山下芳生事務所 について

日本共産党参議院議員。香川県善通寺市出身。県立善通寺第一高校、鳥取大学農学部農業工学科卒業。市民生協職員、民主青年同盟北河内地区委員長・大阪府副委員長。95年大阪府選挙区から参議院議員初当選。13年参議院議員選挙で比例区に立候補3期目当選。14年1月より党書記局長。内閣委、国家基本政策委に所属。

在職死減らず 働き方把握せよ NHKの労働環境改善への取り組み不十分 
2019年03月28日 参議院総務委員会

山下よしき 日本共産党の山下芳生です。

 NHK倫理・行動憲章は、「NHKは、公共放送として自主自律を堅持し、健全な民主主義の発展と文化の向上に役立つ、豊かで良い放送を行うことを使命としています。」と明記しています。上田会長も国会で、健全な民主主義の発展と文化の向上に寄与する役割を担っていると答えておられます。

 私は、NHKが民主主義の発展と文化の向上に役立つためには、三つ大事なことがあるんじゃないかと思うんですね。一つは職場で1人1人が大切にされていること、二つ目に職場で多様な文化が認められ尊重されていること、三つ目に職場にうそを許さない真実を求める気風が満ちていること、これが求められると思いますけれども、この3点について、会長、いかがでしょうか。

上田良一(NHK会長) お答えいたします。

 今先生から御指摘があった点は、十分それを踏まえて公共放送としての役割を果たしていくべきというふうに考えます。

山下よしき 十分に踏まえてということでした。

 私は、一つ目に言った職場で1人1人が大切にされていることという点で忘れてならないのは、2013年7月に長時間労働の末過労死されたNHK記者佐戸未和さん、享年31歳のことだと思います。今日はパネルを持ってまいりましたけれども、(資料提示)これ、過労死について取り組んでおられる弁護団の皆さんが作ったホームページから拝借をいたしました。写っているのが、NHKの記者として働きながら亡くなった佐戸未和さんであります。

 上田会長、若い将来性のある記者を過労死させてしまったことを、NHKはどう教訓として生かしていますか。

上田会長 お答えいたします。

 佐戸未和さんの過労死を重く受け止め、二度と過労死を起こさないように、働き方改革を通じて全役職員一丸となってこの働き方改革に取り組んでおります。

山下よしき 私も、佐戸未和記者の過労死を当委員会や予算委員会で取り上げてきた者の1人として、彼女の死を風化させることなく教訓として生かさなければならないとの思いは強いものがあります。

 そこで、私自身の胸に彼女の死をより深く刻むために、先日、初めて佐戸未和さんの御両親宅を訪ねました。祭壇に未和さんの明るい笑顔の遺影がありまして、婚約者とハワイに行ったときの写真だそうですけれども、それが掲げられてありました。亡くなったときに未和さんが持っていた赤い携帯電話、それからハワイの写真に写っていた帽子が御遺骨とともに飾られていました。季節柄、真っ赤なイチゴのお供えもありました。お線香を上げて、手を合わせました。

 未和さんが亡くなった1年後に、NHKの職場の同僚が作ってくれた追悼写真集も見せていただきました。これなんですけれども、かなり職場の皆さんが、1年後ですから、割と思い出の新しいときに、未和さんのいろんな思い出の写真を載せて、お1人お1人が未和さんへの思いをこのようにつづった追悼集を作られて、それを私は見せていただきました。

 この未和さんが、ページをめくるたんびに仲間と一緒に写っているお姿が登場するんですけれども、屈託のない豊かな表情で、ぱあんと未和さんが一ページ一ページ飛び込んでまいります。いつも大体仲間の輪の真ん中に座っておられます。写真の前半は鹿児島時代の同僚らが寄せた言葉が載っているんですけれども、大変いい職場だったと、いい仲間たちだったということが分かります。若い記者仲間が互いに切磋琢磨しながら記者として成長し合う様子が伝わってまいりました。

 この写真集を私がこうじっと見ながら一ページ一ページめくっておりますと、お母様が横から、一つ一つの未和さんの写真を見ながらつぶやくんです。残念ですと、本当に明るい子だった、いつも笑っていた、ヒマワリのような子だった、食べることが大好きだった、ピアノを習ったらすぐ音をなぞり再現することができる、バレエを習ったらすぐマドンナになる、どうしたらそんな子供が育つのと周りのお母さんから聞かれた、髪の毛から吐く息までいいにおいがする、寝ている未和の体をなでていた、たった一度だけこのうちに泊まったことがある、富士山が見えるのねと言った未和の横顔も覚えているとつぶやかれました。未和さんへの愛情が次々あふれてくると。そして、お母様はぽつりとつぶやいたんです。1番の親孝行な子が1番親不孝になってしまった、我が子に先立たれるほど地獄はない、片腕をもぎ取られたよう、体全部もぎ取られるようだと。

 上田会長にお母様の御様子を伝える必要があると私はその場にいて思いましたので、紹介しました。御感想を伺いたいと思います。

上田会長 私も、佐戸未和さんのお宅にはお邪魔いたしまして、線香を上げさせていただきましたし、お母様ともお話をさせていただきました。

 佐戸さんの過労死を防ぎ切れなかったということは痛恨の極みでありまして、大変重く受け止めております。勤務状況に応じた健康確保措置の実施や意識の面など、不十分なところがあったのではないかというふうに考えております。佐戸さんが亡くなられたことをきっかけに、記者の勤務制度を抜本的に見渡すなど働き方改革を進め、職員の健康確保に努めてまいりました。

 二度とこういった過労死を起こさないように、私も全力を投球して勤務管理や健康確保の強化、意識改革に今後も邁進してまいりたいと考えております。

山下よしき 私は、この写真集を一ページ一ページ見ながら、このページ全部終わって閉じられる頃に、横にいたお父様が語り始めました。NHKの内部で未和の死の真相が追求されているのか、事業場外みなし制度が悪かったと制度のせいにするが、本当にそれだけか、ほかに何かあるのではないのか、そう言われたんですね。お父様は、本当のことを知るために、未和のことを知る人を探して話を聞いているとおっしゃっていました。

 私、そのとおりだと思うんですね。未和さんが亡くなったのは、単に制度のせいではないと思います。なぜ、毎日25時あるいは27時、完徹などで働いている、あるいは、選挙の報道に携わっておられましたけれども、その二か月は毎月200時間前後も残業している若い女性を誰も止めなかったのか。制度云々の前に、職場の仲間の労働者の命と健康は絶対に守るという思想が欠落していたのではないか。

 これらについて、職場で一緒に働いていた人たち1人1人が、とりわけ直接の上司が血の出るようなえぐり方をして、事実を明らかにして、NHKで働く人全体の教訓とできていないのではないか、そう感じるものがあるんですが、いかがでしょう。

上田会長 お答えいたします。

 佐戸さんが亡くなられた当時は、タイムレコーダーや記者自身のシステムの入力により、勤務の始まりと終わりの時間を記録していました。しかし、勤務状況に応じた健康確保措置や健康管理に対する意識の面などで不十分なところがあったと受け止めております。

 現在、深夜・休日労働の事前申告、上司把握を徹底しているほか、外勤の多い記者の勤務を迅速、正確に把握するため、業務用スマートフォンで打刻できるシステムを試行的に運用いたしております。以前と比べますと、勤務管理や健康確保が強化され、意識改革も図られてきていると考えております。

山下よしき 不十分な面があったとおっしゃいました。あったから亡くなったんだと思いますよ。でも、どういう不十分な面があったのか、何がどう不十分だったのか、そこをえぐらなければ、幾ら制度を変えても、その魂が、えぐられていなかったら、制度を変えただけで私は命を守ることはできないと思うんですね。

 具体的に聞きます。事実関係聞きます。

 未和さんの婚約者は、亡くなった未和さんを見付ける前の日、実は婚約者が亡くなっている未和さんを発見されたんですが、その前の日に何度も電話やメールをしたのに連絡が取れないことから、職場、首都圏放送センター都庁クラブに問合せをしたのではありませんか。

松坂千尋(NHK理事) お答えいたします。

 今お話がありました方が佐戸さんと連絡が取れないというような電話をNHKの職員にしていたことは把握しております。また、佐戸さんが亡くなったと、亡くなっているという御連絡も、今の御指摘の方からありました。

 当時の都庁クラブの関係ですけれども、当時の都庁クラブの担当者などに話を聞いたんですが、御指摘のような問合せについては確認できなかったということです。

山下よしき 問合せについて確認できなかった。

 私が把握していることでいいますと、この婚約者の方が、亡くなる当日になったんですけれども、首都圏放送センター都庁クラブに電話をされたと。そしたら、対応された方、まあ特定はしませんけれども、ここでは、未和さんについては、電源が切れているのではないかとか挨拶回りに行っているんじゃないかという答えが返ってきたそうです。もうそのときには倒れられていたということなんですが、そういう対応だったと。

 もう一つ聞きます。

 未和さんは、亡くなって婚約者に見付かる前日に都庁の幹部にアポを取って会うことになっていたと聞いていますけれども、都庁から佐戸記者が来ないという連絡、問合せがあったんじゃないですか。

松坂理事 今の御指摘の点については確認できておりません。

山下よしき 私、今の確認できていないという言葉に、本当に、なぜ亡くなったのか、なぜ防げなかったのかがえぐられていないと。そういう事態があったら、もう日付を超えて何日も連続して働いている女性が予定どおりの行動をしていないということが分かったら、捜すでしょう、追求するでしょう。それを、異常を異常と感じない職場環境になっていたと。しかし、そのなぜそうなっていたのかを未和さんが亡くなった後検証していないというのは、これは許されないと思います。取り返しの付かない、過労死というあってはならない事態を起こしてしまったことの重大性を、口で言うだけではなくて、血肉とすることができているのか。

 会長に伺いますが、御両親は納得されておりません。なぜ未和さんを死なせてしまったのか。制度の問題だけでさらっと済ませたのでは同じことが繰り返されます。事実関係を今言った細部にわたって明らかにして御両親に報告するのは、私はNHKの当然の務めだと考えますが、いかがでしょうか。

上田会長 お答えいたします。

 繰り返しになりますけれども、佐戸さんの過労死を防ぎ切れなかったということは痛恨の極みでありまして、大変重く受け止めております。勤務状況に応じた健康確保措置の実施や意識の面などで不十分なところがあったのではないかと考えております。

 佐戸さんが亡くなったことをきっかけに、記者の勤務制度を抜本的に見直すなど働き方改革を進め、職員の健康確保に努めてまいっております。御両親とお話ししたときもそうですけれども、二度とこういった過労死を起こさないように全力を尽くしてくださいと私に対するお話もありましたので、そのお言葉どおり、以前と比べると勤務管理や健康確保も強化され、意識改革も図られる、二度と過労死を起こさない、そういう働き方改革を全力を投じて進めているところであります。

山下よしき やっぱり不十分の中身が伝わってきません。私が言っているのは、犯人を捜して罰するためではないんです。事実を踏まえて教訓化し、今後に生かすために真実を検証するというのはどうしても避けて通れない道だと思うからであります。

 未和さんの死が果たして教訓化できているのか。2013年7月、未和さんが亡くなって以降、働き過ぎが原因で在職死はどうなっているか、同じく労災認定はどうなっているか、お答えください。

松坂理事 お答えいたします。

 佐戸記者が亡くなって以降、労基署から長時間労働による死亡や疾病で労災と認定されたことはございません。

山下よしき 在職死の人数は。

松坂理事 佐戸記者が亡くなられました2013年度以降の在職中の死亡者の総数は53人であります。また、病気により休職した職員の総数は218人であります。

山下よしき 減っていないんですね、数としてはね。
で、今の数はNHKの職員ですね。請負などの協力会社などで働くスタッフは入っていますか。

松坂理事 今の数はNHKの職員であります。

山下よしき NHKグループ働き方改革宣言には、「NHKグループは、業務に携わるすべての人の健康を最優先に考えます」とありますけれども、この業務に携わる全ての人には、本体、子会社、関連公益法人、関連会社に加え、協力会社や外部プロダクション、番組制作会社も入るという理解でいいですか。イエスかノーで。

松坂理事 そのとおりであります。

山下よしき 私は、NHKで働いていた編集担当をされていた方が、2012年、出張先で胸部大動脈不全で倒れ、昨年、佐戸さんのいた首都圏放送センターに来てしばらくした7月の初めに、今度は脳出血で倒れたと聞いております。契約は請負労働だったということですが、そのような方おられますね。今どうされていますか。

松坂理事 御指摘の点でございますけれども、NHKは御指摘の編集担当者が所属する会社と業務委託契約を結んでおりまして、勤務管理はその会社の下で行われていたと認識しております。御指摘の編集担当者が現在治療を受けていることは把握しておりますが、会社も違い、本人のプライバシーもあるため、詳細についての回答は差し控えさせていただきたいと思います。

山下よしき 詳細はいいんですけど、今の方は「NHK特集」だとか「NHKスペシャル」などの映像編集をされていた方です。もうプロなんですね。御家族の方は、障害認定されたが、勤務表、タイムカードがどうなっていたのか見たことがないとおっしゃっています。この方がどれだけ働いていたか、把握されていますか。

松坂理事 その編集担当者が所属する会社とNHKは業務委託契約を結んでおりまして、勤務管理はその会社の下で行われていたというふうに認識しております。

山下よしき つかんでいないということですね。協力会社で働く人も含めて全ての人を対象にした働き方改革といいながら、つかんでいないと。

 じゃ、そういう請負労働者の方も含めてどれほどの数働いていたか、掌握されていますか。

松坂理事 業務委託契約の関係になりますけれども、契約期間や従業者数は様々で、業務の遂行は業務委託先の業者に委ねられておりまして、NHKは指揮命令を行うことはできません。また、従事者の方はNHKの業務だけを行っているとも限りませんため、働く人の総数や勤務時間等の労働環境を詳細に把握することは困難であります。

 一方で、NHKグループ働き方改革宣言は、NHKとNHKの業務に携わる外部事業者などの従業者についても対象としております。従業者本人の健康状況などには可能な限り配慮するよう努めるとともに、業務委託先の方々に対しまして健康を最優先に業務を行うよう理解を促していきたいと考えております。

山下よしき NHKだけじゃないかもしれないっておっしゃいますけど、今言ったような方は、「NHKスペシャル」、そういう番組があるたんびに呼ばれて一生懸命いい仕事をするんですよ。こういう方がいなければ、NHKのいい番組はできないんですよ。それをそんなふうに言うのはいかがなものかと思いますね。

 会長、こういう方が何人いるのか、どのような働き方をしているのかもつかんでもいない、これでどうやってNHKの業務に携わる全ての人の健康を最優先にできるんですか。

松坂理事 繰り返しになりますけれども、業務委託契約は、業務委託先の業者が勤務管理を行っておりまして、NHKは指揮命令を行うことができないことは御理解いただきたいというふうに思います。

山下よしき  それでどうやって健康を最優先できるんですか。できないですよ。私は、佐戸さんの死を教訓に本当にして、NHKの職場で労働者の命と健康を守り抜く体制、ルールができ、実践され、成果が出るなら、職人気質が根強い重層構造になっている放送業界の労働環境、ひいては日本社会の働くルールを変えられるかもしれないと、影響力多いからですね。しかし、それとは逆の方向に、真相究明に蓋をし、事実を明らかにしたい、真実を知りたいと行動する者を遠ざけるような雰囲気、暗黙の了解、圧力があるなら、社会に大きな負の影響を与えることになるだろうと思います。今NHKは、その岐路に立っていると思います。

最後に会長、どっちの方向に進むのか、お聞かせください。

上田会長 お答えいたします。

 若く未来のある記者が亡くなったことは痛恨の極みであり、大変重く受け止めております。公共放送を共に支える大切な仲間を失うようなことは、決してあってはならないと考えております。命と健康を守ることを最優先として、NHKグループ働き方改革宣言の実現に私が先頭に立って取り組んでまいりたいと考えております。

