被災自治体の職員拡充 国保料を協会けんぽ並みに 
2019年03月12日 参議院総務委員会

山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 まず、昨日、東日本大震災から8年がたちました。改めて、犠牲となられた皆様に心より哀悼の意を表しますとともに、いまだ避難生活を強いられている皆様にもお見舞いを申し上げたいと思います。
 共同通信のまとめでは、岩手、宮城、福島の3県17市町で、4月以降も597世帯1300人がプレハブの仮設住宅に残る見通しであるということが明らかになりました。8年たっても被災自治体では多くの課題を抱えております。
 先日、被災地で活動する自治体労働者、職員の皆さんからお話を伺いました。2人紹介します。Aさん、住宅再建できない被災者が残されている、被害を受けなかった人も含めて心の傷は残っている、災害公営住宅での孤独死もある、そうならないための見守り支援が必要、復興では東日本大震災がなければなかった業務を何十倍もしている、30代の係長が管理職並みの仕事をしている、集中改革プランで職員が減らされていてやっていけない、人を増やしていくことが大事だ。Bさん、土木に携わっている、全国から派遣応援を受けていたが、昨年の相次ぐ災害で派遣されなくなった、育てる側の人間も足りず、人が育たない、人員が足りない中で踏ん張っているという声が続出いたしました。
 総務省、被災自治体の職員は足らないという認識ありますか。

石田真敏総務大臣 お答えさせていただきます。
 東日本大震災の被災市町村におきましては、復旧復興を進めるための人材の確保が重要な課題となっているものと認識をいたしております。また、私も、昨年、7月豪雨や北海道胆振東部地震の被災地を視察いたしましたが、各所で人材の確保について御要請をいただいたところであります。被災市町村におきましては、全国から派遣された応援職員に加え、任期付職員の採用など様々な取組が行われておりますが、依然職員が不足しているものと承知をいたしております。
 こうした状況を踏まえまして、昨年11月には、私の方から全国の都道府県知事及び市区町村長に対し書簡を発出をいたしまして、応援職員の派遣について格別の御協力をお願いをしたところでございます。また、12月には、来年度の職員派遣について全ての地方公共団体に要請を行ったところでございまして、引き続き、応援職員の派遣について積極的に働きかけを行うなど、人材確保に向けまして継続して取組を進めてまいりたいと思っております。

山下よしき 現場をいろいろ歩かれて、まだまだ足らないという御認識でした。そのとおりだと思います。業務は8年たってもまだ、復興業務、終わっておりませんので。
 一方で、政府の復興・創生期間の終了期限が2020年度に迫っている中で、被災自治体には、国の財政支援がどうなっていくのかという不安、それから、残念ながら人口流出による、人口減による財政減の不安などがあります。ですから、今、復興事業のために例えば任期付職員を確保しているのが今後継続できるのか見通しが持てないという声も上がっております。
 総務省に伺いますが、こうした被災自治体が復興事業に引き続き必要な職員の確保ができるように財政措置が引き続き求められていると考えますが、いかがでしょうか。

林崎理(総務省自治財政局長) お答えいたします。
 東日本大震災の被災団体において、地方自治法に基づく中長期の派遣職員の受入れや、あるいは復旧復興業務への対応のための職員採用を行った場合に、その必要経費につきましては震災復興特別交付税により財政措置を講じてきているところでございまして、復興・創生期間において引き続きこの制度による支援を行ってまいります。
 その後につきましては、これはまた復興を支える仕組みということになりますけれども、今後、被災団体の要望などを踏まえまして政府全体で検討を進めていくということになっておりますけれども、震災復興特別交付税を含めました財政支援の在り方につきましても、関係省庁とも連携しながらしっかりと検討してまいりたいと考えております。

山下よしき 早く見通し示してあげる必要があると思うんですね。もう目の前に期限来ますからね。
 福島では、東京電力の原発事故により、より一層の困難を抱えております。河北新報が行った被災地の首長さんのアンケートによりますと、復興が遅れていると回答した首長のうち、九割は福島県内の首長でありました。復興を阻む要因として、原発事故それから自治体のマンパワー不足が挙げられております。
 自治労連という労働組合の皆さんが昨年11月に福島の自治体訪問を、各自治体を回りまして、被災自治体の現状、それから職員の労働条件などを聞いております。
 楢葉町では、2015年に避難指示が解除されまして、住民の約半分が戻っているが地域経済は厳しい、企業誘致をしても地元に労働者がいない、時給1000円でも人が集まらないという声が出されました。それから、2017年に避難指示が解除された富岡町では、町民が5%しか戻っていない、昨年は役場職員の早期退職が多く、町外出身者の新規採用が増えたことで、これまでの経験の蓄積が薄くなっていると感じられると、こういう声であります。住民が戻らない、職員が集まらない、そして労働者も集まらない、先が見えずに自治体職員が退職していくということであります。
 それから、避難指示が解除された自治体であっても、例えば子供さんのいる職員の皆さんは、やはり内陸部、中通りですとか南部のいわき市から2時間掛けて通勤せざるを得ないということもありまして、疲労がたまっておられます。
 総務大臣に伺いますが、こうした福島の自治体職員の特別の大変さについて、大臣、どう認識されていますか。

石田総務相 福島原発事故により深刻な被害を受けられた地域では、今後、本格的な復興再生に向けて避難指示が解除された地域の生活環境整備などの取組を進める必要があり、被災団体の職員の方々が日々大変御苦労されているものと認識をいたしております。私も先日、南相馬市、それから浪江町、大熊町、訪問させていただきまして、実情を見せていただきました。
 このため、復興再生を担う人材の確保が重要であり、今後とも、応援職員の派遣につきまして積極的に働きかけを行うなど、人材確保に向けて継続して取組を進めてまいりたいと思います。

山下よしき 大事な御答弁だったと思います。
 総務省に続いて伺いますけれども、福島のこうした各自治体において、全国から派遣した職員を含む各自治体職員の健康が保全されること、安心して復旧事業が担えるように、政府として適正な労働条件それから労働環境の確保に特別の対応が必要ではないかと思いますが、簡潔に御答弁ください。

大村慎一(総務省自治行政局公務員部長) お答えいたします。
 全国からの派遣職員を含めた被災市町村職員の健康保持や適切な労働条件、労働環境の確保は重要な課題であると認識をいたしております。
 その中で、被災市町村における復旧復興業務への対応によりまして、職員の時間外勤務が一定程度増加することはやむを得ない場合もあると思いますが、その際には、超過勤務を必要最小限のものとして、職員の健康に十分な配慮が必要であると考えております。総務省としては、時間外勤務縮減等に向けた取組の一層の推進について度々通知を発出するなど、地方公共団体に助言を行っております。
 また、地方公務員の健康の保持に関しましては、本年2月に長時間労働者に対する医師の面接指導の強化などについて助言を行いますとともに、東日本大震災に関連するメンタルヘルス対策5か年事業として、震災復興特別交付税により財政措置を講じまして、被災地方公共団体の職員や派遣職員を対象とする訪問カウンセリングやメンタルヘルスセミナー等の取組を実施しているところでございます。そのほか、地方公務員安全衛生推進協会が行うメンタルヘルス対策支援専門員派遣事業などによる支援も行われているところでございます。

山下よしき 引き続き、これは終わっておりませんので、メンタルも含めて対応をいただきたいと思います。
 次に、国民健康保険の問題について質問したいと思います。
 昨年スタートした国保の都道府県化、約1年経過しましたけれども、今どうなろうとしているのかということについて聞いていきたいと思うんですが、まず、資料1枚目を御覧いただければ、まあこれはおさらいですけれども、各保険者ごとの保険料負担の比較であります。協会けんぽ7.5%、組合健保5.8%と比較して、国保の加入者は平均所得が低いにもかかわらず保険料負担率は平均10%を超えていると。構造的な問題があります。
 資料には添付しておりませんが、大阪府の資料を見ますと、2016年の国保加入者1人当たりの年間所得は52万8000円です。保険料は9万210円、ですから、所得に対する保険料負担率は17.1%と、低所得者になりますと20%ということで、もう5分の1が保険料に飛んでいくということになっております。
 厚労省、国保の保険料は高いという認識ありますか。

渡辺由美子(厚生労働大臣官房審議官) 今御指摘ございました国保の保険料は、これは市町村ごとに賦課をいたしますので、一概に、地域差もございますので一概な比較というのは難しいところはあろうかと思いますが、例えば直近の決算ベースの平成28年度で見ますと、先生お示しいただいた資料にもございますが、加入者1人当たりの平均額で見ますと、市町村国保は1人当たり8.6万円、これに対して中小企業の労働者やその被扶養者が加入する協会けんぽにつきましては1人当たり11.2万円ということですので、一概に高いと言えないところはあろうかと思っておりますが、ただ一方で、御指摘のございました国保の構造的な問題ということはございますので、医療保険制度の中でも低所得の方々の保険料の軽減措置を講ずるとともに、保険料給付費に対しましても五割の公費負担を行うなど、他制度に比べますと、公費を手厚く投入することによりまして安定的な運営を図るという措置を図っているところでございます。

山下よしき 非常に残念な答弁と言わざるを得ないですね。額比べたってあきませんよ、所得が違うんだから。だから保険料率と私言っているのに、額を並べて一概に高いとは言えないなどという答弁を厚労省がするようでは、これは先が思いやられるなと思います。
 その国保料・税が、昨年スタートした都道府県単位化によってどうなるのか、どうなったのかということなんですけれども、厚労省、昨年、保険料どうなったでしょうか。

渡辺審議官 昨年4月にスタートいたしました都道府県単位化後の保険料を把握するために、私ども厚労省といたしまして、都道府県を通じて全市町村に照会をいたしまして、その結果を昨年末、12月に公表しております。
 これによりますと、平成30年度、新国保制度スタートの保険料率につきまして、引き上げた市町村というのは全体の約23%、403に対しまして、据置きとした市町村は836、48%、引き下げた市町村は496、29%ということで、引上げを行った市町村というのは全体の2割程度というふうに把握をしております。

山下よしき 資料2枚目に今の答弁を配付しておりますけれども、多くの市町村、頑張って据置きの努力されたんです。しかし、その中でも23%の自治体が上げざるを得なかった。その要因として、この四角の下の左側の方に書いていますけど、国保改革の影響というのがあるんですね。
 厚労省、国保改革の影響でなぜ保険料が上がるんでしょうか。

渡辺審議官 今回の国保改革の最大の目的は、これまで市町村単位であった財政運営を都道府県単位という大きな器にすることによってより安定させるということで、このために、今回の新しい国保制度の中では、都道府県が全体の保険給付に要する費用を賄うために各市町村に納付金ということを課してこの納付金を徴収するという、そういう仕組みにしております。
 この納付金の設定の仕方でございますけれども、これは市町村と協議の上ではございますが、基本的には市町村ごとの医療費、それから所得の水準といったものを勘案して設定するということになってございます。
 ですので、結果として、例えば比較的所得水準の高い市町村においては納付金が高くなり、それが原因となって保険料が上がるというようなこともあり得ると思いますが、この納付金制度ということが一つの原因であろうかと思っております。

山下よしき 私たちはかねてより、国保の都道府県単位化に伴って標準保険料率の提示でありますとか保険料平準化の推進などが図られることになる、これが保険料引上げを招くと指摘してまいりました。来年度に向けて各都道府県はこの標準保険料率を示しておりますけれども、各地で引上げの方向に進みつつあります。
 資料3枚目には滋賀県の例を紹介しておりますが、滋賀県から標準保険料額が示されましたが、滋賀県下十九市町村のうち十8.値上げとなっているわけですね。これ、市町村平均でいいますと8.99%、平成30年度と31年度の1人当たりの保険料額の伸び率を見ますと8.99%。1番大きい長浜市では11.41%、1年で上がるということになります。これ嫌だったら、市町村は据え置くために繰入れあるいは基金の活用などをせざるを得ないわけですね。
 それから、資料4枚目には統一保険料率を強力に進めている大阪府のケースを紹介してあります。
 大阪府は、2023年度までに府内完全統一保険料を目指しておりまして、やり方としては、市町村独自の繰入れ、これは駄目ですよと、市町村独自の減免やめてくださいよということで、段階的にこれから5年間でそういうことをなくしていくということなんですが、そうなりますと、2019年度、これは2019年度だけの資料ですけれども、各市町村の独自支援を大阪府が示したとおり削減していったらどうなるかというのがこの一覧表でありますけれども、もうほとんど保険料上がります。
 真ん中から左が40歳代夫婦4人世帯で年間所得200万円の場合ですけれども、43市町村大阪府にはありますけれども、そのうち42市町村で上がることになります。最も上がるのは上の方の高槻市というところで、32万5317円から38万8097円と、6万2780円、119.3%に上がることになっています。それから、右側、独り暮らし、年金が月12万円の場合の方で見ますと、43市町村中40で上がると。最も上がるのは寝屋川市、真ん中よりちょっと上ですけれども、1万6686円が2万2349円、5663円上がって133.9%になると。
 これ、1年度だけですからね。これが毎年毎年上がって、2023年まで5年連続こういうことになっていきますから、終わったときには数万円から十数万円、今でも高い国保料が止めどもなく上がっていくということになるわけです。
 したがって、全国町村会からはこういう意見が出ております。都道府県において保険料水準の平準化や保険料算定方式の統一が拙速に進められることのないよう、国は各都道府県の動向を注視し、適切な助言をとの要望が出されております。
 厚労省に伺いますが、国保の都道府県化によって、今でも高い保険料が更に上がっていく、これでは私は国保世帯の暮らしが破綻すると思いますが、そういう認識はありますか。

