地方税法・地方交付税法 増税前提の改定に反対 
2019年03月27日 参議院本会議

 私は、日本共産党を代表し、地方税法、地方交付税法の改定案等四法案に対し、いずれも反対の討論を行います。

 法案の問題点に入る前に、安倍政権が、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に伴う埋立てで、新たな区画への土砂投入を開始したことに対し、民主主義と地方自治の名において断固たる抗議の意を表明するものであります。

 7割以上が埋立て反対という県民投票の民意を無視し、一か月の工事停止と集中協議を求めた玉城デニー知事の要請も拒否した上に、大浦湾側の埋立面積の6割以上を占める軟弱地盤の改良には途方もない時間が掛かる、施工不可能な深度に軟弱地盤が存在することも確認されている。にもかかわらず、ただただ既成事実をつくって工事を進めようとする安倍政権のやり方は、まさに展望なき暴走と言わなければなりません。

 このままでは新基地は完成せず、普天間基地が半永久的に固定化され、辺野古の海にコンクリートの巨大な残骸が残るだけであります。工事は即刻中止すべきです。さもなくば、安倍政権は、沖縄県民はもとより、国民から厳しい審判を下されることになるでしょう。

 以下、法案に対する反対の理由について述べます。

 第1の理由は、本法案が、国民、住民の暮らしに大打撃を与え、日本経済と地方財政を悪化させる危険が極めて大きい消費税増税を前提としているからであります。

 3月13日の本会議質疑で、私は、総理に対し、消費税増税が景気悪化を招いて地方財政を悪化させた1997年の例を引いて、10月からの消費税10%への増税が地方財政を悪化させない保証はどこにあるのか問いましたが、総理は、家計消費が持ち直すことへの期待を述べ、地方財政悪化の懸念を否定されました。

 しかし、その後、政府の景気動向指数に続き、月例経済報告も景気判断を下方修正せざるを得ませんでした。1997年は、上向いていた景気が消費税増税で急速に悪化したため、新たな地方の税源となる地方消費税が創設されたにもかかわらず、地方税収総額が逆にマイナスとなったのです。今、消費税10%を強行することは、坂道を下り始めた日本経済を後ろから蹴飛ばして谷底へと転がり落とすことになり、地方財政も悪化する懸念を拭うことはできません。

 10月の消費税増税を前に、既に4月から食料品など各メーカーの値上げ競争が始まっています。地方自治体の調達への影響は計り知れません。この増税前の値上げは、内閣府、内閣官房の消費税率の引上げに伴う価格改定についての指針、ガイドラインに沿ったものです。そこには、消費税率引上げ前に需要に応じて値上げを行うことなど経営判断に基づく自由な価格設定を行うことを何ら妨げるものでないと、わざわざ増税前の値上げを推奨しています。

 総理は、20日の総務委員会で、このガイドラインについて、消費税導入前の駆け込み需要を防ぐために、ある意味価格を引き上げ、そして消費税が上がった後も消費が落ちないような工夫を自主的な判断で行っている、そういう対応を取っていると認めました。軽減税率の対象となり、税率が8%に据え置かれるはずの食料品の便乗値上げを政府が主導するとは言語道断と言わなければなりません。

 安倍政権が進める国民健康保険の都道府県単位化は、これまで各市区町村が行っていた国保の財政運営を都道府県単位に移すものです。ここでも地方自治に逆行する事態が生じます。都道府県が市区町村ごとに算定する標準保険料率は、これまで各市区町村が国保料を抑制するために独自に行ってきた、一般会計からの国保会計への繰入れも、子育て世帯や高齢者世帯に対する減免も、全てなしにすることを前提に算定されます。

 この標準保険料率に合わせた場合、8割の自治体で、今でも高い国保料が更に値上げになる危険があります。我が党の試算では、年収400万円の4人世帯で見ると、大阪市では、2018年度42万円だった国保料が46万円へと4万円上がる、東京品川区では、42万6000円が52万5000円に9万9000円も上がることになります。

 消費税10%への増税に加え、国保料値上げが国民生活にダブルパンチとして襲いかかることになります。家計消費は確実に一層冷え込み、地方税収は抑えられることになります。消費税に頼るのではなく、富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革によって、この道に行くのではなく消費税10%への増税中止、高過ぎる国保料の値上げではなく値下げこそ行うべきであります。

 反対理由の第2は、本来なら、地方交付税の法定率を引き上げ、地方の財源保障機能と財政調整機能を十分に発揮させるべきであるのに、それに背を向け、地方の事業の民間委託を促進するトップランナー方式など、上からの地方財政縮減を推し進めるものだからであります。

 安倍政権は、骨太方針、改革工程表に基づき、地方の一般財源を厳しく抑制するために様々な手段を用いてきました。トップランナー方式を学校用務員などに段階的に拡大し、さらに窓口業務にも導入することを検討するとしていますが、住民と自治体職員との接点をとことん細め、住民福祉の増進という自治体本来の役割を弱らせるこの方式は直ちにやめるべきであります。

 さらに、安倍政権は、地方創生1兆円交付金において、まち・ひと・しごと創生事業に行革算定の仕組みを持ち込み、自治体が必要に駆られて児童相談所職員や教職員、保育士などを増員すれば交付金が減額されるやり方を続けてきました。これは、児童虐待を防止するために児童相談所に新たに2200人の児童福祉司を配置する政府の方針とも根本的に矛盾します。

 委員会質疑の中で、この仕組みによって今年度は二十一道府県で減額算定がされ、福岡県6億1000万円、神奈川県5億9000万円、埼玉県4億9000万円、愛知県4億8000万円、静岡県4億円を始め、合計48億円が本来交付される額から減額されたことが明らかになりました。一つの県で職員を数10人ないし100人規模で採用できる額に相当します。政府の方針とも矛盾するこの仕組みは直ちに廃止するべきであります。

 反対理由の第3は、法案の具体的内容が地方税本来の性格を大きくゆがめるものだからであります。

 自動車保有税の恒久的な引下げと環境性能割の1%減税は、業界団体の要望に応え、消費税増税による駆け込み需要と反動減への対策を行うものです。

 さらに、消費税増税で自治体間の財政格差を拡大させながら、その格差是正の責任を一部の自治体に押し付けるやり方も問題です。新設される特別法人事業税は、地方税を国が取り上げ、他の自治体に回すやり方を恒久化するもので、地方自治体の課税自主権を侵害し、地方税制にゆがみを持ち込むものであり、反対です。自治体間の財政格差は、地方交付税の財政調整機能を回復させ、国の責任で是正すべきものです。

 さらに、森林環境税は、東日本大震災を口実に導入し2023年度で終了とされていた個人住民税均等割への上乗せ1000円を、看板を替えて継続するものです。個人住民税の均等割は、所得税が非課税の人にも課税となる逆進性の高い税であり、国民生活を圧迫するやり方はやめるべきです。

> 森林整備の財源は、国の一般会計での林業予算や地方交付税で保障すべきであります。

 以上述べて、反対討論を終わります。

消費税増税 地方財政を悪化 代表質問 
2019年3月13日 参議院本会議

山下よしき 日本共産党を代表して、安倍総理並びに関係大臣に質問します。
 東日本大震災、東京電力福島第1原発事故から8年がたちました。改めて、犠牲となられた方々に心から哀悼の意を表するとともに、今も避難生活を強いられている方を始め、被災された方々にお見舞いを申し上げます。政府が被災者支援に最後まで全力を尽くすこととともに、東電が最後のお1人まで誠実に誠意ある賠償を行うことを求めます。
 震災の教訓を生かすために、野党は、津波で根こそぎ住まいを失うなど、被災された方々への支援金の上限をせめて500万円に引き上げる被災者生活再建支援法改正案、いまだ4万人を超える方がふるさとに戻れない福島の現実を踏まえた原発ゼロ基本法案を提出しています。
 総理、二法案を真剣に検討すること、与党が審議に応じるようイニシアチブを発揮することを強く求めます。