山下よしき 終わります。

地方税法・地方交付税法 増税前提の改定に反対 
2019年03月27日 参議院本会議

 私は、日本共産党を代表し、地方税法、地方交付税法の改定案等四法案に対し、いずれも反対の討論を行います。

 法案の問題点に入る前に、安倍政権が、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に伴う埋立てで、新たな区画への土砂投入を開始したことに対し、民主主義と地方自治の名において断固たる抗議の意を表明するものであります。

 7割以上が埋立て反対という県民投票の民意を無視し、一か月の工事停止と集中協議を求めた玉城デニー知事の要請も拒否した上に、大浦湾側の埋立面積の6割以上を占める軟弱地盤の改良には途方もない時間が掛かる、施工不可能な深度に軟弱地盤が存在することも確認されている。にもかかわらず、ただただ既成事実をつくって工事を進めようとする安倍政権のやり方は、まさに展望なき暴走と言わなければなりません。

 このままでは新基地は完成せず、普天間基地が半永久的に固定化され、辺野古の海にコンクリートの巨大な残骸が残るだけであります。工事は即刻中止すべきです。さもなくば、安倍政権は、沖縄県民はもとより、国民から厳しい審判を下されることになるでしょう。

 以下、法案に対する反対の理由について述べます。

 第1の理由は、本法案が、国民、住民の暮らしに大打撃を与え、日本経済と地方財政を悪化させる危険が極めて大きい消費税増税を前提としているからであります。

 3月13日の本会議質疑で、私は、総理に対し、消費税増税が景気悪化を招いて地方財政を悪化させた1997年の例を引いて、10月からの消費税10%への増税が地方財政を悪化させない保証はどこにあるのか問いましたが、総理は、家計消費が持ち直すことへの期待を述べ、地方財政悪化の懸念を否定されました。

 しかし、その後、政府の景気動向指数に続き、月例経済報告も景気判断を下方修正せざるを得ませんでした。1997年は、上向いていた景気が消費税増税で急速に悪化したため、新たな地方の税源となる地方消費税が創設されたにもかかわらず、地方税収総額が逆にマイナスとなったのです。今、消費税10%を強行することは、坂道を下り始めた日本経済を後ろから蹴飛ばして谷底へと転がり落とすことになり、地方財政も悪化する懸念を拭うことはできません。

 10月の消費税増税を前に、既に4月から食料品など各メーカーの値上げ競争が始まっています。地方自治体の調達への影響は計り知れません。この増税前の値上げは、内閣府、内閣官房の消費税率の引上げに伴う価格改定についての指針、ガイドラインに沿ったものです。そこには、消費税率引上げ前に需要に応じて値上げを行うことなど経営判断に基づく自由な価格設定を行うことを何ら妨げるものでないと、わざわざ増税前の値上げを推奨しています。

 総理は、20日の総務委員会で、このガイドラインについて、消費税導入前の駆け込み需要を防ぐために、ある意味価格を引き上げ、そして消費税が上がった後も消費が落ちないような工夫を自主的な判断で行っている、そういう対応を取っていると認めました。軽減税率の対象となり、税率が8%に据え置かれるはずの食料品の便乗値上げを政府が主導するとは言語道断と言わなければなりません。

 安倍政権が進める国民健康保険の都道府県単位化は、これまで各市区町村が行っていた国保の財政運営を都道府県単位に移すものです。ここでも地方自治に逆行する事態が生じます。都道府県が市区町村ごとに算定する標準保険料率は、これまで各市区町村が国保料を抑制するために独自に行ってきた、一般会計からの国保会計への繰入れも、子育て世帯や高齢者世帯に対する減免も、全てなしにすることを前提に算定されます。

 この標準保険料率に合わせた場合、8割の自治体で、今でも高い国保料が更に値上げになる危険があります。我が党の試算では、年収400万円の4人世帯で見ると、大阪市では、2018年度42万円だった国保料が46万円へと4万円上がる、東京品川区では、42万6000円が52万5000円に9万9000円も上がることになります。

 消費税10%への増税に加え、国保料値上げが国民生活にダブルパンチとして襲いかかることになります。家計消費は確実に一層冷え込み、地方税収は抑えられることになります。消費税に頼るのではなく、富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革によって、この道に行くのではなく消費税10%への増税中止、高過ぎる国保料の値上げではなく値下げこそ行うべきであります。

 反対理由の第2は、本来なら、地方交付税の法定率を引き上げ、地方の財源保障機能と財政調整機能を十分に発揮させるべきであるのに、それに背を向け、地方の事業の民間委託を促進するトップランナー方式など、上からの地方財政縮減を推し進めるものだからであります。

 安倍政権は、骨太方針、改革工程表に基づき、地方の一般財源を厳しく抑制するために様々な手段を用いてきました。トップランナー方式を学校用務員などに段階的に拡大し、さらに窓口業務にも導入することを検討するとしていますが、住民と自治体職員との接点をとことん細め、住民福祉の増進という自治体本来の役割を弱らせるこの方式は直ちにやめるべきであります。

 さらに、安倍政権は、地方創生1兆円交付金において、まち・ひと・しごと創生事業に行革算定の仕組みを持ち込み、自治体が必要に駆られて児童相談所職員や教職員、保育士などを増員すれば交付金が減額されるやり方を続けてきました。これは、児童虐待を防止するために児童相談所に新たに2200人の児童福祉司を配置する政府の方針とも根本的に矛盾します。

 委員会質疑の中で、この仕組みによって今年度は二十一道府県で減額算定がされ、福岡県6億1000万円、神奈川県5億9000万円、埼玉県4億9000万円、愛知県4億8000万円、静岡県4億円を始め、合計48億円が本来交付される額から減額されたことが明らかになりました。一つの県で職員を数10人ないし100人規模で採用できる額に相当します。政府の方針とも矛盾するこの仕組みは直ちに廃止するべきであります。

 反対理由の第3は、法案の具体的内容が地方税本来の性格を大きくゆがめるものだからであります。

 自動車保有税の恒久的な引下げと環境性能割の1%減税は、業界団体の要望に応え、消費税増税による駆け込み需要と反動減への対策を行うものです。

 さらに、消費税増税で自治体間の財政格差を拡大させながら、その格差是正の責任を一部の自治体に押し付けるやり方も問題です。新設される特別法人事業税は、地方税を国が取り上げ、他の自治体に回すやり方を恒久化するもので、地方自治体の課税自主権を侵害し、地方税制にゆがみを持ち込むものであり、反対です。自治体間の財政格差は、地方交付税の財政調整機能を回復させ、国の責任で是正すべきものです。

 さらに、森林環境税は、東日本大震災を口実に導入し2023年度で終了とされていた個人住民税均等割への上乗せ1000円を、看板を替えて継続するものです。個人住民税の均等割は、所得税が非課税の人にも課税となる逆進性の高い税であり、国民生活を圧迫するやり方はやめるべきです。

> 森林整備の財源は、国の一般会計での林業予算や地方交付税で保障すべきであります。

 以上述べて、反対討論を終わります。

地方税法、地方交付税等改定案に対する反対討論 
2019年03月27日 参議院総務委員会

私は、日本共産党を代表し、地方税法、地方交付税法等の改定案に対する反対討論を行います。
 全国各地の地方自治体が、日本国憲法と地方自治法に基づき、住民福祉の増進を図るための地方財政の確立が必要です。
 本改定案に反対する理由の第1は、消費税増税を前提としていることです。5年前の前回増税前と比べ、家計消費は1世帯当たり年25万円も減っています。また、10月の消費税増税を前に、既に4月から食料品など各メーカーの値上げ競争が始まっています。地方自治体の調達への影響は計り知れません。
 この増税前の値上げは、内閣府、内閣官房などが通知した消費税率の引上げに伴う価格改定についての指針、ガイドラインに沿ったものです。さらに、国保の都道府県単位化によって、八割の自治体で国保料値上げの危険があります。まさに庶民にダブルパンチ、消費は確実に一層冷え込み、地方税収は抑えられることになります。
 反対理由の第2は、地方交付税の法定率の引上げには背を向け、トップランナー方式など、地方財政縮減へ上からの財政誘導を進めていることです。学校用務員などで更に段階的に同方式を拡大するなど、制度導入以降来年度までの影響額は、総額1500億円にも上ります。
 反対理由の第3は、まち・ひと・しごと創生事業費の行革算定において、自治体が必要に駆られて加配してきた児童相談所職員、教職員や保育士などを増員すれば減額される仕組みの弊害を認めながら、見直しを先送りしていることです。21道府県団体に48億円を減額していることが委員会質疑の中で明確になりました。弊害を認識しながら漫然と続ける姿勢は、厚生労働省における統計偽装、隠蔽体質とつながる愚行であり、大臣の決断を求めるものであります。
 反対理由の第4は、自動車保有税の恒久的な引下げと環境性能割の1%減税は、業界団体の要望に応え、消費税増税による駆け込み需要と反動減への対策を行うものです。
 消費税増税で自治体間の財政格差を拡大させつつ、その格差是正の責任を一部の自治体に押し付けるやり方も問題です。
 新設される特別法人事業税は、地方税を国が取り上げ、他の自治体に回すやり方を恒久化し、地方自治体の課税自主権を侵害し、地方税制にゆがみを持ち込むものです。
 さらに、森林環境税は、東日本大震災を口実に、2023年度で終了とされていた個人住民税均等割への上乗せ1000円を看板を変えて継続するものです。個人住民税の均等割は逆進性が高く、国民生活を圧迫するやり方はやめるべきです。
 以上、反対討論といたします

国保料値上げ問題、特別支援学校の教室不足問題 
2019年03月25日 参議院予算委員会

山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 今、全国で国民健康保険の保険料が高過ぎることが大問題になっております。国民健康保険の加入者は、職を持たない高齢者、非正規で働く若者など、所得の低い方が多く加入しています。にもかかわらず、保険料は他の健康保険と比べて飛び抜けて高いと。国保の構造問題と言われております。
 安倍政権は、昨年4月から国民健康保険の都道府県単位化を進めています。国保の都道府県単位化でどう変わるのか。厚生労働省の資料によりますと、ポイントは2点です。パネルにしました。(資料提示)
 これまで市区町村ごとに行っていた国保の財政運営を都道府県単位化すること、二つ目に、都道府県が市区町村ごとの標準保険料率を算定、公表すること。厚労大臣、間違いありませんね。

根本匠厚生労働大臣 その点においては間違いありません。

山下よしき お認めになりました。その下で何が起こっているのか。全国の市区町村で、今でも高い国保料が更に値上げされようとしております。
 都道府県が公表した2019年度の標準保険料率に合わせた場合、国保料がどうなるかを試算いたしました。パネルにしました。大阪市の場合、年収400万円、4人世帯では、2018年度42万円だった国保料が46万円へ4万円上がります。年収240万円の単身者では、20万2000円が21万2000円へと1万円上がります。年金280万円の高齢者夫婦では、16万7000円が18万2000円へと1万6000円上がります。
 さらに、新宿区の場合も試算をいたしました。年収四百万、4人世帯では、42万6000円が52万5000円に9万9000円上がる。年収二百四十万の単身者では、16万3000円が20万1000円に3万8000円上がる。年金280万円の高齢者夫婦では、15万5000円が19万1000円に3万6000円上がると。極めて高い国保料が更に上がるということになるんですね。
 何でこんなことになるのかといいますと、この都道府県が行う標準保険料率の算定は、これまで市町村が独自に保険料を抑えるためにやっていた例えば一般会計から国保会計への繰入れも、あるいは子育て世代、1人親世帯などへの減免も全部なしにして計算することになるからであります。そういう算定の仕方を都道府県にさせているのは国なんですね。
 総理に伺います。
 安倍政権が導入した国保の都道府県単位化で、今でも高い国保料が更に値上げされようとしております。これでは国保加入者の生活は成り立たないのではないか、国保料を払えずに滞納する人がますます増えて、お医者さんに行けない方、命を落とす方も増えるのではないかと思いますが、総理、いかがですか。

安倍晋三内閣総理大臣 詳しくは根本大臣からお答えをさせていただきますが、今回の国保改革では、国保の財政運営を都道府県単位化することにより財政の安定化を図ったことに加えまして、年約3400億円の財政支援の拡充を行います。財政基盤を大幅に強化をしたところであります。その中で、低所得者、低所得の方への支援や子供の被保険者の多い自治体への支援を拡充するとともに、保険料水準の激変緩和措置を講じています。また、差押えの対応についても、個別の状況に応じたきめ細やかな対応を講じているところでございます。

山下よしき いやいや、総理ね、3400億円の財政基盤強化とおっしゃいましたけど、その3400億円投入した後で試算したらこうなっている、上がるんですよ。物すごい上がるじゃないですか。認めないんですか。

根本厚労相 3400億円の、財政基盤強化のために投入しました。そして、この保険料率と自治体の、今委員がお示しになりましたけど、その点について申し上げますと、標準保険料率、これは市町村ごとの所得水準や医療費水準を勘案して都道府県が算定する、これは理論上の保険料率であります。そして、実際の保険料率は、各市町村において保険料の算定方式や積立金の状況、一般会計繰入れ等を考慮して決定されるものであります。
 このため、2019年度の標準保険料率が算定されても、実際の保険料率は今後決定されることになりますから、2018年度の実際の保険料率を単純に比較することは難しいのではないかなと、こう考えております。
 いずれにしても、国保については3400億円の公費の、国の支援を行っておりますので、全体として我々、負担感、負担は緩和していきたいと思って対応しているところであります。

山下よしき じゃ、何でこんな算定やらすんですか、都道府県に。
 さっき根本大臣は、実際の保険料は市町村が決めるんだとおっしゃいました。これまでだったら財政運営が市町村単位ですから自分で決めることができたでしょう、何も縛られることなくね。しかし、こういうものを、都道府県単位化に財政運営がされた下でその都道府県から標準保険料率を示されたら、これはもう単なる参考では済まないんですよ。A市がこんな標準保険料率守りませんと決めたとしたら、それによって、B市、C市、D市にこのしわ寄せが行くんじゃないかという圧力が、これ掛かってくることになりますよね。だって都道府県単位で財政運営することになったんですから。
 実際、現に厚労省が先進例と示している大阪府では、あと5年で全ての市町村を統一保険料にすると決めているんですよ。もう例外なしですよ。全部の市町村一緒に大阪府が決めた保険料率にすると言っている。
 財政制度審議会、平成31年度の予算編成に関する建議、どう書いてあるか。国保財政の都道府県化を機に、速やかに法定外一般会計繰入れを解消というふうに書いてあるんですよ。
 繰入れを解消したら上がるに決まっているじゃありませんか。それを、都道府県化を機に繰入れをなくそう、解消させようと国がしているじゃありませんか。上がるじゃありませんか、大臣。

樽見英樹(厚生労働省保険局長) 国民健康保険の都道府県単位化ということでございます。
 まさに、その都道府県を財政単位にするということによって財政規模は大きくなりますので、それによって、その市町村ごとの保険料は、したがいまして、上がるところもあれば下がるところもあるという関係になるわけでございます。そういうことも含めて財政的には安定するというような構造になっているということを申し上げたいと思います。
 それと併せて、これまで保険給付に五割の公費負担というのを国民健康保険やってまいりましたが、さらに公費の先ほどの3400億円の財政支援の拡充というようなことを行いまして、財政基盤を大幅に強化するということをやっているということでございます。
 標準保険料率は、そういうことで都道府県のレベルで算定する理論上の保険料率ということでございますが、まさに、これまで市町村でいろいろやってきたというところの違い、あるいは財政方式の違い、あるいは収納率の違いといったようなこともありますので、直ちにそれを1本にするということではなくて、まさに都道府県と市町村とよく相談をしていただいて保険料を決めていただくと、そういうことで進めているということでございます。

