに、なぜ安倍談話では日本が植民地支配を行ったという認識が示されていないのか。歴代の政権は示しておりますよ。村山内閣は談話で、我が国が国策を誤り、植民地支配と侵略を行ったと、日本が植民地支配を行ったということをはっきり述べておりますよ。それが述べられていないんです、安倍談話には。
 そういう認識、総理自身にないんですか。

○安倍首相 今回の談話作成に当たりましては、例えば今御紹介をいただいた村山談話における国策を誤りといった抽象的な用語で終わらせず、どのように針路を誤ったのか、歴史の教訓を具体的に酌み取らなければならないと考えました。ただし、政治は歴史に謙虚であるべきとの考え方の下、その具体的な作業については、21世紀構想懇談会を設け、有識者の皆さんに行っていただいたわけであります。
 その報告書の上に立って、今回の談話においては、第1次世界大戦後、戦争自体を違法化する新たな国際社会の潮流が生まれる中で、当初は日本も足並みをそろえたが、世界恐慌が発生し、経済のブロック化が進むと、日本経済は大きな打撃を受け、その中で日本は孤立感を強め、外交的、経済的な行き詰まりを力の行使によって解決しようと試みた旨述べた上で、満州事変、そして国際連盟からの脱退、日本は次第に国際社会が壮絶な犠牲の上に築こうとした新しい国際秩序への挑戦者となっていった……

○岸宏一予算委員長 簡潔な答弁をお願いいたします。

○安倍首相 進むべき針路を誤り、戦争への道を進んでいきましたと記しているわけでございます。

○山下よしき 幾ら聞いても、肝腎要のことは答えられません。なぜ安倍談話に日本が植民地支配を行ったという認識が示されていないのかと聞いても、お答えはありません。
 私は、じゃ、角度を変えますが、日本がどの国に対して植民地支配を行ったのか、これは非常に大事ですが、その認識、総理はありますか。

○安倍首相 これは先ほども申し上げましたように、21世紀構想懇談会の報告書において、日本がかつて台湾や韓国を植民地化したこと、そして戦争への道を進む中において、1930年代後半以降、植民地支配が過酷化していったことが記載されているわけでありまして、この懇談会の報告書を歴史の声として受け止め、その上において今回談話を発出したところでございます。

○山下よしき 受け止めたのになぜはっきり書かないのかということを聞いているんですよ。
 歴代の政権は、そのことについてもはっきり語っております。村山談話の翌年、1996年2月16日、自民党の橋本龍太郎総理は参議院の予算委員会で次のように述べております。
 韓国併合につきましては、昨年11月、村山前総理が金泳3韓国大統領に宛てた書簡におきまして、韓国併合条約における植民地支配の下において朝鮮半島地域の方々に耐え難い悲しみと苦しみを与えたことにつきまして、深い反省と心からのおわびの気持ちを抱いていることを表明されたと記憶いたしております、私としても同様でありますと。橋本総理は、韓国併合条約によって日本が朝鮮半島を植民地支配したという認識をはっきり自分の言葉で国会で述べております。
 総理、あなたも同じ認識ですか、それとも違うんですか。あなた自身の言葉でお答えください。

○安倍首相 談話においては、「我が国は、先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきました。その思いを実際の行動で示すため、インドネシア、フィリピンはじめ東南アジアの国々、台湾、韓国、中国など、隣人であるアジアの人々が歩んできた苦難の歴史を胸に刻み、戦後一貫して、その平和と繁栄のために力を尽くしてきました。こうした歴代内閣の立場は、今後も、揺るぎないものであります。」と明確にしているところでございます。

○山下よしき 全く答えていないですよ。総理、ちゃんと自分の言葉で答えてくださいよ。
 橋本総理も、朝鮮半島を日本が植民地支配したとはっきり認識を述べました。私は、報告書で何を書いているかを聞いているんじゃありません。安倍談話にはそれがないんです。だから、安倍さん自身がそういう認識があるのかどうか、はっきりお答えください。

○安倍首相 今回、専門家の皆さんにお集まりをいただいて、そして21世紀構想懇談会の中で様々な御議論をいただき、一定の共通認識を得るに至ったわけでございます。その上において、それを一つの歴史の声として受け止め、それを前提に今回談話を作成し、それを閣議決定したわけであります。つまり、この談話が全てでございまして、その中からお酌み取りをいただきたい。
 今申し上げましたように、「インドネシア、フィリピンはじめ東南アジアの国々、台湾、韓国、中国など、隣人であるアジアの人々が歩んできた苦難の歴史を胸に刻み、戦後一貫して、その平和と繁栄のために力を尽くしてきました。こうした歴代内閣の立場は、今後も、揺るぎないものであります。」、つまり、それは全く変わりがないわけでございます。(発言する者あり)

○岸予算委員長 速記を止めてください。
   〔審議一時中断〕

○岸予算委員長 速記を起こしてください。
 それでは、山下さん、もう一度質問してください。

○山下よしき これは、橋本総理だけじゃないんですね。1998年10月8日、自民党の小渕恵3総理は、訪日した金大中韓国大統領とともに日韓共同宣言を発表いたしました。そこには、「両国が過去を直視し相互理解と信頼に基づいた関係を発展させていくことが重要」ということを述べた上で、「小渕総理大臣は、今世紀の日韓両国関係を回顧し、我が国が過去の一時期韓国国民に対し植民地支配により多大の損害と苦痛を与えたという歴史的事実を謙虚に受けとめ、これに対し、痛切な反省と心からのお詫びを述べた。」とはっきり書かれてあります。小渕総理もまた、日本による植民地支配によって韓国国民に多大な損害と苦痛を与えたということをちゃんと語っているんですね。
 総理は、先ほどから何遍聞いても総理自身の言葉でそのことを語らない。これまでの歴代政権の認識を引き継ぐと言われますが、全く違うじゃないですか。もう一度答えてください。