 地方自治に関わって2点聞きます。
 沖縄で辺野古埋立ての是非を問う県民投票が行われました。全市町村で反対が賛成を上回り、全県で反対が七割を超えました。昨年の県知事選挙で玉城デニー知事が得た過去最高の得票をも上回っています。
 総理、投票結果を真摯に受け止めるというのなら、直ちに土砂投入を中止して、沖縄と誠実に対話すべきではありませんか。
 ところが、総理は、3月5日の予算委員会で、わが党の小池議員に、県民投票の結果が示す沖縄の民意は辺野古基地建設反対だということを認めるかと何度問われても、結果について評価は差し控えたいとしか答えず、辺野古基地反対が沖縄の民意であることを最後まで認めませんでした。
 総理、なぜ認めないのですか。自分の気に入らない民意は認めないということですか。
 岩屋防衛大臣の、県民投票の結果に関わりなく、あらかじめ埋立事業を続けることは決めていたとの答弁にも驚きました。菅官房長官も同様の考えだと語っています。総理、安倍政権には民主主義も地方自治も関係ないということですか、お答えください。
 総理は国会答弁で、6割以上の自治体から自衛隊員募集の協力が得られていない、誠に残念だ、このような状況に終止符を打つためにも自衛隊の存在を憲法上明確に位置付けることが必要と述べました。しかし、自衛隊施行令には、防衛大臣は、自衛官募集に関し、都道府県知事又は市町村長に対し、必要な資料の提出を求めることができるとあるだけで、自治体に応じる義務はありません。だから、多くの自治体は、募集対象者情報の提出、すなわち若者の氏名、生年月日、男女の別及び住所を名簿にして提出することを求められても、個人情報保護、プライバシー保護などの観点から提出していないのです。これは、地方自治の原則からも当然のことであります。
 歴代の防衛庁長官、防衛大臣も、私どもが依頼しても自治体は応える義務というのは必ずしもございません、石破防衛庁長官、地方公共団体が実施し得る可能な範囲での協力をお願いいたしております、中谷防衛大臣、と繰り返し答弁しています。防衛大臣、政府はこうした立場を変えたのですか。
 このような自治体の対応に終止符を打つとして、憲法に自衛隊を書き込むと言い出した総理の狙いは何か。若者の名簿の提出をお願いすることしかできない現状に終止符を打ち、自治体に強制的に名簿を提出させるようにすること以外ないのではありませんか、答弁を求めます。

 厚生労働省の統計不正を調査する特別監察委員会の樋口委員長が、2001年以降、同省の審議会や研究会など32の会議で、会長、座長、委員などの役職を務めていたことが明らかになりました。これでは、特別監察委員会の第3者性は到底確保できません。現に、同委員会の追加報告書に対し、国の統計を所管する総務省の統計委員会から、分析も評価もなく、再発防止を考える際に必要な情報が著しく不足していると厳しい意見が出ています。
 総理、統計に対する国民の信頼を取り戻すためには、真に第三者性が確立された体制で調査をやり直すことが必要だと考えますが、いかがですか。

 地方財政について質問します。
 国と地方を合わせた支出のうち、地方の支出の割合は六割を占めるのに、税収全体に占める地方税の割合は四割しかなく、10年前より後退しています。全国知事会など地方六団体は、巨額の財源不足が解消されていない、地方交付税の法定率の引上げなど特例措置に依存しない持続可能な制度の確立をと求めています。
 総理、毎年出されるこの要請に、政府として、いつ、どのように応えるつもりですか。
 来年度の地方財政計画は、10月からの消費税増税を前提に、地方税収が大幅に増えると見込んでいます。しかし、消費税を3%から5%に引き上げた際、上向いていた景気が急速に悪化し、地方の税収総額は減りました。家計消費も実質賃金も落ち込んでいる今、消費税10%への増税が地方財政を悪化させないという保証はどこにあるのですか。総理、お答えください。

 安倍政権は、自治体の様々な業務にトップランナー方式を導入し、基準財政需要額の単位費用を、民間委託などを前提に削減してきました。導入された18業務での削減額は1632億円にも上ります。
 政府はさらに、自治体の窓口業務にまで導入しようとしていますが、窓口業務は、住民のニーズを直接つかみ、新たな政策につなぐ最前線です。総務委員会で意見陳述された富山市の森市長は、職員がフェース・ツー・フェースで様々な相談に対応でき、市民に安心感が生まれると、窓口業務の民間委託に反対されました。
 石田総務大臣、この声をどう受け止めますか。窓口業務の民間委託を進めるための財政誘導は断念すべきではありませんか。

 次に、女性と子どもの貧困の問題です。
 現在、税制上の寡婦控除は、婚姻歴のない非婚、未婚のひとり親には適用されません。そのために、税や保育料などの支払が年間10万円ないし数10万円も高くなるなど、非婚のシングルマザーは大きな不利益を受けてきました。同じシングルマザーでも婚姻歴があるかないかで差別される、これは憲法14条の平等原則にも子どもの権利条約にも反する事態だと言わなければなりません。
 総理、余りに理不尽であり、不合理だと思いませんか。

 世論と運動によって、公営住宅の入居資格や賃料、保育料などについては、非婚のひとり親世帯に対しても寡婦控除のみなし適用がされるようになりました。地方税においても本法案で2021年から住民税への非課税措置が適用されます。しかし、所得税については、与党内で検討するとしながら数年にわたってストップが掛かったままです。
 総理並びに麻生財務大臣、所得税における非婚のひとり親世帯に対する寡婦控除の適用を直ちに決断すべきではありませんか。
 虐待によって子どもの命が脅かされることがあってはなりません。児童相談所に付設される一時保護所は、心も体も傷つけられた幼い子どもに24時間体制で丁寧に対応する大事な役割を果たしています。ところが、全国に137か所しかない一時保護所では、定員を超えて子どもを保護する事態や受入れを断らねばならない事態が広がっています。背景には、施設整備の補助単価が低く、自治体負担が重いことがあります。
 子どもの命を守り抜くために、児童相談所とともに一時保護所の整備と職員配置への十分な財政措置を急ぐべきです。
 総理の見解を求めて、質問を終わります。

安倍晋三内閣総理大臣 山下芳生議員にお答えをいたします。

 野党提出法案の審議についてお尋ねがありました。
 被災者生活再建支援制度は、自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた方に対し、全都道府県の相互扶助及び国による財政支援により最大300万円の支援金を支給するものです。支援額の引上げについては、国や都道府県の財政負担等の課題があり、慎重に検討すべきものと考えます。
 また、いわゆる原発ゼロ基本法案に関しては、現在、多くの原発が停止する中で、震災前と比較して一般家庭で平均約16%電気代が上昇し、国民の皆さんに経済的に大きな御負担をいただいている現実があります。
 資源に乏しい我が国にとって、こうした経済的なコストに加え、気候変動問題への対応、エネルギーの海外依存度を考えれば、原発ゼロということは責任あるエネルギー政策とは言えないと考えます。
 いずれにせよ、御指摘の両法案については、議員立法によるものであり、その取扱いについては国会において御判断いただくものと考えています。

 沖縄の県民投票、その結果の評価、辺野古移設についてお尋ねがありました。
 沖縄に米軍基地が集中する現状は、到底是認できません。沖縄の負担軽減は、政府の大きな責任です。今回の県民投票の結果を真摯に受け止め、これからも政府として基地負担の軽減に全力で取り組んでまいります。
 住宅や学校で囲まれ、世界で最も危険と言われる普天間飛行場が、固定化され、危険なまま置き去りにされることは絶対に避けなければなりません。これは地元の皆様の共通認識であると思います。普天間の全面返還を日米で合意してから20年を超えた今もなお返還が実現しておらず、もはや先送りは許されないと思います。
 先日、沖縄県玉城知事にお目にかかり、知事とは今後とも様々な形で意見交換を行っていくことで一致したところです。長年にわたる地元の皆様との対話の積み重ねの上に、これからも御理解を得る努力を続け、普天間飛行場の1日も早い全面返還の実現に向けて全力で取り組んでいく考えです。
 県民投票は地方自治体における独自の条例に関わる事柄であり、その結果について政府として評価を加えるようなことは差し控えたいと思います。
 安倍政権においては、普天間飛行場の1日も早い全面返還を実現するという基本方針で取り組んでおり、この方針の下、移設工事については防衛大臣が適時適切に判断しているところです。いずれにせよ、民主主義も地方自治も関係ないとの御指摘は当たりません。
 政府としては、今後とも沖縄の基地負担軽減に全力を尽くし、一つ一つ着実に結果を出してまいります。