山下よしき 今、政府の方から、直ちに1本化するわけではないと。そのとおりなんですよ。大阪府だって5年掛けてやるんですよ。これにずっと圧力掛かって収れんされていくような仕組みをつくったんですよ。そのためにつくったんですよ、これは。
 実際、標準保険料率に合わせるために、国保料の値上げが起こっております。去年1月30日の北海道新聞、こうあります。国民健康保険の運営が道に移行されるのに合わせ、旭川市は新年度から市独自の保険料軽減制度を段階的に縮小し、2024年度に廃止する方針を決めた。こういうことが既に起こっているんですね。軽減制度を縮小し、廃止するということは、国保料が上がるということであります。
 旭川市の軽減制度を見ますと、国保料の均等割を18歳未満については五割軽減する、そういう制度だったんですね。高過ぎる国保料の中でも1番問題なのが、私はこの家族の人数に応じて掛かってくる均等割だと思います。旭川市の場合、子供の均等割は3万8000円なんですよ。だから、赤ちゃんがおぎゃあと1人生まれたら、3万8000円国保料が上がると。これでは心からおめでとうと言えないですよ。まさに少子化を促進する、それが均等割なんです。そこで、旭川市は子供の均等割を軽減することにしたんですね。
 ところが、2016年度に始まった子供の均等割の五割軽減が、2018年度、国保の都道府県単位化に伴って三割軽減に縮小され、2024年度に廃止されることになったと報じられております。
 総理、子供に係る均等割については、全国知事会や全国市長会からも軽減制度をつくってほしいと要望が出ております。総理も、2月1日の参議院本会議の答弁で、地方の意見を聞き、引き続き検討すると答弁されました。
 しかし、国保の都道府県化でそれに逆行する事態が起こっております。少子化を促進する事態が起こっております。総理、問題だと思いませんか。

安倍首相 詳しくは厚労大臣から答弁させますが、国保改革においては、交付金制度を見直しをして、子供の被保険者数が多い自治体への財政支援を強化をいたしました。
 子供の均等割保険料の今後の在り方については、財政支援の効果や、そして国の国保財政に与える影響などを考慮しながら、厚生労働省を中心に、国保制度に関する国と地方の協議の場において引き続き議論をしてまいりたいと考えております。

山下よしき 総理、引き続き協議すると、考えているとおっしゃいますけど、協議する前に均等割の軽減が逆に縮小されちゃっていますよ。総理の答弁と逆行する事態が目の前で今起こっているんですよ。
 北海道新聞は、国保の都道府県化に合わせ、軽減制度を縮小、廃止と報じております。これ、因果関係はっきりしているんですよ。国の、国保の都道府県化によって、せっかくの子育て世代への軽減、負担軽減がなくなっていっている。これはゆゆしき問題だと思いますね。このままでは私はえらいことになると思います。国保料の値上げと消費税10%への増税がダブルで国民生活に襲いかかることになります。いいのかと。
 私、消費税10%への増税が世帯ごとにどれだけの増税額となるかも総務省の家計調査に基づいて試算をしてみました。パネルにしました。年収400万円の4人世帯では、消費税が10%に上がりますと3万4000円程度の増税額になります。年収240万円の単身者では1万8000円程度の増税額になります。年金暮らしの280万円の高齢者夫婦では3万2000円程度の増税額になるわけですね。消費税10%の増税額です。先ほど試算してパネルにしました国保料の値上げを合わせますと、それぞれ赤い矢印のように、大阪市の場合は7万4000円、2万8000円、4万8000円の負担増、新宿区の場合は13万3000円、5万6000円、6万8000円の負担増です。
 総理、これではもう家計、もたないんじゃないですか。国民生活は破綻するんじゃありませんか、総理。

安倍首相 消費税の引上げにつきましては、これはまさに、伸びていく社会保障に対応するためと同時に、国の信認を確保する、そして子供たち、子育て世代に大胆に投資をしていくために引き上げていくものでございますので、我々は、リーマン・ショック級の出来事がない限り、法律にのっとって引上げを行っていきたいと、こう考えているところでございます。

山下よしき いやいや、国民生活が破綻するんじゃないですかと問うたんですよ。

安倍首相 今回の消費税の引上げによって、先ほど、子育てに、この保険料について子育てに逆行するのではないかというお話がございましたが、今回の消費税の2%の引上げを行うと同時に、10月から幼児教育、保育の無償化を行うことになるわけでございますし、来年の4月からは真に必要な子供たちに対する高等教育の無償化を行う。言わば、子供の教育費、保育費等の負担を思い切って軽減をしていくことにもつながっていくと、こう考えているところでございます。
 また、低年金者に対する給付、年金の給付も行う予定でございます。

山下よしき 子育て世代、低年金者世帯に対してこれだけの負担がかぶってくるようなことをこれから安倍政権がやろうとしているという問題を提起しているんです。
 さっき、自民党席の方から、大阪市、新宿区以外はどうなんだと。全部試算していますよ、都道府県の標準保険料率が発表されたところ。八割の自治体で国保料は上がるということになっているんですよ。これは全国的な趨勢なんですよ。その上に消費税10%、まさにダブルパンチじゃありませんか。これで国民生活が破綻するんじゃないかと言っているのに、一言も答えがないと。驚くべき生活実感だと言わなければなりません。
 大体、社会保障のための消費税と言っていたけど、どこが社会保障のためですか。消費税を増税しながら、今でも高い国保料を更に値上げして、医療を受けられない人を増やす。国民をだまし討ちにするようなやり方だと言わなければなりません。
 私は、消費税増税も国保料の値上げもどちらもやめるべきだと思いますし、財源はありますよ、財源はある。大企業にせめて中小企業並みに法人税を払ってもらえば、年間4兆円。そして、富裕層の株のもうけにせめて欧米並みに税金を掛けて、下げ過ぎた所得税、住民税の最高税率を元に戻したら、3兆円。合わせて7兆円ですね。消費税10%中止の財源にもなるし、昨年、全国知事会が提言された、公費1兆円投入による国保料大幅値下げの財源もこれで出てくるんですね。日本共産党は、こういう別の道があるということを国民の皆さんに広く知らせて、ダブルパンチを止めて、高過ぎる国保料を引き下げるために頑張ることを表明したいと思います。
 さらに、特別支援学校の問題について、次、質問したいと思います。
 私は、社会保障の充実というんだったら、障害のある子供たちの教育環境こそ充実させるべきだと思います。
 総理に伺います。障害のある子供たちが学ぶ特別支援学校が果たしている役割について、どう認識されているでしょうか。

安倍首相 先ほどの……(発言する者あり)いやいや、先ほどの引き上がる市町村が多いというパーセンテージについて厚労省から答弁をさせたいと、こう思います。(発言する者あり)いや、その共産党の調べとちょっと違うわけでございますので。
 そして、私に対する質問でございますが、特別支援学校の教室不足など教育環境に関するお尋ねでありますが、まずはこの特別支援学校については文科大臣から答弁させたいと思います。

金子原二郎予算委員長 樽見保険局長、簡単に。

樽見局長 はい、簡単に申し上げます。
 保険料が国保改革によって上がるか下がるかということでございますけれども……(発言する者あり)

金子委員長 速記を止めて。
   〔速記中止〕

金子委員長 じゃ、速記を起こしてください。
 樽見さん、席に帰ってください。

柴山昌彦文部科学大臣 特別支援教育について御質問でございます。
 障害のある子供に対してその障害の種類や状態に応じて柔軟な対応が行える教育環境を整えて学校教育を提供することによって子供の権利を充実させていくということで、極めて重要でございます。

山下よしき 先日、私は、ある特別支援学校を視察いたしました。障害のある子供にこそ本物の芸術をと、美術や音楽の専門の先生が配置されていました。音楽の授業を見学いたしました。ピアノや打楽器のメロディーとリズムに合わせて子供たちが声を出し、体を弾ませていました。立っている子もいれば、椅子に座っている子、それからもう寝転がっている子もいました。大変リラックスして音楽を楽しんでいました。その様子を見て、この子たちは間違いなくこの授業を楽しんでいると、力を引き出されている、仲間と一緒に学んでいると感じました。もう余りに楽しそうなので、私も思わず笑顔になったんですけれども。
 先生方に話を伺いますと、子供たち1人1人について、人格的発達はどこまで来ているか、今この子には何が必要か、教師がみんなで話し合いながら集団で判断していると言います。教育の原点を見た思いがいたしました。子供たちの内側から発達要求を引き出すという言葉にも感動いたしました。
 保護者の声も聞きました。ある保護者の方は、人の集まりが苦手、友達との関わりがストレスという子でしたが、支援学校に通うことにより、そのストレスが軽減され、大人との関わりから子供への関心も増えましたと語ってくれました。別の保護者の方は、子供を支援学校に行かせて良かったと思うのは自己肯定感が高まったところかな、得意なところはめっちゃ褒めてもらえて、少し苦手なことは少しでもできるようになったら評価してもらううちに自信付けてきたと思うと語ってくれました。
 支援学校は、障害のある子供たちの学び、発達する権利を保障する大事な役割を果たしていると思います。
 総理、先ほど御答弁ありませんでした。総理の認識を伺います。

安倍首相 障害のある子供に対し、その障害の種類や状態に応じて柔軟な対応が行える教育環境を整えて学校教育を提供することは重要であります。
 このため、政府としては、法律に基づく設置義務を有する都道府県に対し、特別支援学校の新設や増改築等に取り組もうとする都道府県等に国庫補助を行うなど必要な支援を行うとともに、学校指導要領において障害の特性に応じた指導上の配慮事項を規定するなど、特別支援教育の充実を図ってきたところであります。
 今後とも、こうした取組を通じて、障害のある子供たちが安心して学ぶことができる教育環境を整えてまいりたいと思います。

山下よしき その特別支援学校に通う児童生徒が今、全国で急増しております。
 特別支援学校の児童生徒数と学校数の推移をグラフにしました。2000年に全国で9万人だった児童生徒は、2018年に14万3000人になりました。1.6倍に増えております。1.、学校数は992校から1141、1.15倍。児童生徒数の急増に対して学校建設が全く追い付いていないという実態にあります。私が訪ねた滋賀県の草津養護学校、三雲養護学校、野洲養護学校では、僅か10年の間に児童生徒が1.5倍から1.9倍に急増しておりました。
 そういう中で、子供たちが学ぶ教室が足らなくなる事態が生まれています。文部科学大臣、特別支援学校の教室不足数、全国で幾つありますか。

柴山昌彦文部科学大臣 特別支援学校の教育環境の整備については、従来から各設置者である地方公共団体において取組が進められているところですけれども、調査によれば、近年の特別支援教育を必要とする児童生徒数の増加により、全国で合計3430室が、1時的にはありますけれども、1時的ではありますけれども、不足しているという調査がございます。
 それぞれ各地方公共団体は、これに対して、学校の新増築や、特別教室や管理諸室を教室に転用するなど、教室不足に対応しているということですけれども、先ほど総理が答弁をされたように、国としてもしっかりと、財政的支援等を始め、こうした事態に対応してまいります。

山下よしき 3430、教室不足があると。1時的だとおっしゃったけど、1時的じゃないですよ。もう20年近くずっとこういう状況があります。
 その下で何が起こっているか。教室不足のために、ある支援学校では玄関前の通路で体育の授業をやっています。後ろに写っているのは靴箱ですね。クラスが増えて、運動場や体育館の空きがないんですね。だから、私が見学した支援学校も、体育館をどうやって使うのかを、そのカリキュラムを組むのにもう一生懸命組合せをやっていました。あぶれる子供たちはこういう状況になるんですね。
 それから、多くの支援学校で特別教室が普通教室に転用されております。ある支援学校の小学部の転用状況を伺って、図にいたしました。これ、左側は一階の図でありまして、元々生活室と音楽室があったんですが、二つのクラスの教室に転用されました。右側は二階の図ですが、教材室、生活室、図工室がありましたが、いずれも潰されて四つのクラスの教室に転用されました。要するに、転用というのは特別教室を潰すことであります。
 音楽室が潰された学校では普通教室で音楽の授業をやっておりまして、隣の教室に音が響くので、音楽の授業なのに音を出してはいけない事態になっております。それから、別の支援学校では、子供たちが社会に出たときに困らないようにするために、学校新設の際に作法室というのを造ったそうです。小さな前庭があって、玄関から入って部屋に上がることができる、そうやって挨拶する訓練をするという作法室を造ったんですが、それも普通教室に転用するために潰されてしまいました。それから、この写真のように、図書室が潰されたために廊下に本が並んでいる支援学校もありました。
 総理に伺います。障害のある子供たちにこそ本物の芸術を、障害のある子供たちにこそより豊かな教育環境をと先生や保護者の皆さんが長年努力されて、創意を発揮されて築いてきた豊かな到達点が本当に困難に直面しております。こんな状態は普通の小学校や中学校にはありません。総理、おかしいと思いませんか。放置できない事態だと思いませんか、総理。

柴山文科相 今委員が御紹介をいただいたように、非常に特別支援教室、不足をしているという実態から、様々な問題が生じていることは事実であります。
 特別支援学校は、対象とする障害の種類に応じた多様な施設や設備が必要とされていることなどから、各学校の状況に応じて柔軟な対応が可能となるよう、その施設や設備についての基準は設けられていないところであります。
 ただ、特別支援学校の設置について、学校教育法80条において、都道府県がその区域内において就学する児童生徒に必要な学校を設置しなければならないこととされておりますので、一義的には都道府県の責任において、障害のある児童生徒の状況や地域の実情などを考慮した上で、そうした特別支援学校の設置等について対応をいただくものだというように考えております。
 ただ、この特別支援学校の教室不足ということについて、今御指摘のあるような状況があることを踏まえて、私どもといたしましては、先ほど総理が答弁をされたような整備に係る補助制度を平成26年度に創設したところでありますけれども、その上さらに、各都道府県に対しまして、平成28年、潜在的なニーズを含め、児童生徒数を把握し、解消計画を策定、更新した上で、新設校の設置や校舎の増築、分校、分教室の設置など、適切に対応するよう求めているところであります。
 いずれにいたしましても、今後とも、今委員が御指摘された、障害のある児童生徒が安心して学ぶことができる教育環境の整備を国としても懸命に進めていきたいと考えております。

山下よしき 様々な問題が生じていることは事実って、そんなさらっと言っていい問題ですかね。子供たちの学ぶ権利が今、目の前でこれは保障されない事態が起こっているわけですよ。一刻も放置できない事態ではないか、その認識、残念ながら聞こえてきませんでした。
 さらに、教室不足で起こっている実態を紹介します。
 教室が足りないために、一つの教室をカーテンなどで間仕切りして、二つのクラスが使用する事態が全国の支援学校で生まれております。この写真は、間仕切りした教室で片側で行われている授業の様子であります。これ、NHKさんの放送から借用しましたけれども、隣の教室から、大丈夫、一つずつ慣れていきましょう、そしたら実習問題、算数の授業でしょうか、その声が聞こえてきていますね。こちらでまた別々の授業がされているということであります。
 障害のある子供の中には、突然大きな声を上げざるを得ない子供さんもいます。そういう大きな声が突然聞こえてくると、パニックになって授業が受けられなくなる子供さんもいます。ですから、こんなカーテン1枚、間仕切り1枚ではそういう状況が防げない。教育上極めて深刻な状態であります。この問題はもう20年近く続いているんですね。国会でも2008年から問題となっていますけれども、解決されておりません。
 総理、一刻も放置できない問題だという認識、ありませんか。