○安倍首相 まさに談話で、安倍内閣の談話で示しているとおりでございます。
 まさに、ここに書いてありますように、事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう2度と用いてはならない。植民地支配から永遠に決別し、全ての民族の自決の権利が尊重される世界にしなければならない。さきの大戦への深い反省、さきの大戦への深い悔悟の念とともに、我が国は、そう誓いました。自由で民主的な国をつくり上げ、法の支配を重んじ、ひたすら不戦の誓いを堅持してまいりました。70年間に及ぶ平和国家としての歩みに、私たちは、静かな誇りを抱きながら、この不動な方針を、これからも貫いてまいりますと述べているわけでありまして、そして、その上において、まさにこれは私が総理大臣として、安倍内閣として談話として発出したものでありますから、これはそのままお受け取りいただきたいと、こう思うわけでありまして、我が国は、さきの大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明してきました。その思いを実際の行動で示すため、インドネシア、フィリピン始め東南アジアの国々、台湾、韓国、中国など、隣人であるアジアの人々が歩んできた苦難の歴史を胸に刻み、戦後一貫して、その平和と繁栄のために力を尽くしてきました。こうした歴代内閣の立場は、今後も、揺るぎないものであります。
 まさに安倍内閣においても揺るぎないものでありますし、今後もそれは揺るぎないであろうということをここに述べたものであります。(発言する者あり)

○岸予算委員長 速記を止めて。
   〔審議一時中断〕

○岸予算委員長 速記を起こして。

○山下よしき じゃ、もう一回だけ聞きますね。
 有識者懇談会の報告書には、日本が植民地支配したとはっきり書いてあるんです。何でそれを安倍談話では削ったんですか。何でそれを書かないんですか。なぜ安倍総理自身の言葉で語らないんですか。それを言ってください。

○安倍首相 今回なぜ有識者懇談会をつくったかということでありますが、言わば政治は、政治は……(発言する者あり)まず、ここから話をしなければ御理解いただけないのではないかと思います、残念ながら。

○岸予算委員長 静粛に。

○安倍首相 まず、政治は歴史に謙虚でなければならないということであります。それは常に、一つは、政治は歴史から知恵を学ばなければならないということであります。同時に、歴史を見るときに、政治的、外交的な配慮をすることによって事実をねじ曲げてはならないということであります。だからこそ、政治は歴史に謙虚でなければならない。そういう観点から、今回、まさに様々な視点を持つ方々にお集まりをいただいて議論をしたわけでございます。
 そして、そこで出された提言について、先ほど申し上げましたように、それを歴史の声として受け止めたということを申し上げたわけであります。その声を私は総理大臣として受け止めたわけであります。その声を受け止めて、まさにその受け止めた上において今回談話を発出したところでありまして、まさに先ほど述べたように、さきの大戦への深い悔悟の念とともに我が国はそう誓ったわけでありまして、そして、こうした歴代の立場は、安倍内閣もそうでありますが、今後も揺るぎないということを述べているわけでございます。

○山下よしき 全く答えになっておりませんよ。
 ただ、唯一、一つだけ答えがあったのは、政治は、言葉を発するときに政治的影響を考えなければならないということだけでした。
 ということは、橋本総理、小渕総理は、日本が朝鮮半島を植民地支配したとはっきり言っていますよ。これ、政治的配慮が足らなかった、間違いだったということですか。

○安倍首相 それは、それぞれの総理の見識においてなされた発言だろうと思います。

○山下よしき 何遍聞いても、そのことを言いません。結局、肝腎なことははっきり答えないんですよ。引き継ぐと言いながら、日本が朝鮮半島を植民地支配したという核心部分については一切語らない、一番大事な点は引き継いでいないということがはっきりしたと思います。
 安倍談話は、さらに、日露戦争と植民地支配の関係について触れております。
 では、日露戦争が朝鮮半島の人々に何をもたらしたのか。日露戦争と朝鮮半島の植民地支配の関係について、総理の認識を伺いたいと思います。

○安倍首相 この談話の中において、2つ目のパラグラフ以降、100年以上前の世界には、西洋諸国を中心とした国々の広大な植民地が、広がっていた。圧倒的な技術優位を背景に、植民地支配の波は、19世紀、アジアにも押し寄せました。その危機感が、日本にとって、近代化の原動力となったことは、間違いありません。アジアで最初に立憲政治を打ち立て、独立を守り抜きました。日露戦争は、植民地支配の下にあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけたということで、言わば、当時の多くの西洋諸国の下の植民地の人々が、自分たちはなかなか独立できないのではないかという人々に対して勇気を与えたという事実を書いたわけでございます。
 それと、この日露戦争の結果と朝鮮半島との関係につきましては、これはもう史実にあるとおりでございます。