新谷正義厚生労働大臣政務官 お答え申し上げます。
 国民健康保険は、協会けんぽや組合健保といった被用者保険に比べまして、高齢の加入者の占める割合が高くなっているところでございます。医療費水準が高くなるという一方で、無職や非正規雇用の労働者など低所得の加入者が多いという構造的な問題を抱えているところでございまして、これまでも累次の財政支援を講じてきたところでございます。またさらに、今般の国保改革におきましては、国保の財政状況に鑑み、年約3400億円の財政支援、これを行っておりまして、財政基盤を大幅に強化したところでございます。
 具体的なところで申しますと、平成27年度から低所得者が多く加入する自治体への財政支援を1700億円、これを拡充しまして、また、平成30年度からは医療費適正化に取り組む自治体への財政支援、また、財政調整機能の強化等のために1700億円、これを上乗せを行ったところでございます。
 国保の保険料につきましては、医療費の自然増への対応、さらには、長年これは、毎年ということで、長年保険料率を据え置いてきた、こういったために、この国保改革を機に引き上げたケース、こういったことなども、各市町村において様々な要因を踏まえて決定をされたものと認識をしておるところでございます。一概に国保改革の影響で上昇したとは言えないと、そのように考えております。
 いずれにしましても、引き続き、新制度施行の状況をしっかりと把握しながら、地方団体とも協議をして、国保制度の安定的な運営に努めてまいりたいと、そのように考えております。

山下よしき 残念ながら、極めて冷たい答弁だと。私、全国町村会もこれはえらいことになりますよと言っていること、そして具体的に滋賀や大阪の事例を挙げて、このままだと国保加入者の暮らしが破綻するんじゃないかと言いましたけれども、その暮らしが破綻するかどうかは一言も御答弁ありません。私、ここちゃんと見ないと大変なことになると思いますよ。私は、今、国保の保険料に求められているのは、更なる引上げではなくて、逆に大幅な引下げだと思います。
 全国知事会は、国保基盤強化のために1兆円の公費を投入して協会けんぽ並みの保険料にすべきだと提案をいたしました。それを受けて、地方三団体と国との協議の結果、先ほど政務官からお話あった3400億円の財政拡充を行うことになったんです。それは承知しております。しかし、3400億円の投入実施後も、全国知事会からは、国定率負担の引上げ等様々な財政支援の方策を講じること、それから、全国市長会からも、国庫負担割合の引上げなど国保財政基盤の充実強化を図ることが求められているんですね。
 3400億円というのはあくまで臨時的な財政投入で、国保の構造問題を抜本解決することには全くなりません。やはり国の定率負担の引上げが必要だというのが地方の声だと思うんですが、これ真剣に検討すべきじゃないですか、厚労省。

渡辺審議官 先ほど、まず先生から御指摘のございました滋賀県や大阪の例、これは私どもも、今後、31年度の最終的な保険料の決定が5月、6月になされますので、その状況をよくお聞きしなければいけないと思っておりますけれども、全国的な傾向といたしまして、これは30、31でございますが、30年度になるときに、29年から28年の保険料につきましては平成28年度の医療費をベースに算定したところが多うございます。28年度というのは全国的にも医療費がちょっと伸びが収まったときでございますので、その意味では、30年度にかけてはやや保険料の上がりが低かったところを30、31で引き上げたというようなこともあると思いますので、必ずしもこの30、31のトレンドがずっと続いていくということではないかとは思っております。
 ただ、いずれにしましても、先ほど来申し上げておりますように、国保の抱えております構造的な問題というのはございますので、私ども、この公費3400億円、消費税財源も活用しながら確保したわけでございますが、これをしっかり堅持していくとともに、先ほど政務官からも申し上げましたが、地方団体ともよく協議をしながら安定的な運営に努めていきたいと思っております。

山下よしき 全国知事会の提案について真剣に検討すべきではないかと申し上げたんですが、それは全く答えがありませんでした。
 もう総務大臣に聞きます。総務大臣、全国知事会が国定率負担の引上げ、様々な財政措置、支援の方策をと求めています。この地方の声、どう受け止められますか。

石田総務相 御指摘のとおり、国保制度は低所得者が多く加入するなどの構造的な問題を抱えているために、これまでも累次の財政支援策が講じられてきたところでありまして、今般の国保改革におきましては、国保の財政状況に鑑み、毎年3400億円の財政支援が行われ、財政基盤が大幅に改善され、強化されたところでございます。
 今後とも、国保制度を所管している厚生労働省において、国として必要な財政支援を行い、安定的な制度の運営に努められると考えているところでございまして、総務省としても、厚生労働省と連携しまして、国保制度の実務を担う地方団体の財政運営に支障が生じないよう、引き続き適切に対応してまいりたいと存じております。

山下よしき 最後に、私どもの方から一つ提案させていただきます。
 全国知事会、さっき言ったように、公費1兆円投入して協会けんぽ並みに保険料下げたらどうだという提案されました。これ踏まえて、日本共産党、昨年11月に、国保料・税を抜本的に引き下げる政策提案をいたしました。具体的には、国保料、国保税の中で1番の問題だと私たち考えるのは、家族の人数に応じて掛かる均等割、世帯ごとに掛かる平等割、要するに赤ちゃんが1人生まれれば保険料が上がるという、生まれておめでとうじゃなくて残念だと思われるような、これを公費1兆円、全国知事会の提案のとおり1兆円投入して均等割、平等割を廃止しようという提案をいたしました。
 大臣、受け止めいかがでしょうか。総務大臣、どうぞ。

石田総務相 これは運営の問題ですので、厚労省の方において適切に御検討いただけるものと思っております。

山下よしき いただけそうにないので総務大臣に聞いたんですがね。
 これ実行したら、年収400万円の4人家族、30代夫婦プラス子ども2人のモデル世帯で保険料がどうなるか。私ども、全国の市町村ごとに試算いたしました。私の地元の中にあります大阪市の保険料は、今41万9500円から20万3400円に下がります。均等割、平等割なくせばそうなるんですね。石田総務大臣の御地元、和歌山県海南市の保険料、35万7626円から20万1600円に下がります。喜ぶと思いますね、住民の皆さんは。
 これは共産党独りの提案ではございません。全国知事会、全国市長会などの公費投入で構造問題を解決するという強い願いに応えるものであります。国保を運営する自治体の思いにも合致したものでありますから、是非党派を超えて実現しようではないかということを呼びかけて、終わります。

二次補正予算 災害関連経費きめ細やかな対応を 一部損壊被災者への支援拡大を 
2019年2月7日 参議院総務委員会

山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 今回の二次補正では、地方自治体の災害関連経費分として、特別交付税が700億円増額配分されることになります。
 昨年6月の大阪北部地震で、ブロック塀倒壊によって女児死亡事故のあった高槻市では、学校、通学路あるいは福祉施設などのブロック塀の撤去、改修を急いでおります。これらには国の補助があり、歓迎されています。
 しかし、被災自治体には、国の補助がなくても復旧しなければならない公共施設が数多くあります。例えば高槻市では、市が管理するコミュニティーセンターの建物に地震でひびが入り、改修しなければならなくなっております。
 このように被災自治体には様々な経費が生じますけれども、総務省、今回の特別交付税700億円の増額分をこれらに活用できるのか、その他どのような財政措置があるのか、簡潔に御答弁ください。

林崎理(総務省自治財政局長) お答え申し上げます。
 御指摘のように、災害の発生時には被災団体において応急復旧対策等々様々な財政需要が生じますので、今御指摘あったような施設などが傷んだといったような、それへの対応といったような経費もあると思います。
 仕組みとして地方債やあるいは普通交付税による措置が対応できるものもございますし、それができないものにつきまして特別交付税で対応しようということで、一定の指標を用いまして災害復旧事業費あるいは罹災の世帯数等に基づきまして算定をして包括的に措置をして、そして被災自治体を支援をすると、こういったことで我々対応してきておりますので、今回、700億増額いただいて、そういった財源にも活用させていただく、こういうことだと思います。

山下よしき 自治体の要望をきめ細やかに聞きながら対応いただきたいと思います。
 次に、大阪北部地震、台風21号災害で改めてクローズアップされた一部損壊の問題について質問します。
 資料1に災害による住宅被害の状況を載せております。2016年の熊本地震では、20万6000棟の住宅被害のうち一部損壊が78.8%、大阪北部地震では、5万8000棟の被害のうち実に99.1%が一部損壊でありました。台風21号では、5万1000棟の被害のうち98.5%が一部損壊であります。御存じのとおり、被災者生活再建支援法では全壊世帯あるいは大規模半壊世帯が支援対象で、一部損壊世帯は支援ありません。
 そこで、一部損壊の被災者がどういう実態にあるのか、資料2に大阪北部地震から半年たった被災地の写真を載せています。屋根をブルーシートで覆ったままの住宅が目立つわけですが、4日前、私、高槻市に行きましたら、同じような光景が依然として広がっておりました。もちろん、業者の不足で工事が遅れているという面はあります。しかし、それだけではありません。
 実例を一つ紹介します。高槻市の70代男性は、独り暮らしの住宅の屋根や外壁にひびが入り、一部損壊と判定されましたが、屋根は地震直後にブルーシートを張ったままになっております。この方は、収入は年金のみ、近所の家で工事費用100万円以上と聞いて業者を探す気力を失った、しばらくは今の状態で住み続けるしかない、こうおっしゃっております。
 総務大臣、これは政治家として感想をうかがうんですけれども、住宅再建の展望や見通しがあれば、私はつらくても厳しくても頑張ることができると思うんです。しかし、展望や見通しがない、これは非常にきついと思いますよ。この一部損壊の被災者の実態、どうお感じでしょうか。

石田真敏総務大臣 この問題についての御質問は本会議でもなされまして、この被災者生活再建支援制度の趣旨からすれば、支給対象の拡大については、国や都道府県の財政負担等の課題があり、慎重に検討すべきものと考えるが、現在、制度所管官庁である内閣府において検討が進められていると私も承知いたしております。

山下よしき 紙に書いたものを読んでほしくないんですよ。今、実際目の前でこういう実態があると、それを政治家として感じることを肉声でお話しいただきたいんです。もう一言どうぞ。

石田総務相 この写真を見せていただいて、ここにお住まいの方々、本当に御苦労をされているなということを感じます。
 ただ、委員も御指摘ありましたように、なかなか業者さんが対応できないという実態も一方ではあるようでございまして、その辺りは、議員の御指摘のように、大変この一部損壊、半壊等で御苦労をされている方がおられるということでございますので、先ほど申し上げましたように、内閣府等でこういう実態を踏まえてしっかり検討をさせていただきたいと思っております。

山下よしき 一部損壊を放置したらどうなるか。熊本地震では、瓦が落ちたのに修繕できずに、雨水が入って、家の中がカビあるいは湿気だらけになって、結局住むことができなくなったというケースがあります。
 昨年8月、大阪府市長会が要望を出しております。紹介しますと、今回の地震による住宅被害はそのほとんどが一部損壊となっており、被災者生活再建支援法に基づく支援がない、特に屋根の損壊は一部損壊であっても生活に支障を与えるものであることから支援対象を拡大されたいと。おっしゃるとおり屋根なんですよ。一部損壊でも、屋根は雨水が入ってきて、結局はりなどが腐って住めなくなるということが熊本ではもう起こっているんですね。だから大阪府の市長会がこういう要望をされました。
 総務大臣、この自治体からの一部損壊の支援対象拡大、真剣に受け止めるべきではありませんか。