柴山文科相 ソフトの面とハードの面、それぞれ我々、課題解決に向けて取組を進めております。
 今、ハードの面、設備等の面について御指摘をいただきました。先ほど答弁をさせていただいたとおり、必ずしも我々、施設や整備の基準については特別な基準を設けておりませんけれども、学校教育法による規定により、省令である学校教育法施行規則においては、特別支援学校の学級編制基準などについては規定をさせていただいております。
 また、ソフトの面においても、特別支援学校において、障害のある児童生徒が1人1人の教育的ニーズに応じた適切な指導及び必要な支援を受けることができるように、特別支援学校学習指導要領の改訂などによる指導の充実、また、特別支援学校教師の専門性の向上、特別支援教育に係る専門家の配置に係る補助事業の実施などを行っているところであります。
 まだまだ狭隘、あるいは共用による設備の不足などについては理解をしておりますけれども、繰り返しになりますが、我々として、こういった状況を放置しないで、ハード、ソフト両面にわたってしっかりと支援をしていくということを進めていきたいと考えております。

安倍首相 もちろん政府としては、こうした現状についてもちろん把握をしておりますし、この現状を放置するという考え方はもちろん全くございません。今までも努力を重ねてきたところでございますが、潜在的なニーズも含めて、この教室不足の解消のための計画的な取組を促して、各都道府県に対しては促すとともに、特別支援学校の施設整備に対する国庫補助を行うなど必要な支援を実施してきたところでございますが、今後とも、こうした状況の解消のために力を、努力をしていきたい、また都道府県とともに努力をしていきたいと、こう考えております。

山下よしき 今総理から、放置するつもりは全くないと答弁がありました。
 こういう事態、異常事態の根本に、では何があるのかと。私は、特別支援学校にだけ学校設置基準がないことがあると言わなければなりません。
 先生と保護者は、特別支援学校にも学校設置基準を作ることを強く求めております。2012年から毎年、数万筆の署名が提出されております。私も、この署名運動で特別支援学校にだけ学校設置基準がないことの深刻さを改めて認識いたしました。
 文部科学大臣、確認いたしますが、学校設置基準とは何ですか。

柴山文科相 先ほども少し紹介をさせていただきましたけれども、学校設置基準というのは、学校を設置しようとする者が、学校の種類に応じて、設備、編制その他に関する設置基準に従い、これを設置しなければならないと規定されているところでありまして、例えば、文部科学大臣が制定した小学校設置基準においては、施設及び設備は、指導上、保健衛生上、安全上及び管理運営上適切なものでなければならないこと、校舎及び運動場の面積、その校舎には図書室、教室、保健室、職員室を備えなければならないことなどが定められております。

山下よしき 今大臣から答弁のあった学校設置基準、どういう性格なのかと。
 上は、今読み上げられた第3条、学校教育法第3条ですけれども、その下側に文部科学官僚の書かれた解説書から抜粋したものがあります。
 学校として備えるべき人的組織や物的組織等について、一定の準拠すべき基準がなければ、設置者の財政事情や教育に対する情熱の相違などによって、学校教育が一定の水準を下回ることになる懸念がある。公の性質を持つ学校がその学校の名に値しないような低劣な状況下で設置されたり運用されたりすることは国法の期待するところではないから、学校教育法は、学校の設置基準についても規定を設けているのである。
 そして、この性格としては、最低基準の性格、学校設置の認可基準たるの性格、そして法規命令としての性格を持つと述べています。
 文科大臣、間違いありませんね。

柴山文科相 性格としては、おっしゃるとおりだと思います。

山下よしき 次に、先ほど柴山大臣ちょっと紹介されました文部科学省の小学校設置基準から施設及び設備の中心部分を抜き出してパネルにいたしました。
 一つ、校舎、運動場の面積(ただし、特別な事情かつ教育上支障がない場合、下回っても良い)。割と柔軟に対応ができるようになっています。二つ、教室(普通教室、特別教室等)、図書室・保健室、職員室を備える。三つ、体育館を備える(ただし、特別な事情かつ教育上支障がない場合、なくても良い)。
 こういう小学校設置基準ですが、この学校設置基準、小学校だけではなくて、幼稚園にも中学校にも高校にも大学にもありますね。しかし、特別支援学校にはありませんね。確認です。

永山局長 御指摘のとおり、学校教育法第1条に規定する学校において、実質的に、設置基準、いわゆる文部科学省令による設置基準がないのは、実質的には特別支援学校のみでございます。

山下よしき お認めになりました。この学校設置基準がないのは特別支援学校だけなんですね。
 そこで、具体的に提案したいと思います。私は、この設置基準が、法規命令としての強力な基準がないことが、さっき言った、とんでもない、学ぶ権利が侵害されている状態が長く続く根本にあると思っております。ですから、これは具体的に提案いたしますけれども、この学校設置基準がない特別支援学校にもこの小学校設置基準と基本的に同じ基準を作ってはどうかと。文科大臣、いかがですか。

柴山文科相 先ほど少し紹介をさせていただいたんですけれども、そもそも、この特別支援学校というのは、障害のある児童生徒が、本当に様々なタイプの児童生徒がいることから、その教育環境の整備について、特別支援学校においては、その生徒に応じた適切な指導及び必要な支援が行うことができるよう適切に対応いただくべきものということからそうした設備基準というものが設けられていないわけであります。
 文部科学省の調査によると、児童生徒の増加に伴う、先ほど紹介させていただいた1時的な対応として特別教室を普通教室に転用している場合があるということは承知をしておりますけれども、ただ、委員がお示しをいただいた資料にあるとおり、特別教室を普通教室に転用している場合であっても、教育上の支障、これがあるかどうかということが非常に重要な観点であろうかというように思っております。
 特別支援学校の教室不足による教育環境の悪化がこれ以上生じないよう、また改善するよう、都道府県等に対し、教室不足の解消のための計画的な取組を促す通知を平成28年に私どもとして発出するとともに、特別支援学校の施設整備に対する国庫補助を行うなど必要な支援を行っております。
 今後とも、そうした状況が少しでも改善するように、各都道府県の取組を我々としてしっかりとサポートしていきたいと考えております。

山下よしき 何でこの三つを作ったら柔軟な対応ができないのか、様々な子供さんに応じた適切な対応ができないのか。おかしいですよ。
 もう時間が迫ってまいりましたので。
 校舎、運動場の面積、これ決めたら何が問題になるんですか。

柴山文科相 例えば、車椅子やストレッチャーなど、児童生徒の使用する機器や介助の要否を踏まえた必要なスペース、また、年度の途中で入退院等による児童生徒の転学等や重複障害の児童生徒による学級編制などに対応した教室、障害種に応じた設備、点字ブロックやスロープなどや自立活動用の教室の確保などについて、やはり先ほど申し上げたように個別、柔軟に対応する必要があるというように考えております。
 そういった必要となる施設や設備は個々の子供の状態によって変わってくるものであり、一律の基準を設けることは困難であるというように考えております。

山下よしき いや、校舎や運動場の面積を最低基準として決めたら、なぜ体の大きな子供さんたちの発達とか対応に支障になるんですか。ならないじゃないですか、最低基準なんですから。

永山賀久(文部科学省初等中等教育局長) 先ほどの御答弁にもありましたけれども、年度の途中で入退院とかで児童生徒数の数が変わるということもございます。そういった状況にも柔軟に対応するということもございますので、やはり面積につきましても一律に定めることは困難であるというふうに考えてございます。

山下よしき 今のは全然一を否定する理由ではありません。
 では、2番目、教室、普通教室と特別教室等、なぜこれがあっては駄目なんですか。
 それから、柴山大臣、さっき特別な事情と言いましたけど、この2番目にはそれないですよ。特別教室は特別な事情があろうがなかろうが造らなければならないというのが小学校設置基準ですよ。これを何で特別支援学校、障害のある子供たちの学校には造ったら問題があるんですか。具体的に教えてください。

永山局長い 設置基準にはございませんけれども、学校教育法施行規則というものがございまして、これは全ての学校に共通の規定でございます。その規定におきましては、教室についても必要だといったことも規定がございます。

山下よしき そういう強力な、最低基準としての法的根拠のあるものじゃないんですよ、今言われたのは。だからどんどん潰れているんですよ。
 柴山大臣、何でこれ駄目なんですか。

柴山文科相 規則において一定の定めがあるというように申し上げておりますけれども、設置したら駄目ということを答弁してはおりません。

山下よしき 駄目なんじゃなかったら設置しましょうよ。設置しましょうよ。

柴山文科相 先ほど来何度も答弁をさせていただいたとおり、個々の学校の事情や児童生徒の障害の特性、またそれぞれの設置者や学校の財政状況等に応じて適切に対応いただくべきものと考えており、国としてもそれをサポートをしていきたいというように考えております。

山下よしき さっきから適切な対応適切な対応と言って設置基準がないことを合理化しようとしているけど、設置基準がないことによって音楽室が潰れているんですよ。適切な対応ができなくなっているんですよ。あんなに豊かな個性あふれる成長の姿を見せてくれた子供たちから音楽室を奪うのが適切な対応ですか。
 障害のある子に音楽室は要らないと、それが文科省の立場ですか。

柴山文科相 繰り返しになりますけれども、それぞれの学校の状況や児童生徒の障害の特性等を適切に考慮した上で当該学校あるいは先生方に対応していただくということがふさわしいというように考えております。それができないということであれば、我々としても、しっかりと状況を確認した上で必要な指導等をしていきたいというように考えております。

山下よしき 本当にこの設置基準がないことによって起こっている実態をもっと直視すべきですよ。幾ら聞いても、私は、今この挙げた二つ、三つ目は行けませんでしたけれども、小学校設置基準と基本的には同じ設置基準を特別支援学校に作ることがなぜできないのか、全くまともな理由は返ってきませんでした。特別支援学校に最低基準としての学校設置基準を作らない合理的理由はありません。
 総理、障害者権利条約には何とあるか。第24条、教育のところには、障害者が、その人格、才能及び創造力並びに精神的及び身体的な能力をその可能な最大限まで発達させることということがうたわれております。音楽室がなかったら、最大限能力が発達できないじゃありませんか。それを支えるのが公教育じゃないですか。私は、それを、ないんだったら作るのが政治の役割だと、責任だと思いますが、総理の見解を求めます。

安倍首相 先ほどもう既に大臣から答弁をさせていただいているわけでございますが、この特別支援学校の設置については、学校教育法において、都道府県が区域内において就学する児童生徒に必要な学校を設置しなければならないこととされておりまして、基本的には都道府県の責任において障害のある児童生徒の状況や地域の実情等を考慮した上で適切に対応いただくものと考えておりますが、今後とも、先ほど申し上げましたように、各都道府県と協力をしてしっかりと支援をしていきたいと、こう考えております。

山下よしき 障害のある子供たちの学ぶ権利、そして発達する権利が保障されない事態をなくすために設置基準を作ること、校舎新増設を促す緊急の財政措置をとることを強く求めて、質問を終わります。

児童相談所体制強化へ 
2019年03月20日 参議院総務委員会

山下よしき 日本共産党の山下です。
私も児童虐待について問いたいと思います。
児童虐待で子供たちが親の手によって殺害されるという痛ましい事件が次々と起こっております。東京目黒区の結ぶ愛と書いて船戸結愛ちゃん、5歳、千葉県野田市の心に愛と書いて栗原心愛さん、10歳、東京板橋区特別支援学校1年生、平和の和に希望の希と書いて添田和希さん、6歳。生まれたときに心を込めて名前を付けた親たちだったと思われます。心からの哀悼をささげるとともに、このようなことがこれ以上繰り返されないために、大人の役割そして政治の責任は極めて大きいと思っております。
そこで、子供の命を守り、若い親たちへの支援を行うための言わば最後のとりででもある児童相談所や一時保護所の問題について聞いていきます。
まず、児童相談所についてですが、設置主体は都道府県、指定都市などでありますが、現在全国に213か所児童相談所はあります。1718自治体、市町村の中で、児童相談所が置かれているのは2割にもならないわけであります。
厚労省に聞きますが、全国の児童相談所の相談件数、この20年間の推移、そしてその相談内容、そしてうち虐待相談の推移と内容について報告いただけますか。

藤原朋子(厚生労働省子ども家庭局児童虐待防止等総合対策室長) お答え申し上げます。
まず、児童相談所における相談の状況でございますけれども、児童相談所における主な相談としては、まず児童虐待に関する虐待相談、それから身体障害や発達障害を持つ子供に関する障害相談、あるいは法を犯した、触法行為があった子供に関する非行の相談、そして育児やしつけ、あるいは不登校などに関する育成相談、こういった種類の相談を受けているところでございます。
こうした全ての相談の種類を合計をした相談対応件数をこの20年間比較をするということをいたしますと、平成9年度が32万5925件でございましたところ、直近、平成29年度の数字になりますけれども、46万6880件ということで、14万955件の増加というふうな状況になっているところでございます。後ほど申し上げますけれども、この増加の要因としては、やはり虐待相談の対応件数が非常に伸びているということが大きく要因として考えられるところでございます。
また、二つ目にお尋ねのございました、そのうちの虐待相談件数がどうなのかということでございますけれども、これも平成9年度と29年度で比較をいたしますと、平成9年度が5352件でございましたところ、29年度は13万3778件と過去最多を記録をしているというところでございまして、単純に比較をすれば、この20年間で約25倍というふうな大きな伸びを示しているところでございます。
この増加の要因の分析というのはなかなか簡単にはできませんので、引き続き我々もしっかり分析をする必要があると思っているところなんですが、平成12年に児童虐待防止法ができまして、最近の動きといたしましては、平成27年7月から開始をいたしました児童相談所の全国共通ダイヤルの3桁化、いわゆるいちはやくということで189番ということで窓口を設定をしておりますけれども、こういったものの広報が進んできたということですとか、様々な報道などで国民や関係機関の皆様の意識が高まっているということもあろうかと思いますし、また、この間、警察を始めとした関係機関との連携が非常に強化をされておりまして、関係機関からの通告も増加をしているということがありますので、そういったことも影響しているのではないかと思っております。

山下よしき ということですよね。相談件数は20年で1.5倍ぐらいでしょうか。それから、うち虐待については25倍と物すごい増え方になっております。
そこで、児童相談所で児童福祉司の資格を持つ職員の方は2017年で3240人。心理司、保健師の資格を持つ方を入れて、合わせて4690人。総務省の調査で見ますと、児童相談所などの職員は、この10年で1.2倍程度にしか増えておりません。20年で二十五倍に増えた児童虐待にこれでは対応できるはずがないと思います。初期対応に当たる職員1人当たりの担当件数、聞いてみますと50人前後に上ると。場合によっては三桁の件数という実態もあります。まさに相談件数の増加に対して児童相談所の職員の増え方が全く間に合っていないということだと思います。
そこで、厚労省は、児童福祉司については、児童虐待防止対策総合強化新プランで2022年までに2020人増やすとしておりまして、2019年までに1070人増やすと。これ、いずれも常勤職員として増やすという計画になっております。実は、2016年から既に厚労省が主導されてこの児童相談所の増員のプランは始まっております。
そこで厚労省に伺いますが、児童相談所の児童福祉司、2016年からどれだけ増員されたのか、また、新プランによって2018年、19年、どれだけ増員が見込まれるのか、お答えいただけますか。

藤原室長 お答え申し上げます。
児童福祉司についての人数でございますけれども、平成28年度が3030人、29年度、3235人、そして平成30年の、4月1日の、いずれも時点での数字でございますけれども、3426人というふうになってきているところでございます。直近この1年間では約200人の増員が図られているというところでございます。
委員御指摘のとおり、一方、この児童相談所での児童福祉司の業務は非常に複雑化しており、相談件数も非常に伸びているということがございますので、昨年の12月に新しいプランを決定をいたしまして、2022年度までの間で児童福祉司を約2000人程度を増員ですとか、心理司についても800人程度増員、こうした体制の抜本的な拡充を図るということにしているところでございます。特に、来年度につきましては、児童福祉司1070人を確保したいということでございます。
このため、我々も自治体における人材確保を厚生労働省としてもしっかり支援をしていくことが必要であると考えておりまして、自治体における採用活動の支援に対する補助の創設ですとか、採用のみならず、専門性を確保するための自治体における取組、例えば児童相談所の経験者の再配置やOB職員の再任用を積極的に行っていただきたいこと、人事の異動サイクルについて考えていただきたいと、こういったお願いを周知をしているということですとか、社会福祉士会など専門職種団体に対する協力の呼びかけと、こういったことを厚生労働省としてもやってきているところでございますが、自治体の皆さんの御意見もよく伺いながらしっかり人材確保に努めていきたいというふうに考えております。