○山下よしき その認識を聞いているんですよ。それ答えられないんですか。

○安倍首相 ここで一つ一つの歴史的な事実について委員と議論することは差し控えたいと思いますが、この表現については、言わば朝鮮半島との関係で申し上げたわけではなくて、まさにパラグラフ全体を見ていただければお分かりのように、100年前は広大な植民地が広がっていた、西洋諸国が圧倒的な技術による優位を生かして多くの国々を植民地支配をしていた中にあって、日露戦争が植民地支配下にあった人々に対して勇気を与えたという事実を述べたのみでございます。

○山下よしき そのアジアの人々の中に朝鮮は入っているんですか、朝鮮の人々は。

○安倍首相 これはまさに多くの人々ということで、一般的に表現したものでございます。

○山下よしき 答えられないんですね。当たり前だと思いますが。
 朝鮮半島の植民地化がどのように進められたのか。明治の初めから、日本は清国やロシアと競いながら武力で朝鮮宮廷を脅迫して、計画的に朝鮮を植民地としていきました。1895年、日本の朝鮮支配に反対する中心人物だった朝鮮の王妃閔妃を日本の公使の命令で殺害します。日露戦争が開始された1904年、日本は首都漢城、現在のソウルを軍事占領し、日韓議定書を強要して日露戦争への協力を韓国に約束させます。そして、第1次日韓協約を強要し、韓国の財政と外交の事実上の実権を握ります。翌1905年、日露戦争の勝利をてこに、第2次日韓協約、いわゆる韓国保護条約を押し付け、外交権を完全に取り上げるということもやりました。同時に、韓国に日本の総監府なるものを置いて、もはや独立国とは言えない属国化を進めたのであります。その直後の1906年から11年にかけて、韓国の植民地支配に反対する反日義兵闘争が起こりますが、これに対する日本の弾圧によって犠牲となった方々は4万人に上ると言われております。こうして、朝鮮、韓国人民の抵抗を抑圧しながら、1910年、韓国併合条約によって韓国、朝鮮の植民地化を完成させたわけであります。
 この歴史的事実を踏まえるならば、日露戦争は朝鮮半島の植民地支配を進める重要なポイントだった。総理にその認識はありますか。

○安倍首相 日露戦争についてのこの記述については、先ほど申し上げましたように、今回、言わば世界史の中で日本はどういう立場にあったのかということから記述を説き起こしたわけであります。
 21世紀構想懇談会においても、日本の歴史だけを見る、あるいは日本や周辺国との関係だけで歴史を見るのではなくて、世界史的な視点から歴史を見ながら、日本はどう行動を取ってきたのか、どこで日本は政策を誤ったのかということを明確にすることを言わば中心的な議論としたところでございます。
 そういう中におきまして、まさに100年以上前は世界には広大な植民地が広がっていたという歴史的な事実を述べ、その中で日本はどのような行動を取ったか、そして日露戦争がどういうインパクトをもたらしたかということについて記述をしたわけでございます。

○山下よしき 朝鮮半島の植民地化と日露戦争との関係については、何遍聞いてもお答えがありません。
 歴史の事実ははっきりしております。日露戦争直後の1905年、保護条約はどのようにして締結されたのか、伊藤博文が憲兵を引き連れて宮廷に押し入って強引に調印させたものです。宮廷の外では、日本軍が演習と称して大規模な軍事的威嚇をやりました。退出しようとした大臣をつかまえて、伊藤博文が余り駄々をこねるようならやってしまえと脅し付けながら、文字どおりの強圧的なやり方で従属化を図りました。伊藤博文は韓国の皇帝に、この条約をのまなければ、これまで以上の困難な境遇になり、一層不利益な結果になることを覚悟せよと迫ったことを日本の天皇に対して報告しております。
 日露戦争が暴力と強圧によって韓国の植民地化を進める重要なポイントとなったことは歴史の事実ですよ。そのことを総理は一切認めない、そんなことで、先ほど日露戦争がアジアの人々を勇気付けた、よくぞ言えたものだと、とんでもない認識だと言わなければなりません。
 私は、歴代政権が述べている日本の植民地支配による多大な損害と苦痛とは何か、これにもしっかりと思いをはせる必要があると思います。朝鮮半島の人々は、自分たちの言葉を使うことを禁じられ、日本語の使用を強要されました。創氏改名で名前まで変えさせられました。さらに、徴兵検査によって日本兵として戦場に駆り出され、本人の意に反して日本軍慰安婦となることを強要されました。
 総理、日本の植民地支配によってこうした損害と苦痛を与えたという認識が総理にはありますか。日本の植民地支配によってもたらされたものだと認識ありますか。

○安倍首相 それはこの談話にあるとおりでございまして、この談話にありますように、「我が国は、先の大戦における行いについて、」でございまして、行いとは、まさにさきの大戦への深い悔悟の念として日本が胸に刻んでいる、そう誓ったものでございまして、その中で国名を挙げているわけでありまして、「インドネシア、フィリピンはじめ東南アジアの国々、台湾、韓国、中国など、隣人であるアジアの人々が歩んできた苦難の歴史を胸に刻み、戦後一貫して、その平和と繁栄のために力を尽くしてきました。こうした歴代内閣の立場は、今後も、揺るぎないものであります。」と、このように述べているわけでございます。