石田総務相 そういう実態は私も理解をしておるつもりでございますので、先ほども申し上げましたけれども、内閣府等を中心にしっかり検討してまいりたいと思っております。

山下よしき 阪神・淡路大震災で被災住宅の調査に当たった神戸大学大学院の平山洋介教授は、こうおっしゃっております。近年多発する災害を超高齢化がより深刻なものにしている、一部損壊でも暮らしへの影響は大きい、現実には年金しか主な収入がないお年寄りが高額の修繕費を賄うのは難しい、それが住宅再建を遅らせている要因だ、今後ますます超高齢化が進む、国は一部損壊の修繕費へも支援を検討する時期に来ている。大変重要な指摘だと思います。
 今日は内閣府中根副大臣に来ていただいておりますが、提案があります。現在、被災者生活再建支援法の支援対象になっていない半壊世帯、そして一部損壊世帯への対象の拡大について、私は、被災者、それから自治体の首長、そして有識者、専門家などの協力を得て、これ検討会をつくって検討に踏み出すべきではないかと思いますが、いかがですか。

中根一幸内閣府副大臣 お答え申し上げます。
 被災者生活再建支援制度、著しい被害を及ぼす一定規模以上の自然災害が発生した場合に、住宅に全壊また大規模半壊等の重大な被害を受けた世帯に対して、全都道府県の相互扶助及び国による財政支援によりこの支援金というのが支給するものであります。
 半壊世帯までの支給対象の拡大につきましては、御案内のとおり、昨年11月の全国知事会からの提言も踏まえ、事務方において全国知事会との継続的に意見交換を行っているところであります。
 支給対象の拡大は、国や都道府県の財政負担等の課題もあり慎重に検討すべきものと考えるが、全国知事会と協力して、半壊世帯の実態を把握することが重要との観点から、半壊世帯における補修費等の情報を収集するとともに、この生活再建に向けた課題等について実態を今把握しているところでございます。
 いずれにせよ、今後も引き続き被災者に寄り添いながら災害対応、努めていきたいと思っておりますが、先ほど委員がこの検討会を設置して検討すべきとの御指摘ということでございますが、先ほどもお話ししたように、現在この全国知事会との継続的に意見交換、行っているところでございますので、その中で実態把握等を進めてまいりたいと考えております。

山下よしき 副大臣が紹介されたことはいいことだと思うんですよ。知事会と協力して実態を把握すると、それは出発点だと思います。ただ、事務方同士の会合なんですね。これでは世論喚起にとってはやっぱり弱い。いつまでたってもなかなか実現しないということになるんじゃないかと思うんですね。もっとオープンにする必要がある。
 だから、今の到達を踏まえて、私は新たに2点提案したいんですけれども、一つは、被災者、それから自治体の首長、それから有識者が参加する検討会にバージョンアップする必要があるんじゃないかと、これが1点。二つ目に、半壊だけではなくて、今るる実態紹介しましたので、一部損壊への支援も検討内容に加えるべきではないか。副大臣、この2点、いかがでしょうか。

中根副大臣 バージョンアップしてこの今の検討会に持っていくというようなお話でありましたが、先ほどもお話ししたとおり、まずは、今現在、全国の知事会と継続的に意見交換を行っているところでありますので、その中で実態把握等を努めてまいりたいと思います。
 そしてもう1点、この一部損害まで支給拡大検討しないかというようなお話だったと思いますが、昨年この11月の知事会からの提言では支給対象を半壊まで拡大することとされていることも踏まえて、今これについて意見交換を行っているところでございます。

山下よしき せっかく政治家として来ていただいているので、被災者生活再建支援法だってなかったんですよ。阪神・淡路の実態を前に、私もそのとき一生懸命頑張って超党派の皆さん呼びかけて議員立法で作ったんですよ。ようやくできたんですよ。
 だから、しかし、今その下でも救われない被災者が、半壊、一部損壊あると、それが新たな熊本や北部地震で明らかになった。だったら、これは政治の決断として踏み込むべきではないか。もちろん事務方の調査はいいですよ。だけど、やっぱり被災者や自治体の首長さんやそういう方に入っていただくこと、そして一部損壊をやはり検討の対象にする、やらなければならないということを決める前に、まず実態を一部損壊についても把握すべきではないかということを言っているんですが、何もやらないということにはならないでしょう。そこも視野に入れてください。

中根副大臣 何度も同じことになって恐縮ですが、先ほど言ったように、現在、全国知事会と継続的に意見交換行われているところでありますので、その中で実態把握等を進めてまいりたいと思っております。

山下よしき 一部損壊も是非入れていただきたいということは要望しておきたいと思います。
 もう残り時間僅かですが、統計不正の問題について聞きます。
 資料3に配付したように、統計法1条、公的統計が国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報であるとあります。そして、第8条に関わる逐条解説では、国民がそれを利用するに当たり、当該統計がどのような情報を用いて、どのような方法で作成されたものなのかといった情報が提供されることが望ましい、そこで基本情報についても公表することを義務付けたとありますが、厚労省、この資料四に、毎月勤労統計年報2017年版より産業、事業所抽出率表を掲載しましたが、これが毎勤統計の基本情報ですか。

土田浩史(厚生労働大臣官房政策立案総括審議官) お答え申し上げます。
 公的統計につきましては、御指摘のように、統計法第1条におきまして、国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報であるとされております。また、公的統計の体系的、効率的な整備及びその有用性の確保を図ることが規定されているところでございます。
 これは、公的統計が行政のためだけではなく国民生活や企業活動にとっても必要不可欠なものであり、広く国民のために分かりやすい情報を提供していくことが重要であるというふうに認識しております。
 こういった観点から、毎月勤労統計につきましても、産業、事業所抽出率表につきまして年報において毎年公表してきたところでございますが、残念ながら抽出率表につきまして事実と異なる記載を長年続けていたということでございまして、御承知のように今般のような事態を招いているところでございます。
 そういったことにつきまして、国民の皆様に多大なる御迷惑をお掛けしていることにつきまして、改めておわび申し上げるところでございます。

山下よしき 要するに、資料4が基本情報なんですが、本当に重大なんですね、今おっしゃったとおり。この4の右側を見ていただきたいんですが、規模500人以上の事業所についての抽出率は全て1分の1です。つまり、全数調査を行ったと国民には情報提供しているんですね。
 ところが、実態は、御存じのとおり、2004年から東京については3分の1の抽出調査を行っていた。国民を欺き、統計への信頼を根底から揺るがす不正であり、違法行為であります。しかも、御存じのとおり、抽出したら当然ながら倍数補正しなければならないのに、それをしなかった。さらに、2018年1月から国民には公表しないでこっそりと3倍の復元を行った。国民を二重三重に欺くことになります。
 中央官庁で統計業務に携わった経験をお持ちのある研究者の方は、次のように語っております。統計の常識として、誤りに気付いたら遡って修正すべきであるのに、それをせずに公表し、修正前の数値と修正後の数値で前年同月比を出した。統計知識を持った管理者がなぜそんなことをしたのか。まずいと分かっていながら、修正でプラスが大きくなるのだからよいだろうと安易に判断したのなら、それは安倍内閣へのそんたくであり、統計従事者として到底許されないという指摘を聞きました。もうそのとおりだと思うんですね。
 総務大臣、なぜこんなことが起こったのか。不正を隠すためなのか、あるいは政権へのそんたくなのか、あるいは政治からの圧力があったのか。統計従事者が、あってはならない、普通なら絶対あり得ないことをやっちゃった、その動機を解明することが再発防止にとってはどうしても必要だと思いますが、大臣の認識を伺います。

石田総務相 本当に申し訳ないことで、これは、公的統計1条にありますように、国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報でございますので、今回のような事案はあってはならない事案でありまして、誠に遺憾だというふうに感じております。
 そして、今御指摘ございましたように、やはりこれをどういうことでこういうことになっていったのかということをしっかり解明することが大事だと思っておりまして、今厚労省の特別監察委員会、今回、第三者性をより強めてということでございまして、今調査をされているということでございます。
 また、総務省の関係で、統計委員会の方でも点検検証部会を設置をいたしまして、これからきちっと対応をしていくということでございます。
 その辺りの結果をしっかり踏まえて今後の対応をやっていかなければならないと、そのように思っております。

山下よしき 時間が参りました。
 委員長に最後、御提案します。当委員会としても、必要な資料、そして、大西前統括官、西村統計委員長など必要な参考人を呼んで、この問題での集中審議を行うことを提案いたします。
 終わります。

首相問責決議案への賛成討論 
2018年12月7日 参議院本会議

 私は、日本共産党を代表して、安倍首相問責決議案に賛成の立場から討論を行います。

 賛成理由の第1は、安倍首相の国会を愚弄する暴走が余りに目に余るからであります。

 今参議院で起こっている、重要法案が審議が極めて不十分なまま次々強行されようとしている事態の震源地は、全て安倍首相にあります。

 技能実習生の失踪者調査によって、日本では外国人労働者を人間として受け入れる体制が整っていないことが浮き彫りとなりました。国民の六割から八割も今国会で法案を成立させる必要がないと言っています。にもかかわらず入管法改定の来年4月施行を急ぐのは総理の御意向だと法務省担当者が与党議員に説明していたということが、有田議員の法務委員長解任決議案の趣旨説明でも明らかにされました。

 参議院の審議は衆議院を超えたと言いますが、法案の衆議院通過自体、首相の外遊日程に合わせた強行だと与党も言明してきたではありませんか。政府が国会の最重要法案と位置付ける法案を首相の外遊日程に合わせて強行するなど、戦後の国会の歴史でもかつてなかったことであります。

 国民の生存権に関わる水道法改定案も、国民生活と経済に深刻な影響を与える日欧EPA、SPAも、70年ぶりの漁業法改定案も、全て不十分な審議のまま、日程ありきで強行されようとしています。

 漁業法改定案をめぐる農水委員長解任決議案の討論で紙議員が沿岸漁業者の苦しみを紹介し、こうした人たちを置き去りにしてはならないと切々と訴えたとき、議場はやじ一つなく静かに聞き入りました。委員会で採決が強行された後、共感した自民党のベテラン農水議員から紙議員は握手を求められたと聞きました。ならば、なぜ審議を打ち切るのか、なぜ声を上げないのか。国会の行政監視機能、法案審査機能は、与党、野党を問わず、国民から負託された最も重い責務ではありませんか。この間の与党諸君の態度は、これこそ国会議員としての職務放棄と言わなければなりません。

 同時に、こうした態度を与党に取らせているのが、それを率いる安倍首相であることは論をまちません。衆参両院で3分の2の議席を持っているから何をやっても許される、国会よりも自分の方が上だと言わんばかりの首相の姿勢は、極めて重大だと言わなければなりません。

 第2に、安倍首相の民意無視の強権政治の暴走がとどまるところを知らないからであります。

 その典型が、沖縄に対する民意を無視した野蛮極まりない強権であります。

 9月30日に行われた沖縄県知事選挙で、辺野古新基地建設反対を掲げたオール沖縄の玉城デニー氏が、安倍政権が総ぐるみで支援した相手候補に8万票の大差を付けて圧勝いたしました。本来なら、参りました、辺野古は諦めますとなるのが当たり前ではありませんか。ところが、安倍首相は、口では県民の気持ちに寄り添うと言いながら、行政不服審査法を悪用して、沖縄県の埋立承認撤回の執行停止を決定したのであります。その後、埋立工事が再開され、今まさに土砂が投入されようとしています。言語道断の暴挙と言わなければなりません。

 そもそも、行政不服審査制度は、行政機関によって、国民、すなわち私人の権利が侵害されたときにそれを救済するための制度であります。国が用いることはできないと法律に明記しているのであります。政府は、沖縄防衛局は一般私人として不服審査を申し立てたと言いますが、一般私人が米軍基地を造ることなどできるはずないではありませんか。こんな理屈は安倍政権の中でしか通用しません。民主主義も地方自治も法治主義も破壊する無法な決定は、直ちに取り下げるべきであります。

 沖縄の揺るがぬ民意を尊重し、辺野古新基地建設の中止、普天間基地の即時閉鎖、撤去を掲げ米国と交渉することこそ日本の首相のやるべきことであるにもかかわらず、一顧だにしない首相の責任は極めて重いと言わなければなりません。

 安倍政権の経済政策、アベノミクスの破綻は明らかであります。

 アベノミクスが日本社会にもたらしたものは、深刻な貧困と格差の拡大です。にもかかわらず、首相は、来年10月から消費税を10%に増税すると宣言しました。所得の低い人ほど負担が重くのしかかる弱い者いじめの消費税を今10%に増税すれば、格差がますます拡大し、消費は更に冷え込み、景気が悪くなることは火を見るよりも明らかであります。