山下よしき 平成28年度から30年度の間に400人ぐらい増えているということですからね。これを一気に1000人、2000人増やそうということですから、かなり大きな増やし方をする必要があるんですが。
そこで、新プランは、更に全市町村に子ども家庭総合支援拠点を置くとか要保護児童対策調整機関調整担当者を配置するというふうにしておりまして、児童相談所だけではなくて市町村にも児童虐待等への体制を厚くしなさいということになっているんですね。
そこで、総務省に伺いますが、資料1枚目に配付しておりますけど、地方創生1兆円交付金の地域の元気創造事業費。平成31年度は3900億円程度見込まれておりますが、うち行革努力分として2000億円が交付されることになっておりますが、その算定において、ここにもあるように、職員削減率だとか人件費削減率ということがあります。要するに、職員を増員すれば減額ペナルティー、賃金を増額したら減額ペナルティーが掛けられていると、そのための補正係数を掛ける計算式まで付いているんですけれども。
総務省に伺いますが、平成30年度、都道府県でこの行革努力分が減額された県名と減額の合計額、さらに減額上位5県のそれぞれの減額額を併せて報告いただけますか。

林崎理(総務省自治財政局長) お答えいたします。
今御紹介のあった行政改革の取組を反映した地方交付税の算定でございますけれども、これ元々、各地方団体は、地方創生など地方が直面する課題に取り組む財源を捻出するために行政改革の取組を行っているということで、行政改革の取組の成果を上げた団体にあっては地方創生のために多額の財政需要が生じていると考えられるということで、こういったものがまずあります。
そういった中で、今御質問ございました点に関してでございますけれども、これは、まち・ひと・しごと創生事業費1兆円のうち、元々、地域の元気創造事業費四千億、そして100億円は特交、特別交付税でございますので、残りが3900億円程度ということでございます。そして、その中で行政改革の取組から地域経済活性化への取組へ1000億掛けてシフトしていく、今そういう状況の中での数字になってまいりますけれども、30年度の都道府県分の算定では590億円、590億円が行政改革の取組による算定として対象となっておりまして、具体的には今お示しいただいたような形で算定をしてきているわけでございます。
私どもとしましては今申し上げたような算定を行ってきているところでございますけれども、今お求めということでございますので、仮にこれ、それぞれの取組によって、全国平均一とした場合に、一を上回ったり下回ったり当然こうなってくるわけでありますが、これを一というふうに置いて、そして割増し、割り落としを行わずに機械計算をした額というものを計算してみますと、それと実際に平成30年度の算定額とを比較しますと、四17都道府県で平均を上回る団体、下回る団体もちろん出てまいりますが、下回る団体が21団体になります。
21団体については個別にお話し申し上げてよろしいですか。
ちょっと長くなりますけれども、21団体申し上げます。宮城県、茨城県、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県、新潟県、山梨県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、岡山県、福岡県、佐賀県、熊本県、沖縄県。この21団体が、機械計算の結果、30年度算定額よりも低い数字が出てくると、こういうことでございます。
そして、今申し上げました21団体における数字を足し上げますと48億1000万円余りという数字になります。今申し上げましたとおりで、総額はもう元々590億円をどういうふうに配分するかということでございますので、例えばこういった機械計算をやった場合と元々の30年度算定とではいずれも590億円という数字になりますので、全国ベースでは増減は相互では生じないということになります。
次に、平成30年度算定額が計算額を下回る数字が大きい五団体でございますけれども……(発言する者あり)済みません、じゃ、こちらの方で。

山下よしき ちょっともう時間ないので、最後に、総務大臣、1点聞きます。
要するに、さっき前半で聞きました児童虐待対策で既に自治体は職員を増員してきているわけですね。その自治体が職員を増員してきたことに対して、行革努力分、行革算定として減額されていると。これは政府の要請ですよ、児童虐待対策として児童相談所の職員を増やしてくれと。それに従って増やしたら減額ペナルティーが掛かると。これ、余りにおかしいじゃありませんか。
もうこういうやり方はやめるべきだと思いますが、大臣、いかがですか。

石田真敏総務大臣 地域の元気創造事業費の算定において、職員数削減率といった指標を用いて行政改革の取組を算定に反映をしているわけでありますが、一方で、今御指摘のように、児童虐待防止対策体制総合強化プランに基づき児童相談所の体制強化を行う必要があること等を踏まえまして、職員数削減率を用いた算定につきましては平成32年度算定以降見直しを行う予定でございます。

山下よしき 平成32年以降は見直すと、これは当然だと思うんですが、しかし2016年度から増やしているんですね。これはそのまんま、じゃ、ペナルティーになるんですか。これもおかしいんじゃないですか。これをやめるべきだと思いますが、いかがですか。

林崎局長 お答えいたします。
今大臣の方から説明させていただきましたけれども、新プラン等が出てまいりましたので、状況が変化があるということで、職員数削減率を用いた算定につきましては32年度算定以降見直しを行う予定ということで、既に1月の地方団体の説明会でも私どもの方も明らかにしているところでございますが、31年度の算定につきまして、これは金額にすると、3か年で1000億移していくという最終年、500億円の算定になりますが、これにつきましては、職員数削減率の算定に反映されますのはこれまでの過去の定員管理の取組でありまして、今後の職員配置の問題とは直接関係しないということが1点ございます。
また、現実問題として、算定に用いる統計数値にも制約があるといったこともございまして、31年度につきましては従前どおりの算定を行わせていただきたいと思っております。32年度以降、また検討してまいりたいと思っております。

山下よしき 終わります。

非婚・未婚ひとり親家庭に所得税寡婦控除を 
2019年03月19日 参議院総務委員会

山下よしき 日本共産党の山下です。
 まず、所得税、住民税の寡婦控除を非婚、未婚のひとり親にも適用すべきという問題について質問したいと思います。
 もう前提といいますか、もう御存じのことだと思いますが、寡婦とは何ぞやということなんですが、国税庁のホームページを見ますとこうあります。夫と死別又は離別した後婚姻していない女性で、扶養親族又は生計を一にする子どものいる人、これを寡婦と定義されております。したがいまして、夫と死別又は離別でありますので、婚姻歴のない非婚、未婚のひとり親は寡婦控除の対象とはなりません。これは、元々未亡人の方に対する支援制度が始まりだったという歴史的背景があるとはいえ、私はこれは余りにも不合理ではないかとずっと思ってまいりました。
 まず、厚労省に基本的な全体像の把握をするために聞きますが、全国のひとり親世帯の数は幾らか、そのうち非婚、未婚のひとり親世帯の数は幾らか、お答えいただけますか。

藤原朋子(厚生労働省子ども家庭局児童虐待防止等総合対策室長) お答え申し上げます。
 我が国のひとり親世帯の数でございますけれども、厚生労働省の平成28年度全国ひとり親世帯等調査による推計の結果に基づきますと141.9万世帯となってございます。そのうち未婚の世帯につきましては、同調査結果に基づく推計の結果、約10.8万世帯であると推計をしてございます。

山下よしき 約142万世帯のうち約11万世帯が非婚、未婚のひとり親世帯だということであります。
 資料一に、これも厚労省の平成28年度全国ひとり親世帯等調査、今御紹介いただいたものかもしれません。そこに母子世帯の母の年間就労収入の数字が載っておりましたので掲載いたしました。
 これ見ますと、母子世帯の母の年間就労収入、平均は200万円、これ総数というところの平均ですよね、200万円。ですから、年収200万円ですから、これはもちろん全世帯の平均からすると恐らく半分以下ということになっていると思います。その中でも、この左側の欄見ていただくと、未婚の母子世帯で見ますと、平均年間就労収入は177万円と。母子世帯は全体として極めて低い、その中でも未婚のひとり親の収入は極めて更に低いということがあります。
 そこで総務省に伺いますけれども、今回の地方税法改正、改定案では、これまで寡婦に適用されてきた個人住民税の非課税を非婚、未婚のシングルマザー、シングルファーザーにも適用するというふうにしております。これが適用されますとどれだけの方が新たな対象となると見込んでいるか、併せて影響額についてどう見込んでいるか、お答えいただけますか。

内藤尚志(総務省自治税務局長) お答え申し上げます。
 今回のひとり親に対します非課税措置の創設による影響につきまして、厚生労働省が公表しております平成28年度全国ひとり親世帯等調査等に基づきまして試算をいたしましたところ、新たに非課税の対象となる者は約1万5000人、減収額は平年度で約4億円と見込んでいるところでございます。

山下よしき 厚生労働省にまた伺いますけれども、厚労省はこれまでも非婚、未婚のひとり親世帯に対する税制上の要望を上げてこられました。具体的にどのような内容か、またそれは理由はどのように付けていたのか、まずそこをお答えいただけますか。

藤原室長 お答え申し上げます。
 平成30年度の与党税制改正大綱を受けまして、昨年、厚生労働省において行った平成31年度の税制改正要望におきましては、寡婦控除が適用される寡婦や市町村民税が非課税となる寡婦に未婚の母を加えるなど、ひとり親に対する税制上の支援措置の拡充を要望したということでございます。
 この要望につきましては、子どもの貧困対策の観点から、経済的に様々な困難を抱えるひとり親家庭において、子どもの未来が経済状況によって左右されることのないようにすべきというふうな考え方から要望を行ったものでございます。

山下よしき 子どもの貧困対策という観点から、やはりこれは適用拡大する必要があるという要望をされているんです。
 重ねて厚労省に伺いますが、厚労省独自に寡婦控除のみなし適用という形で様々な制度について非婚、未婚のひとり親についての支援をできるようにしていると思いますが、それを幾つか説明いただけますか。

藤原室長 お答え申し上げます。
 議員御指摘ございました寡婦控除のみなし適用でございますけれども、平成30年度から厚生労働省の関係事業におきまして順次実施をしているところでございます。
 具体的には、ひとり親に対する資格取得支援を行う高等職業訓練促進給付金ですとか、障害福祉サービスの利用者負担、あるいは小児慢性特定疾病医療費助成の自己負担など、合計27の事業で実施をしているところでございます。

山下よしき 今、厚労省さんから説明がありました。たくさんみなし適用されているんですけれども、これも御存じのとおりですけれども、寡婦控除によって算出された所得が基準となって、例えば国保料ですとか保育料ですとか、公営住宅の入居要件ですとか家賃などが決められていきます。
 ですから、同じ収入であっても、税や保育料などの支払が、いわゆる既婚のひとり親なのか、あるいは未婚、非婚のひとり親なのかによって10万円から多い場合は数10万円年間差が開く、不利益を被るということがこれまでもずっとありました。そのことによって、ただでさえ経済的に大変厳しい母子家庭の母と子が一層厳しい状況に置かれたということもあるわけですね。
 そこで、今回、法改正で非婚、未婚のひとり親に対する住民税の非課税措置が適用拡大されることになったんですが、これによって、単に住民税が軽減されるというだけではなくて、他のサービスに対しても負担軽減がされるものがいろいろあると思うんですが、いろいろあると思うんですが、厚労省さん来ていただいていますから、厚労省関係で今回の住民税非課税措置の適用によってどういうものが負担軽減されるというふうに考えておられますか。

藤原室長 お答え申し上げます。
 厚生労働省の各種制度、事業におきましては、健康保険の高額療養費ですとか介護保険制度の高額介護サービス費など、住民税非課税者に対して費用負担の軽減などの仕組みを設けているところでございます。
 今回の税制改正によるひとり親家庭への住民税非課税措置の適用拡大を受けまして、新たに住民税非課税者となった未婚のひとり親の方々につきましては、今申し上げたような事業につきまして、他の非課税者と同様に軽減等の措置を受けることができることとなると考えております。

山下よしき ですから、私、総務省が今回一歩を踏み出したことは大変評価しているんですね。
 大臣に伺いたいと思います。今回の非婚、未婚のひとり親世帯に対するこの住民税非課税措置の適用、どのような趣旨でされたのか、またどういう効果を期待されているのか、大臣の言葉でお答えいただければと思います。

石田真敏総務大臣 今回のひとり親に対する……(発言する者あり)済みません。担税力がない又は著しく薄弱である者に税負担を求めることは適当ではないとの趣旨から、所得が一定以下の寡婦に対し個人住民税を非課税とする措置が講じられているところでありまして、今回の税制改正で、児童扶養手当の支給を受けており、所得が一定以下のひとり親に対して個人住民税を非課税とする同様の措置を講ずることとしています。
 これは、ひとり親は一般子育て世帯と比べて平均所得が大きく下回っている等、経済的に厳しい状況にあり、所得を稼得する能力や担税力が小さいと考えられることから講ずるものであり、子どもの貧困への対応として意義があるものと考えております。

山下よしき やはり石田総務大臣からも子どもの貧困として意義があると、本当それは大事なことだと思うんですね。今、児童虐待等いろいろ社会問題になっておりますけれども、これをどうやってカバーできるのかという点からいうと、今回の住民税における措置は大いに波及効果もあるのではないかというふうに考えております。
 ただ、1点、もう一歩前進していただければと私思っているのは、ここまで前進したんですから、冒頭説明があったと思いますが、所得135万円未満の世帯に対して、今回、未婚、非婚のひとり親世帯に対しても住民税非課税措置を適用することになったんですが、寡婦控除の場合は、所得500万円未満のひとり親世帯に対して、寡婦世帯に対して控除がされるわけですね。
 せっかく住民税について一歩踏み込んだんですから、寡婦控除と同じように、所得500万円未満の非婚、未婚のひとり親世帯に対しても同程度の措置を適用するように、もう一歩前進する必要が私はあるんじゃないかなと思うんですが、その点、大臣、いかがでしょうか。

石田総務相 寡婦控除については、先ほど議員からも御指摘がございました。成り立ちについての経緯もございます。
 そして、平成31年度の与党税制改正大綱では、子どもの貧困に対応するため、婚姻によらないで生まれた子を持つひとり親に対する更なる税制上の対応の要否等について、平成32年度の税制改正において検討し結論を得るとされているところでございまして、個人住民税の諸控除の見直しにつきましては、税制抜本改革法第7条において、地域社会の会費的性格をより明確化する観点から、個人住民税における所得控除の種類及び金額が所得税における所得控除の種類及び金額の範囲内であることを踏まえることとされているわけであります。
 総務省としては、今後の与党における議論や所得税の動向を踏まえ、適切に対応してまいりたいと思っております。

山下よしき もう少し母子世帯の実態を紹介して、ちょっと財務省さんに意見伺いたいんですけれども。
 厚労省の調査によりますと、母子世帯の母の八割は就労しております。その半数は派遣やパート、アルバイトなどの非正規雇用でありまして、これが母子世帯の収入が非常に低い要因になっております。非正規雇用の女性の収入は、正規雇用の男性の収入の4分の1という数字もあります。ですから、母子世帯の貧困というのは、すなわちこれ、女性の貧困と同じ原因になっているんではないかということも言えると思うんですね。
 ところが、同じ母子世帯なのに婚姻歴のあるなしで、その中で大きな差が付いているということでありまして、これはもう御存じのとおり、日弁連も、婚姻歴の有無で寡婦控除の適用が差別されてその子に不利益を及ぼすことは許されない、憲法14条の平等原則に反し違憲であることは明らかだということを述べられて、繰り返し是正を求めておられます。
 財務政務官、来ていただいていますけれども、根本には、所得税でこの寡婦控除を非婚、未婚のひとり親に適用することがないと、いま総務大臣のお答えもそれに並んでいるという趣旨のお答えでしたけれども、やはり、所得税に対する非婚、未婚のひとり親世帯への寡婦控除と同じ適用を、これはもうここまで来ているんですから、私は、今回、先ほど総務大臣が御紹介された与党税制改正大綱の中身を見ますと、これまでは、寡婦控除については家族の在り方にも関わる事柄であるのでという概念がありました。それが昨年度からなくなりました。代わって、子どもの貧困対策というのが出てきた。これは、やはり実際に未婚、非婚のひとり親世帯の運動、支援者の声、そして最高裁が、非嫡出子も差別してはならないという最高裁の判決が出たなどなど、社会的な世論の熟成というものがあってこうなったんだと思うんですよ。
 だったら、もうあとは、所得税においても決断すべき時期だと思いますが、いかがですか。