○山下よしき ばらばらになっているんですよ、安倍談話は。村山談話は、日本が国策を誤って植民地支配と侵略をしたことによってアジアの人々に多大な損害と苦痛を与えたことを反省しているんです。ばらばらじゃないですか。総理に幾ら聞いても、日本が植民地支配をしたという認識を示されない。
 私は、植民地支配によって国を奪い、言語を奪い、名前すら奪ったことを日本国民は忘れてはならないと思います。それを両国の共通の歴史認識とすることが未来にとって重要であると思います。だからこそ、村山談話はそのことを主語もはっきりして述べているんですね。歴代内閣の立場は揺るぎないとしながら日本が植民地支配を行ったという歴史認識を語らない、これは欺瞞だと言わなければなりません。
 こうして植民地支配を、朝鮮半島における植民地支配を足場にして、日本は、中国、アジア太平洋地域へと侵略戦争を拡大していきます。
 総理にその点について聞きます。日本が中国、アジア太平洋地域に対して行った戦争、1931年、満州事変、1937年、日中全面戦争へと続き、1941年、アジア太平洋戦争に拡大した戦争は侵略だったのか、そうではなかったのか、総理の認識を端的に伺います。

○安倍首相 今回の談話は、21世紀構想懇談会において有識者の方々が共有した認識、その報告書の上に立って作成したものであります。
 報告書にもあるとおり、中には侵略と評価される行為もあったと私も思います。だからこそ、談話においては、事変、侵略、戦争といった言葉を挙げた上で、いかなる武力の威嚇や行使も国際紛争を解決する手段としてはもう2度と用いてはならないことを、さきの大戦への深い悔悟の念とともに誓ったわけであります。
 さきの大戦における日本の行いが侵略という言葉の定義に当てはまれば駄目であるが、当てはまらなければ許されるというものではないわけでありまして、かつて日本は、世界の大勢を見失い、外交的、経済的な行き詰まりを力の行使によって打開し、あるいはその勢力を拡大しようとしたわけであります。その事実を率直に反省し、これからも法の支配を尊重し、不戦の誓いを堅持していくということこそが今回の談話の最も重要なメッセージであります。その上で、具体的にどのような行為が侵略に当たるか否かについては歴史家の議論に委ねるべきだと思うわけであります。
 重要な点は、いかなる武力の威嚇や行使も国際紛争を解決する手段としてはもう2度と用いてはならないということでありまして、これが私たちが過去から学び、教訓とし、反省すべきことであります。

○山下よしき ここでも明確な答弁がありませんでした。私は、中国、アジア太平洋地域に対して日本が行った戦争が侵略なのかそうでないのかと総理の認識を問いましたが、はっきりした答弁はありませんでした。談話の中にもそのことは書かれておりません。
 しかし、この点でも歴代の政権とは違うんです。歴代内閣は中国に対する侵略をはっきりと認めてまいりました。小渕総理は、1998年11月26日、訪日した江沢民中国主席とともに日中共同宣言を発表いたしました。そこには、双方は、過去を直視し歴史を正しく認識することが、日中関係を発展させる重要な基礎であると考える、日本側は、1995年8月15日の内閣総理大臣談話を遵守し、過去の一時期の中国への侵略によって中国国民に多大な災難と損害を与えた責任を痛感し、これに深い反省を表明した、こうはっきり述べております。
 総理、歴代の内閣の立場は今後も揺るぎないと言うんだったら、日本による中国への侵略が中国国民に多大な災難と損害を与えたということをなぜ安倍談話に書かないんですか、なぜ総理自身の言葉で語らないんですか。

○安倍首相 先ほど申し上げたとおり、報告書にもあるとおり、中には侵略と評価される行為もあったと私も思いますと先ほど述べたとおりでございます。その上において、ここに書いてありますように、事変、侵略、紛争。いかなる武力の威嚇や行為も、国際紛争を解決する手段としては、もう2度と用いてはならない。植民地支配から永遠に決別し、全ての民族の自決の権利が尊重される世界にしなければならない。さきの大戦への深い悔悟の念とともに、我が国は、そう誓いましたと。こう述べているわけであります。
 ここから、当然、我々のさきの大戦における反省、教訓が酌み取られると、このように思います。

○山下よしき はっきり答えないんですね、侵略と。これまで村山談話でも、それから今申し上げた小渕総理の日中共同宣言でも、日本が中国に対し行った侵略とはっきり書いているんですよ。なぜこれまで述べたことを安倍談話では述べないのか、なぜ安倍総理自身の言葉で語らないのか。
 私は、幾ら反省、2度と繰り返さないと言っても、日本が過去に行った戦争が侵略だったというはっきりした認識に立たなければ、これは同じ過ちを繰り返すことになるじゃありませんか。歴代内閣の立場は今後も揺るぎないとしながら、具体的な戦争についての認識を問うと歴史家の議論で逃げる、これも私は欺瞞だと言わなければなりません。
 結局、総理は、日本が行った植民地支配も侵略もはっきり認めませんでした。自分自身の言葉で語りませんでした。そして、自分自身の言葉で深く反省し、謝罪することもされませんでした。結局、安倍談話というのは、村山談話以降の歴代内閣が表明してきた立場を事実上投げ捨てるものに等しいと言わなければなりません。語っていないんですから。
 日本は、中国に対する侵略からアジア太平洋戦争へと侵略戦争を拡大します。その結果、アジアの人々2,000万人、日本人310万人が犠牲となりました。そして、70年前、ポツダム宣言を受け入れ、文字どおり多大な損害と苦痛を内外の人々に与えた戦争を終わらせました。
 そのポツダム宣言には何とあるか。日本の戦争を世界征服のための戦争、はっきりこう書いてあります。侵略戦争だったと明確に述べております。総理は、ポツダム宣言のこの規定を認めないんですか。あくまで日本の行った戦争は侵略だと認めないんですか。