 消費の落ち込み対策と称する飲食料品の税率の軽減ならぬ据置きや、ポイント還元、プレミアム付き商品券などは一時的な対策にもならず、むしろ混乱をもたらすと、国民の6割もが反対しています。後で返すくらいなら、初めから上げなければいいではありませんか。

 来年10月からの消費税10%への増税も、安倍首相も、共にお引き取りいただかなければなりません。

 森友、加計問題に対する首相の無責任な態度も看過できません。

 首相は、私や妻が関与していたら総理も国会議員も辞めるとか、丁寧に説明するなどと繰り返し述べてきました。ところが、安倍首相や昭恵夫人が関与していたことを示す数々の事実が明らかとなっても首相はただ逃げるばかりで、国民も国会も、丁寧に説明されたことなど、この2年間一度もありません。

 それどころか、先月の予算委員会で辰巳議員に、森友学園小学校建設予定地の国有地を8億円値引きする根拠となった試掘報告書が、写真を使い回すなど、でたらめだったとの新たな事実を突き付けられた際、総理は答弁に立つことすらしませんでした。説明できないなら、総理も国会議員も辞めていただくのが当然ではありませんか。

 第3に、安倍首相の憲法9条改定に向けた暴走が常軌を逸しているからであります。

 首相は、自衛隊高級幹部会同、自衛隊観閲式での訓示で、9条改憲の決意をとうとうと語りました。政治的中立を厳格に守るべき実力組織を前に、その最高指揮官が改憲の号令を掛ける。自衛隊の最悪の政治利用であり、閣僚に憲法尊重擁護義務を課した憲法99条違反であることは明らかであります。

 臨時国会冒頭の首相の所信表明にも驚きました。憲法審査会で政党が具体的な改正案を示せ、国会議員の責任を果たそう。これは、行政府の長が立法府の審議の在り方に事実上の号令を掛けるものであります。国会への重大な介入、干渉であり、憲法の三権分立をじゅうりんする暴論にほかなりません。

 総理は、三権分立の観点から問題があるとの指摘は当たらないと繰り返しますが、総理は、私は立法府の長だと3回も言いました。1回ならまだしも、2回ならまだあるかもしれないが、3回も言ったら、本気でそう信じているとしか思えないではありませんか。行政府と立法府の区別も付かない首相が三権分立の観点から問題ないなどと言っても、全く説得力がありません。憲法を知らない、憲法を守らない首相に、憲法を語る資格は全くありません。

 総理がこれほどまでに改憲に固執するのは、歴史に名を刻みたいという個人的野望とともに、安保法制、戦争法を強行したものの、どっこいまだ9条2項が生きているからであります。

 戦力保持を禁止した9条2項によって、武力行使を目的にした海外派兵や集団的自衛権の全面行使はできません。そこで、憲法に自衛隊を明記して9条2項を死文化させよう、海外での無制限な武力行使に道を開こう、これが首相の9条改憲の狙いにほかなりません。

 しかし、朝鮮半島では非核化と平和に向けた激動が起こっています。対話による問題の平和的解決という憲法9条が指し示した方向に北東アジアの情勢が動いているときに、9条を壊し、戦争する国づくりに走るほど愚かなことはありません。この1点だけでも、安倍首相には一刻も早く辞めてもらわなければなりません。

 以上、安倍政権の暴走はどれも問責に値します。

 同時に、暴走はあらゆる分野で破綻しております。国民多数の世論に逆らい、数を頼んで悪法を強行する政治は、必ず主権者国民の厳しい審判を受けるでしょう。

 日本共産党は、来る参議院選挙で市民と野党の共闘を発展させ、安倍政権を一刻も早く退陣させるために奮闘する決意を表明し、賛成討論といたします。

多様な民意が正確に議席に反映されなくなっている 地方議員定数の激減問題で批判 
2018年12月5日 参議院政治倫理の確立及び選挙に関する特別委員会

山下よしき 日本共産党の山下芳生です。

 今回の法案は、来年3月1日から5月31日までの間に任期満了を迎える地方公共団体の首長と議員の選挙期日を統一することによって、国民の選挙に対する意識を高める等の利点があり、選挙事務の面でも合理的であるので、わが党は賛成であります。一方、選挙期日の統一率を高めれば高めるほど良いという議論が一部にあります。しかし、選挙期日の統一に伴って様々な問題が生じます。

 総務省に伺いますが、どのような問題が生じると考えているか、統一される選挙の幅を拡大すれば、そうした問題や矛盾も一層拡大されるのではないか。簡潔にお答えください。

大泉淳一(総務省自治行政局選挙部長) お答え申し上げます。

 統一地方選挙における統一選挙の対象の拡大につきましては、過去にも、例えば地方選挙を年1回ないし2回に統一して行うなどの議論があったものと承知しております。

 仮に、統一地方選挙の対象期間を拡大した場合には、統一期間内の前の方にある任期満了を迎える団体については、議会議員又は長の任期満了日から選挙をする日までの間の不在期間が長くなるとともに、さらに、これを避けるために任期延長をしようとする場合には、それを避けようとすれば任期延長の措置を講ずる必要があるという問題が出てまいります。

 一方、統一期間内の後ろの方にある任期満了を迎える団体につきましては、選挙期日後から当選者の任期が開始するまでの期間が拡大するということとなりまして、この期間を拡大を防止しようとすると任期短縮などの議論が出てくるという課題が考えられるところでございます。

山下よしき 要するに、首長や議員がいない期間が長くなったり、それから選挙で落選した者が、選挙後、首長や議員を続ける期間が長くなったりするということでありまして、これは民主主義と地方自治にとっても軽い問題ではないと思います。

 そこで、古賀総務政務官に来ていただいておりますが、この選挙期日の統一率を高めることについて総務省としてどのような見解をお持ちですか。

古賀友一郎総務大臣政務官 お答え申し上げます。

 統一する期間、対象期間を広げることに対する認識ということでございますけれども、総務省といたしましては、選挙を統一して実施することによりまして投票率の向上あるいは選挙執行に係る経費の節減を図る、こういったことが重要な課題であると、こう認識しております。

 しかしながら、一方におきまして、その統一する率を高めるために統一する対象期間を広げようといたしますと、先ほど選挙部長から申し上げましたような課題があると、こういうふうに考えております。

 この3月から5月という対象期間につきましては、これは長年を掛けて定着をしてきたところでございまして、これを広げるということになりますと各方面に大きな影響を与えることになると、こういうふうに考えられますので、この点につきましては幅広い観点からのご議論が必要な問題であろうと、こういうふうに認識をいたしております。

 以上でございます。

山下よしき 次に、地方議員の定数が大きく減っている問題について議論したいと思います。

 地方自治にとって、住民の多様な意見を行政に反映させることは極めて重要であります。その点で中心的な役割を果たすのが地方議員であります。

 総務省に伺いますが、都道府県議会議員定数及び市区町村議会議員定数について、それぞれ平成元年と平成29年の数字を報告してください。

大泉部長 お答え申し上げます。

 平成元年末の都道府県議会議員定数は2911人でございました。また、市区町村議会議員定数は6万4367人でございます。

 一方、平成29年末の都道府県議会議員定数は2687人、市区町村議会議員定数は3万565人となっております。

山下よしき 今の答えを資料一に表にして配付させていただきました。

 平成元年以降、市区町村議員の定数は半減いたしました。背景には平成の大合併で自治体の数と議会の数が減ったことがもちろんあります。しかし、合併していない自治体でも議員定数は減っておりますし、あるいは合併が終わった後も議員定数は減っております。

 昨年5月30日の読売新聞がこの問題を特集しておりまして、こう書いてあります。人口減少が著しい伊豆地方のある町議はこれ以上議員が減れば住民の声を拾い上げ切れないと話す、定数を減らし過ぎると行政の監視や住民サービスの向上といった議会の本来の役割を果たせなくなるおそれも出てくるという内容であります。

 石田総務大臣に伺いますが、議員を減らし過ぎると住民の声を拾い上げ切れない、行政監視など議会の本来の役割を果たせなくなるとの指摘についてどう認識されていますか。

石田真敏総務大臣 地方議会の議員定数については、地方分権を進める中で制度の見直しが行われまして、現行の地方自治法においては、議員定数は各地方公共団体が条例で定めるものとされているわけでございます。そういう中でございますけれども、人口減少社会において増大する合意形成が困難な課題について、民主的に合意形成を進めていく上で、団体意思の決定機能を始め、監視機能、政策形成機能、そういうものを担う地方議会の役割は非常に重要なものと認識をいたしております。

 ご質問の地方議会の定数の在り方については、このような議会の役割、あるいは地域の実情を踏まえて、各地方公共団体において自主的にご判断をいただくべきものと考えております。

山下よしき 減ることによって、議員定数が、そういう機能が発揮しにくくなっているという指摘なんですけれども、それ、どうですか。

石田総務相 まあその辺は、地域によってはいろいろの地理的あるいは成り立ち等の状況がございますので、その辺は私は議会、地方公共団体においてご議論をいただければいいというふうに思っております。

山下よしき では、もう一つ聞きます。

 平成の大合併によって周辺部の旧町村から議員が出にくくなる事態が生じていると私は認識しております。要するに、人口の多い市と合併した後ですね、大選挙区制になると人口の少ない旧町村から議員が選ばれなくなりやすいということなんですけれども、この間、大臣のご地元、和歌山県も災害の多いところですけれども、各地で災害が多発しておりますけれども、そういうところで市町村合併の結果、役所がなくなり支所になったり、職員の数も大幅に削減されたり、その上に議会に声を届ける議員が選ばれにくくなっているということが、災害の後の救援、復旧復興の大きな障害になっているということを私感じております。

 自治体合併によって周辺部の旧市町村から、まあ町村からですね、議員が出にくくなる事態が生じている点について、大臣の認識、いかがですか。

石田総務相 私の地元等を考えますと、まあ一概にそう言えない場合もあります。合併された地域で、かえって危機感で多くの議員さんが出られて、それで多くの投票、当選をされているというような場合もありますので、一概には申し上げられないというふうに思います。

 ただ、やはり、合併によって地域の声が届きにくいとか、あるいは地域の振興について従来に比べて反映しづらいとかいうことはあり得るかも分かりません。そういうことを踏まえて地域審議会あるいは地域自治区といった仕組みをつくっているところでございまして、こういうことを利用していただく中で、合併市町村においてもきめ細かな行政運営に取り組んでいただいているものというふうに考えております。

山下よしき 総務省の取りまとめでも、平成の大合併によって行政に住民の声が届きにくくなっているということはもう指摘されておりますので、特に周辺部で災害時にはそのことが支障になっているということは、まあ一概に言えないということなんですけど、一方で言うとそういうことは私は起こっていると思いますので、引き続きまたこれ議論をしていきたいと思います。

 次に、都道府県議員定数も減少しております。

 資料の2枚目に、各都道府県議会の議員定数の削減数を掲載いたしました。統一地方選挙となっている議会のみの資料ですが、1999年から2015年までの間に合計211の定数削減が行われました。中でも大阪府議会は24減と、桁違いの削減数となっております。

 資料3に、2015年大阪府議会議員選挙の定数別選挙区数、定数が1、2などの選挙区が幾つあるのかという資料を掲載しました。特徴は、大阪府議会議員の選挙区は全部で53あるんですが、53選挙区のうち1人区が31に上り、2人区も15あるということでして、選挙区の約9割が1人区、2人区になっているということであります。

 その結果何が起こっているかといいますと、多様な民意が府議会の議席に反映されなくなっているということでありまして、資料4枚目に、2015年4月に行われた大阪府議会議員選挙の結果とその直近である国政選挙、2014年12月の衆議院比例代表選挙の大阪府内の結果を比較したものを作ってみました。

 この表の一番右の欄、各党の比例得票率と、表の左から三つ目の欄、大阪府議会における各党の議席占有率がこれ大きく乖離しているということが分かると思います。例えば、比例得票率32%の大阪維新は府議会の議席の48%を占める一方で、民主、共産、社民の3党合計で比例得票率は22%あるにもかかわらず、府議会の議席は5%に満たない状況になっております。

 多様な民意が正確に議席に反映されなくなっているという事態が起こっているわけですが、石田大臣、感想いかがですか。

石田総務相 これは選挙制度の難しいところでありますけれども、都道府県議会議員の選挙区は、公職選挙法第15条第1項の規定によりまして条例で定めることとされております。また、選挙区における定数についても、同条第8項の規定により条例で定めることとされているわけでありまして、大阪府議会の選挙区について具体的にどのような選挙区とするかについては、大阪府がその条例に基づいて設定することとされているわけであります。条例において設定することとされているということであります。