伊佐進一財務大臣政務官 山下先生から、子どもの貧困に対応するためというところを強調して質問いただきました。
 先ほど大臣の方からもお答えさせていただいたとおり、個人住民税を非課税とするという措置は、今回、まずこの子どもの貧困に対応するという点でやらさせていただくと、やらさせていただきたいということでございますが、あわせて、予算面においても、この児童扶養手当の受給者のうち、未婚のひとり親に対して1人1万7500円、これを臨時特別の給付金として支給するということにさせていただいております。
 委員の方からも、先生の方からも、この成り立ちという御指摘ございました。確かにこの寡婦控除というのは元々、戦争未亡人の負担を軽減するというところで昭和26年に創設されました。その後も数度にわたって改正されるわけですが、亡くなった夫の家族との関係というものに配慮するという仕組みでこれまで成り立ってきた制度だというふうに思っております。
 この制度に未婚のひとり親を寡婦控除の対象とすべきという議論だというふうに伺っておりますが、この点については、先ほど申し上げたとおり、この成り立ちというものも踏まえた検討が必要だというふうに思っております。
 いずれにしましても、この更なる税制上の対応をどうするかという点については、この要否等も含めて32年度の税制改正において検討して結論を得るということにされておりますので、政府としても、与党における議論を踏まえて適切に対応してまいりたいというふうに思っております。

山下よしき まあそういうことかなと思いましたけどね、頑張ってくださいよ、ここまで来たんでね、ここまで来たんで。
 やっぱり世論はもう間違いなくこれは求めていると思いますし、何の合理性もないですよ、結婚歴があるかないかで差別されているというのは。差別ですから、これは、日弁連も差別という言葉を使っていますから、これはやっぱり政治がもう決断するしかないと私は思います。不合理な差別は直ちになくすことを強く求めておきたいと思います。
 また、厚労省さん、総務省さんに伺いますが、今回、せっかく非婚、未婚のひとり親世帯に対する住民税の非課税措置に踏み切ったわけなんで、私は周知徹底が大事だと思うんですね。各省またがって既に厚労省さんから説明があったような寡婦控除みなしのみなし適用というのはやられておりますけれども、なかなか知らない方たくさんいらっしゃるんですよ、私も直接その非婚のひとり親世帯の方の声何回も聞いていますけど。
 今回、非課税対象の要件に児童扶養手当を受けていることにしていますが、その児童扶養手当、児扶手自体が申請主義なんですよね。だから、これ本人が申請しなければ、受給していない方たくさんいらっしゃいます。それから、この非婚のひとり親に対してもこういうみなし適用しますよという制度があったとしても、その周知がもう非常に小さい小さい字で書いてあって分からないという声も聞きます。それから、そもそも寡婦って何なのと。寡婦という言葉はもう今普通には使わないと思いますから、やはりひとり親、シングルマザー、シングルファーザーの方が分かりやすいんではないか。
 そういう点で、私ちょっと一つ提案なんですけれども、やはり分かりやすいポスターやリーフレットを作る、この際ですね。それから、出産や入園、入所、あるいは入学の際に、全てのお母様に対して、非婚であってもひとり親の方の場合はこういう制度が適用できますよということを、やっぱり子どもさんができたとき、あるいは入園、進学等のときに1番そういう制度が必要になると思いますので、そういう際に、誰でも分かるような周知の、そういうものを作る必要があるんじゃないか。言葉も分かるようにした方がいいんじゃないか。それからあわせて、自治体が恐らくそれ窓口になると思うので、窓口の自治体のそういう努力に対して財政措置も検討すべきではないか。
 厚労省さんと総務省さん、それぞれお答えいただければと思います。

藤原室長 お答え申し上げます。
 委員から御指摘いただきましたように、子育て支援に関わる様々な施策ございます。市町村におきましては、包括的な支援センターで相談を受け付けたり、あるいは、そもそも最初に妊娠の手帳を交付をするときに様々な情報を提供したり、そういった機会を捉まえて、各自治体において周知徹底をお願いしているところでございます。
 また、今回のようなこういった制度改正があるときには、私どもから、主管課長会議など全国会議の場を用いまして、自治体の皆様方に丁寧に周知をいただくようにお願いをする機会もございますので、そういった機会も使いながら、しっかり周知についても努めてまいりたいと思っております。

内藤局長 お答え申し上げます。
 今回のひとり親に対します個人住民税の非課税措置でございますけれども、平成33年度から適用することとしておりまして、総務省としては、改正案の趣旨や内容につきまして、既に各地方団体に対する説明会等を実施いたしますとともに、ホームページなどを活用し、広く周知を行っているところでございます。
 法案成立後、今回の改正が円滑に施行されるよう、総務省といたしましても、地方団体の御意見をよくお伺いしながら、周知広報に努めてまいりたいと考えております。

山下よしき 財政措置も、多分声出ると思いますので、検討いただければと思います。
 次に、残りの時間で災害時における通信の役割について質問したいと思います。
 まず、総務省に、災害時における通信の重要性について簡潔に説明いただけますか。

谷脇康彦(総務省総合通信基盤局長) お答え申し上げます。
 災害時における通信サービスの確保は、家族同士の安否確認、119番通報等による救助要請、自治体から住民への防災メール等による情報伝達、救援関係機関等の間での連絡手段などの観点から極めて重要だと考えております。
 また、特に、近年においてはスマートフォンが被災者の情報入手や情報発信の手段として災害時に欠かせないツールとなってきているものと認識をしております。

山下よしき ですから、災害対策基本法でも、通信について指定公共機関とされているところであります。
 そこで、昨年の一連の災害で通信にどんな問題が起こったのかについて質問したいと思いますが、まず、北海道胆振東部地震について、私がその被害状況のペーパーを読ませていただいたら、地震とともに大停電、ブラックアウトが起こりましたので、その影響も受けております。固定電話では、1時、約20万回線途絶えたと。それから、北海道の市町村、全部で179あるそうですが、携帯電話が支障を来したエリアが、NTTドコモで179分の113市町村、KDDIで164市町村、ソフトバンクで149市町村。大半が今重要だと言われた携帯電話に支障が生じたということになっております。
 厚真町の一部エリアを残して復旧するまでの間に一週間近く掛かっております。私は、平常だったら一週間ぐらいというふうになるかもしれませんが、災害時に一週間通信が途絶えるとこれは人命にも関わるということだと思うんですが、東日本大震災でも通信はいろいろな問題が起こって教訓が生かされようとしていたと思いますが、今回新たな課題として何が浮かび上がったのか、御報告いただけますか。

谷脇局長 委員御指摘の平成23年の東日本大震災を受けまして、総務省におきましては、通信設備の停電対策や重要な伝送路の冗長化など、関係する省令を平成24年に改正をいたしまして、これに基づき通信事業者において所要の対策が講じられてきたところでございます。
 こうした取組の結果、昨年の北海道胆振東部地震においても一定程度は通信サービス支障を抑制することができたというふうに認識はしておりますけれども、想定を超える広域、長時間の停電によりまして多くの携帯電話基地局は停波をしたところでございます。これを受けまして、緊急点検を総務省において行いました結果、被災直後の役場付近における通信サービスの被害を正確に把握できていなかったことによりまして、移動型の携帯電話基地局の展開などの応急復旧に遅れが生じていたということが判明をしたところでございます。
 これを受けまして、総務省におきましては、平素からの通信事業者との連携体制を昨年10月に構築をいたしまして、大規模な災害時は被害が著しいと見込まれる地域の役場への迅速な訪問を行うこととしたところでございます。
 また、応急復旧手段として機動性に優れた移動型設備の活用が有効であることから、現在、移動電話、携帯電話事業者に対しまして、車載型の携帯電話基地局や移動電源車等の増設を働きかけているところでございます。

山下よしき 現場の状況が把握なかなかし切れなかったということなんですよね。
 これ、やっぱり総務省だけではないと思いますが、これ、通信事業者についても、私は、この間のリストラ、人減らしというものがこういうときに大変大きな残念ながらマイナスの影響を与えているんじゃないかなというふうに危惧するものですが、早く行くようにしようというだけで行けるのかなと、そこの問題ですね。それ、どうでしょうか。

谷脇局長 委員御指摘のとおり、災害時の通信手段の確保ということは、これライフラインの維持ということで極めて重要でございますので、10分な人員の配置、また技術開発なども含めた所要の努力を通信事業者に促していくということも大変重要だというふうに考えております。

山下よしき いつもこんなときに人減らしがたたるんですよ、特に保守部門がですね。今日はそのぐらいにしておきますけど。
 もう一つ、台風21号でも大きな被害が起こりました。21号では、9月4日、昨年、発災したんですが、10月2日、約一か月後の被害状況情報では、大阪府、和歌山県、京都府、滋賀県等の一部地域において、問合せに応じ、加入者宅への引込線等復旧対応中と。もう一か月たっても、まだ加入者宅への引込線等復旧対応中になっているんですね。これはちょっと遅過ぎるんじゃないかと思いますが、これ、何でこんなことになったんでしょうか。

谷脇局長 お答え申し上げます。
 固定電話の被害につきましては、ケーブルの断線を巡回により目視確認をした上で、被害が広範囲にわたっているエリアでの優先復旧を目指しながら、通行止めなどの道路状況、それから復旧工事に携わる人的リソースなどを総合的に勘案しながら進めることとしているものと承知しております。
 委員御指摘の昨年の台風21号の際には、強風によるケーブルの断線が数多く発生しておりまして、特に電柱から加入者宅への引込みケーブルの断線の修理について、一軒一軒の加入者宅への戸別訪問が必要なことから、NTTにおきまして人員を増員して対応したものの、全ての回復には、今委員御指摘のように、時間を要してしまったというふうに認識をしております。

山下よしき 私は、現場で復旧作業に当たった職員、労働者の皆さんの奮闘には心から敬意を表しております。倒木した中にかいくぐっていって線を引っ張っているような作業をされていたんですね。だけど一か月掛かっちゃったと。これは人員の問題、さっき言った保守の部門の問題はあると思いますが。
 もう一つ、私ちょっと現場に行って感じたんですけれども、問い合わせるといっても、独り暮らしのお年寄り、障害をお持ちのお年寄りは問合せできないんですね。寝たきりでベッドの上にいる方なんかは、なかなか自分からは電話切れているよということは言えない。また、携帯電話持っていなかったら、そもそも電話つながらないわけですから問合せができないという事態にあると思いますから、そういうときは、恐らく周辺全部途絶えているでしょうから、何といいますか、1軒1軒訪ねてどうですかという声掛けは要るのではないかと思います。
 もう時間もありませんので後で一緒にそれも答えていただきたいんですが、もう一つ、大阪の泉南市というところで、電柱が9本一気に強風で倒れたんですね。その御自宅にも行きましたけれども、倒れているときに行ったんですけれども、電柱から垂れ下がった電線が玄関の前にずっとありまして、残念ながら、NTTさんの電柱だったんですけれども、説明がないというわけですね、その電線に触ると危ないのか、大丈夫なのか。ですから、腰をかがめて、くぐって出入りされていましたけど、せめてそういう周知を工事する前にでも来てほしかった。
 それから、もう直ったんです、9本。しかし、何のまたこれも説明がなくて、倒れたのが元どおりになったんだろうか、元々強度に不安があったのではないかとか、ちゃんと住民の方々に説明する責任が私は通信事業者にはあると思うんですが、今何点か言いましたけど、まとめてお答えいただければ有り難いです。

谷脇局長 お答え申し上げます。
 2点御指摘をいただいたかと存じます。
 まず、1点目でございますけれども、固定電話しかお持ちでない住民の方への通信手段の確保という点でございますけれども、近隣の公共機関等の固定電話等から故障受付用の番号に御連絡をしていただくだとか、あるいは避難所等において事前に設置をしている事前設置型の特設公衆電話を準備するなどにより対応していたというふうに承知しておりますけれども、なお、更なる改善策があるのかどうかについて関係者間で考えを更に深めていきたいというふうに思っております。
 また、もう1点の大阪府泉南市でのNTT柱が倒れた件でございますけれども、電柱に関しましては基本的に風の影響では倒れない設計となっておりますけれども、倒木や、あるいは風で飛来してきた飛来物が電線等に引っかかり電柱倒壊等につながる場合があるというふうに伺っております。このため、復旧後の電柱も基本的には安全面での問題は小さいと考えられますけれども、当然不安に感じる地元住民の方もおられるものと認識しております。
 今般、NTT西日本におきまして、自治体あるいは警察への説明を随時行い情報提供に努めていたとは承知しておりますけれども、地域に根差した通信事業者として、なお地元の住民の方々の不安を取り除くよう、丁寧な説明あるいは情報提供というものをしていただくことが必要だと考えております。

山下よしき 終わります。

監察委報告「納得できない」統計不正 幕引き姿勢を追及 
2019年03月14日 参議院総務委員会

山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 今回の地方財政計画と関連法案の前提あるいは基礎ともなります統計について質問いたします。 統計がゆがむと政策もゆがむ、統計が乱れると国が乱れる。千野雅人総務省統計局長が昨年5月24日、当委員会で答弁された言葉でありまして、私、そのとき、戒めの言葉としてはもう名言だなと思って聞いておりましたが、残念ながらこれが現実になってしまいました。 局長、今どういうお気持ちでしょうか。

千野雅人(総務省統計局長) お答えいたします。
 統計の重要性は昔も今も全く変わらないと考えてございます。委員御指摘の答弁は、統計が国家運営の基盤であるという意味合いで申し上げたものでございまして、その認識は今も変わっておりません。

山下よしき にじみ出るものを私は読み取ることができましたが、政策のゆがみ、国の乱れを正すのは国会の責任だと思います。
 日本統計学会が厚生労働省の毎月勤労統計調査における不正について、1月28日、声明を出しております。こう言っています。統計法を遵守することは公的統計の必須の前提。調査方法の変更が担当部局の独断で行われ、さらにその変更が公表されていなかった。今回の法令違反は公的統計の信頼性を根底から揺るがすものだと。極めて厳しい指摘であります。 この声明の中でこう言っているんですね。事業所を対象とする標本調査の場合は大規模事業所間の変動が大きいため、通常は大規模事業所については全数調査とすることが適当であり、毎月勤労統計の場合もそのような検討を経て現行の調査設計が承認されていると触れられております。 そこで、まず総務省に伺いますが、一般的にこの大規模事業所については全数調査とすることがなぜ適当とされるのでしょうか。

横田信孝(総務大臣官房政策立案総括審議官) 一般論でございますけれども、標本調査においては母集団の中で傾向が異なる、具体的に分かりやすく言いますと、ばらつきが大きいといった場合には、どこが調査の対象となったか否かによって調査結果に影響が生じることがあり得るということでございます。このため、このような場合には、調査結果の精度を確保するという観点から全数調査を行う例があるということであると承知しております。

山下よしき もうちょっと詳しく聞きますけど、要するに500人以上ですから、以上ですから、上はもう何千、何万というのがあるかもしれない。で、500人程度の。それ、ばらつきが大きいから、抽出するとそれによってちょっと大きな誤差が生じるかもしれないので全数が望ましいと、そういう理解でいいですか。