○安倍首相 日本はポツダム宣言を受け入れ、敗戦をしたわけでございます。その後、まさに我が国は、戦争の惨禍を二度と繰り返さないとの不戦の誓いの下に、平和国家としての歩みを進めてきたわけでございます。

○山下よしき 日本の戦争をポツダム宣言は世界征服の挙に出た戦争、侵略戦争だったとはっきり認めているんです。この規定を総理は認めないんですかと、こう言っているんです。

○安倍首相 まさに日本はポツダム宣言を受け入れ、敗戦をし、まさにポツダム宣言を受け入れたわけでございます。

○山下よしき だったら、日本の戦争を侵略戦争と認めなければならないはずですよ。それを何遍聞いても認めない、個々の具体的な問題については歴史家の判断に委ねると言って逃げる。そんなことをやっていたんでは、日本はアジアでも世界でも孤児になると言わなければなりません。
 ポツダム宣言には、日本の軍隊の武装解除、それから民主主義の復活強化なども述べられております。これを踏まえて、日本国憲法に第9条や基本的人権が明記されました。今、安倍政権がそれを覆し、日本を再び海外で戦争をする国につくり変えようとしていることに多くの国民が危惧を覚えております。
 70年前の教訓を踏みにじる。70年前の痛苦の反省、歴代内閣が認めてきた侵略と植民地支配を、談話でも総理自身の言葉でもはっきり認めない。70年前の教訓を踏みにじる戦争法案の撤回を強く求めて、質問を終わります。

「侵略」「植民地支配」 首相、歴史認識の言明拒む 
「安倍談話」欺まん浮きぼり 参院予算委で追及

 24日の参院予算委員会で、安倍晋三首相による「戦後70年談話」をとりあげ、安倍首相の歴史認識をただしました。首相は「『談話』に示している通り」「歴史家の議論に委ねる」と繰り返すだけで、自身の歴史認識として、日本による「植民地支配」「侵略」を認めることをかたくなに拒否。70年前の痛苦の反省、歴代内閣が認めてきた侵略と植民地支配を『談話』でも首相自身の言葉でもはっきり認めない。これは欺瞞(ぎまん)だといわざるを得ません。

photo 14日に発表された「談話」では、「侵略」「植民地支配」「反省」「お詫(わ)び」などの言葉は盛り込まれたものの、主語がなく、日本が「植民地支配と侵略」を行ったとの歴史認識は示されませんでした。「反省」と「お詫び」も歴代政権による表明を記載するのみでした。

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若者を使いつぶす=ブラック企業の規制緩和するな 
【議事録】 2013年5月14日 参議院予算委員会

山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 ブラック企業について質問します。
 かつては暴力団のフロント企業という意味で使われたブラック企業という言葉ですが、今は違います。新卒の若者を正社員として大量に採用し、過大な業務を与え、長時間労働やパワーハラスメントなどで短期間のうちに企業に極端に従属する人間に変えてしまう、その過程で若者は選別され、精神を病むなどして大量に退職に追い込まれる、そういう企業を若者たちがブラック企業と呼ぶようになっています。そのブラック企業が今や有名企業にまで広がっています。
 私は、3月の代表質問で、政府としてブラック企業の実態を調査すること、背景にある長時間労働を規制することを求めました。総理は、厳正に対処すると答弁されました。
 総理、その後どんな対策を取られましたか。

安倍晋三首相 労働基準法の違反などが疑われる企業には調査に入り、長時間労働の抑制を指導し、重大な法違反については厳正に対処するなど取り組んできたところであります。
 特に、過重労働が疑われる事業場への重点的な監督指導を労働基準監督署に改めて徹底をするなど、そうした対応をしているわけでございますが、引き続きしっかりと取り組んでいきたいと、このように考えております。

山下よしき 今やブラック企業は社会問題になりつつあります。就職活動中の学生はもちろん、その親たちも子供の就職先がブラック企業ではないかと不安を抱くようになっています。ですから、これ早急な対策が必要だと思うんですね。
 ブラック企業と言われている企業で、若者たちはどんな働かされ方をしているか。4月23日、朝日新聞は、大手衣料品販売店ユニクロの柳井正会長のインタビューとともに、ユニクロで働く若者たちの実態をリアルに報じました。
 ユニクロでは、新卒社員が入社後3年以内に退社する割合が50%に達しています。休職している人のうち42%がうつ病などの精神疾患だといいます。ある20歳代の男性元社員。会社が決めた勤務時間の上限ではとても仕事を消化し切れず、サービス残業の毎日、繁忙期の勤務は月300時間を超えた、周囲にはうつ病になって突然出社できなくなる同僚がいた、このままでは自分も精神状態がもたないと退社を決めた。別の20歳代の元店員。膨大な仕事量と店長代理の資格試験の重圧に押し潰されそうだった、休日も厚さ十センチほどのマニュアルの勉強に費やし、入社8か月後にうつ状態と診断され退社したなどの例が載っております。
 わが党も独自に調査をいたしました。
 ある20歳代のユニクロの元店長は、去年の4月に入社をし、9月に店長に合格をしました。大学を卒業して僅か半年で、店舗の売上目標達成からアルバイトの管理まで過酷な労働が強いられました。12月にはうつ状態となって休職し、3月に退職をしています。学生時代、彼と同じ部活動だった友人たちは、あの人、人間変わっちゃったね、前はもっといい人だったのにと、その変貌ぶりに驚いていました。
 ユニクロだけじゃありません。大手居酒屋チェーン店、IT関連企業等々でも同様の事態が広がっております。高校、大学と一生懸命勉強し、多額の費用を掛けてようやく卒業し、正社員として就職できた若者が、家族にも良かったねと喜んでもらった若者が、何年もたたないうちにうつ病などで退職に追い込まれる。若者の能力を生かすのではなくてすり潰す、若者を育てるのではなくて人間を壊す、私はこんなことを許す社会であってはならないと思いますが、総理の認識、いかがでしょうか。