 先ほど申し上げたような規定を踏まえて、大阪府において適切に決定されているものと認識をいたしております。

山下よしき せっかく和歌山県議、海南市長を務められた大臣ですから、もう少し踏み込んだご意見をいただいた方が、せっかくこういう議論をしているんですから、こういう問題起こっていますよということを提起しているのに、条例で決めますというのでは、何の深まりもないんですよ。

 資料3にもう1回戻っていただきたいんですが、ここでは、大阪府議会議員選挙における、とりわけ大阪市、堺市、政令市部の定数に注目いただきたいんですが、大阪市域と堺市域の大阪府議会議員選挙の定数は全て1、2なんです。定数1、2で100%で、3人区以上はもうなくなっちゃっているんですね。ですから、こういうところでは、第1党である大阪維新さんと自民党、公明党さん以外の政党は全く当選がされていない状況にあります。

 要するに、大阪市、堺市という中心都市から府議会に多様な民意が反映されなくなってしまったと、合併で周辺部になった地域と同じことが大都市部で起こっているという問題なんです。ここはちょっと総務大臣、踏み込んで感想いかがですか。

石田総務相 先ほども申し上げましたけれども、選挙制度のそういう難しいところというのは現実にいろんな選挙にもあるわけでございまして、そういう中で、今地方分権という中で、選挙区あるいは定数、そういうものについてはそれぞれの自治体において条例によって決めるということになっておりますので、それに従ってなされていると認識をしております。

山下よしき 公正で明るい選挙と、大臣、冒頭言われたんですよ。これ、公正に欠く状況が広がっているんじゃないのということを提起しているのに、全くかみ合った答えがないのは残念です。

 大阪では、身を切る改革と言いながら、実態はこうなっている。切られているのは多様な民意、これが切り捨てられていると言わなければなりません。

 それから、大臣、さっきから各団体が条例で決めると言いますけれども、議会で決めるわけですけれども、2011年6月の大阪府議会では、定数を109から88に一気に21も削減する条例案が審議が一切ないまま強行されました。大阪維新以外の主要4党、自民党、公明党、民主党、共産党は、これに抗議して退席をいたしました。当時の副議長は辞職するという異常事態になったんですね。そのときの府議会議長はここにおられる浅田委員だったと、先ほどご本人に聞きましたけど、そういうことが起こったということであります。これは先ほど申しました公正かつ明るい選挙の実態とは程遠い内容、手法、結果に私はなっていると思いますね。

 もう大臣に聞いてもさっきの答弁だと思いますから、問題提起したいんですが、これは、大阪の事例は突出した事例です。しかしながら、都市部の多様な民意が道府県議会に届きにくい問題は、政令市のある道府県に少なからず共通している問題ですので、これは引き続き議論をしていきたいと思っております。

 残りの時間で沖縄の問題について聞きます。

 防衛省沖縄防衛局は、沖縄県による辺野古新基地建設の埋立承認撤回の処分に対し執行停止を申し立て、10月30日、国土交通大臣はその効力を停止すると決定いたしました。この件に関し、私は、11月22日の総務委員会の質疑、大臣も聞いておられたと思いますが、そこで、資料五に示したように、本来、国民の権利救済のための行政不服審査制度をなぜ国が利用できるのかについて、資料六に掲載した総務省行政管理局が発行した逐条解説に従って国土交通省に説明を求めました。

 しかしながら、国土交通省からは、逐条解説に挙げられている2番目の基準である事務事業の性格に照らして、米軍基地建設のために米軍提供水域を埋め立てる事業がなぜ固有の資格に当たらず、国による不服申立てが可能であると判断したのかの説明はありませんでした。その判断はしていないと、処分されたから不服申立てしただけだったという答弁なんですね。総務省の逐条解説を無視して判断したことが明らかになりました。

 総務大臣、行政不服審査法の運用が総務省の基準から逸脱して行われた、しかも選挙で繰り返し示された沖縄県の民意を踏みにじるために悪用された。行政不服審査法を所管し、地方自治法を所管する大臣として、放置していいんですか。

石田総務相 行政不服審査法の逐条解説においては固有の資格のメルクマールを示しているわけですが、個別具体の処分が固有の資格において受けたものかどうかは、当該処分の根拠法令を所管する行政機関が、当該法令の規定に照らし、国の機関等が一般の私人や事業者と同様の立場において受けたものであるかどうかによって判断することになっておりまして、総務省として個別具体の事案についてコメントする立場にはございません。

山下よしき 今重大な答弁ですよ。当該法令を所管する当該官庁が判断すると言いました。

 じゃ、これ何なんですか。総務省行政管理局が行政不服審査法の運用の基準を決めた逐条解説は何なんですか。これ無視して法の所管官庁が勝手に判断してもいいという今答弁に聞こえましたけど、そういうことですか。これ何の役にも立たない、ただの飾りですか。

○政府参考人(堀江宏之君) お答えいたします。

 ご指摘のコンメンタールにおきましては、固有の資格についてメルクマールという形でお示ししております。これは、実務上の判断に資するための目安としてお示ししているものでございます。そういった趣旨をコンメンタールの中では、実務上はおおむね一及び二のようなメルクマールで判断されることになると考えられるという表現をしているところでございます。

 いずれにしても、個別具体の処分につきましては、固有の資格において受けたものかどうかは、国の機関等が一般の私人や事業者と同様の立場で受けたものであるかどうかということが判断基準でございますので、それにつきまして当該処分の根拠法令を所管する行政機関において当該法令の規定に照らして判断していただくことは適当であると考えております。

山下よしき 重大なねじ曲げ答弁ですね。資料5に、法律の1条と7条を規定していますよ。1条の目的は、国民の権利が侵害されたときにこれを救済するためとはっきり書いてあるんですよ。しかし、国が用いる場合もあると、しかし、その場合は、7条の2項で固有の資格になるものは適用しないとはっきり書いてあるんですよ、法律の条文に書いてあるんですよ。

 そのコンメンタールをただの実務的な位置付けだと言って極めて低く用いることは、絶対に許されないですよ。だって、地方自治がこれによってじゅうりんされている問題起こっているのに、何もそんな解釈をねじ曲げてそれを容認するような総務省だったら、地方自治所管する資格はないということを申し上げて、終わります。

小中校のエアコン電気代–総務相が「適切に措置」 と答弁 法治主義に反する–辺野古「執行停止」批判 
2018年11月22日 参議院総務委員会

山下よしき 日本共産党の山下芳生です。

 昨日の質問通告と順番変えまして、まず、民主主義と地方自治に関わる重大問題について質問します。

 9月30日、沖縄県知事選挙で辺野古新基地建設反対を掲げる玉城デニー氏が、相手候補に8万票の大差を付けて勝利いたしました。沖縄県民の揺るがぬ民意があらためてしめされる結果となりました。

 ところが、その直後、沖縄防衛局は、沖縄県による埋立承認撤回の処分に対し執行停止を申し立て、10月30日、国土交通大臣は、行政不服審査法の規定によりその効力を停止すると決定いたしました。玉城知事は強い憤りを禁じ得ないとコメントされましたが、そもそも行政不服審査制度をこのように用いていいのかということが問われております。

 資料1枚目に行政不服審査法の抜粋を載せておきました。第1条、この法律は、行政庁の処分に関し、国民が簡易迅速に不服申立てをすることができるための制度を定めることにより、国民の権利利益の救済を図ることを目的とするとあります。要するに、国民、すなわち一般私人が行政に対して裁判を起こすにはお金も時間も労力も必要となり、泣き寝入りとなりかねないので、簡易迅速に国民の権利を救済するためにこの制度があるということであります。

 したがって、これ本来、国の機関がこの制度を用いることはできないはずです。適用除外にするべきなんです。ただ、国の機関なら全ての場合この制度の適用除外になるかというとそうではないと。

 この法律7条2項にどういう場合適用除外となるかについて明記されてあります。傍線引いたところですが、国の機関がその固有の資格において当該処分の相手方となるものについては、この法律の規定は、適用しない。つまり、国の機関が固有の資格において行った事務事業に対する行政処分については、行政不服審査制度の適用はされないということであります。

 そこで問題になるのが、この行審法のいう国の、固有の資格とは何かということなんですが、資料2枚目に、「逐条解説 行政不服審査法」、2016年4月総務省行政管理局発行より当該部分を抜粋いたしました。傍線引っ張っています。

 固有の資格の概念は、一般私人が立ち得ないような立場にある状態を指すものとされる。なお、どの処分について固有の資格を認めることができるかどうかの判断はおおむね①及び②のようなメルクマールで判断されることになるとして、①は処分の相手方に着目したメルクマール、基準が述べられております。処分の相手方が国の機関等に限られているケースは、固有の資格に当たるものと考えられる。例えば、地方公共団体による地方債の発行はこのケースに当たり、該当し、固有の資格に当たると総務省は説明しております。

 一方、公有水面の埋立ては、国又は地方公共団体に限らず民間事業者も行う場合があるのでこのケースに該当しないと国交省は判断していると思われます。

 そこで、②は事務事業の性格に着目した基準を示しております。傍線引っ張ってあります。処分の相手方が、国の機関等に限られていない場合であっても、当該法令上、当該処分の相手方に係る事務事業について、国の機関等が自らの責務として処理すべきこととされている又は原則的な担い手として予定されているケースについては、当該法令に定める制度において国の機関等は、その行政主体たる地位が特に着目されているものと考えることができ、一般私人が行う場合が排除されていないといっても、一般私人が任意に行う場合とは事務事業を実施する背景が異なることから、一般には固有の資格に当たるものと考えられるとしております。大変大事な基準だと思いますが。

 そこで、今日は国土交通副大臣に来ていただいておりますが、この②の基準に照らして、防衛省沖縄防衛局が米軍新基地を建設するために公有水面を埋め立てる事業が固有の資格に当たるものではないと判断した理由を述べてください。

大塚高司国土交通副大臣 お答えをいたします。

 行政不服審査法第2条におきまして、審査請求をすることができる者については、「行政庁の処分に不服がある者」と規定をしておるところでございます。

 沖縄防衛局のような国の機関であっても、こういう処分を受けたものと言える場合におきましては、一般私人と同様の立場で処分を受けたものであって、固有の資格、すなわち一般私人が立ち得ないような立場で撤回を受けたものではないと認められることから、審査請求をすることができると解釈をされます。

 この点、前回の承認取消しの違法性が判断されました平成28年の最高裁裁判におきまして、判決におきまして、承認の取消しが行政不服法第2条の処分であることを踏まえた判断を行っております。今回の承認の撤回も、埋立てをなし得る法的地位を失わせる点で承認の取消しを何ら変わらないことなどから、沖縄防衛局は行政不服審査法第2条の処分を受けたものと言えます。

 したがって、沖縄防衛局は、一般私人と同様に、今回の承認の撤回については審査請求ができるということで判断をいたしました。

山下よしき 答えていないんですよ。

 最高裁の判決は、処分に当たると言っているだけなんですよ。しかし、処分に当たっても、それが固有の資格に当たるかどうかの基準に照らして判断しなければなりません。その処分の相手方、つまり沖縄防衛局の行った事務事業の性格が固有の資格に当たるかどうか判断しなければならないんですね。

 この②の基準に照らして、そう判断、当たらないと、固有の資格に当たらないと判断した理由を聞いているんですが、処分に当たるとしか今言っていないんですよ。もう1回言ってください。

林俊行(国土交通省水管理・国土保全局次長) お答えいたします。

 今ほど大塚副大臣の方からご答弁をさせていただいたとおりでございますけれども、平成28年の最高裁判決におきましては、前回問題になりました辺野古の埋立承認の取消しにつきまして違法性が判断をされておりますけれども、その際には、この埋立承認の取消しが行政不服審査法2条の処分であるということを踏まえた判断を行っております。そのために、今回の承認の撤回も埋立てをなし得る法的地位を失わせる点では承認の取消しと何ら変わらないということですので、沖縄防衛局は行政不服審査法第2条の処分を受けたものと解釈をしております。

 したがいまして、沖縄防衛局については、一般私人と同様に、今回の承認の撤回について審査請求ができると判断をいたしました。

山下よしき 7条2項を私、しめして、7条2項の判断が求められる、その基準はメルクマールに逐条解説で書いていますよと。じゃ、このメルクマールにのっとって、なぜこれが固有の資格に当たらないと判断したのかを聞いているんです。その答えはありません。

林次長 委員ご指摘のメルクマールについて申し上げますと、②の事務事業の性格ということでございますけれども、公有水面埋立法の免許あるいは承認の対象にしておりますのはあくまでもその公有水面の埋立てでございまして、このことにつきましては、国でも、あるいは地方公共団体など行政機関でありましても、また一般私人におきましても、免許なり承認を取らないと埋立てを行うことができないという意味では同様であると考えております。