横田審議官 そういう場合が多くなるということでございます。

山下よしき 厚労省に伺いますが、毎月勤労統計調査は、500人以下については抽出調査、500人以上については全数調査とするという設計にしていますが、なぜでしょうか。

土田審議官 今総務省の方からお答えになられたような理由でそうされているものというふうに理解しております。

山下よしき にもかかわらず、2004年1月から東京において500人以上の事業所を抽出調査としたのは、厚労省、なぜでしょうか。

土田浩史(厚生労働大臣官房政策立案総括審議官) お答え申し上げます。
 東京都につきましては、平成16年以降、500人以上の事業所につきましては抽出調査を行うこととした理由でございますけれども、特別監察委員会の1月の報告におきましては、当時の担当は、継続調査、いわゆる全数調査の事業所につきましては、企業から特に苦情が多く、大都市圏の都道府県からの要望に配慮する必要があった、また、都道府県の担当者の負担を考慮したからだと思うが、誤差計算しても大丈夫だという話だったというふうに記憶しているというような、担当は述べておりまして、また、平成15年7月に通知されました16年度調査の事務取扱要領におきましては、規模500人以上の事業所は東京に集中しており、全数調査にしなくても精度が確保できるためであるというふうに記載されているところでございます。

山下よしき 今のは極めて納得し難いんですよね。
 先ほど総務省さんがおっしゃったように、これはそういう理由があるわけですよ、全数調査にする。それを勝手に、要望があるからとか、あるいは、何ですか、全数調査にしなくても適切な復元処理。それは全数調査じゃないと駄目なんだというふうに先ほど理由があったのに、それを棄却するような理由ではないと言わなければなりませんね。 結局、肝腎なところは、なぜか、ああなるほどなと合点がいくのはないんですね。だから、統計委員会、5人の委員の方々が最近出された特別監察委員会の追加報告書に対する意見書で、分析も評価もなく、再発防止を考える際に必要な情報が著しく不足していると批判するのは当然だと思います。その中には、当事者がどういう理由の下に不適切処理を始めたか、それが納得できないということが指摘されております。 ほかにもまだ聞きたいことがあるので進みますけれども、まず総務省に確認ですけど、一般論としてで結構なんですけど、定められた手続を経ずに調査方法を勝手に変更することは統計法違反だと思いますが、いかがでしょうか。

横田審議官 これは法律上の、統計法上の定めでございますけれども、調査計画を変更する際には総務大臣の承認を経るということになっております。その調査計画に定めることについては、これも法定されておりますので、それぞれについて守っていただくという前提になっておるということでございます。

山下よしき 基幹統計の調査方法ですからね、これ勝手に変更しちゃったら法違反なんですよ。
 更に驚くのは、勝手に抽出調査にしながら、抽出調査にしたんだったら復元処理がされなければならないのに、それがされなかったことであります。 もう一つ総務省に確認しますけれども、一般論で結構なんですけど、抽出調査にした場合の復元処理というものはどのようになされるのでしょうか。抽出率あるいは回収率に触れて御説明いただきたいと思います。

横田審議官 これも一般論でございますけれども、抽出調査は母集団の中から一部を抽出し、この抽出した標本のみを調査するというものでございます。この結果から何らかの方法を用いて平均や分散といった母集団の統計量を推定すること、これを前提として行うものだということでございます。
 具体的に申しますと、例えば、調査の回答として得られた数量に抽出率とそれから回答率の逆数を乗じることで母集団の統計量を推定するという場合もあるという、そういうことでございます。

山下よしき 抽出率に逆数を掛けて計算するということですが、資料をお配りいたしました。
 これは、厚生労働省統計情報部が都道府県の統計担当課に発出した毎月勤労統計調査抽出率の逆数表の送付についてということでして、2枚目に添付しておりますけれども、これがその通知に添付されていた事業所抽出率逆数表ですね。ちょっと数字ばっかり並んでいますけど、左の縦にTLとかDとかEというアルファベットが並んでいるのは、これは産業分類であります。それから、横軸に、上の方に00から01、02と47まであるのは都道府県でありまして、13番目が東京ということになっております。 ですから、これ見ますと、これは500人以上の事業所についての表ですから、500人以上の事業所については東京だけが抽出率逆数が一以外の数字も含まれておりまして、要するに抽出調査であるということが分かります。2だったら2分の1の抽出である、3だったら3分の1の抽出であると、その逆数がこうなるわけであります。 昨日、厚労省に確認いたしましたら、この抽出率逆数表を作成したのは厚労省さんだということでありました。つまり、都道府県がそれぞれ自分のところで抽出率を決めて厚労省に報告して、それを集約したんじゃなくて、厚労省が各県ごとの抽出率を産業分野別に決めて、それを都道府県にこういう方法でやりなさいと通知したものであります。 そこで、厚労省にこの逆数表に関わって2点確認したいんですが、一つは、産業ごとにこの逆数が違う、抽出率が違うのはなぜか。二つ目に、これ資料を3枚目に付けておりますけれども、実はこの抽出率が年度によって変わっていくんですね。この産業分類、分野別に変わるのはなぜか。年度ごとにも変わっていくのはなぜか。お答えください。

土田審議官 毎月勤労統計調査の標本設計に当たりまして、全体の標本数に制約のある中で、回収率の状況等を踏まえまして、年度ごとに産業別、規模別の状況を勘案いたしまして十分な統計の精度を確保できるように抽出率を設定しているということで、このような年度ごとにも変わっているということでございます。

山下よしき 産業別にいろいろ構造が違うでしょうから、それも変化するということでこういうふうに分類を変えていっていると、数字を変化させているということでした。
 総務省統計局にお聞きしますけれども、一般的に、このような抽出率逆数表があるということは、復元作業のためにあると考えていいんでしょうか。このような逆数表がありながら復元しない場合とは、どんな場合が考えられるんでしょうか。

横田審議官 標本調査は、母集団の中から一部を抽出し、この抽出した標本のみを調査するというものでございます。
 その結果から、何らかの方法を用いて平均や分散といった母集団の統計量を推定するということを前提とするということでございますので、これは通常、復元をするという理解でございます。

山下よしき そういうことなんですよ。これつくったのは、復元のためにつくっているんですよ、厚生労働省は。なぜ復元しなかったんでしょうか。

土田審議官 平成16年以降、適切な復元処理がなされなかった理由につきましては、特別監察委員会の1月の報告によりますと、抽出調査の変更に伴い、復元のための必要なシステムの改修が行われなかったこと、また、毎月勤労統計調査に係るシステムの改修の体制が事務処理に誤りを生じやすく、発生した事務処理の誤りが長年にわたり発見されにくい体制となっていたことなどがこの原因や背景にあるというふうに指摘されているところでございます。

山下よしき 今の答弁、間違っていますよ。1月の報告書でそうなっていることについては、予算委員会でうちの辰巳孝太郎議員がシステムの変更がなければちゃんと処理ができないんですかと言ったら、そうじゃないと。システムの変更は関係ないんですよ。そんなもう古い答弁してもらっちゃ困りますよ。
 大体おかしいんですよ。だって、この東京の500人以上の事業所を抽出調査にしたのは2004年からですよね。その時点でこういうものを発出しているわけですから、分かっているわけですよ。それをずっと、年度ごとに、産業別ごとにこれ変えながら、しかも都道府県に発出したわけですから、これを、表を見れば、これは統計に関わる専門家だったら必ず気付くはずなんですよね。500人以上の事業所は全数調査でなければならないのに、東京都は抽出調査になっているのはおかしいんじゃないかと気付くはずなんですね。 私、前回2月の質問でも、このひどさを伝えるために、国民に対しては500人以上は全数調査でやりますよというふうに厚労省は公表しているんですよ、一って全件。ところが、内部でこっそり、2004年から2018年1月までずっとこうやって国民欺いていたんですよ。だったら、本当に統計のその分野の専門家だったら、これ見たら、あっ、まずいと気付くはずなんですよね、国民にうそをついていると。そして、確認したら、ちゃんと復元作業がされていたかちゃんと確認するはずなんですよ。14年間も何100人という統計の専門家が見たでしょう。何でそうならなかったか、ちゃんと納得できるお答えをください。

土田審議官 追加の特別監察委員会の報告書によりますと、過去に適切な復元処理を行われていなかったこと及びそれを公表することなく放置していたのは、単に前例を踏襲したり、業務が多忙であったり、復元処理による影響が小さいと判断したりしたことを理由とするものであり、規範意識の欠如、事の重大性に対する認識の甘さがあったことは否定できないというふうにされているところでございます。

山下よしき 誰がそんなことで納得しますか。今おっしゃったのは、忙しかったから、気付いていたけれども忙しかった。気付いた人はそれはいるでしょう、報告書でそう書いていますよね。

土田審議官 ただいま申し上げましたとおり、気付いていた者につきまして、単に前例を踏襲したり、業務が多忙であったり、復元処理による影響が小さいと判断したりということが理由とされていたものでございまして、規範意識の欠如、事の重大性に対する認識の甘さがあったというふうに指摘されているところでございます。

山下よしき その気付いていた人の中に、F課長、自分で試算してみた、こう書いてある。もう報告書そのまま、追加報告書ですけど、室長Fは、平成29年頃に適切な復元処理による影響を試算したが、その影響は大きいものではないと判断したと。気付いて復元してみたら、影響は大きいものではないと勝手に判断しているんですよ。
 そんなことはないですよ。これによって21年ぶりに実質賃金が伸びたという総理が報告するようなことが起こったけれども、それはかさ上げされていたという非常に大きな影響があったんですよね。それをこんな報告書で済まそうとする。 これに対して、誰も納得しないですよ。これに対して、厚労省、どんな試算をしたのか。試算をしたと言っている。つかんでいますか。このF課長。

土田審議官 今後しっかり調査してまいりたいというふうに思います。

山下よしき つかんでもいないんですよね。言われたまま。試算したけど影響はないと思ったからって。意図的ではなかったって。冗談じゃないですよ、これは。
 統計委員会の意見書には、この点はちゃんと、どういう試算をしたのかを情報提供すべきだと言っていますけど、統計委員会に情報提供しましたか。

土田審議官 3月6日の統計委員会におきまして5名の委員の方々から特別監察委員会の追加報告に関しまして意見書が提出され、11日、これを受けた厚生労働省への情報提供要望があったところでございます。これは、統計委員会が今後厚生労働省に対しまして統計技術的、学術的な観点から情報提供を求めたものというふうに受け止めております。
 厚生労働省といたしましては、今後これらの統計技術的、学術的な事項等につきまして、統計委員会での検証を通じて順次適切に説明してまいりたいというふうに思っております。

山下よしき 順次適切にですけれども、速やかにする必要があるんですね。
 この全数調査するものを手続取らずにこっそり抽出調査にして、それずっと14年間怠りながら国民には全数調査と欺き続けてきた。そして問題は、2018年1月にこっそり復元しちゃったと、それで実質賃金がかさ上げされちゃったと。もう本当にこれひどいことなんですけれども、これ、意図的ではなかったと言ってもこれは絶対通用しない。なぜこんなことが起こったのかをちゃんと真相を解明しなきゃ駄目なんですね。 これ、一つ今疑惑になっているのが、今報告したような流れと並行して、2015年3月頃に官邸の中江総理秘書官が、毎勤統計について、厚労省の統計担当者に対して、伸び率が遡って改定されると、それなりにプラスになっていた数字がマイナスにぱたぱたっと変わっていく、それは問題ではないですかと見解伝えたということを、御本人が、首相秘書官が国会で答弁されています。それでローテーションサンプリングの導入について検討が始まるんですが、プラスの数字がマイナスになるのは問題だというふうに言われたことが、2018年1月、こっそり復元してしまうということに、そんたくされたり圧力になったのではないかという疑念もありますが、もう今日はそこは追及いたしません。 最後に、総務大臣に伺います。 2月の委員会で、大臣は私の問いに、今御指摘がございましたように、やはりどういうことでこういうことになっていったのかということをしっかり解明することが大事だと思っておりましてとおっしゃっています。で、特別監察委員会の追加報告書は残念ながら解明されていないということを統計委員会が3点御指摘をされておりますけれども、少なくとも統計委員会の3点早く出しなさいと、総務大臣として厚労省にきちっと意見を求めるべきではないでしょうか。

石田真敏総務大臣 今御指摘の3月6日の統計委員会に提出された意見書は、毎月勤労統計調査の今後の改善に向けて、統計技術的、学術的観点から検討するために必要とされる情報でありまして、2月27日に厚労省により公表された毎月勤労統計調査を巡る不適切な取扱いに係る事実関係とその評価等に関する追加報告書に掲載されていない情報について同省に提供を求める内容となっていると承知をいたしております。
 それで、統計委員会では、この意見書を審議をいたしまして、統計技術的、学術的観点から、再発防止等のための検討に資する3点の情報を求めることについて合意を得られたことから、統計委員長の指示に基づきまして、3月11日に厚生労働省へ情報提供要請を行ったと聞いております。 これは、今も申し上げましたように、統計技術的、学術的観点から統計委員会が必要とされる情報でございますので、厚生労働省には今回の要請に応じて速やかに誠実に対応していただきたいと考えております。

山下よしき 大事な御発言だったと思います。
 この統計委員会の声明は、こんなことがあったら、学会だったら追放されると、重大な事態だと厳しく言っています。これ、重大な事態という認識が余りにも厚労省になさ過ぎる。 最後に、委員長、前も言いましたけれども、姉崎元厚労省統計情報部長、中江総理秘書官、それから特別監察委員会の追加報告書に出てくるD課長、すなわち久古谷氏、それからF課長、後、室長である石原氏らを参考人として当委員会で統計問題の集中審議を行うよう要請して終わります。

消費税増税 地方財政を悪化 代表質問 
2019年3月13日 参議院本会議

山下よしき 日本共産党を代表して、安倍総理並びに関係大臣に質問します。
 東日本大震災、東京電力福島第1原発事故から8年がたちました。改めて、犠牲となられた方々に心から哀悼の意を表するとともに、今も避難生活を強いられている方を始め、被災された方々にお見舞いを申し上げます。政府が被災者支援に最後まで全力を尽くすこととともに、東電が最後のお1人まで誠実に誠意ある賠償を行うことを求めます。
 震災の教訓を生かすために、野党は、津波で根こそぎ住まいを失うなど、被災された方々への支援金の上限をせめて500万円に引き上げる被災者生活再建支援法改正案、いまだ4万人を超える方がふるさとに戻れない福島の現実を踏まえた原発ゼロ基本法案を提出しています。
 総理、二法案を真剣に検討すること、与党が審議に応じるようイニシアチブを発揮することを強く求めます。