安倍首相 それはまさに私もそのとおりだと思うわけでございまして、人材として若者を採用した以上は、経営者も責任を持ってそうした人材を育てていくという姿勢が求められているだろうと、このように思います。

山下よしき 大事な御答弁だったと思います。
 ブラック企業と言われる企業で働いていた元社員の若者に是非実態を聞かせてほしいと連絡を取りますと、その多くは是非聞いてくださいと、こう言うんです。しかし、実際、当日になると、体調が悪くて家から出られません、こうなる人が多いんですね。会社のことを思い出すと苦しくなるんでしょう。いつまでも尾を引いている。まさに人間が壊され、人生が壊されていると、そう思いました。
 私は、ブラック企業根絶のために二つの緊急提案をしたいと思います。
 一つは、政府として、各企業の新入社員の離職率を調査し、離職率の高い企業については企業名を公表すること。もう一つは、企業が採用募集する際に、現在、賃金、勤務時間、勤務場所、休日などを明示することが義務付けられていますが、それに加えて新入社員の離職率の明示を義務付けること、これだけでも学生の皆さんには大事な情報提供になると思います。
 総理、このくらいはやらなくちゃ駄目なんじゃないでしょうか。

安倍首相 先ほど答弁させていただきましたように、違反が疑われる企業には調査に入って長時間労働の抑制を指導し、また過重労働が疑われる事業場に対する重点的な監督指導を行い、重大な法違反については厳正に対処しているわけでありますが、一方で、御提案について申し上げると、若者の離職率に対する調査によれば、若者が離職する理由には、仕事上のストレスが大きい、あるいは労働時間が長いといったものがある一方で、給与に不満、会社の将来性、安定性に期待が持てない、あるいはまたキャリアアップするためなど、様々な理由があるのも事実でございます。
 御提案は、言わば雇用する際に離職率を学生たちに対して示すという御提案なんだろうと、このように思うわけでございますが、単に離職率が高いことをもって労働関係の法違反が生じていると考えることはなかなか難しいわけでございますが、一方、今御提案にあった、若者たちが就職する際に様々な情報をあらかじめ取得をして、その上で参考にしながら就職をするということについては研究をさせていただきたいと、このように思います。

山下よしき 是非早急に検討いただきたいと思います。
 若者を大量に採用した上で使える者だけを選別して、残りは自己都合退職に追い込む、僅か数年間で体力を消耗し尽くし退職していくことを織り込んで労務管理を行う、あたかも摩耗した部品を交換するように新しい若者に取り替える、こういうやり方の企業経営が成り立つのはなぜか。代わりは幾らでもいるからなんですよ。今や若者の2人に1人は非正規雇用となり不安定で低賃金な働き方を強いられておりますが、それが新卒の若者たちを正社員を目指す過酷な競争に駆り立てております。
 歴代政府の規制緩和によって非正規雇用が増大したことがブラック企業が広がる土壌となっている、総理、そういう認識はありますか。

安倍首相 自民党政権においては、経済産業構造の変化に対応して必要な労働分野の改革を行ってまいりました。こうした中で、非正規雇用については、近年、労使双方のニーズによりこれは増加をしているわけでありますが、厳しい経済状況の中、我が国の失業率の上昇を抑えたという側面もあるということは指摘されているところでございます。また、労働規制については、現在、産業競争力会議や規制改革会議の場で、それぞれの設置目的に沿って自由闊達に議論をいただいているところでございます。
 政府としては、関係各層の御意見も踏まえながら、その適否を含めて今後検討をしていきたいと、このように考えております。

山下よしき 労使双方のニーズという言葉がありましたけど、とんでもないですよ。多くの非正規で働く若者は、正社員になりたくてもなれないから今派遣や期間社員で働いているんですよ。
 自民党政権の労働の規制緩和によってどうなったか。1990年50万人だった派遣労働者が2008年には400万人、8倍に増えております。こういう下で新卒の若者たちが正社員を目指す苛烈な競争に駆り立てられ、いつでも代わりはいるんだという事態をつくっているんですよ。あなた方がつくったという自覚を私は持つ必要があると思います。
 重大なことは、安倍内閣の下で新たな労働の規制緩和が検討されていることです。パネルにいたしました。(資料提示)
 もう時間ないので特徴だけ言いますけれども、解雇を自由化し、残業代ゼロで長時間労働を野放しにし、非正規雇用を増大させる、こういうメニューがずらっと並んでおります。こんな労働の規制緩和を進めたら、ブラック企業根絶どころか、逆にますます拡大することは明らかじゃありませんか。総理、やめるべきじゃありませんか。