山下よしき 答えになっていないです。それは①なんですよ。国だけではなくて、一般私人、民間事業者も埋め立てることができる、取り消されれば埋め立てることができなくなる、それは同様だという場合は①なんですよ、固有の資格じゃないと言うんだったらね。しかし、その上に、処分の相手方が国の機関に限られていない場合であっても、その事業、事務の性質が国の機関等が自らの責務として処理すべきこととされているということであれば、これは固有の資格に当たると考えるべきであると、こう書いてあるんですよ。その判断していない。

 元々この今回の埋立予定水域は、キャンプ・シュワブに隣接した水域ですので、日米安保条約6条に基づく地位協定により米軍に提供された水域なんですよね。米軍提供水域です。ここを埋め立てるには日米両政府の合意が必要でありまして、その合意を前提に沖縄防衛局は公水法上の埋立申請を行って、一連の基地建設のための事業を遂行しております。

 日米両政府の合意を得て、そして米軍提供水域を米軍基地を建設するために埋め立てるなどという行為が、この性格が一般私人にできるはずないじゃありませんか。国以外にできるはずないじゃありませんか。だから、当然そういう内容に照らして、性格に照らしてこの②の判断基準にのっとれば、私は、これは明らかに固有の資格に当たるとならなければいけないと思うんですが、当たらないとした理由を言ってください。

林次長 繰り返しになって恐縮でございますけれども、私ども、辺野古の基地云々というのはちょっと所管外でございますので、お答えをする立場にはございません。

 公有水面埋立法の対象にしております行為、これはあくまでも公有水面の埋立てという行為でございますので、その点につきましては、特定の事業者が、責務であったり、あるいは特定されている、この人しかできないといったようなものではないというふうに考えておりまして、そういう意味でお答えをさせていただきました。

山下よしき 結局、この②を無視しているということですよ。全く無視している、形式上だけ判断してね。違いますよ。事の性格からいうと、これは固有の資格に絶対当たると。

 その判断を、じゃ、米軍基地のために公有水面埋め立てるという事業、民間事業やったことありますか。そんな申請出ましたか。

林次長 これまでそういったケースはないと思います。

山下よしき ないんですよ。

 だから、これはしっかり、私が言いたいのは、行政不服審査法によって執行停止を決定したと言いながら、行政不服審査法の判断基準を全く無視している。これは法治主義に反しますよ、こんなことは。こんな無法な国交大臣の決定は、私は取り消すべきだと思います。

 委員長に一つ提案いたしますが、今回の執行停止に対しては、多数の行政法学者が異議を唱えておられます。委員会として、そうした方の意見を聞く機会を設けるよう提案いたしたいと思いますが、ご検討ください。

秋野公造総務委員長 後刻理事会にて協議いたします。

山下よしき 次に、この夏の猛暑により児童生徒が熱中症で亡くなりました。あってはならないと、小中学校の教室や体育館に来年の夏までにエアコン設置を求める声と運動が高まって、補正予算に設置のための特例交付金が盛り込まれました。

 この問題で、長年運動してきた新日本婦人の会の皆さんが、この特例交付金を活用してエアコン設置をと全国各地の自治体に要請したところ、多くの自治体が歓迎し、積極的にエアコン設置の申請がされております。

 同時に、設置に伴う不安も出ております。その一つがランニングコスト、電気料金の問題です。既にエアコンを設置している学校でも、節約のために室温が三十度を超えることがあるとか、電気使用量が一定量を超え、料金が上がることを知らせるデマンド警報が鳴ると、校長先生が各教室の冷房を切って回っているという実態があります。

 総務大臣、せっかくエアコンが設置されても、これでは子どもたちの命を守り切ることはできません。勉強に集中できる環境をつくり切ることもできません。

 2点、提案いたします。一つは、エアコンの運用に伴う電気料金の増額分、普通交付税で措置すべきではないか。二つ目、その際、既設の電気料金を調査することになると思いますが、先ほど述べたような、節約のために不10分なエアコン運用となっている学校もあることを踏まえ、必要な料金を正確に反映すべきではないか。以上、いかがでしょうか。

石田真敏総務大臣 今まで公立小中学校の学校運営に要する経費につきましては、光熱水費を含め、普通交付税において措置をしています。しかしながら、冷房設備に係る電気代については、冷房設備の設置率が低かったことから、これまでは光熱水費に積算されていなかったわけでございます。

 この平成30年度の補正予算におきまして、全ての公立小中学校に冷房設備を設置するためブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金が計上されたことを踏まえまして、平成31年度より、冷房設備に係る電気代について、普通交付税により措置をすることを検討いたしております。

 続きまして、その普通交付税措置の検討に当たって調査をするかというお話でございました。

 公立小中学校のうち標準的な規模の学校で冷房設備設置率が70%以上の学校約千五百校を抽出し、冷房設備に係る電気代をただいま調査をいたしているところでございます。この調査結果を踏まえまして、全国の冷房設備に係る電気代の所要額を見込み、普通交付税により適切に措置してまいりたいと考えております。

山下よしき 先ほどの質疑でもありましたけれども、来年度は、そういう意味ではエアコンの設置費用あるいはランニングコストで自治体の必要経費はかなり増えると思われます。先ほどの自治体訪問でも、もう結局、交付税の総額は変わらないから自治体の中での予算の奪い合いになってしまうという声も出されておりました。

 そこで、総務大臣、一般財源の総額、交付税の総額、増額する必要があるんじゃないかと。自治体の首長さんも経験されている大臣の決意を伺いたいと思います。

石田総務相 来年度の地方歳出につきましては、国の歳出の取組と基調を合わせつつ、適切に地方財政計画に計上することといたしております。

 その上で、学校の冷房設備への対応も含めまして、地方団体が様々な地域課題に取り組めるよう、新経済・財政再生計画に沿って安定的な財政運営に必要な一般財源総額をしっかりと確保してまいりたいと思っております。

山下よしき やはり必要経費は増えるんですからね、増額を図るべきだと思っております。

 エアコン設置の特例交付金は体育館にも活用できると聞いておりますが、文科省さん、今、体育館の申請、採択の状況、どうなっていますか。

山崎雅男(文部科学大臣官房文教施設企画・防災部技術参事官) お答え申し上げます。

 公立小中学校等は児童生徒の学習の場であり、その学習環境の安全性を確保することは重要であるというふうに考えております。

 今般の補正予算においては、児童生徒の日々の学習に際して、熱中症を予防し安全を確保する観点からエアコン設置に取り組むこととしているため、まずは児童生徒が最も長時間を過ごす普通教室への設置が最優先というふうに考えております。

 その上で、普通教室以外へのエアコン設置は、執行状況を勘案しつつ、各地方自治体からの要望も踏まえながら、今後状況を見極めていきたいというふうに思っておりますが、現在、各地方自治体の事業量を把握するための調査を取りまとめ、その内容を精査しているところであり、今後、早期の内示に努めてまいりたいと考えております。

山下よしき 何で体育館にエアコンが必要かということですが、猛暑日には子どもたちを外で遊ばせることはできません。したがって、体育の授業は体育館でやることになります。それから、始業式、終業式などの全体行事も体育館で行われますし、もちろん災害のときには体育館が避難所になります。

 総務省に伺いますが、補正予算の特例交付金の枠の大半は、私、文科省に聞きましたら、普通教室で埋まってしまうんじゃないかというふうに聞きました。放置できないんじゃないでしょうか。

林崎理(総務省自治財政局長) お答え申し上げます。

 ただいまの交付金の対象にならないような体育館につきまして、関連する財政措置、私どもの方で一定ございますのでご説明申し上げたいと思いますが、避難所の指定を受けている小中学校の体育館におきましては、避難者の生活環境の改善のために空調設備を整備する場合には、緊急防災・減災事業債というものがございまして、これの活用が可能でございます。

 この緊急防災・減災事業債につきましては、地方債の充当率を100%といたしておりまして、その元利償還金の70%を交付税措置をすると、こういう仕組みでございまして、今年度、30年度の地方債計画におきましては五千億を計上しているところでございますけれども、更なる活用が可能でございますので、防災・減災対策に取り組む自治体におきましては、是非この制度も積極的にご活用いただきたいと私どもとしても考えているところでございます。

山下よしき そちらで付いたとしても、体育の授業にも使いますからね、エアコンは。

 文科省、特例交付金で体育館へのエアコン設置の申請をしたけれども採択されなかった自治体には、今の緊防債が活用できることを周知すべきだと思いますが、いかがですか。

山崎参事官 お答え申し上げます。

 制度を所管する総務省とも連携しつつ、緊急防災・減災事業債を活用して体育館へのエアコンを設置することも可能であるということについて、自治体の周知に努めてまいりたいというふうに考えております。

山下よしき 11月9日、全国知事会が、被災者生活再建支援制度の充実と安定を図るための提言を発表されました。その土台となったワーキンググループの見直し検討結果報告を見ますと、同制度適用開始20年を迎え、同制度において支障となった事例が出てきている、そのため支援対象を拡大する検討を行ったとあります。

 この支援制度というのは、ご存じのとおり、1995年阪神・淡路大震災以来の被災者の皆さんの粘り強い運動と時々の政治の決断によって法制度が設立され、拡充されてきたものであります。したがって、そういう点で今回の知事会の検討も大変重要な意義を持っていると思いますが、石田大臣、どういうご認識でしょうか。

石田総務相 被災者生活再建支援制度は、阪神・淡路大震災を踏まえて、著しい被害を及ぼす一定規模以上の自然災害が発生した場合に、住宅に全壊や大規模半壊等の重大な被害を受けた世帯に対しまして、全都道府県の相互扶助及び国の財政支援を行うため、平成10年度に議員立法により制定されたと承知いたしておりまして、制度創設から20年を迎えまして、近年大規模災害が続いている状況を受けて、被災者支援に向き合う都道府県が制度を運用する立場から、本制度の現状と課題について検討を行い、貴重な提言を行ったものと考えております。

山下よしき 時間参りましたので。

 これまでも、私有財産の再建には支援しないとか過去の災害被災者とのバランスとかいうことが壁になりましたけれども、それを打ち破ってきたのはやはり被災者の実態であります。そういう点で、今回の知事会の調査、提言にはそういう実態がたくさんありまして、それに基づいた新しい制度発展の提言もされております。もう時間が参りましたので、その点については引き続きまた議論したいと思います。

 ありがとうございました。

安倍政治根本からただす 対案示し転換訴え 
2018年10月31日 参議院本会議

山下よしき 私は、日本共産党を代表して、安倍総理に質問します。

 この間、大阪北部地震、西日本豪雨、台風21号、北海道胆振東部地震など、大規模な自然災害が連続しました。亡くなられた方、被災された方々にお悔やみとお見舞いを申し上げます。

 災害から国民の命と財産を守ることは政治の要です。その立場から2点提案します。

 一つは、被災者の住宅となりわいをどう再建するかです。

 東日本大震災では、いまだに5万7000人もの被災者が避難生活を強いられています。7年半もたつのに、なぜ住宅の再建ができないのか。インフラの点検だけでなく、被災者の住宅となりわいの再建に関わる問題点の把握こそ緊急に行うべきです。被災者生活再建支援法の支援金を500万円に引き上げ、支援対象を半壊や一部損壊に拡大することも決断すべきです。

 もう一つは、被害を拡大させず、命を守るための防災対策です。

 大阪で9歳の児童らが犠牲となったブロック塀の倒壊も、倉敷市真備町で高齢者の多くが自宅一階で溺死した堤防の決壊も、その危険が早くから予測されていたにもかかわらず、危険を最小化する対策が取られてこなかったことが共通しています。何が原因なのか、どうすれば命を守り抜くことができるのか。底をついた検証を行い、防災対策の在り方を転換することが必要です。

 以上2点、総理の答弁を求めます。

 北海道胆振東部地震では、全道の295万戸が停電するブラックアウトが起こり、道民生活に大きな打撃を与えました。大手電力会社の全エリアが停電したのは初めてのことです。

 地震発生時、電力需要量の半分を苫東厚真石炭火力発電所の3基が一手に供給していました。その3基が停止し、電力の半分を失ったことが全道停電の決定的な要因となりました。

 総理、電力の安定供給のためには、大規模集中発電から分散型への転換が必要、これが北海道大停電が示した重大な教訓だと考えますが、いかがですか。

 この分散型の電力供給の対極にあるのが原発です。原発の特徴は、大出力かつ出力の調整ができないこと、そして震度五程度の地震で自動停止することです。もし北海道電力が泊原発を稼働していたら、その出力は電力需要量の七割近くを占めることになり、全道停電が起こるリスクは一層大きかったでしょう。