 地方自治に関わって2点聞きます。
 沖縄で辺野古埋立ての是非を問う県民投票が行われました。全市町村で反対が賛成を上回り、全県で反対が七割を超えました。昨年の県知事選挙で玉城デニー知事が得た過去最高の得票をも上回っています。
 総理、投票結果を真摯に受け止めるというのなら、直ちに土砂投入を中止して、沖縄と誠実に対話すべきではありませんか。
 ところが、総理は、3月5日の予算委員会で、わが党の小池議員に、県民投票の結果が示す沖縄の民意は辺野古基地建設反対だということを認めるかと何度問われても、結果について評価は差し控えたいとしか答えず、辺野古基地反対が沖縄の民意であることを最後まで認めませんでした。
 総理、なぜ認めないのですか。自分の気に入らない民意は認めないということですか。
 岩屋防衛大臣の、県民投票の結果に関わりなく、あらかじめ埋立事業を続けることは決めていたとの答弁にも驚きました。菅官房長官も同様の考えだと語っています。総理、安倍政権には民主主義も地方自治も関係ないということですか、お答えください。
 総理は国会答弁で、6割以上の自治体から自衛隊員募集の協力が得られていない、誠に残念だ、このような状況に終止符を打つためにも自衛隊の存在を憲法上明確に位置付けることが必要と述べました。しかし、自衛隊施行令には、防衛大臣は、自衛官募集に関し、都道府県知事又は市町村長に対し、必要な資料の提出を求めることができるとあるだけで、自治体に応じる義務はありません。だから、多くの自治体は、募集対象者情報の提出、すなわち若者の氏名、生年月日、男女の別及び住所を名簿にして提出することを求められても、個人情報保護、プライバシー保護などの観点から提出していないのです。これは、地方自治の原則からも当然のことであります。
 歴代の防衛庁長官、防衛大臣も、私どもが依頼しても自治体は応える義務というのは必ずしもございません、石破防衛庁長官、地方公共団体が実施し得る可能な範囲での協力をお願いいたしております、中谷防衛大臣、と繰り返し答弁しています。防衛大臣、政府はこうした立場を変えたのですか。
 このような自治体の対応に終止符を打つとして、憲法に自衛隊を書き込むと言い出した総理の狙いは何か。若者の名簿の提出をお願いすることしかできない現状に終止符を打ち、自治体に強制的に名簿を提出させるようにすること以外ないのではありませんか、答弁を求めます。

 厚生労働省の統計不正を調査する特別監察委員会の樋口委員長が、2001年以降、同省の審議会や研究会など32の会議で、会長、座長、委員などの役職を務めていたことが明らかになりました。これでは、特別監察委員会の第3者性は到底確保できません。現に、同委員会の追加報告書に対し、国の統計を所管する総務省の統計委員会から、分析も評価もなく、再発防止を考える際に必要な情報が著しく不足していると厳しい意見が出ています。
 総理、統計に対する国民の信頼を取り戻すためには、真に第三者性が確立された体制で調査をやり直すことが必要だと考えますが、いかがですか。

 地方財政について質問します。
 国と地方を合わせた支出のうち、地方の支出の割合は六割を占めるのに、税収全体に占める地方税の割合は四割しかなく、10年前より後退しています。全国知事会など地方六団体は、巨額の財源不足が解消されていない、地方交付税の法定率の引上げなど特例措置に依存しない持続可能な制度の確立をと求めています。
 総理、毎年出されるこの要請に、政府として、いつ、どのように応えるつもりですか。
 来年度の地方財政計画は、10月からの消費税増税を前提に、地方税収が大幅に増えると見込んでいます。しかし、消費税を3%から5%に引き上げた際、上向いていた景気が急速に悪化し、地方の税収総額は減りました。家計消費も実質賃金も落ち込んでいる今、消費税10%への増税が地方財政を悪化させないという保証はどこにあるのですか。総理、お答えください。

 安倍政権は、自治体の様々な業務にトップランナー方式を導入し、基準財政需要額の単位費用を、民間委託などを前提に削減してきました。導入された18業務での削減額は1632億円にも上ります。
 政府はさらに、自治体の窓口業務にまで導入しようとしていますが、窓口業務は、住民のニーズを直接つかみ、新たな政策につなぐ最前線です。総務委員会で意見陳述された富山市の森市長は、職員がフェース・ツー・フェースで様々な相談に対応でき、市民に安心感が生まれると、窓口業務の民間委託に反対されました。
 石田総務大臣、この声をどう受け止めますか。窓口業務の民間委託を進めるための財政誘導は断念すべきではありませんか。

 次に、女性と子どもの貧困の問題です。
 現在、税制上の寡婦控除は、婚姻歴のない非婚、未婚のひとり親には適用されません。そのために、税や保育料などの支払が年間10万円ないし数10万円も高くなるなど、非婚のシングルマザーは大きな不利益を受けてきました。同じシングルマザーでも婚姻歴があるかないかで差別される、これは憲法14条の平等原則にも子どもの権利条約にも反する事態だと言わなければなりません。
 総理、余りに理不尽であり、不合理だと思いませんか。

 世論と運動によって、公営住宅の入居資格や賃料、保育料などについては、非婚のひとり親世帯に対しても寡婦控除のみなし適用がされるようになりました。地方税においても本法案で2021年から住民税への非課税措置が適用されます。しかし、所得税については、与党内で検討するとしながら数年にわたってストップが掛かったままです。
 総理並びに麻生財務大臣、所得税における非婚のひとり親世帯に対する寡婦控除の適用を直ちに決断すべきではありませんか。
 虐待によって子どもの命が脅かされることがあってはなりません。児童相談所に付設される一時保護所は、心も体も傷つけられた幼い子どもに24時間体制で丁寧に対応する大事な役割を果たしています。ところが、全国に137か所しかない一時保護所では、定員を超えて子どもを保護する事態や受入れを断らねばならない事態が広がっています。背景には、施設整備の補助単価が低く、自治体負担が重いことがあります。
 子どもの命を守り抜くために、児童相談所とともに一時保護所の整備と職員配置への十分な財政措置を急ぐべきです。
 総理の見解を求めて、質問を終わります。

安倍晋三内閣総理大臣 山下芳生議員にお答えをいたします。

 野党提出法案の審議についてお尋ねがありました。
 被災者生活再建支援制度は、自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた方に対し、全都道府県の相互扶助及び国による財政支援により最大300万円の支援金を支給するものです。支援額の引上げについては、国や都道府県の財政負担等の課題があり、慎重に検討すべきものと考えます。
 また、いわゆる原発ゼロ基本法案に関しては、現在、多くの原発が停止する中で、震災前と比較して一般家庭で平均約16%電気代が上昇し、国民の皆さんに経済的に大きな御負担をいただいている現実があります。
 資源に乏しい我が国にとって、こうした経済的なコストに加え、気候変動問題への対応、エネルギーの海外依存度を考えれば、原発ゼロということは責任あるエネルギー政策とは言えないと考えます。
 いずれにせよ、御指摘の両法案については、議員立法によるものであり、その取扱いについては国会において御判断いただくものと考えています。

 沖縄の県民投票、その結果の評価、辺野古移設についてお尋ねがありました。
 沖縄に米軍基地が集中する現状は、到底是認できません。沖縄の負担軽減は、政府の大きな責任です。今回の県民投票の結果を真摯に受け止め、これからも政府として基地負担の軽減に全力で取り組んでまいります。
 住宅や学校で囲まれ、世界で最も危険と言われる普天間飛行場が、固定化され、危険なまま置き去りにされることは絶対に避けなければなりません。これは地元の皆様の共通認識であると思います。普天間の全面返還を日米で合意してから20年を超えた今もなお返還が実現しておらず、もはや先送りは許されないと思います。
 先日、沖縄県玉城知事にお目にかかり、知事とは今後とも様々な形で意見交換を行っていくことで一致したところです。長年にわたる地元の皆様との対話の積み重ねの上に、これからも御理解を得る努力を続け、普天間飛行場の1日も早い全面返還の実現に向けて全力で取り組んでいく考えです。
 県民投票は地方自治体における独自の条例に関わる事柄であり、その結果について政府として評価を加えるようなことは差し控えたいと思います。
 安倍政権においては、普天間飛行場の1日も早い全面返還を実現するという基本方針で取り組んでおり、この方針の下、移設工事については防衛大臣が適時適切に判断しているところです。いずれにせよ、民主主義も地方自治も関係ないとの御指摘は当たりません。
 政府としては、今後とも沖縄の基地負担軽減に全力を尽くし、一つ一つ着実に結果を出してまいります。

 憲法に自衛隊を書き込む狙いについてお尋ねがありました。
 憲法改正の内容について、内閣総理大臣としてこの場でお答えすることは差し控えるべきものと思いますが、お尋ねであるため、あえて申し上げれば、近年の調査でも自衛隊は合憲と言い切る憲法学者は二割にとどまります。かねてから申し上げているとおり、君たちは憲法違反かもしれないが、何かあれば命を張ってくれというのは余りにも無責任ではないでしょうか。
 私は、国民のため命を賭して任務を遂行する自衛隊員の諸君の正統性を憲法上明文化し、明確化することは、国防の根幹に関わることだと考えています。このような状況に終止符を打つためにも、自衛隊の存在を憲法上明確に位置付けることが必要ではないか、このような私の考えを申し上げているものであります。
 なお、自衛官募集については、自衛隊法第97条において、都道府県知事及び市町村長は、政令で定めるところにより、自衛官の募集に関する事務の一部を行うと規定されており、法律上、自衛官募集は自治体が行う事務とされています。一般論として申し上げれば、行政機関に対して法律に基づいて与えられた事務について、行政機関はこれを適切に遂行すべきものと考えられます。
 いずれにせよ、法令に基づき自治体の事務とされている事項について、六割以上の自治体が求めに応じていないことは事実であり、残念であると申し上げているものであります。

 統計問題についてお尋ねがありました。
 特別監察委員会の樋口委員長は統計や労働経済研究の専門家であること等から、その個人の資質に着目して委員長をお務めいただいているものと承知しています。また、委員会の下に元最高検検事の方を事務局長に迎え、独立性を強めた上で、先般、追加報告書が取りまとめられたところであり、その内容については、中立性、客観的な立場から検証作業を行っていただいた結果であると考えています。

 特例措置に依存しない地方財政制度の確立についてお尋ねがありました。
 アベノミクスの政策により来年度の地方税収や地方交付税の法定率分が増加となったことに伴い、平成31年度の地方財政対策では、財源不足が大幅に縮小し、臨時財政対策債の発行額を7000億円減と大幅に抑制しました。その上で、地方交付税を始めとした一般財源総額を前年度から6000億円増となる62.7兆円確保しております。これらの内容については、地方六団体からも高い評価をいただいているところであります。
 今後とも、法定率の見直しなど制度的な対応の議論も行いつつ、歳入面では、地域経済の好循環を全国津々浦々で一層拡大することなどにより地方税等の更なる増収を図るとともに、歳出面では、めり張りを付けて歳出構造を見直すことで、臨時財政対策債のような特例債に頼らないよう、財務体質の強化を図ってまいります。

 消費税の増税に伴う地方財政への影響についてお尋ねがありました。
 家計消費について、世帯当たりの消費を捉える家計調査の家計消費支出は、世帯人員の減少などから長期的に減少傾向となっています。一方で、一国全体の消費を捉えるGDPベースで見ると、2016年後半以降、増加傾向で推移しており、持ち直しています。
 消費を取り巻く環境を見ると、生産人口が減少する中でも雇用が大幅に増加し、国民みんなの稼ぎである総雇用者所得は名目でも実質でも増加が続くなど、雇用・所得環境は着実に改善しており、消費は持ち直しが続くことが期待されます。
 その上で、今回の消費税率の引上げに当たっては、前回の8%への引上げの際に耐久財を中心に駆け込み需要と反動減といった大きな需要変動が生じた経験を踏まえ、いただいた消費税を全て還元する規模の12分な対策を講ずることとしています。これにより消費を下支えし、景気の回復軌道を確かなものとして、地方税収の確保も図ってまいります。
 なお、御指摘の実質賃金については、毎勤統計では、アベノミクスによる雇用拡大で女性や高齢者などが新たに雇用された場合は平均賃金の伸びも抑制され、さらに、デフレではない状況もつくり出す中で物価が上昇すれば一層抑えられるという特徴があることに留意が必要だと考えています。

 未婚のひとり親に対する税制上の対応についてお尋ねがありました。
 ひとり親家庭の自立を支援し、子どもたちの未来が家庭の経済状況によって左右されることのないよう、これまでも児童扶養手当の増額など積極的な支援を実施してきました。さらに、子どもの貧困に対応するため、平成31年度与党税制改正大綱を踏まえ、児童扶養手当の支給を受けており、所得が一定以下のひとり親に対し、個人住民税を非課税とする措置を今回の法案に盛り込んだところです。
 未婚のひとり親に対する更なる税制上の対応の要否等については、与党において、平成32年度税制改正において検討し、結論を得ることとされており、政府としては、こうした議論も踏まえつつ適切に対応してまいります。

 一時保護所への財政措置についてお尋ねがありました。
 一時保護は、子どもの安全確保のため、個々の子どもの状況に応じ適切に行われることが重要です。このため、適切な環境で一時保護を行うことができるよう、来年度予算においては、施設整備に関する補助単価を加算するほか、一時保護を実施するための専用施設に対する補助などを行うこととしています。
 御指摘の一時保護所の整備と職員配置への財政措置の拡充については、実情を踏まえた適切な対応を検討してまいります。

 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。

石田真敏総務大臣 山下議員にお答えをいたします。

 まず、窓口業務の役割についてお尋ねがございました。
 住民の多様な相談を受け住民のニーズを把握することは、地方公共団体の重要な役割の一つであります。他方、質の高い公共サービスを効率的、効果的に提供する観点から、外部資源を活用しながら業務改革を進め、そこで捻出された人的資源を職員が自ら対応すべき分野に集中することも重要であると認識いたしております。
 このため、例えば窓口業務のうち定型的な申請、届出等は民間委託の対象としつつ、住民からの相談については職員が担当することにより、職員が住民ニーズを直接把握しながら業務改革を行うことが可能であると考えています。
 いずれにいたしましても、窓口業務の民間委託を含め、どのように業務改革を進めるかについては、各地方公共団体において地域の実情に応じて適切に判断されるべきものと考えております。

 次に、窓口業務へのトップランナー方式の導入についてお尋ねがございました。
 トップランナー方式は、多くの団体が民間委託等の業務改革に取り組んでいる業務について、その経費水準を単位費用の積算基礎とするものであります。窓口業務へのトップランナー方式の導入につきましては、現時点におきまして多くの団体が民間委託を導入している状況にないため、平成31年度においては導入を見送ることとしております。
 今後、窓口業務の委託につきまして、委託が進んでいない理由を踏まえた上で、地方独立行政法人の活用や標準委託仕様書の拡充、全国展開などの取組を強化し、その状況を踏まえ、トップランナー方式の導入を検討することとしています。
 なお、地方交付税は使途が制限されない一般財源であり、トップランナー方式の対象業務をどのような手法で実施するかは各地方団体において自主的に判断されるものであります。(拍手)

岩屋毅防衛大臣 山下芳生議員にお答えいたします。

 自衛隊員の募集に対する自治体の協力についてお尋ねがありました。
 自衛隊法第97条において、都道府県知事及び市町村長は、政令で定めるところにより、自衛官等の募集に関する事務の一部を行うと規定されております。また、自衛隊法施行令第120条により、防衛大臣は、自衛官の募集に関し必要があると認めるときは、都道府県知事又は市町村長に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができると定められており、これらの法令上、自衛官等の募集は、法定受託事務として自治体の行う事務であります。
 防衛省としては、自治体から募集に必要な資料を当然に提供いただけるという前提で、丁寧に依頼を行っているところであります。
 御指摘の答弁におきまして、当時の防衛大臣が、私どもが依頼しても応える義務というのは必ずしもございません、あるいは、地方公共団体が実施し得る可能な範囲での協力をお願いいたしておりますと答弁したのは、自治体に対し、法令に基づく事務として資料の提出を求める一方、これを強制することはできないことを述べたものであります。この意味において、御指摘の答弁の趣旨は現在も変わるものではありません。
 今後とも、より多くの自治体から資料の提出をいただくべく、丁寧に働きかけてまいります。

麻生太郎財務大臣 山下議員から、未婚のひとり親に対する税制上の対応について、一問お尋ねがあっております。
 未婚のひとり親に対する税制上の対応につきましては、先ほど総理から既に答弁がありましたとおり、今回の地方税法の改正法案におきまして、子どもの貧困に対応するため、一定のひとり親に対し個人住民税を非課税とする措置を講ずることとしているところであります。
 平成31年度与党税制改正大綱では、更なる税制上の対応の要否等につきましては、平成32年度税制改正において検討し、結論を得ることとされております。
 政府といたしましては、与党における議論を踏まえ、適切に対応してまいります。