安倍首相 これは、誤解されたらいけないんですが、安倍政権が進めていることではありません。解雇自由化なんということは全く考えてはおりませんし、当然、残業代ゼロ、長時間労働野放し、こんなことも全く考えていないわけでございますし、非正規雇用増大、こんなことも全く考えてはいないわけでございまして、我々は今、経済の状況が大きく変化をしていく中において、グローバルな競争に我が国の企業も勝ち残っていかなければならないというのが現実でございます。
 この現実の中において、これは労使双方の中においてニーズに対応する中において、日本の企業が生き残る中において何とか雇用を確保していきたいと、こう考えているわけでございまして、しかし、その中においても、非正規雇用者の方々が正規に移っていきたい、そういう希望を持っておられる方々がそういう希望を達成できるような、そういう夢を達成できるような道はしっかりとこれは広くしていく必要があるだろうと、このように考えているところでございます。

山下よしき 全く考えていないとおっしゃいますけど、安倍内閣の下で産業競争力会議や規制改革会議に参加している委員の皆さんが、これ資料として出しているんですよ。そこにこういうメニューがずらっとあるんですよ。それはどうなるかというと、解雇自由であり、残業代ゼロ、長時間労働野放し、非正規雇用増大になるようなメニューがいっぱいあるんですね。
 私は、一企業の目先の利益のために若者たちを使い潰す、そんなことを許す社会には未来はないと思います。実効あるブラック企業対策を緊急に実施すること、そしてブラック企業を更に拡大する雇用の規制緩和を中止することを強く求めて、質問を終わります。

アベノミクスによる円安、燃油価格急騰で漁業者の死活問題に 
【議事録】 2013年4月26日 参議院予算委員会

山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 アベノミクスによる急激な円安が、国民の暮らしと産業の様々な分野に深刻な影響を与えております。
 3月22日、全国漁業協同組合連合会、全漁連が臨時総会を開きました。資料をお配りしておりますけれども、「政権交代後に強力に推進されている景気浮揚政策による円安の進行は、燃油価格等の急激な上昇をもたらし、出漁の断念のみならず、廃業に追い込まれる経営体も出現している状況にある。」として、漁業経営の存続を可能とする緊急燃油対策の実現を求める決議をされております。その上で、今日そして明日、2日間、小型イカ釣り漁船、全国で四千隻あるそうですが、一斉休漁を現在されております。家族単位など零細な漁業者が多く、今が最盛期のイカ釣り漁業者が一斉に漁を休むのはよほどのことだと思います。
 林農林水産大臣、どう受け止めておられますか。

林芳正農水大臣 今委員がお示しいただきましたこの全漁連の決議、我々もいただいたところでございまして、しっかりと、この燃油価格の高騰、これが漁業経営に与える影響を緩和をしていかなければいけないなと、こういうふうに思っておりまして、22年度から漁業経営セーフティーネット構築事業、こういうものを実施しているところでございます。
 御案内かもしれませんが、これは、漁業者と国が毎年一対一の割合で積立てを行いまして、直近7年間の原油価格のうち、高値1年間分と1番安い1年間分を除いた5年間分の平均、七中五と言っておりますが、この平均の原油価格を補填基準にいたしまして、この補填基準を超えた場合には補償金が支払われる仕組みとなっておりますので、しっかりとこういうものを使って漁業経営に与える影響を緩和してまいりたいと、こういうふうに思っております。

山下よしき 実は5年前、2008年にも燃油の高騰がありまして、このときも全国一斉休漁がされました。そのとき、私、タチウオの水揚げ日本一の和歌山県箕島町漁協を訪ねまして、嶋田栄人組合長と話をさせていただきました。誰よりも早く漁場に駆け付けたくさんの魚を捕る、こういう漁業者にとって、互いに競争していて本来は仲が悪いんだけれども、その漁業者が一斉休漁する、団結する、まずあり得ないことだ、そのことを重く受け止めてほしいと、こう言われました。今ももう一度そういうことが起こっているということなんですね。
 一体燃油がどのぐらい上がったのか、2009年4月から2013年4月までの燃油価格の推移について報告してください。

林大臣 これは、全漁連の京浜地区の末端価格ということで水産庁が調べておりますが、A重油につきましては、2009年の4月時点で6万100円、キロリットル当たり。それから、2013年4月時点でこれが9万6600円、これもキロリットル当たりになっているところでございます。

山下よしき 2008年、急騰の後、一旦がくんとこう下がって、2009年、今言ったように1キロリットル当たり6万円。それがずっと上がってきて、2013年、9万7000円。4年間で3万7000円上がったわけであります。
 西村内閣府副大臣に来ていただいておりますけれども、燃油対策などにも取り組んでおられますが、直接漁業者の声も聞いていると思いますが、出漁する漁業者の燃油価格の限界、1キロリットル当たり幾らぐらいだと認識されていますか。

西村康稔内閣府副大臣 お答えを申し上げます。
 私の地元も淡路島、明石で漁業組合30ぐらいありますし、日々いろんな厳しい状況を伺っておりますけれども、今、林大臣から御答弁もありましたけれども、非常に高騰している中で厳しい状況にあるのは事実でありまして、私の地元の兵庫県の県漁連の皆さん方は、リッター当たりでこのA重油でいいましたら60円ぐらいが採算ラインではないかという声もございますが、これはやり方によって大分違いますので、その辺りも勘案しなきゃいけないと思いますけれども、相当厳しい状況にあるのは事実だというふうに認識をしております。