 総理、原発に固執することが分散型への転換を阻む最大の障害になっているとの認識はありますか。

 九州電力は、10月、4回にわたって一部の事業者が持つ太陽光発電からの電力の受入れを1時停止しました。九電は、秋は電力の需要が減り、需給バランスが崩れると大規模停電を起こすおそれがある、それを回避するための措置だと主張しています。しかし、原発四基を動かし続ける一方で太陽光発電を抑えるやり方は、再生可能エネルギー普及のブレーキになるとの懸念と批判が広がっています。

 総理、今回の事態は、原発再稼働を続ける限り再生可能エネルギーの普及は進まないことが明らかになったと考えますが、いかがですか。

 安倍政権は、エネルギー基本計画で、2030年度に電力の二〇ないし22%を原発から供給することを目標としていますが、これは、既存の原発と建設中の原発、合わせて37基を全て稼働させるものです。国民の75%が原発ゼロを求めていることに逆行します。

 今も多くの住民がふるさとの家に戻れずにいる東京電力福島第1原発事故の教訓に加え、原発が電力の安定供給のリスクとなり、再生可能エネルギー普及のブレーキとなっている点からも、原発頼みのエネルギー政策を根本から転換すべきです。日本共産党は、他の野党の皆さんと共同して原発ゼロ基本法案を提出していますが、その真剣な検討を求めるものであります。

 総理は、来年10月から予定どおり消費税を10%に増税すると宣言しました。

 しかし、4年半前、消費税を5%から8%に増税したことによって、家計消費は、1時的どころか、いまだに落ち込んだままで、2人以上世帯の実質消費支出は年25万円も減っています。総理、こんなときに増税を強行すれば、消費が一層冷え込み、景気がますます悪くなることは火を見るよりも明らかなのではありませんか。

 政府は、消費税増税は社会保障のためと言います。しかし、所得の少ない人ほど負担が重くのしかかる弱い者いじめの税金である消費税を、立場の弱い方々を支える社会保障の財源にするほど本末転倒はありません。

 しかも、現実はどうでしょうか。消費税が導入された1989年度から2018年度までの30年間で国民の皆さんから集めた消費税の税収を累計すると、372兆円に上ります。ところが、社会保障は充実どころか、年金は削られ、医療費の窓口負担は増やされ、介護保険の利用料は上げられるなど、改悪の一途をたどりました。

 どうしてこんなことになったのか。調べてみると、同じ時期に、法人三税の税収は累計で291兆円も減っています。つまり、消費税税収の約八割が、社会保障のためでなく、結果的に大企業を中心とした法人税減収の穴埋めに回されたことになります。これでは社会保障が良くなるわけがありません。

 安倍政権は、今回の増税も全世代型社会保障をつくるためだと言っています。しかし、財務省が財政制度等審議会などに示しているのは、後期高齢者医療制度の窓口負担の1割から2割への引上げ、介護保険の利用料の、これも1割から2割への引上げ、要介護1、2の生活援助の保険給付外し、そして、児童手当の給付対象から多くの共働き世帯を除外することなど、全世代にわたって社会保障を大削減する計画です。

 国民には社会保障のための増税と言いながら、実際は社会保障に削減の大なたを振るう、国民をだまし討ちにするようなやり方はもうやめるべきではありませんか。財源というなら、アベノミクスで純利益が2.3倍に増えた大企業、保有資産が大きく膨らんだ富裕層にこそ応分の負担を求めるべきではありませんか。答弁を求めます。

 今回の消費税増税に伴って導入されるインボイス制度は、中小零細事業者にとって深刻な問題です。年間の売上げが1000万円以下の免税業者は、インボイス、適格請求書を発行できません。しかし、納入先はインボイスがなければ仕入れ税額控除ができなくなり、過大な税負担を強いられます。そのために、500万とも言われる免税業者が取引から排除されてしまうことになります。だからこそ、日本商工会議所など中小企業団体がこぞって反対しているのです。

 総理は、インボイスの導入によって中小零細事業者が取引から排除されることを認識しているのですか。消費者だけでなく、中小零細事業者にも致命的な打撃を与える消費税10%への増税は、直ちに中止すべきであります。

 政府が検討している入管法改定案は、128万人に上る現状の外国人労働者の人権侵害をそのままに、どの分野にどれだけ受け入れるのかなど重要な問題を法制定後政府に全て委ねてしまう白紙委任立法です。このまま閣議決定するなど断じて許されません。

 現在の技能実習生制度は、一つ、職業選択の自由、居住の自由など個人の尊厳と基本的人権を制度として奪っている、二つ、労働者として保護するといいながら、実際には労働基準法や最低賃金法すら守られていないという重大な問題を抱えています。背後にブローカーが暗躍する実態もあります。

 総理、こうした現状を正さないまま、なし崩し的に外国人労働者の受入れ対象を拡大するなら、世界から尊敬されるどころか、人権後進国として軽蔑されることになるのではありませんか。まずやるべきは、外国人の人権を制限している制度を根本から見直し、現にある人権侵害をなくすことではありませんか。

 わが党は、外国人労働者の基本的人権が保障される受入れ制度を整えて秩序ある受入れを進めていくべきであり、そうしてこそ日本人の労働者の権利と労働条件を守ることにもつながっていくと考えるものであります。

 自民党衆議院議員が、LGBTのカップルは生産性がないなどとした暴言を雑誌に寄稿しました。LGBTの人たちへの偏見をあおる差別発言であり、憲法に保障された個人の尊厳を冒涜する人権侵害の発言であります。ところが、総理は、まだ若いからと擁護し、不問に付す許し難い態度を取っています。

 総理は、この発言で傷ついた人たちの気持ちをどう考えているのですか。

 政治家のモラルが最も問われなければならないのは、安倍総理、あなた自身です。森友、加計学園問題では、安倍総理の説明に納得していない国民が七割に上るなど、国民の多くは総理がうそをついていると思っています。その総理のうそを隠すために公文書が改ざん、隠蔽され、国会で虚偽答弁が繰り返されたのです。

 違うというのなら、鍵を握る安倍昭恵氏、加計孝太郎氏の国会招致と証人喚問を堂々と行うべきではありませんか。

 9月26日に行われた日米首脳会談について、総理は、合意した日米交渉は、TAG、物品貿易協定であって、包括的なFTA、自由貿易協定とは全く異なると弁明しています。しかし、首脳会談で合意した日米共同声明の英文の正文を見ると、TAGという言葉はどこにもなく、FTA交渉開始の合意そのものであることは明らかです。

 総理、合意したのはFTAそのものではないのですか。ごまかしはやめて、国民に正直に説明すべきではありませんか。

 日本の食料主権と経済主権を身ぐるみ米国に売り渡すことになるFTA交渉開始に合意しながら、外交文書の翻訳まで捏造し、うそで国民を欺く、こんなひきょう、卑劣なやり方は断じて許されません。

 9月30日に行われた沖縄県知事選挙で、沖縄に新たな米軍基地は造らせないと命燃え尽きる瞬間まで闘い抜かれた翁長雄志前知事の遺志を継ぐ玉城デニー候補が、過去最多の得票を得て大差で勝利しました。沖縄県民は辺野古新基地建設ノーの民意を明確に示した、総理はそう受け止めないのですか。

 当選したデニー知事との会談で総理は県民の気持ちに寄り添うと述べながら、その僅か5日後、沖縄県の埋立て承認撤回に対し効力停止を申し立てる対抗措置に乗り出し、昨日、国土交通大臣は、不当にも埋立て承認撤回の執行停止を決定しました。安倍政権は沖縄県民の声を聞く耳は持たないということですか。

 そもそも、国民の権利を守るためにある行政不服審査制度をねじ曲げて、防衛省沖縄防衛局が国土交通大臣に不服審査を申し立てるなどというのは、自作自演の茶番劇と言わなければなりません。

 この決定に対し、玉城デニー沖縄県知事は、結論ありきで法治国家にあるまじき態度だ、公平性、中立性を欠く判断に強い憤りを禁じ得ないと抗議しています。県民は、翁長さんの命懸けの撤回を僅か数枚のペーパーでなきものにするのかと怒りに震えています。

 総理、民主主義も地方自治も法治主義も破壊する、国交大臣による無法な決定は取り下げるべきです。沖縄の揺るがぬ民意を尊重し、辺野古新基地建設の中止、普天間基地の即時閉鎖、撤去を掲げ、米国と交渉することこそ、日本の総理のやるべきことではありませんか。答弁を求めます。

 これまで安倍政権は、辺野古新基地建設を始め、安保法制、軍備拡大などを進める上で、北朝鮮の脅威を最大の口実にしてきました。しかし、朝鮮半島で対立から対話への歴史的な転換が起こっています。3回に及ぶ南北首脳会談、初の米朝首脳会談によって、朝鮮半島の非核化と平和に向けた歴史的合意が交わされました。

 総理も所信表明演説で、歴史的な米朝首脳会談によって北朝鮮をめぐる情勢は大きく動き出しています、この流れに更なる弾みを付け、朝鮮半島の完全な非核化を目指しますと述べられました。しかし、国際社会が北朝鮮の核・ミサイル問題の対話による平和的解決の流れを促進する様々な努力をしている中、流れに弾みを付けるどころか、逆行しているのが日本です。

 今年の防衛白書では、北朝鮮問題について、これまでにない重大かつ差し迫った脅威だと述べ、引き続き日米軍事一体化を進め、大軍拡を進める口実にしています。

 総理、この防衛白書の認識は、対決から対話への歴史的転換を全く無視しているのではありませんか。

 さきの日米首脳会談後の会見でトランプ大統領は、私が、日本は我々の思いを受け入れなければならない、巨額の貿易赤字は嫌だと言うと、日本はすごい量の防衛装備品を買うことになったと述べました。

 総理、トランプ大統領とのこのやり取りはどの場で行われたのですか。具体的にどのような武器をどれだけ買うことが話し合われたのですか。お答えください。

 防衛省の来年度概算要求には、陸上配備型迎撃システム、イージス・アショア本体を二基導入するために2352億円もの関連経費が計上されています。しかし、配備候補地としている秋田県や山口県では、電磁波の影響やテロ攻撃の標的になることへの不安とともに、北朝鮮情勢が変わっているのになぜ必要かという批判が噴出しています。

 地元や住民の合意なしに計画を進めることなどあってはなりません。米側の武器購入要求に唯々諾々と応じ、朝鮮半島の平和と安定に背を向け、逆に情勢を悪化させることになるイージス・アショアの配備は中止することを強く求めるものであります。

 総理は、国連総会での首脳会談で、韓国の文大統領の強いリーダーシップに対し敬意を表すると述べられました。文氏は、朝鮮半島で絶対に二度と戦争は起こしてはならない、対話しか解決の道はないとの信念で、南北、米朝首脳会談を実現し、画期的な外交イニシアチブを発揮しました。軍事ではなく対話の平和外交でこそ事態の解決が進む、まさにこれは憲法9条が指し示すものであります。

 にもかかわらず、総理は9条改定に執念を燃やしています。今ある自衛隊をそのまま書き込むだけで、自衛隊の任務も権限も変わらないと言いますが、9条に自衛隊を明記すれば、9条2項の空文化、死文化に道を開き、海外での武力行使が無制限になってしまいます。

 今、日本に求められているのは、平和の激動に逆らい、9条を変えて戦争する国づくりを進めることでは断じてありません。北東アジアに生きる国として、この地域に平和体制を構築するための外交的イニシアチブを発揮することこそ、憲法9条を持つ国として政府がなすべきことだと考えますが、総理の見解を求めます。

 日本共産党は、安倍政権による9条改憲を許さない1点で立場を超えた共同を広げ奮闘する決意であることを述べて、質問を終わります。

 

 

安倍晋三内閣総理大臣 山下芳生議員にお答えいたします。

 被災者の住宅となりわいの再建等についてお尋ねがありました。

 東日本大震災による避難者数は5万6000人に減少しましたが、いまだ多くの方が仮設住宅での不便な生活を強いられています。また、平成30年7月豪雨や北海道胆振東部地震など、本年も多くの災害が生じており、これらの災害の被災者の方々が1日も早く安心できる生活を取り戻せるよう、被災自治体と連携して、地域の課題やニーズの把握に努め、被災者に寄り添いながら、住宅・生活再建に向けた支援やなりわいの再建に向け、スピード感を持って全力で取り組んでまいります。

 被災者生活再建支援制度は、自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた方に対し、全都道府県の相互扶助及び国による財政支援により支援金を支給するものです。このような制度の趣旨からすれば、支給対象の拡大や支給額の引上げについては、国や都道府県の財政負担等の課題があり、慎重に検討すべきものと考えます。