 憲法に自衛隊を書き込む狙いについてお尋ねがありました。
 憲法改正の内容について、内閣総理大臣としてこの場でお答えすることは差し控えるべきものと思いますが、お尋ねであるため、あえて申し上げれば、近年の調査でも自衛隊は合憲と言い切る憲法学者は二割にとどまります。かねてから申し上げているとおり、君たちは憲法違反かもしれないが、何かあれば命を張ってくれというのは余りにも無責任ではないでしょうか。
 私は、国民のため命を賭して任務を遂行する自衛隊員の諸君の正統性を憲法上明文化し、明確化することは、国防の根幹に関わることだと考えています。このような状況に終止符を打つためにも、自衛隊の存在を憲法上明確に位置付けることが必要ではないか、このような私の考えを申し上げているものであります。
 なお、自衛官募集については、自衛隊法第97条において、都道府県知事及び市町村長は、政令で定めるところにより、自衛官の募集に関する事務の一部を行うと規定されており、法律上、自衛官募集は自治体が行う事務とされています。一般論として申し上げれば、行政機関に対して法律に基づいて与えられた事務について、行政機関はこれを適切に遂行すべきものと考えられます。
 いずれにせよ、法令に基づき自治体の事務とされている事項について、六割以上の自治体が求めに応じていないことは事実であり、残念であると申し上げているものであります。

 統計問題についてお尋ねがありました。
 特別監察委員会の樋口委員長は統計や労働経済研究の専門家であること等から、その個人の資質に着目して委員長をお務めいただいているものと承知しています。また、委員会の下に元最高検検事の方を事務局長に迎え、独立性を強めた上で、先般、追加報告書が取りまとめられたところであり、その内容については、中立性、客観的な立場から検証作業を行っていただいた結果であると考えています。

 特例措置に依存しない地方財政制度の確立についてお尋ねがありました。
 アベノミクスの政策により来年度の地方税収や地方交付税の法定率分が増加となったことに伴い、平成31年度の地方財政対策では、財源不足が大幅に縮小し、臨時財政対策債の発行額を7000億円減と大幅に抑制しました。その上で、地方交付税を始めとした一般財源総額を前年度から6000億円増となる62.7兆円確保しております。これらの内容については、地方六団体からも高い評価をいただいているところであります。
 今後とも、法定率の見直しなど制度的な対応の議論も行いつつ、歳入面では、地域経済の好循環を全国津々浦々で一層拡大することなどにより地方税等の更なる増収を図るとともに、歳出面では、めり張りを付けて歳出構造を見直すことで、臨時財政対策債のような特例債に頼らないよう、財務体質の強化を図ってまいります。

 消費税の増税に伴う地方財政への影響についてお尋ねがありました。
 家計消費について、世帯当たりの消費を捉える家計調査の家計消費支出は、世帯人員の減少などから長期的に減少傾向となっています。一方で、一国全体の消費を捉えるGDPベースで見ると、2016年後半以降、増加傾向で推移しており、持ち直しています。
 消費を取り巻く環境を見ると、生産人口が減少する中でも雇用が大幅に増加し、国民みんなの稼ぎである総雇用者所得は名目でも実質でも増加が続くなど、雇用・所得環境は着実に改善しており、消費は持ち直しが続くことが期待されます。
 その上で、今回の消費税率の引上げに当たっては、前回の8%への引上げの際に耐久財を中心に駆け込み需要と反動減といった大きな需要変動が生じた経験を踏まえ、いただいた消費税を全て還元する規模の12分な対策を講ずることとしています。これにより消費を下支えし、景気の回復軌道を確かなものとして、地方税収の確保も図ってまいります。
 なお、御指摘の実質賃金については、毎勤統計では、アベノミクスによる雇用拡大で女性や高齢者などが新たに雇用された場合は平均賃金の伸びも抑制され、さらに、デフレではない状況もつくり出す中で物価が上昇すれば一層抑えられるという特徴があることに留意が必要だと考えています。

 未婚のひとり親に対する税制上の対応についてお尋ねがありました。
 ひとり親家庭の自立を支援し、子どもたちの未来が家庭の経済状況によって左右されることのないよう、これまでも児童扶養手当の増額など積極的な支援を実施してきました。さらに、子どもの貧困に対応するため、平成31年度与党税制改正大綱を踏まえ、児童扶養手当の支給を受けており、所得が一定以下のひとり親に対し、個人住民税を非課税とする措置を今回の法案に盛り込んだところです。
 未婚のひとり親に対する更なる税制上の対応の要否等については、与党において、平成32年度税制改正において検討し、結論を得ることとされており、政府としては、こうした議論も踏まえつつ適切に対応してまいります。

 一時保護所への財政措置についてお尋ねがありました。
 一時保護は、子どもの安全確保のため、個々の子どもの状況に応じ適切に行われることが重要です。このため、適切な環境で一時保護を行うことができるよう、来年度予算においては、施設整備に関する補助単価を加算するほか、一時保護を実施するための専用施設に対する補助などを行うこととしています。
 御指摘の一時保護所の整備と職員配置への財政措置の拡充については、実情を踏まえた適切な対応を検討してまいります。

 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。

石田真敏総務大臣 山下議員にお答えをいたします。

 まず、窓口業務の役割についてお尋ねがございました。
 住民の多様な相談を受け住民のニーズを把握することは、地方公共団体の重要な役割の一つであります。他方、質の高い公共サービスを効率的、効果的に提供する観点から、外部資源を活用しながら業務改革を進め、そこで捻出された人的資源を職員が自ら対応すべき分野に集中することも重要であると認識いたしております。
 このため、例えば窓口業務のうち定型的な申請、届出等は民間委託の対象としつつ、住民からの相談については職員が担当することにより、職員が住民ニーズを直接把握しながら業務改革を行うことが可能であると考えています。
 いずれにいたしましても、窓口業務の民間委託を含め、どのように業務改革を進めるかについては、各地方公共団体において地域の実情に応じて適切に判断されるべきものと考えております。

 次に、窓口業務へのトップランナー方式の導入についてお尋ねがございました。
 トップランナー方式は、多くの団体が民間委託等の業務改革に取り組んでいる業務について、その経費水準を単位費用の積算基礎とするものであります。窓口業務へのトップランナー方式の導入につきましては、現時点におきまして多くの団体が民間委託を導入している状況にないため、平成31年度においては導入を見送ることとしております。
 今後、窓口業務の委託につきまして、委託が進んでいない理由を踏まえた上で、地方独立行政法人の活用や標準委託仕様書の拡充、全国展開などの取組を強化し、その状況を踏まえ、トップランナー方式の導入を検討することとしています。
 なお、地方交付税は使途が制限されない一般財源であり、トップランナー方式の対象業務をどのような手法で実施するかは各地方団体において自主的に判断されるものであります。(拍手)

岩屋毅防衛大臣 山下芳生議員にお答えいたします。

 自衛隊員の募集に対する自治体の協力についてお尋ねがありました。
 自衛隊法第97条において、都道府県知事及び市町村長は、政令で定めるところにより、自衛官等の募集に関する事務の一部を行うと規定されております。また、自衛隊法施行令第120条により、防衛大臣は、自衛官の募集に関し必要があると認めるときは、都道府県知事又は市町村長に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができると定められており、これらの法令上、自衛官等の募集は、法定受託事務として自治体の行う事務であります。
 防衛省としては、自治体から募集に必要な資料を当然に提供いただけるという前提で、丁寧に依頼を行っているところであります。
 御指摘の答弁におきまして、当時の防衛大臣が、私どもが依頼しても応える義務というのは必ずしもございません、あるいは、地方公共団体が実施し得る可能な範囲での協力をお願いいたしておりますと答弁したのは、自治体に対し、法令に基づく事務として資料の提出を求める一方、これを強制することはできないことを述べたものであります。この意味において、御指摘の答弁の趣旨は現在も変わるものではありません。
 今後とも、より多くの自治体から資料の提出をいただくべく、丁寧に働きかけてまいります。

麻生太郎財務大臣 山下議員から、未婚のひとり親に対する税制上の対応について、一問お尋ねがあっております。
 未婚のひとり親に対する税制上の対応につきましては、先ほど総理から既に答弁がありましたとおり、今回の地方税法の改正法案におきまして、子どもの貧困に対応するため、一定のひとり親に対し個人住民税を非課税とする措置を講ずることとしているところであります。
 平成31年度与党税制改正大綱では、更なる税制上の対応の要否等につきましては、平成32年度税制改正において検討し、結論を得ることとされております。
 政府といたしましては、与党における議論を踏まえ、適切に対応してまいります。