山下よしき キロリットルにすると6万円なんですね。
 一昨日、私も、カニとホタルイカの水揚げ日本一、兵庫県浜坂町漁協の川越一男組合長に電話で尋ねましたら、やはり、たとえ1キロリットル当たり8000円でも真綿で首を絞められるようだと。あっ、8万円でもですね。6万円から7万円なら何とかなるがとおっしゃっていました。それから、昨日、箕島漁協の嶋田組合長に聞きますと、うちも6万円以上に上がったらもう漁に行かぬときが多いと、魚価が下がっているんでということでした。やはり漁業者は共通して、漁に出るためには1キロリットル当たり6万円程度が限界だとおっしゃっているんですね。ところが、急激な円安で、今9万7000円ですから、これ深刻なわけです。
 先ほど林大臣からセーフティーネット事業の内容について御説明がありましたが、現在1キロリットル当たり幾ら補填されていますか。

林大臣 現在これが、平成25年の1月から3月期が直近でございますが、この本事業に加入していただいている皆様、すなわち積立てをいただいている皆様に対して1キロリットル当たり1万4240円の補填金、これが支払われているところでございます。

山下よしき 林大臣、大事な数字なんですね。現在の燃油価格は1キロリットル当たり9万7000円です。今おっしゃった、補填されるのは1万4000円です。これ、引きましても8万3000円なんですね。これ、限度と言われる6万円から相当開きがありますから。ですから、この制度は確かに一定の役割を果たしているんですけれども、この制度だけでは、補填だけでは間に合わない。なぜなら、燃油がずっと値上がりが続いておりますと、この補填の基準になる額もずっと上がっていくからなんですよ。
 ですから、林大臣、これはセーフティーネット事業だけでは今の深刻な現状を救済できないのは明らかじゃないでしょうか。

林大臣 委員が御指摘のように、この漁業経営における燃油のコストに占める割合ですね、これは非常に高いわけでございます。
 今ちょっと御指摘いただいたイカ釣りの場合は更に、集魚といいますか、光を使うものですから、大体三割ぐらい燃油費が占めているということで、今、この制度は、最初御説明したように、積立てをやっていただいて加入した方の事業でございますので、この方々が不公平だと思わないようにきちっといろんな対応をしていかなければならないと思いまして、今ちょっと御指摘があったように、この予期し得ない異常高騰の場合に、異常高騰分について特別な対応を行おうということで検討を開始しておるところでございます。

山下よしき 特別な対応、これ急ぐ必要があるんですね。漁業者に聞きますと、来年度予算じゃ間に合わない、直ちにやってほしいと。
 それから、今の制度ではもうベースが上がっていますから、新たな別枠でやる必要がある。これはいかがですか。

林大臣 これは今から与党ともいろいろ連携して検討したいと思いますが、今おっしゃったように、今の仕組みの中ということになりますと、先ほど私も申し上げたんですが、今入っている方との平等性というか、そういう今まで入っていた方が不公平と思わないようにするということがございますので、できる限り、この異常高騰分についてはもう特別な対応ということで、この制度を超える対応ということをやはり考えてまいらなければいけないんじゃないかなと思いますし、先ほど西村副大臣からもありましたが、一方で、燃油コストの占める割合が高いと申し上げましたけれども、これを何とか省エネの努力というものもやっていくということで、こういうことに対する対策ということも併せて取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。

山下よしき 原因は国がつくっているということを自覚する必要がありますね、アベノミクスによる円安で燃油が高騰しているんですから。
 私、箕島漁協の組合長にこんな話聞きました。うちは後継者が多いんだと、組合員の25%は20代、30代、ここから辞めていくと言うんですよ。まだ転職ができるからね。そんなことをさせてはならないといって、5年前は、全国は1日、2日だったけれども、一週間ストライキやったんですよ。このままの状態を半年、1年と続けたら漁師は半減するだろうと。1日休漁したら全体で2000万円のマイナスになる。それでも7日間やることに誰も反対しなかった。それだけ深刻だけれども、何とかしたいという気持ちなんですね。この声にこたえることこそ政治だと思いますよ。これ緊急にやるべきじゃありませんか。

林大臣 実は私も地元が下関でございますので、水産業の方たくさんおられます。今まさに委員がおっしゃっていただいたように、若い方が後を継いでいただくというのは本当に有り難いことなんですね。したがって、こういう若い方が将来に展望を持てるように、しっかりと早急に検討を行ってまいりたいと、こういうふうに思っております。

山下よしき しっかりと早急にということでしたので、これ、事は漁業関係者だけの問題ではありませんね。世界的に魚介類の需要が増大し、輸入に頼ることができない時代となりつつあるときに、日本農業の存亡の危機にこれは無策な政府ということになったら、日本人の食料と食文化に無策な政府ということになりますから、ですから、漁業と食料を守るためには緊急の対策をこれは立場を超えてやる必要がありますから、私たちもそういう点ではいろいろな声をまた提起していきたいと思いますが、最後にもう一つ、そういう食文化、漁業者だけの話じゃない、日本人の食文化と食料が懸かった問題として早急にやっていただきたい。いかがですか。

林大臣 日本食、大変世界で人気がございまして、最近のジェトロの調査ですと、主要各国の中で一位を占める国が増えてきたということでございます。御三家というのがありまして、すしとてんぷらと、それから焼き鳥ということでございます。
 したがって、おすしは言うまでもなく魚、それも鮮魚ということでございますから、水産業の果たす役割は非常に大きいわけでございまして、そういう意味も含めてしっかりと取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っております。

山下よしき 終わります。