 ブロック塀等については、過去の地震による被害を踏まえ基準を強化していますが、現行基準に適合しない古いものであることから、安全点検のチェックポイントを公表し周知するとともに、避難路に面するものについては、耐震診断の義務付けや撤去費用等に対する支援を検討しているところです。

 また、平成30年7月豪雨では、小田川等がバックウオーター現象等に伴う越水等により堤防決壊し、尊い命が失われるなどの甚大な被害が生じました。今回の被害を踏まえて、抜本的な治水対策を進めるため、事業を集中的に実施し、再度の災害を防止することとしています。

 今回の一連の災害で生じた被害の状況や地域ごとの復旧復興の進捗等に応じて必要な財政措置を講ずるため、平成30年度補正予算案に9356億円を計上しているところであり、早期の成立のご理解とご協力をお願いいたします。

 被災地の皆様の命を守り、安心を確保できるよう、引き続き検証を行い、防災対策をしっかりと進めてまいります。

 北海道におけるブラックアウトの教訓についてお尋ねがありました。

 今回の北海道胆振東部地震におけるブラックアウトと同様な事象を繰り返さないため、現在、電力インフラの総点検を実施しております。11月中に対策パッケージを取りまとめ、災害に強い電力供給体制を構築してまいります。

 原発政策に関連して、分散型への転換、再生可能エネルギーの普及、原発ゼロ基本法案についてお尋ねがありました。

 現在、多くの原発が停止している中で、東日本大震災前に比べ、一般家庭で平均で約16%電気代が上昇し、国民の皆様に経済的な大きなご負担をいただいている現実があります。こうした経済的なコストに加え、気候変動問題への対応、エネルギーの海外依存度を考えれば、原発ゼロということは責任あるエネルギー政策とは言えません。

 様々な電源によるベストミックスを追求する中で電力の安定供給を維持するためには、それぞれの電源の特性を踏まえながら、あらかじめ決められたルールに基づき出力制御を実施することが必要であります。そうした中でも、再生可能エネルギーの最大限の導入に取り組み、原発依存度を可能な限り低減する、これが安倍内閣の一貫した方針であります。

 また、分散型エネルギーは、非常時にも活用できるエネルギー供給源を確保する点や地域活性化にも資する点から重要と考えます。政府としては、これまでも地産地消型エネルギーシステムの構築に対する支援などを行ってきておりますが、今後も、自家発電設備や蓄電設備の整備を支援するなど、分散型エネルギーの普及を後押ししてまいります。

 なお、議員提出法案の扱いについては、国会の運営に関わるものであり、国会がお決めになることであると考えます。

 消費税率引上げの影響についてお尋ねがありました。

 前回の2014年4月の消費税率引上げの際には、耐久財を中心に駆け込み需要と反動減といった大きな需要変動が生じ、景気の回復力が弱まることとなりました。だからこそ、この間、我々はしっかりと3本の矢の政策を進めてまいりました。その結果、消費は、一国全体を捉えるGDPベースで見て、実質で2016年以降、前期比プラス傾向で推移し、2013年の水準を上回るなど、持ち直しています。

 来年10月に予定されている消費税率の引上げに当たっては、前回の3%引上げの経験を生かし、あらゆる施策を総動員し、経済に影響を及ぼさないよう全力で対応してまいります。

 社会保障の財源とその負担の在り方についてお尋ねがありました。

 社会保障の充実については、これまでも、消費税率の引上げに伴う増収により、持続可能性を確保しながら、待機児童の解消や低所得者の医療・介護保険料の軽減などを実施してきたところです。

 来年10月に予定する消費税率引上げに際しては、その使い道を見直し、半分を国民の皆さんに還元します。子供たち、子育て世代に大胆に投資することで、来年10月から幼児教育を無償化いたします。

 少子高齢化という国難に正面から取り組むため、お年寄りも若者も安心できる全世代型の社会保障制度へと大きく転換してまいります。

 なお、企業が収益力を高め、より積極的に賃上げや設備投資に取り組むよう促す観点から、成長志向の法人税改革に取り組んでまいりましたが、その中でも、租税特別措置の縮減、廃止等による課税ベースの拡大により、財源をしっかり確保しております。さらに、金融所得課税の見直し等を講じてきたところであります。

 今後の税制の在り方については、これまでの改正の効果を見極めるとともに、経済社会の情勢の変化等も踏まえつつ検討する必要があるものと考えています。

 インボイス制度の免税事業者への影響についてお尋ねがありました。

 インボイス制度は、複数税率の下において適正な課税を確保する観点から導入するものであります。

 他方、インボイス制度を導入すれば、免税事業者が取引から排除されるのではないかなどと懸念する声があるのも事実であり、政府としては、免税事業者が課税事業者への転換の要否を見極めながら対応を決めていただくよう、インボイス制度の導入までに4年間の準備期間を設けるとともに、そこから更に6年間、免税事業者からの仕入れについて一定の仕入れ税額控除を認めることとしています。

 外国人材の受入れ拡充についてお尋ねがありました。

 技能実習制度は、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う人づくりに協力することを目的とする制度ですが、一部の監理団体や受入れ企業において労働関係法令違反や人権侵害が生じている等の指摘があることから、制度を見直し、昨年11月に技能実習法が施行され、制度の適正化を図っているところです。

 新たな受入れ制度は、深刻な人手不足に対応するため、現行の専門的、技術的分野における外国人の受入れ制度を拡充し、真に必要な業種に限り、一定の専門性、技能を有し、即戦力となる外国人材をわが国に受け入れようとするものです。

 受入れに当たっては、日本人と同等の報酬をしっかりと確保するとともに、社会の一員としてその生活環境を確保するため、現在検討を進めている外国人材の受入れ・共生のための総合的対策をしっかり実行に移し、在留のための環境整備について関連施策を積極的に推進することとしております。

 LGBTに関する発言についてお尋ねがありました。

 ご指摘のとおり、LGBTと言われる性的少数者に対する不当な差別や偏見はあってはならないことであります。多様性が尊重され、全ての人がお互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を享受できる共生社会の実現に政府としてしっかり取り組んでまいります。

 国会招致と証人喚問についてお尋ねがありました。

 行政プロセスが公正公平に行われたかについては、引き続き政府においてしっかりと説明責任を果たしてまいります。その上で、国会の運営については国会がお決めになることだと思います。

 日米物品貿易協定交渉についてお尋ねがありました。

 これまでわが国が結んできた包括的なFTAでは、物品貿易に加え、サービス貿易全般の自由化を含むものを基本とし、さらに、知的財産、投資、競争など、幅広いルールを協定に盛り込むことを交渉を開始する段階から明確に目指してきました。

 しかし、今回の日米共同声明では、サービス全般の自由化や幅広いルールまで盛り込むことは想定しておらず、その意味で、これまでわが国が結んできた包括的なFTAとは異なるものと考えています。

 他方、FTAについて国際的に確立した定義が存在しないことも事実であるため、言葉遣いの問題として、今回の交渉についてFTAの一種ではないかとのご意見があることは承知しています。

 そうした中で、私が、これまでFFR協議について、FTA交渉でもFTAの予備交渉でもないと申し上げてきた最大の理由は、国内の農林漁業者の皆さんにTPP以上の関税引下げが行われるものではないかとの懸念があったためであり、農林水産業は必ず守り抜くとの思いから申し上げてきたものであります。

 そして、今回は、日米共同声明において、農林水産品については過去の経済連携協定で約束した内容が最大限である、この大前提を米国と合意しました。この点が最大のポイントであり、この前提の上に今後米国と交渉を行い、わが国の基である農林水産業を必ずや守り抜く決意であります。

 沖縄における選挙結果、国土交通大臣による執行停止決定、普天間飛行場の返還についてお尋ねがありました。

 選挙の結果については真摯に受け止めています。その上で、地方自治体の首長選挙の結果について政府の立場で見解を述べることは差し控えたいと思います。

 沖縄防衛局が行った審査請求及び執行停止の申立てについては、公有水面埋立法の所管大臣による国土交通大臣により、関係法令にのっとり執行停止の決定が行われたものと承知しています。これは、法治国家として法律に基づき必要な法的手続が行われたと認識しており、これを尊重すべきものと考えています。

 住宅や学校で囲まれ、世界で1番危険とも言われている普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければなりません。これが大前提であり、政府と地元の皆様の共通認識であると思います。

 普天間飛行場を移設した上で全面返還するとの方針は、米国政府との間で累次にわたり確認しているものです。

 政府としては、現在の日米合意に基づき、抑止力を維持しながら、普天間飛行場の1日も早い全面返還を実現するため、全力で取り組んでまいります。

 今後とも、地元の皆様のご理解を得る努力を続けながら、沖縄の皆様の心に寄り添い、基地負担の軽減に一つ一つ結果を出してまいります。

 防衛白書の記述についてお尋ねがありました。

 防衛白書におけるわが国を取り巻く安全保障環境に関する記述は、様々な情報を総合的に分析、評価した上で、極力客観的な記述に努めたものと考えています。

 また、北朝鮮に関しては、金正恩委員長が朝鮮半島の完全な非核化に向けた意思を改めて文書の形で明確に約束した意義は大きいとも記述していると承知しています。

 いずれにせよ、歴史的転換を無視しているとのご指摘は当たらないものと考えております。

 米国製装備品に関するトランプ大統領とのやり取りについてお尋ねがありました。

 本年9月に行った日米首脳会談において、私から、米国製の防衛装備品を含め、高性能な装備品を導入することがわが国の防衛力強化のために重要であると考えている旨をトランプ大統領に説明したところです。

 日米首脳会談のやり取りの一つ一つについてお答えすることは差し控えたいと思いますが、防衛装備品の導入については、五か年計画である中期防衛力整備計画に基づき、米国製の防衛装備品を含め計画的に取得しており、今後とも、わが国の主体的な判断の下、防衛力の強化を行っていく考えです。

 イージス・アショアについてお尋ねがありました。

 わが国の防衛を考える上で、わが国を射程に収める数百発の弾道ミサイルが現実に存在するという事実から目を背けることはできません。

 防衛装備品については、事態が切迫してから取得しようとしても数年間という長期間を要します。国民の命と平和な暮らしを守ることは政府の最も重要な責務であり、いかなる事態にも対応し得るよう、平素から万全の備えを取ることは当然のことであると考えています。

 イージス・アショアは、あくまでもわが国の主体的な判断により導入を進めているものです。

 また、弾道ミサイルから国民の生命、財産を守る純粋に防御的なシステムであり、周辺諸国に脅威を与えるものではありません。地域情勢を悪化させるとのご指摘は当たらず、導入を中止することは考えていません。

 もとより、イージス・アショアの配備に当たっては、地元の皆様のご理解をいただくことが大前提であり、様々なご懸念やご要望について一つひとつ丁寧に対応していく考えです。

 北東アジア外交と憲法についてお尋ねがありました。

 6月の歴史的な米朝首脳会談によって、北朝鮮をめぐる情勢は大きく動き出しています。この流れに更なる弾みを付け、日米、日米韓の結束の下、国際社会と連携しながら、朝鮮半島の完全な非核化を目指します。

 同時に、国民の命と平和な暮らしを守ることは政府の最も重要な任務であり、いかなる事態にも対応し得るよう万全の備えを行ってまいります。

 憲法改正の内容について、私が内閣総理大臣としてこの場でお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。

 その上で、お尋ねですので、あえて私が自民党総裁として一石を投じた考えを改めて申し上げるとすれば、現行の憲法第9条第1項及び第2項の規定を残した上で、自衛隊の存在を憲法に明記することによって、自衛隊の任務や権限に変更が生じるものはないと考えています。

 他方、現在、自民党の党内において行われている憲法改正をめぐる議論の状況や方向性についてお答えすることは差し控えたいと思います。

野田氏側への漏えい問題 
山下・本村氏 閉会中審査を要求

 日本共産党の山下芳生参院議員は26日、野田聖子総務相の事務所による金融庁への説明要求に関し、同庁が朝日新聞から情報公開請求を受けたことを開示決定前に野田氏側に伝え、さらに野田氏が第三者に漏らしていた問題について、総務省、金融庁の担当者から国会事務所で説明を受けました。同日、山下氏と本村伸子衆院議員は、衆参両院総務委員会の委員長に対し、この問題で閉会中審査を行うよう求めました。

続きを読む

与党に偏る国会運営 野党が伊達参院議長不信任案 
参院本会議  山下氏討論

 
photo

 日本共産党の山下芳生議員は19日の参院本会議で5野党・会派提出の伊達忠一参院議長不信任決議案への賛成討論に立ち、伊達議長の与党に偏った異常かつ強引な国会運営を厳しく批判しました。

続きを読む