首相問責決議案への賛成討論 
2018年12月7日 参議院本会議

 私は、日本共産党を代表して、安倍首相問責決議案に賛成の立場から討論を行います。

 賛成理由の第1は、安倍首相の国会を愚弄する暴走が余りに目に余るからであります。

 今参議院で起こっている、重要法案が審議が極めて不十分なまま次々強行されようとしている事態の震源地は、全て安倍首相にあります。

 技能実習生の失踪者調査によって、日本では外国人労働者を人間として受け入れる体制が整っていないことが浮き彫りとなりました。国民の六割から八割も今国会で法案を成立させる必要がないと言っています。にもかかわらず入管法改定の来年4月施行を急ぐのは総理の御意向だと法務省担当者が与党議員に説明していたということが、有田議員の法務委員長解任決議案の趣旨説明でも明らかにされました。

 参議院の審議は衆議院を超えたと言いますが、法案の衆議院通過自体、首相の外遊日程に合わせた強行だと与党も言明してきたではありませんか。政府が国会の最重要法案と位置付ける法案を首相の外遊日程に合わせて強行するなど、戦後の国会の歴史でもかつてなかったことであります。

 国民の生存権に関わる水道法改定案も、国民生活と経済に深刻な影響を与える日欧EPA、SPAも、70年ぶりの漁業法改定案も、全て不十分な審議のまま、日程ありきで強行されようとしています。

 漁業法改定案をめぐる農水委員長解任決議案の討論で紙議員が沿岸漁業者の苦しみを紹介し、こうした人たちを置き去りにしてはならないと切々と訴えたとき、議場はやじ一つなく静かに聞き入りました。委員会で採決が強行された後、共感した自民党のベテラン農水議員から紙議員は握手を求められたと聞きました。ならば、なぜ審議を打ち切るのか、なぜ声を上げないのか。国会の行政監視機能、法案審査機能は、与党、野党を問わず、国民から負託された最も重い責務ではありませんか。この間の与党諸君の態度は、これこそ国会議員としての職務放棄と言わなければなりません。

 同時に、こうした態度を与党に取らせているのが、それを率いる安倍首相であることは論をまちません。衆参両院で3分の2の議席を持っているから何をやっても許される、国会よりも自分の方が上だと言わんばかりの首相の姿勢は、極めて重大だと言わなければなりません。

 第2に、安倍首相の民意無視の強権政治の暴走がとどまるところを知らないからであります。

 その典型が、沖縄に対する民意を無視した野蛮極まりない強権であります。

 9月30日に行われた沖縄県知事選挙で、辺野古新基地建設反対を掲げたオール沖縄の玉城デニー氏が、安倍政権が総ぐるみで支援した相手候補に8万票の大差を付けて圧勝いたしました。本来なら、参りました、辺野古は諦めますとなるのが当たり前ではありませんか。ところが、安倍首相は、口では県民の気持ちに寄り添うと言いながら、行政不服審査法を悪用して、沖縄県の埋立承認撤回の執行停止を決定したのであります。その後、埋立工事が再開され、今まさに土砂が投入されようとしています。言語道断の暴挙と言わなければなりません。

 そもそも、行政不服審査制度は、行政機関によって、国民、すなわち私人の権利が侵害されたときにそれを救済するための制度であります。国が用いることはできないと法律に明記しているのであります。政府は、沖縄防衛局は一般私人として不服審査を申し立てたと言いますが、一般私人が米軍基地を造ることなどできるはずないではありませんか。こんな理屈は安倍政権の中でしか通用しません。民主主義も地方自治も法治主義も破壊する無法な決定は、直ちに取り下げるべきであります。

 沖縄の揺るがぬ民意を尊重し、辺野古新基地建設の中止、普天間基地の即時閉鎖、撤去を掲げ米国と交渉することこそ日本の首相のやるべきことであるにもかかわらず、一顧だにしない首相の責任は極めて重いと言わなければなりません。

 安倍政権の経済政策、アベノミクスの破綻は明らかであります。

 アベノミクスが日本社会にもたらしたものは、深刻な貧困と格差の拡大です。にもかかわらず、首相は、来年10月から消費税を10%に増税すると宣言しました。所得の低い人ほど負担が重くのしかかる弱い者いじめの消費税を今10%に増税すれば、格差がますます拡大し、消費は更に冷え込み、景気が悪くなることは火を見るよりも明らかであります。

 消費の落ち込み対策と称する飲食料品の税率の軽減ならぬ据置きや、ポイント還元、プレミアム付き商品券などは一時的な対策にもならず、むしろ混乱をもたらすと、国民の6割もが反対しています。後で返すくらいなら、初めから上げなければいいではありませんか。

 来年10月からの消費税10%への増税も、安倍首相も、共にお引き取りいただかなければなりません。

 森友、加計問題に対する首相の無責任な態度も看過できません。

 首相は、私や妻が関与していたら総理も国会議員も辞めるとか、丁寧に説明するなどと繰り返し述べてきました。ところが、安倍首相や昭恵夫人が関与していたことを示す数々の事実が明らかとなっても首相はただ逃げるばかりで、国民も国会も、丁寧に説明されたことなど、この2年間一度もありません。

 それどころか、先月の予算委員会で辰巳議員に、森友学園小学校建設予定地の国有地を8億円値引きする根拠となった試掘報告書が、写真を使い回すなど、でたらめだったとの新たな事実を突き付けられた際、総理は答弁に立つことすらしませんでした。説明できないなら、総理も国会議員も辞めていただくのが当然ではありませんか。

 第3に、安倍首相の憲法9条改定に向けた暴走が常軌を逸しているからであります。

 首相は、自衛隊高級幹部会同、自衛隊観閲式での訓示で、9条改憲の決意をとうとうと語りました。政治的中立を厳格に守るべき実力組織を前に、その最高指揮官が改憲の号令を掛ける。自衛隊の最悪の政治利用であり、閣僚に憲法尊重擁護義務を課した憲法99条違反であることは明らかであります。

 臨時国会冒頭の首相の所信表明にも驚きました。憲法審査会で政党が具体的な改正案を示せ、国会議員の責任を果たそう。これは、行政府の長が立法府の審議の在り方に事実上の号令を掛けるものであります。国会への重大な介入、干渉であり、憲法の三権分立をじゅうりんする暴論にほかなりません。

 総理は、三権分立の観点から問題があるとの指摘は当たらないと繰り返しますが、総理は、私は立法府の長だと3回も言いました。1回ならまだしも、2回ならまだあるかもしれないが、3回も言ったら、本気でそう信じているとしか思えないではありませんか。行政府と立法府の区別も付かない首相が三権分立の観点から問題ないなどと言っても、全く説得力がありません。憲法を知らない、憲法を守らない首相に、憲法を語る資格は全くありません。

 総理がこれほどまでに改憲に固執するのは、歴史に名を刻みたいという個人的野望とともに、安保法制、戦争法を強行したものの、どっこいまだ9条2項が生きているからであります。

 戦力保持を禁止した9条2項によって、武力行使を目的にした海外派兵や集団的自衛権の全面行使はできません。そこで、憲法に自衛隊を明記して9条2項を死文化させよう、海外での無制限な武力行使に道を開こう、これが首相の9条改憲の狙いにほかなりません。

 しかし、朝鮮半島では非核化と平和に向けた激動が起こっています。対話による問題の平和的解決という憲法9条が指し示した方向に北東アジアの情勢が動いているときに、9条を壊し、戦争する国づくりに走るほど愚かなことはありません。この1点だけでも、安倍首相には一刻も早く辞めてもらわなければなりません。

 以上、安倍政権の暴走はどれも問責に値します。

 同時に、暴走はあらゆる分野で破綻しております。国民多数の世論に逆らい、数を頼んで悪法を強行する政治は、必ず主権者国民の厳しい審判を受けるでしょう。

 日本共産党は、来る参議院選挙で市民と野党の共闘を発展させ、安倍政権を一刻も早く退陣させるために奮闘する決意を表明し、賛成討論といたします。

安倍政治根本からただす 対案示し転換訴え 
2018年10月31日 参議院本会議

山下よしき 私は、日本共産党を代表して、安倍総理に質問します。

 この間、大阪北部地震、西日本豪雨、台風21号、北海道胆振東部地震など、大規模な自然災害が連続しました。亡くなられた方、被災された方々にお悔やみとお見舞いを申し上げます。

 災害から国民の命と財産を守ることは政治の要です。その立場から2点提案します。

 一つは、被災者の住宅となりわいをどう再建するかです。

 東日本大震災では、いまだに5万7000人もの被災者が避難生活を強いられています。7年半もたつのに、なぜ住宅の再建ができないのか。インフラの点検だけでなく、被災者の住宅となりわいの再建に関わる問題点の把握こそ緊急に行うべきです。被災者生活再建支援法の支援金を500万円に引き上げ、支援対象を半壊や一部損壊に拡大することも決断すべきです。

 もう一つは、被害を拡大させず、命を守るための防災対策です。

 大阪で9歳の児童らが犠牲となったブロック塀の倒壊も、倉敷市真備町で高齢者の多くが自宅一階で溺死した堤防の決壊も、その危険が早くから予測されていたにもかかわらず、危険を最小化する対策が取られてこなかったことが共通しています。何が原因なのか、どうすれば命を守り抜くことができるのか。底をついた検証を行い、防災対策の在り方を転換することが必要です。

 以上2点、総理の答弁を求めます。

 北海道胆振東部地震では、全道の295万戸が停電するブラックアウトが起こり、道民生活に大きな打撃を与えました。大手電力会社の全エリアが停電したのは初めてのことです。

 地震発生時、電力需要量の半分を苫東厚真石炭火力発電所の3基が一手に供給していました。その3基が停止し、電力の半分を失ったことが全道停電の決定的な要因となりました。

 総理、電力の安定供給のためには、大規模集中発電から分散型への転換が必要、これが北海道大停電が示した重大な教訓だと考えますが、いかがですか。

 この分散型の電力供給の対極にあるのが原発です。原発の特徴は、大出力かつ出力の調整ができないこと、そして震度五程度の地震で自動停止することです。もし北海道電力が泊原発を稼働していたら、その出力は電力需要量の七割近くを占めることになり、全道停電が起こるリスクは一層大きかったでしょう。

 総理、原発に固執することが分散型への転換を阻む最大の障害になっているとの認識はありますか。

 九州電力は、10月、4回にわたって一部の事業者が持つ太陽光発電からの電力の受入れを1時停止しました。九電は、秋は電力の需要が減り、需給バランスが崩れると大規模停電を起こすおそれがある、それを回避するための措置だと主張しています。しかし、原発四基を動かし続ける一方で太陽光発電を抑えるやり方は、再生可能エネルギー普及のブレーキになるとの懸念と批判が広がっています。

 総理、今回の事態は、原発再稼働を続ける限り再生可能エネルギーの普及は進まないことが明らかになったと考えますが、いかがですか。

 安倍政権は、エネルギー基本計画で、2030年度に電力の二〇ないし22%を原発から供給することを目標としていますが、これは、既存の原発と建設中の原発、合わせて37基を全て稼働させるものです。国民の75%が原発ゼロを求めていることに逆行します。

 今も多くの住民がふるさとの家に戻れずにいる東京電力福島第1原発事故の教訓に加え、原発が電力の安定供給のリスクとなり、再生可能エネルギー普及のブレーキとなっている点からも、原発頼みのエネルギー政策を根本から転換すべきです。日本共産党は、他の野党の皆さんと共同して原発ゼロ基本法案を提出していますが、その真剣な検討を求めるものであります。

 総理は、来年10月から予定どおり消費税を10%に増税すると宣言しました。

 しかし、4年半前、消費税を5%から8%に増税したことによって、家計消費は、1時的どころか、いまだに落ち込んだままで、2人以上世帯の実質消費支出は年25万円も減っています。総理、こんなときに増税を強行すれば、消費が一層冷え込み、景気がますます悪くなることは火を見るよりも明らかなのではありませんか。

 政府は、消費税増税は社会保障のためと言います。しかし、所得の少ない人ほど負担が重くのしかかる弱い者いじめの税金である消費税を、立場の弱い方々を支える社会保障の財源にするほど本末転倒はありません。

 しかも、現実はどうでしょうか。消費税が導入された1989年度から2018年度までの30年間で国民の皆さんから集めた消費税の税収を累計すると、372兆円に上ります。ところが、社会保障は充実どころか、年金は削られ、医療費の窓口負担は増やされ、介護保険の利用料は上げられるなど、改悪の一途をたどりました。

 どうしてこんなことになったのか。調べてみると、同じ時期に、法人三税の税収は累計で291兆円も減っています。つまり、消費税税収の約八割が、社会保障のためでなく、結果的に大企業を中心とした法人税減収の穴埋めに回されたことになります。これでは社会保障が良くなるわけがありません。

 安倍政権は、今回の増税も全世代型社会保障をつくるためだと言っています。しかし、財務省が財政制度等審議会などに示しているのは、後期高齢者医療制度の窓口負担の1割から2割への引上げ、介護保険の利用料の、これも1割から2割への引上げ、要介護1、2の生活援助の保険給付外し、そして、児童手当の給付対象から多くの共働き世帯を除外することなど、全世代にわたって社会保障を大削減する計画です。

 国民には社会保障のための増税と言いながら、実際は社会保障に削減の大なたを振るう、国民をだまし討ちにするようなやり方はもうやめるべきではありませんか。財源というなら、アベノミクスで純利益が2.3倍に増えた大企業、保有資産が大きく膨らんだ富裕層にこそ応分の負担を求めるべきではありませんか。答弁を求めます。

 今回の消費税増税に伴って導入されるインボイス制度は、中小零細事業者にとって深刻な問題です。年間の売上げが1000万円以下の免税業者は、インボイス、適格請求書を発行できません。しかし、納入先はインボイスがなければ仕入れ税額控除ができなくなり、過大な税負担を強いられます。そのために、500万とも言われる免税業者が取引から排除されてしまうことになります。だからこそ、日本商工会議所など中小企業団体がこぞって反対しているのです。

 総理は、インボイスの導入によって中小零細事業者が取引から排除されることを認識しているのですか。消費者だけでなく、中小零細事業者にも致命的な打撃を与える消費税10%への増税は、直ちに中止すべきであります。

 政府が検討している入管法改定案は、128万人に上る現状の外国人労働者の人権侵害をそのままに、どの分野にどれだけ受け入れるのかなど重要な問題を法制定後政府に全て委ねてしまう白紙委任立法です。このまま閣議決定するなど断じて許されません。

 現在の技能実習生制度は、一つ、職業選択の自由、居住の自由など個人の尊厳と基本的人権を制度として奪っている、二つ、労働者として保護するといいながら、実際には労働基準法や最低賃金法すら守られていないという重大な問題を抱えています。背後にブローカーが暗躍する実態もあります。

 総理、こうした現状を正さないまま、なし崩し的に外国人労働者の受入れ対象を拡大するなら、世界から尊敬されるどころか、人権後進国として軽蔑されることになるのではありませんか。まずやるべきは、外国人の人権を制限している制度を根本から見直し、現にある人権侵害をなくすことではありませんか。

 わが党は、外国人労働者の基本的人権が保障される受入れ制度を整えて秩序ある受入れを進めていくべきであり、そうしてこそ日本人の労働者の権利と労働条件を守ることにもつながっていくと考えるものであります。

 自民党衆議院議員が、LGBTのカップルは生産性がないなどとした暴言を雑誌に寄稿しました。LGBTの人たちへの偏見をあおる差別発言であり、憲法に保障された個人の尊厳を冒涜する人権侵害の発言であります。ところが、総理は、まだ若いからと擁護し、不問に付す許し難い態度を取っています。

 総理は、この発言で傷ついた人たちの気持ちをどう考えているのですか。

 政治家のモラルが最も問われなければならないのは、安倍総理、あなた自身です。森友、加計学園問題では、安倍総理の説明に納得していない国民が七割に上るなど、国民の多くは総理がうそをついていると思っています。その総理のうそを隠すために公文書が改ざん、隠蔽され、国会で虚偽答弁が繰り返されたのです。

 違うというのなら、鍵を握る安倍昭恵氏、加計孝太郎氏の国会招致と証人喚問を堂々と行うべきではありませんか。

 9月26日に行われた日米首脳会談について、総理は、合意した日米交渉は、TAG、物品貿易協定であって、包括的なFTA、自由貿易協定とは全く異なると弁明しています。しかし、首脳会談で合意した日米共同声明の英文の正文を見ると、TAGという言葉はどこにもなく、FTA交渉開始の合意そのものであることは明らかです。

 総理、合意したのはFTAそのものではないのですか。ごまかしはやめて、国民に正直に説明すべきではありませんか。

 日本の食料主権と経済主権を身ぐるみ米国に売り渡すことになるFTA交渉開始に合意しながら、外交文書の翻訳まで捏造し、うそで国民を欺く、こんなひきょう、卑劣なやり方は断じて許されません。

 9月30日に行われた沖縄県知事選挙で、沖縄に新たな米軍基地は造らせないと命燃え尽きる瞬間まで闘い抜かれた翁長雄志前知事の遺志を継ぐ玉城デニー候補が、過去最多の得票を得て大差で勝利しました。沖縄県民は辺野古新基地建設ノーの民意を明確に示した、総理はそう受け止めないのですか。

 当選したデニー知事との会談で総理は県民の気持ちに寄り添うと述べながら、その僅か5日後、沖縄県の埋立て承認撤回に対し効力停止を申し立てる対抗措置に乗り出し、昨日、国土交通大臣は、不当にも埋立て承認撤回の執行停止を決定しました。安倍政権は沖縄県民の声を聞く耳は持たないということですか。

 そもそも、国民の権利を守るためにある行政不服審査制度をねじ曲げて、防衛省沖縄防衛局が国土交通大臣に不服審査を申し立てるなどというのは、自作自演の茶番劇と言わなければなりません。

 この決定に対し、玉城デニー沖縄県知事は、結論ありきで法治国家にあるまじき態度だ、公平性、中立性を欠く判断に強い憤りを禁じ得ないと抗議しています。県民は、翁長さんの命懸けの撤回を僅か数枚のペーパーでなきものにするのかと怒りに震えています。

 総理、民主主義も地方自治も法治主義も破壊する、国交大臣による無法な決定は取り下げるべきです。沖縄の揺るがぬ民意を尊重し、辺野古新基地建設の中止、普天間基地の即時閉鎖、撤去を掲げ、米国と交渉することこそ、日本の総理のやるべきことではありませんか。答弁を求めます。

 これまで安倍政権は、辺野古新基地建設を始め、安保法制、軍備拡大などを進める上で、北朝鮮の脅威を最大の口実にしてきました。しかし、朝鮮半島で対立から対話への歴史的な転換が起こっています。3回に及ぶ南北首脳会談、初の米朝首脳会談によって、朝鮮半島の非核化と平和に向けた歴史的合意が交わされました。

 総理も所信表明演説で、歴史的な米朝首脳会談によって北朝鮮をめぐる情勢は大きく動き出しています、この流れに更なる弾みを付け、朝鮮半島の完全な非核化を目指しますと述べられました。しかし、国際社会が北朝鮮の核・ミサイル問題の対話による平和的解決の流れを促進する様々な努力をしている中、流れに弾みを付けるどころか、逆行しているのが日本です。

 今年の防衛白書では、北朝鮮問題について、これまでにない重大かつ差し迫った脅威だと述べ、引き続き日米軍事一体化を進め、大軍拡を進める口実にしています。

 総理、この防衛白書の認識は、対決から対話への歴史的転換を全く無視しているのではありませんか。

 さきの日米首脳会談後の会見でトランプ大統領は、私が、日本は我々の思いを受け入れなければならない、巨額の貿易赤字は嫌だと言うと、日本はすごい量の防衛装備品を買うことになったと述べました。

 総理、トランプ大統領とのこのやり取りはどの場で行われたのですか。具体的にどのような武器をどれだけ買うことが話し合われたのですか。お答えください。

 防衛省の来年度概算要求には、陸上配備型迎撃システム、イージス・アショア本体を二基導入するために2352億円もの関連経費が計上されています。しかし、配備候補地としている秋田県や山口県では、電磁波の影響やテロ攻撃の標的になることへの不安とともに、北朝鮮情勢が変わっているのになぜ必要かという批判が噴出しています。

 地元や住民の合意なしに計画を進めることなどあってはなりません。米側の武器購入要求に唯々諾々と応じ、朝鮮半島の平和と安定に背を向け、逆に情勢を悪化させることになるイージス・アショアの配備は中止することを強く求めるものであります。

 総理は、国連総会での首脳会談で、韓国の文大統領の強いリーダーシップに対し敬意を表すると述べられました。文氏は、朝鮮半島で絶対に二度と戦争は起こしてはならない、対話しか解決の道はないとの信念で、南北、米朝首脳会談を実現し、画期的な外交イニシアチブを発揮しました。軍事ではなく対話の平和外交でこそ事態の解決が進む、まさにこれは憲法9条が指し示すものであります。

 にもかかわらず、総理は9条改定に執念を燃やしています。今ある自衛隊をそのまま書き込むだけで、自衛隊の任務も権限も変わらないと言いますが、9条に自衛隊を明記すれば、9条2項の空文化、死文化に道を開き、海外での武力行使が無制限になってしまいます。

 今、日本に求められているのは、平和の激動に逆らい、9条を変えて戦争する国づくりを進めることでは断じてありません。北東アジアに生きる国として、この地域に平和体制を構築するための外交的イニシアチブを発揮することこそ、憲法9条を持つ国として政府がなすべきことだと考えますが、総理の見解を求めます。

 日本共産党は、安倍政権による9条改憲を許さない1点で立場を超えた共同を広げ奮闘する決意であることを述べて、質問を終わります。

 

 

安倍晋三内閣総理大臣 山下芳生議員にお答えいたします。

 被災者の住宅となりわいの再建等についてお尋ねがありました。

 東日本大震災による避難者数は5万6000人に減少しましたが、いまだ多くの方が仮設住宅での不便な生活を強いられています。また、平成30年7月豪雨や北海道胆振東部地震など、本年も多くの災害が生じており、これらの災害の被災者の方々が1日も早く安心できる生活を取り戻せるよう、被災自治体と連携して、地域の課題やニーズの把握に努め、被災者に寄り添いながら、住宅・生活再建に向けた支援やなりわいの再建に向け、スピード感を持って全力で取り組んでまいります。

 被災者生活再建支援制度は、自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた方に対し、全都道府県の相互扶助及び国による財政支援により支援金を支給するものです。このような制度の趣旨からすれば、支給対象の拡大や支給額の引上げについては、国や都道府県の財政負担等の課題があり、慎重に検討すべきものと考えます。

 ブロック塀等については、過去の地震による被害を踏まえ基準を強化していますが、現行基準に適合しない古いものであることから、安全点検のチェックポイントを公表し周知するとともに、避難路に面するものについては、耐震診断の義務付けや撤去費用等に対する支援を検討しているところです。

 また、平成30年7月豪雨では、小田川等がバックウオーター現象等に伴う越水等により堤防決壊し、尊い命が失われるなどの甚大な被害が生じました。今回の被害を踏まえて、抜本的な治水対策を進めるため、事業を集中的に実施し、再度の災害を防止することとしています。

 今回の一連の災害で生じた被害の状況や地域ごとの復旧復興の進捗等に応じて必要な財政措置を講ずるため、平成30年度補正予算案に9356億円を計上しているところであり、早期の成立のご理解とご協力をお願いいたします。

 被災地の皆様の命を守り、安心を確保できるよう、引き続き検証を行い、防災対策をしっかりと進めてまいります。

 北海道におけるブラックアウトの教訓についてお尋ねがありました。

 今回の北海道胆振東部地震におけるブラックアウトと同様な事象を繰り返さないため、現在、電力インフラの総点検を実施しております。11月中に対策パッケージを取りまとめ、災害に強い電力供給体制を構築してまいります。

 原発政策に関連して、分散型への転換、再生可能エネルギーの普及、原発ゼロ基本法案についてお尋ねがありました。

 現在、多くの原発が停止している中で、東日本大震災前に比べ、一般家庭で平均で約16%電気代が上昇し、国民の皆様に経済的な大きなご負担をいただいている現実があります。こうした経済的なコストに加え、気候変動問題への対応、エネルギーの海外依存度を考えれば、原発ゼロということは責任あるエネルギー政策とは言えません。

 様々な電源によるベストミックスを追求する中で電力の安定供給を維持するためには、それぞれの電源の特性を踏まえながら、あらかじめ決められたルールに基づき出力制御を実施することが必要であります。そうした中でも、再生可能エネルギーの最大限の導入に取り組み、原発依存度を可能な限り低減する、これが安倍内閣の一貫した方針であります。

 また、分散型エネルギーは、非常時にも活用できるエネルギー供給源を確保する点や地域活性化にも資する点から重要と考えます。政府としては、これまでも地産地消型エネルギーシステムの構築に対する支援などを行ってきておりますが、今後も、自家発電設備や蓄電設備の整備を支援するなど、分散型エネルギーの普及を後押ししてまいります。

 なお、議員提出法案の扱いについては、国会の運営に関わるものであり、国会がお決めになることであると考えます。

 消費税率引上げの影響についてお尋ねがありました。

 前回の2014年4月の消費税率引上げの際には、耐久財を中心に駆け込み需要と反動減といった大きな需要変動が生じ、景気の回復力が弱まることとなりました。だからこそ、この間、我々はしっかりと3本の矢の政策を進めてまいりました。その結果、消費は、一国全体を捉えるGDPベースで見て、実質で2016年以降、前期比プラス傾向で推移し、2013年の水準を上回るなど、持ち直しています。

 来年10月に予定されている消費税率の引上げに当たっては、前回の3%引上げの経験を生かし、あらゆる施策を総動員し、経済に影響を及ぼさないよう全力で対応してまいります。

 社会保障の財源とその負担の在り方についてお尋ねがありました。

 社会保障の充実については、これまでも、消費税率の引上げに伴う増収により、持続可能性を確保しながら、待機児童の解消や低所得者の医療・介護保険料の軽減などを実施してきたところです。

 来年10月に予定する消費税率引上げに際しては、その使い道を見直し、半分を国民の皆さんに還元します。子供たち、子育て世代に大胆に投資することで、来年10月から幼児教育を無償化いたします。

 少子高齢化という国難に正面から取り組むため、お年寄りも若者も安心できる全世代型の社会保障制度へと大きく転換してまいります。

 なお、企業が収益力を高め、より積極的に賃上げや設備投資に取り組むよう促す観点から、成長志向の法人税改革に取り組んでまいりましたが、その中でも、租税特別措置の縮減、廃止等による課税ベースの拡大により、財源をしっかり確保しております。さらに、金融所得課税の見直し等を講じてきたところであります。

 今後の税制の在り方については、これまでの改正の効果を見極めるとともに、経済社会の情勢の変化等も踏まえつつ検討する必要があるものと考えています。

 インボイス制度の免税事業者への影響についてお尋ねがありました。

 インボイス制度は、複数税率の下において適正な課税を確保する観点から導入するものであります。

 他方、インボイス制度を導入すれば、免税事業者が取引から排除されるのではないかなどと懸念する声があるのも事実であり、政府としては、免税事業者が課税事業者への転換の要否を見極めながら対応を決めていただくよう、インボイス制度の導入までに4年間の準備期間を設けるとともに、そこから更に6年間、免税事業者からの仕入れについて一定の仕入れ税額控除を認めることとしています。

 外国人材の受入れ拡充についてお尋ねがありました。

 技能実習制度は、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う人づくりに協力することを目的とする制度ですが、一部の監理団体や受入れ企業において労働関係法令違反や人権侵害が生じている等の指摘があることから、制度を見直し、昨年11月に技能実習法が施行され、制度の適正化を図っているところです。

 新たな受入れ制度は、深刻な人手不足に対応するため、現行の専門的、技術的分野における外国人の受入れ制度を拡充し、真に必要な業種に限り、一定の専門性、技能を有し、即戦力となる外国人材をわが国に受け入れようとするものです。

 受入れに当たっては、日本人と同等の報酬をしっかりと確保するとともに、社会の一員としてその生活環境を確保するため、現在検討を進めている外国人材の受入れ・共生のための総合的対策をしっかり実行に移し、在留のための環境整備について関連施策を積極的に推進することとしております。

 LGBTに関する発言についてお尋ねがありました。

 ご指摘のとおり、LGBTと言われる性的少数者に対する不当な差別や偏見はあってはならないことであります。多様性が尊重され、全ての人がお互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を享受できる共生社会の実現に政府としてしっかり取り組んでまいります。

 国会招致と証人喚問についてお尋ねがありました。

 行政プロセスが公正公平に行われたかについては、引き続き政府においてしっかりと説明責任を果たしてまいります。その上で、国会の運営については国会がお決めになることだと思います。

 日米物品貿易協定交渉についてお尋ねがありました。

 これまでわが国が結んできた包括的なFTAでは、物品貿易に加え、サービス貿易全般の自由化を含むものを基本とし、さらに、知的財産、投資、競争など、幅広いルールを協定に盛り込むことを交渉を開始する段階から明確に目指してきました。

 しかし、今回の日米共同声明では、サービス全般の自由化や幅広いルールまで盛り込むことは想定しておらず、その意味で、これまでわが国が結んできた包括的なFTAとは異なるものと考えています。

 他方、FTAについて国際的に確立した定義が存在しないことも事実であるため、言葉遣いの問題として、今回の交渉についてFTAの一種ではないかとのご意見があることは承知しています。

 そうした中で、私が、これまでFFR協議について、FTA交渉でもFTAの予備交渉でもないと申し上げてきた最大の理由は、国内の農林漁業者の皆さんにTPP以上の関税引下げが行われるものではないかとの懸念があったためであり、農林水産業は必ず守り抜くとの思いから申し上げてきたものであります。

 そして、今回は、日米共同声明において、農林水産品については過去の経済連携協定で約束した内容が最大限である、この大前提を米国と合意しました。この点が最大のポイントであり、この前提の上に今後米国と交渉を行い、わが国の基である農林水産業を必ずや守り抜く決意であります。

 沖縄における選挙結果、国土交通大臣による執行停止決定、普天間飛行場の返還についてお尋ねがありました。

 選挙の結果については真摯に受け止めています。その上で、地方自治体の首長選挙の結果について政府の立場で見解を述べることは差し控えたいと思います。

 沖縄防衛局が行った審査請求及び執行停止の申立てについては、公有水面埋立法の所管大臣による国土交通大臣により、関係法令にのっとり執行停止の決定が行われたものと承知しています。これは、法治国家として法律に基づき必要な法的手続が行われたと認識しており、これを尊重すべきものと考えています。

 住宅や学校で囲まれ、世界で1番危険とも言われている普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければなりません。これが大前提であり、政府と地元の皆様の共通認識であると思います。

 普天間飛行場を移設した上で全面返還するとの方針は、米国政府との間で累次にわたり確認しているものです。

 政府としては、現在の日米合意に基づき、抑止力を維持しながら、普天間飛行場の1日も早い全面返還を実現するため、全力で取り組んでまいります。

 今後とも、地元の皆様のご理解を得る努力を続けながら、沖縄の皆様の心に寄り添い、基地負担の軽減に一つ一つ結果を出してまいります。

 防衛白書の記述についてお尋ねがありました。

 防衛白書におけるわが国を取り巻く安全保障環境に関する記述は、様々な情報を総合的に分析、評価した上で、極力客観的な記述に努めたものと考えています。

 また、北朝鮮に関しては、金正恩委員長が朝鮮半島の完全な非核化に向けた意思を改めて文書の形で明確に約束した意義は大きいとも記述していると承知しています。

 いずれにせよ、歴史的転換を無視しているとのご指摘は当たらないものと考えております。

 米国製装備品に関するトランプ大統領とのやり取りについてお尋ねがありました。

 本年9月に行った日米首脳会談において、私から、米国製の防衛装備品を含め、高性能な装備品を導入することがわが国の防衛力強化のために重要であると考えている旨をトランプ大統領に説明したところです。

 日米首脳会談のやり取りの一つ一つについてお答えすることは差し控えたいと思いますが、防衛装備品の導入については、五か年計画である中期防衛力整備計画に基づき、米国製の防衛装備品を含め計画的に取得しており、今後とも、わが国の主体的な判断の下、防衛力の強化を行っていく考えです。

 イージス・アショアについてお尋ねがありました。

 わが国の防衛を考える上で、わが国を射程に収める数百発の弾道ミサイルが現実に存在するという事実から目を背けることはできません。

 防衛装備品については、事態が切迫してから取得しようとしても数年間という長期間を要します。国民の命と平和な暮らしを守ることは政府の最も重要な責務であり、いかなる事態にも対応し得るよう、平素から万全の備えを取ることは当然のことであると考えています。

 イージス・アショアは、あくまでもわが国の主体的な判断により導入を進めているものです。

 また、弾道ミサイルから国民の生命、財産を守る純粋に防御的なシステムであり、周辺諸国に脅威を与えるものではありません。地域情勢を悪化させるとのご指摘は当たらず、導入を中止することは考えていません。

 もとより、イージス・アショアの配備に当たっては、地元の皆様のご理解をいただくことが大前提であり、様々なご懸念やご要望について一つひとつ丁寧に対応していく考えです。

 北東アジア外交と憲法についてお尋ねがありました。

 6月の歴史的な米朝首脳会談によって、北朝鮮をめぐる情勢は大きく動き出しています。この流れに更なる弾みを付け、日米、日米韓の結束の下、国際社会と連携しながら、朝鮮半島の完全な非核化を目指します。

 同時に、国民の命と平和な暮らしを守ることは政府の最も重要な任務であり、いかなる事態にも対応し得るよう万全の備えを行ってまいります。

 憲法改正の内容について、私が内閣総理大臣としてこの場でお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。

 その上で、お尋ねですので、あえて私が自民党総裁として一石を投じた考えを改めて申し上げるとすれば、現行の憲法第9条第1項及び第2項の規定を残した上で、自衛隊の存在を憲法に明記することによって、自衛隊の任務や権限に変更が生じるものはないと考えています。

 他方、現在、自民党の党内において行われている憲法改正をめぐる議論の状況や方向性についてお答えすることは差し控えたいと思います。

与党に偏る国会運営 野党が伊達参院議長不信任案 
参院本会議  山下氏討論

 
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 日本共産党の山下芳生議員は19日の参院本会議で5野党・会派提出の伊達忠一参院議長不信任決議案への賛成討論に立ち、伊達議長の与党に偏った異常かつ強引な国会運営を厳しく批判しました。

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伊達忠一参議院議長不信任決議案に対する賛成討論 
2018年7月19日 参議院本会議

 2018年7月19日、参議院本会議で山下芳生参院議員が行なった「伊達忠一参議院議長不信任決議案に対する賛成討論」は、以下の通りです。


 日本共産党を代表して、伊達忠一議長不信任決議案に対する賛成の討論を行います。

 議長にとって最も重要な役割は、選挙によって選ばれた全国民の代表者によって構成される参議院を、公平かつ円満に運営することです。 続きを読む

議院運営委員長解任決議案への賛成討論 
2017年6月14日 参議院本会議

 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました議院運営委員長山本順三君解任決議案に賛成の討論を行います。

 そもそも、今日は、本会議散会後に、次回の日程を協議するために議院運営委員会理事会を開くことを朝の理事会で確認しておりました。にもかかわらず、山本議院運営委員長は、昼休みに突然、理事会を開いたのであります。なぜか。今日、昼前に突然、与党代表自民党国対委員長から野党代表民進党国対委員長に対し、共謀罪法案については中間報告を行いたい、その上で採決したいと、一方的な通告があったからであります。

 与党の諸君は恥を知りなさいと言わなければなりません。国会は何のためにあるのか。参議院は何のためにあるのか。政府の行うことを国民の立場からチェックする行政監視機能こそ、国会の最も重要な役割であり、衆議院の議論に加えて、異なる選挙制度、異なる時期に国民から選ばれた我々参議院がより深くより丁寧に議論を尽くすことこそ、二院制における参議院の役割ではないのでしょうか。それこそ、国民の期待する国会、参議院の使命ではないかと確信するものであります。

 共謀罪法案について、国民はどう見ているでしょうか。6月に入って実施された北海道新聞の世論調査で、共謀罪反対の声は一四ポイント増えて59%と、賛成34%を大きく上回りました。テロ対策のためなど政府寄りの設問であるNHKの世論調査でも、反対、どちらとも言えないが6割以上を占め続けているのであります。

 共謀罪法案は、審議すればするほど国民の中に不安が広がる法案であります。国会が仮にも国民の代表者であるなら、徹底審議して不安をなくすのが当たり前ではないでしょうか。不安がなくならないのなら廃案とするのが当然ではないでしょうか。それを中間報告で審議を打ち切り採決するとは、国会、参議院の自殺行為に等しいと言わなければなりません。

 だからこそ、参議院野党四会派は、中間報告の通告がなされた直後、小川敏夫民進党・新緑風会会長、福島みずほ希望の会会長、糸数慶子沖縄の風会長と私が伊達忠一議長の元を訪ね、先ほど述べた中間報告の問題点を丁寧にお伝えし、与党によって一方的に政党間協議が打ち切られた以上、ここは議長が賢明な御判断をと要請したのであります。

 私は、その場で、かつて自民党出身の河野謙三参議院議長は七三の構えを説かれ、与党に三、野党に七顔を向けてこそ議院の公正な運営ができると、このことを貫かれました、今こそこの役割が求められているのではないでしょうかと私は伊達議長に申し上げました。議長は、しっかり受け止めます、信頼が大事ですねとお答えになったのであります。

 にもかかわらず、山本委員長は、中間報告をやろうとする議院運営委員会理事会を開きました。開かれた議運理事会でどんな議論があったか、詳しく報告したいと思います。

 自民党の理事から、状況が変化した、中間報告の動議を出したい旨の発言がありました。我が党仁比理事から、朝、本散後に次回本会議の日程を協議すると言っていたではないか、状況が変わったとは一体何が変わったのか。昨日の法務委員会でも、自民党の理事、西田理事から、今日採決は考えていない旨の発言があり、法務委員長も、採決はまだだ、こういう認識を示されました。これから一体何が変わったのか、仁比理事が質問いたしました。自民党の議運理事は、……、答えられない状況があったわけであります。維新の理事から、仁比さんの言うとおりだ、こういう発言があり、激しい抗議とともに持ち帰るという発言がありました。仁比理事から、持ち帰る前に一つ確認したいことがある、中間報告にする一体理由はどこにあるのか、こう詰め寄りました。自民党の理事からは、動議は自民党会派として出す、お怒りはごもっとも、会期末なので、こういう理由しか示されなかったのであります。それを受けて仁比理事は、公明党は知らなかったのか、屈服するのか、こう問いましたが、公明党の理事は、……、答えがなかったのであります。仁比理事が改めて、会期末に本会議で強行採決するのか、こう詰め寄りましたら、またも自民党はうつむいたまま返事はありません。ここで休憩になり、山本議院運営委員長は、指摘は重く受け止めると、休憩に入ったのであります。

 にもかかわらず、山本議院運営委員長は、公正公平な議院の運営という自らの役割を投げ捨て、議会制民主主義を踏みにじる中間報告のための本会議を開催するための委員会を強行いたしました。解任は当然であります。

 共謀罪法案の参議院法務委員会における審議はまだ18時間弱、緒に就いたばかりです。時間だけの問題でもありません。審議すればするほど、矛盾と問題点が噴出しています。審議すべき問題点は山のようにあります。にもかかわらず、委員会での審議を打ち切って、数の力で召し上げて、強行採決で成立を図ろうなどということは、参議院と国会の存在を否定する行為だと言わなければなりません。

 与党に言われるがままにその暴挙を唯々諾々と受け入れようとする議院運営委員長は、そのことだけを取っても解任に値すると言わなければなりません。

 しかも、共謀罪で問われているのは、人権とプライバシーが脅かされることになるのではないかという重大問題です。一つ、内心に踏み込む捜査や処罰が行われるのではないか。二つ、一般人が捜査や処罰の対象となるのではないか。三つ、民主主義の根幹に重大な萎縮をもたらす監視社会になるのではないか。(発言する者あり)ないということが言えるんだったら、ちゃんと審議したらいいじゃないですか。

 参議院の参考人の3人のうち2人がこの懸念を出したわけであります。参考人に対して、審議を尽くすのが参議院の礼儀ではないでしょうか。

 こうした大問題は、国民の不安、専門家の指摘の焦点です。僅かな審議においても、新たな重大問題が次々と明らかになっています。こうした国民の懸念、批判に真摯に向き合い、問題を究明する徹底した審議こそ、参議院に求められている責務であります。

 そして、この徹底した審議を支える柱が委員会中心主義であります。戦前の本会議中心主義に対して、新憲法下の新しい国会は、その運営について委員会中心主義を採用いたしました。より突っ込んで、より充実した審議をすることを目的としているのが委員会中心主義であります。中間報告の濫用は、その新しい国会の柱を乱暴に破壊するものと言わなければなりません。

 今、安倍政権は、森友問題、加計問題に象徴されるように、行政を私物化し、政治をほしいままにしております。

 これに対し、多くの国民が厳しい批判、怒りの声を上げています。

 我が党は、こうした国民とともに、野党とも力を合わせて闘うことを表明し、議院運営委員長解任決議案への賛成討論といたします。